寝て起きたら暗黒期!?ベルくんに会うまで死にたくねー!   作:お米大好き

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薬を飲むときは説明をよく読もう。

 

 

 

 

「やべぇ……まじで暇すぎる」

 今日で入院してから5日目だ、あと2日もありやがる

 

 

 

 もうそろそろ入院生活に飽きてきた。アリーゼやアーディさんが時間潰しように本を持ってきてくれてるけど、俺文字を解読するのに精一杯だ。

 

 

「本当っすよ〜!何か面白い事でも起きないっすかね〜」

 ラウルも退屈そうだ。

 

 

 この世界に来てからというもの、毎日が刺激的過ぎた。だからこの入院生活を退屈に感じるのも仕方ない。よね?。

 

 

 

「そう言えば今日のデイリーってなんだろ」

 

 

 俺がそう言うとラウルは首を傾げる。

 

 

 

[病院の外に出よう] 報酬、器用+15、耐久+10、入院期間の延長

 

 

 

[カジノにいるライラと勝負をしよう] 報酬、幸運のお守り、入院期間の延長

 

 

 

[好みの女性について語り合おう] 報酬、全アビリティカンスト薬

 

 

 

 

 なんじゃこりゃ?上二つ…報酬が入院期間の延長って…外には出ない方が良さげだな。

 

 

 出来そうなのは三つ目…好みを語るって…どうしろと? アリーゼ達に話せるわけねぇし、俺この世界で男の知り合い……ラウルがいたか…。でも他のファミリア、それも知り合ったばっかの奴と話すのは流石にキツい。

 

 

 

 でも今回の報酬は絶対に欲しい…んん…

 

 

 

 

 

 

やるしかねえな!

 

 

 

 

「本当にする事がないっすねぇ〜」

 

 

 

「ラウル!好きな女性のタイプってどんなだ!」

 

 

「えっ急になんすか!?」

 

 

「人助けだと思って!」

 俺は適当に話を持ちかけた。こういうのは勢いが大事だと思う。

 

 

 

 ラウルは少し考えた後答えた。

 

 

「そうっすね……料理が出来る子っすかね?後は可愛い子がいいっす!」

 

 

 ふむ……なんとも普通な回答が返ってきた。これはこれで返答に困るな。

 

 

 

「なんと言うか…普通だな。もっとこう……無いのか?」

 

 

 

「んんー、例えばなんすか?」

 

 

 

「巨乳が好きとか、ケモ耳が良いとか、幼女は正義だとかさ」

 

 

 

「それタクトの趣味じゃないっすか?」

 いや、確かにそうなんだけど……

 

 

 

 否定できない自分がいる。

 

 

「うぐっ……いや、でも巨乳が好きと言うわじゃ……」

 

 

 

「そう言えば昨日見舞いに来てくれてた人と話してたっすよね?触ったとか感触がどうとか」

 

 

 

「なっ…聞かれてたのか…」

 俺は胸を触った時の感触を思い出す。

 

 

 うん、悪くなかった。むしろ良い。

 

 

 

 しかし、それを口に出すと変態扱いされるだろう。現に俺がされたからな! だが、あの時、アリーゼの胸を揉んだのは不可抗力であって……

 

 

 決して俺が望んでやった訳では……

 

 

 俺が言い訳をしていると、ラウルは俺の肩に手を置いた。その顔はまるで哀れんでいるような表情だった。

 

 

 

「その目をやめろ!別に性癖というわけじゃな——」

 俺は必死になって弁解する。

 

 

 

 直後、病室の扉がガタッ、と音を立てたが誰も入って来ることはなかった。

 

 

 

「自分も答えたんすから、タクトも答えるっすよ?」

 

 

「えぇ……」

 

 

 

(いざ自分の番になると恥ずかしい…でも、言わないとデイリー達成にはならない…)

 

 

 

「えっと……明るい人がタイプ…だ」

 

 

「ほぉ〜、他には?」

 ラウルはニヤッと笑みを浮かべた。

 

 

 

「……年上」

(クリア通知ィィ!早く来てくれ!)

 

 

 

「ほほう……その心は?」

 

 

「……甘えたくなる」

 

 俺はボソッと答えた。

 

 

 

「なるほど〜っす」

 ラウルは腕を組んで何かを考える仕草をする。

 

 

 そして、すぐに口を開いた。

 

 

 

「見舞いに来てくれた人の中で誰が1番好みっすか?」

 

 

 

「はぁ!?」

 

 

 

「いいじゃないっすか!男同士なんすから!」

 

 

 

「いや、まあ、そりゃあ……」

 

 

 

 

 

(通知が来ない…話せってか…)

 

 

 

「やっぱりアリーゼさんっすか?それともアーディさんっすか?まさかとは思うっすけどライラさんなんて事はないっすよね!?」

 

 

 

「なんでそんな食い気味なんだよ!?」

 

 

 

「だって気になるっすもん!」

 ラウルは目を輝かせている。

 

 

 

「えぇ……まじで言わせるの?」

 

 

 

「勿論っすよ!」

 ラウルは満面の笑みだ。

 

 

 

(クリア通知こねぇ……言うしかねぇか…)

 

 

俺は観念した。

 

 

 

「……アリーゼだよ」

 

 

 

「……え…ちょ」

 ラウルは目が点になっている。

 

 

 

「なんつーか……優しいし、世話してくれるし、面倒見も良いし……あとは一緒にいて落ち着くかな?」

 

 

 

 俺がそう言った瞬間、扉の向こう側から

 

 

 ガタガタッ

 

 

と音が聞こえた。

 

 

 

「ん?何だ、今扉揺れなかったか?」

 

 

「…ごめんっす…本当に言うとは思ってなかったっす…」

 ラウルは申し訳なさそうな顔をしている。

 

 

 

「なんだよ?俺なんか変なことでも言ったか?」

 

 

 

「いや、そうじゃないんすよ!ただ……」

 ラウルは言葉を詰まらせた。

 

 

 

「ただ……なんだ?」

 

 

 

「いや……なんでもないっす」

 ラウルは誤魔化すように笑っている。

 

 

 

「……んん?」

 俺は首を傾げる。

 

 

 

「……どうしたっすか?急に変な声出して」

 

 

 

「いや、なんか違和感があってさ」

 

 

 

「違和感っすか?例えばどんなっすかね?」

 

 

 

「なんだろう……こう……上手く言えないんだけど、誰かに見られてるような感じがするんだ」

 

 

 

「へ、へぇ〜」

 

 

 

「ん?何か知ってるのか?」

 

 

 

「い、いえ、何も知らないっすよ?」

 ラウルは冷や汗を流しながら否定した。

 

 

 

「そうか……なら良いんだけど……」

 

 

 

「そ、それより!自分ちょっと疲れたんで寝ることにするっす!」「えっおい!まだ話は終わってな——」

 

 

 

 ラウルは俺の話を聞かずにベッドに潜り込んだ。

「おやすみっす……」

 

 

 

「あっ、ああ……」

 ラウルはそのまま眠りについた。

 

 

 

(あいつ……絶対なにか隠してるな……)

 俺はそう思いつつも、特に追求することはしなかった。そして俺はデイリー達成報酬の確認をした。

 

 

 

 

【デイリーミッション達成】

・[好みの女性について語り合おう]

報酬、全アビリティカンスト薬

 

 

「おお、きた!」

 

 

 

 俺の手元に少し小さめの薬液瓶が1つ現れた。

 

 

 

「栄養ドリンクみたいだな…っと、飲む前にトイレ行っとくか」

 

 

 

 俺は立ち上がり入口のドアを開けた。すると目の前には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顔を真っ赤にしたアリーゼの姿があった。

 

 

 

 

「……あ」

 俺は瞬時に理解した。

 

 

 アリーゼが扉の前にいたこと。

 

 

 ラウルはそれに気づいていたこと。

 

 

 そして先程の会話が聞かれていたこと。

 

 

 その全てを一瞬にして理解してしまった。

 

 

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

 

 2人とも沈黙が続く。最初に口を開いたのはタクトだった。

 

 

 

 

「……あの、今の聞いてた?」

 俺は恐る恐る聞いた。

 

 

 

「……」

アリーゼは小さくコクリと首を振る。

 

 

 

「……」

 再び沈黙が流れる。

 

 

 

「……忘れて下さい」

 俺は頭を下げた。

 

「……」

 アリーゼは何も言わず部屋に入って来た。

 

 

 

「……さっきの話は本当?」

 

 

 

「……はい」

 俺は正直に答えた。

 

 

 その瞬間、アリーゼの顔がまた一段と赤く染まった。そして、その頬は嬉しそうだった。

 

 

 だが、すぐに我に帰ったようでいつも通りの表情に戻った。しかし、耳まで赤いことに変わりはなかった。

 

 

 

「……タクト」

 

 

「はい」

 

 

「……私のどこが好き?」

 アリーゼは真剣な眼差しを向ける。

 

 

 

「……全部です」

 

 

 

「えぇ!?」

 

 

 

 アリーゼは顔を手で覆う。指の間から見える顔はトマトのように真っ赤になっている。

 

 

 そして、そのまま動かなくなってしまった。

 

 

 数秒後 アリーゼはゆっくりと手を退けそして、恥ずかしそうに微笑んだ。

 

 

 

 俺は思わずドキッとした。

 

 

 普段とのギャップもあり余計に可愛らしく見えた。

 

 

「でもタクトはアーディの事が好きなんじゃないの?」

 

 

(うぐっ……)

 俺は返答に困ってしまった。確かに俺はアーディさんの事も好きだ。

それは揺るぎのない事実だ。

 

 

 だが、この気持ちを伝えるわけにもいかない。

 

(どうしよう)

 悩んだ。嘘をつくことも考えたが、すぐにバレるだろうと諦め、そんな時、ふと思いついた。

 

 

 

 ここは異世界だ。ならば選択肢は…これしかない。

 

 

 

 これは俺なりのケジメだ。俺は深呼吸をする。

 

 

 そして、真っ直ぐにアリーゼの目を見つめ、俺は自分の本当の気持ちを伝えようと思った。

 

 

 今まではずっと心に秘めてきた。でも、もう迷わない。

 

 

 俺は意を決して口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハーレムって許されるかな?」

 

 俺は真剣な眼差しで問いかける。

 

 

 

「……は?」

 アリーゼは呆気に取られている。

 

 

 

「…俺も男の子だし?やっぱりハーレムとか憧れたりするんだよ……」

 俺は照れ臭くなり頭を掻いた。

 

 

 

「えっ、いや、ちょっ、何言ってるのよ!?さっきまでのシリアス展開返して!!」

 

 アリーゼは突然大きな声を出した。

 

 

 

「……はい?」

 

 

 

「いやいや、おかしいでしょう!さっきまでの空気はなんだったのよ!」

 

 

 

「い、いや、だって……ハーレムは男のロマンだろ?男なら一度は夢見るはずだ」

 俺は熱弁した。

 

 

 

「そ、そうかもしれないけど……私はそういうのじゃなくて……もっとこう……誠実な人がいいわ!」

 アリーゼは俺を睨みつける。

 

 

「……」

 

 

 

「な、何か言いなさいよ……」

 

 

 

「いや、なんか……ごめん……」

 

 

 

「べ、別に謝らなくても良いんだけど……」

 

 

 

「……」

「……」

 気まずい沈黙が流れた。そして俺は今更ながらに後悔していた。

 

 

 

(やっちまったぁ……)

 俺は頭を抱えて俯く。すると、アリーゼはため息をついた。

 

 

 

「まあいいわ。タクトらしいと言えば、らしいのかしらね」

 アリーゼは優しく微笑む。

 

 

 

「……」

 俺は黙り込んだ。

 

 

 

「……私、貴方の事が多分好きなの」

 アリーゼは静かに話し始めた。

 

 

 

「多分?」

 俺は首を傾げる。

 

 

「うん、多分」

 アリーゼはもう一度肯定する。

 

 

「多分ってどういう事だ?」

 

 

 

「まだよく分からないの。貴方と一緒にいると楽しいし、一緒にいて落ち着くの。それにドキドキしたりもするわ」

 

 アリーゼは淡々と話す。

 

 

 

 だが、その表情からは恥ずかしさが滲んでいるように見えた。

 

 

 

 俺はアリーゼの言葉を待った。

 

 

 そしてアリーゼは小さく深呼吸をし、まっすぐ俺の目を見る。

 

 

 

 俺は目を逸らすことが出来なかった。

 

 

 

 アリーゼは少し顔を赤らめながらも笑顔を見せ、

 

 

 

「だから……これからはタクトのことを沢山教えて?」

 微笑みながらそう言った。

 

 

 

「…勿論だ」

 それに対して俺は力強く答える

 

 

「ところで、さっきの話だけど」

 

 

「ん?」

 

 

「タクトの性癖が——「俺ちょっとトイレ行ってきます!」

 

 

 

 俺は慌てて部屋を出る。

 

 

 

「あーあ、行っちゃった」

 アリーゼは小さく呟いきそして再びクスッと笑った。

 

 

「……でも、可愛い顔してたな」

 アリーゼはタクトの後ろ姿を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 俺はトイレの中で悶え苦しんでいた。

 

 

 

「うぉおおお!!やっちまったぁああ!!!」

 俺は頭を抱えた。

 

 

「やばい、やばすぎるぞ。あんなこと言うつもりは無かったのに……」

 

 俺は先程の会話を思い出す。

 

 

「でも、仕方ないよな。ハーレムは男のロマンだし……」

 

 俺は自分に言い聞かせた。だが、冷静になって考えてみると、かなり恥ずかしいことを言っていた気がする。

 

 

(俺、なんて事を……)

 俺は頭を抱える。

 

 

 

 

「戻ったら一回謝ろう」

 俺はそう決意した。

 

 

 

 

 

 そして少しして部屋に戻ったのだが……

 

 

 

「あれ?」

 

 そこにアリーゼの姿はなかった

 

 

 

 

 俺は辺りを見回す。すると、机の上にメモ用紙が置かれていることに気がついた。

 

 

(もしかして怒って帰っちゃった?)

 

 

 

 

『タクトへ 飲み物を買ってくるわ』

 

 

 俺はそれを見て安堵の溜息を漏らす。

 

 

 

「よかったぁ……」

 俺はベッドに腰掛けた。

 

 

 

「ふぅ…濃い1日だ、ってそうだ忘れてた!」

 

 ポケットから薬液を取り出す。

 

 

「とりあえず飲んどくか」

 俺はそれを一気に飲み干した。

 

 

 

 直後、強烈な眠気に意識を持っていかれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めると外は既に真っ暗になっていた。俺は身体を起こす。

すると、誰かが俺の手を握っていることに気付いた。

 

 

 見ると、そこにはアリーゼベット横の椅子へと座っていた。

 

 

「えっ!?アリーゼ!?」

 俺は思わず声を上げる。

 

 

 

「あっ、起きた?」

 アリーゼは俺の手を握りながら微笑む。

 

 

 

「いや、なんでここに……」

 俺は状況が全く理解できなかった。

 

 

「なんでって、タクトのことが心配だったのよ」

 アリーゼは当然のように答える。

 

 

 

「心配?どうして?」

 俺は首を傾げた。

 

 

「だって、あんなことがあった後に変な空の瓶を握って寝ていたのよ?普通は不安になるわよ」

 アリーゼは呆れたように言う。

 

 

 

「あんなこと?…瓶?…」

 俺は記憶を辿った。しかし、自分が何をしていたのか思い出せない。

 

 だが、何故かとても幸せな夢を見ていたような気がする。

 

 

 俺にはそれが何なのか分からなかった。問いかけようとするとアリーゼは優しく微笑んだ。

 

 その笑みに俺はドキッとする。

 

 

 

(なんか今日のアリーゼいつもと雰囲気違くね?)

 

 

「あ、そうだ、タクトの握ってたこれって何の薬なの?私の知らない字よ」

 

 

 

 アリーゼはそう言って小ビンを見せてきた。

 

 

「何それ…ってこれ…日本語?」

 俺はアリーゼの持っている小ビンをよく見た。すると、ラベルのようなものが付いている事に気付く。

 

 

そして、俺はそこにある文字を読んだ。

 

 

 

(……はい?)

俺は驚きのあまり固まってしまった。

ラベルには日本語でこう書かれていた

 

 

 

アビリティカンスト薬

 

*注意

 

飲用後レベルダウン+使用日の記憶を喪失

 

 

 

 俺は自分の手の中にある薬をまじまじと見る。

 

 

 何だよこれ…。

 

 

 俺はアリーゼの方を見た。アリーゼは不思議そうな顔を浮かべている。

 

 

 俺は意を決してアリーゼに聞いてみた。

 

 

「アリーゼさん……つかぬ事をお伺いしますが、この薬の効能とか知ってます?」

 

 

 

 俺は恐る恐る聞く。

 

 

「ん?知らないわよ」

 

アリーゼはきょとんとした表情で言う。

 

 

(まじか…)

 俺はもう一度その小ビンを見る。

 

 

(どうしよう、これ)

悩んでいるとアリーゼが俺の顔を覗き込んできた。

 

 

「タクト?」

心配そうに俺の顔を見つめてくる。

 

 

「あ、ああ大丈夫だ。ちょっと考え事してただけだから」

 俺は慌てて取り繕った。

 

 

 

「ならいいんだけど……それで、結局これはなんなの?」

 アリーゼは再度質問をする。

 

 

 

「実は———」

 正直に話した。

 

 

 

 話を聞いたアリーゼは少し表情が曇った。

 

 

 そして、何かを考え始め、数秒ほど沈黙が続いたが、やがてアリーゼは口を開いた。

 

 

 アリーゼは真っ直ぐ俺の目を見てくる。俺はその目から目を逸らすことが出来なかった。

 

 

 

「ねえ、タクト。今の話、本当なのよね?」

 アリーゼは真剣な顔で言った。

 

 

 

「あ…ああ、本当だ」

 俺は一瞬戸惑ったが、すぐに答えた。

 

 

 

「そう……」

 アリーゼはそう呟いた。そして、再び考え始める。

 

 

 

 俺はその様子をただ黙って見ているしかなかった。

 

(一体何を考えているんだ?)

 

 

 俺はアリーゼの様子を窺う。すると、アリーゼは突然立ち上がり大きな声を上げた。

 

 

「よし!決めた!」

 

 

 

「えっ?」

 俺は思わず声が出る。

 

 

「私だけの秘密にするわ!」

 アリーゼは笑顔でそう告げた。

 

 

 

「秘密?どういうことだ?」

 

 

 俺は訳がわからず聞き返す。

 

 

 

「そのままの意味よ!それじゃあ私は帰るから!」

 アリーゼは力強く言う。

 

 

「ちょ、待てよ!」

 俺は慌てて引き留めようとするもアリーゼはそのまま部屋を出て行ってしまった。

 

 

 

 

1人残された俺は呆然と立ち尽くすしかなかった。

 

(えっ?マジでどういうこと?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病院の外

 

 

「タクトの馬鹿……」

 

 

 アリーゼは一人呟きながら帰路を歩いていた。

 

 

「何よあの薬……記憶なくなるなんて」

 

 

 

 呟くように不満を漏らす。

 

 

 

 そして、しばらく歩いたところで立ち止まり、アリーゼは空を見上げる。

 

 そこには満天の星が広がっていた。その星々を見ながらこれからの事を考える。

 

 

 

「タクトが私のことをあんな風に思っててくれたのも嬉しかったなぁ」

 

 

「でも忘れたってことはタクトはきっと……」

 そう言ってアリーゼは微笑んだ。

 

 

「私の気持ちには気付いていないんでしょうね」

 そして再び歩き出す。

 

 

 

「…絶対に振り向かせてみせるわ、私が一番目よ!」

 少女の顔からはもう迷いは消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その少し後青い服の少女と偶然すれ違い一悶着あるのはまた別のお話。






次から3章だよ〜。
次の更新1週間すぎるかもしれません。
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