寝て起きたら暗黒期!?ベルくんに会うまで死にたくねー! 作:お米大好き
*設定は殆ど活かせていない模様。
「・・・赤い・・・・シルバーバック・・・?」
「グゥゥゥゥゥ!!」
知らない......俺はあんな
原作にもゲームにもあんなのはいなかった。
今の攻撃で左腕にヒビが入った。
(う"っ、こいつ…LV.2の上位……いや……LV.3はあるかもしれない……)
俺はこの
「グガァァァァ!!」
(こっちに向かってくる?!)
「く、来るなぁ!!」バァ
シルバーバックは俺に向けて右拳を振りぬく。
それを刀でガードするもLV.1の俺には防ぎ斬る事などできず数メートル後ろに飛ばされ地を転がった。
パリン
「アガッ————」
今の一撃は俺を心を折るのに十分だった。
(う"ぅ"ぅ"——刀と左腕が折れた、さっきとは威力が桁違いだ———確実に俺を殺しに来ている———)
「グゥゥゥゥゥ!!」
シルバーバックは再び俺に向かって走り出した。
いやだ死にたくない……死にたくない…。
「うぅぅ…逃げないと…殺される……」
「グヴゥゥゥ!!」
シルバーバックは動けない俺にトドメを刺そうと再び右腕を振り下ろした。
「来るなぁ…来るなぁぁ!誰か助け———「大丈夫だよ…タクトくん……」
ガキィン
「……アーディ…さん…」
振り下ろされたシルバーバックの拳をアーディさんが剣で受け止めていた。
「ごめんね…巻き込んじゃって…あとは任せて、少し休憩したら元気になったから……」
嘘だ………駆け出しの俺でもわかるアーディさんはもう戦える状態じゃない………。
「グガァァァァ!!」
シルバーバックは突然現れたアーディさんに驚いたのか数メートル後ろにジャンプした。
シルバーバックはアーディさんを警戒しているのか近づいてこない。
(どうしよう……距離とられちゃった……困ったな、勝てそうにないや)
「ねえ、タクトくん………私の最後のお願い……聞いてくれる?…」
「最後の……お願い……って———「逃げてほしいな」
「ッ!………」
「私には…もう逃げるだけの体力は残ってないんだ…」ドサ
アーディさんは膝をつき俺の目を見て告げる。
「私が囮になるから……君だけでも生き延びて……」
アーディさんはいつもの笑顔でそう言った。
(どうして……どうしてこの人はこんなに他人を思いやるができるんだ)
(俺は……シルバーバックが現れてから逃げることしか考えなかった)
(アーディさんのことなんて頭のどこにも無かった)
(それなのに………どうして、どうしてあなたは——)
どうして………こうなった。
俺はアーディさんのように死ぬ覚悟なんてできない。
俺はアーディさんに守られていい人間じゃない。
シルバーハックは絶対に俺たちを見逃したりはしない。
どちらが囮になっても最後には2人とも殺される。
(ダメだ、プラス方面に思考が働かない……どうせ死ぬなら…)
「アーディさん」
どうせなら。
「どうしたの?」
貴方に全て。
「聞いてほしい事があるんです……」
話そうと思います。
「この状況で?……」
「はい、
「そうだね……少しくらいなら……」
俺はこの世界でアストレア様しか知らない事を話し始めた。
「アーディさん、俺は別世界の人間なんです」
「え?」
「ここは俺の世界にあった物語の世界なんです」
「ちょ、ちょっと待って……私の思ってたのと全然違う展開になってるから!」
「俺は神様のミスで死んでこの世界に来たんです」
「ちょ……ちょっと理解が追いつかないよ!タクトくんさっき飛ばされた時、頭打った?!」
「アーディさん、初めて俺と会った時どう思いました?」
「え?急だね……アストレアファミリアに面白そうな人が入ったなーって思ったよ……」イテテ
「俺はアーディさんと初めて会った時………身勝手な理由で貴方が生きていることに絶望しました」
「え?どうして……」
「正確には少し違うんですけど、それでも俺はアーディさんが生きているのを悪いものと考えるような酷いやつなんです」
「……タクトくんの言っていることがいまいち理解できないよ……」
「それにタクトくんはそれを私に話してどうしてほしいの?」
「死ぬ前に謝りたかったんです……ごめんなさい…って」
「俺は貴方に救われる価値なんてな———「君から見た私はどうか知らないけど、私から見た君はいい人だよ」
「な———」
「危ないってわかったても君は
「ちが!それは———「違くないよ、君が私を助けに来たのは真実なんだから!」
「それでも認めたくないならリオンの言葉を借りて言ってあげる!タクトくんは尊敬に値するヒューマンだよ!」
「君から見て初めて会った時は酷かったのかもしれないよ?でもね、今の君は違うんでしょ?」
「今の君から見て、私はどう見えているの?」
ああ、やっとわかった気がした、俺が何故何も考えずここに来たのか。
何故自分よりLV.の高い相手に挑めたのか。
「……とても……大切な友人です……」
俺はこの人が好きなんだ。
失いたくない、笑っていてほしい。
何だか心が軽くなった気がする、
「うんうん!正直でよろしい!過去なんて見ずに今を見よう!」
「……この状況でですか?」
「あ…あはは……」
(この気持ちが友人としてなのか異性としてなのかはわからない、それでも俺はこの人を守りたい!)
流石に話し込みすぎたのだろう、シルバーバックは今にも襲いかかってきそうだ。
「アーディさん、武器を貸してください」
「な!ダメだよ、私が囮になるからタクトくんは逃げ———「俺を信じてください」
「信じられませんか?」
「うぅ〜、ずるいなぁその言い方」
アーディさんはそう言いって武器を貸してくれた。
俺はこの世界に来る前の願いを思い出した。
「アーディ10秒間耳を閉じててください」
「・・・」サッ
この人本当や適応力高いな。
「ふぅ〜………クソ猿ゥゥゥーー!!」
「俺は死ぬわけにはいかねーんだよ!、ベルくんに会うまで!原作の続きを見るまでなぁぁー!!」
俺は原作で一番好きな名言を思い浮かべ、叫んだ
『もし英雄と呼ばれる資格があるとするならば、剣を取った者ではなく、盾をかざした者でもなく、癒やしをもたらした者でもない。己を賭した者こそが英雄と呼ばれるのだ』
『仲間を守れ。女を救え、己を賭けろ。折れても構わん。くじけても良い。おおいに泣け。勝者は常に、敗者の中にいる。願いを貫き、想いを叫ぶのだ』
『さすれば、それが、一番、格好のいい男だ!!』
「.......俺は今日....初めて冒険をする...!!」
「【千鳥】!」チチチチ
俺は右手に剣を持ち、折れた左手に千鳥を発動した。
こう言う展開が最高に好き。