寝て起きたら暗黒期!?ベルくんに会うまで死にたくねー! 作:お米大好き
「タクトくん?いったいどういう事かなぁ?」
後ろには顔から笑顔が消え去ったアーディさんが立っていた。
「………終わった」
「アーディ!久しぶりね!」
「アリーゼ久しぶり。で?タクトくん。隠してた事バレたけどどうするの?」
アリーゼへの返事を軽く流し、アーディはタクトへと詰め寄った。
「アーディがなんか冷たいわ!」
「………隠し事なんてしてないよ」
「まだ隠すんだ、バレてるのに?」
「ん?タクトは何か隠してるの?アーディ」
「うん……換金した金額が「アーディさん何でもします!だからそれ以上は!慈悲をください!」
アリーゼにバレるのだけはまずいと思いアーディに慈悲を望むもの今のアーディにはタクトに与える慈悲などなかった。
「ダメだよ?」
「慈悲を……慈悲をください……」
「アーディ!私にも教えて!タクトの秘密!」
「やめろ………やめてくれ……」
今のアーディに慈悲という言葉はなかった。
「アリーゼ…タクトくんの本当に稼いだ金額は3万4000じゃないんだ」
「・・・」
「え?もっと少なかったの?」
「その逆だよ……6万8千だよ」
「・・・」ダッ
タクトは無言でこの場を逃げ出したのだが。少し遅かった。
「………待ちなさい……タクト……」
タクトはアリーゼにしっかりと腕を掴まれ逃げる事は出来なかった。
「一度ホームに帰りましょうか、タクト」
「・・・」
「私もついて行きたいんだけど仕事があるから……任せたよアリーゼ」
「ええ、任せておいてアーディ、キツく叱ってあげるから」
「・・・」
「さあ、帰ったらじっくり聞かせてもらうわよ」
タクトはなすすべなくホームまで強制連行された。
———アストレアファミリア———
「・・・」
アリーゼから話を聞いたアストレアを含む全団員が食堂へと集まった。
「さあ、話しなさい?どうやって6万も稼いだのか!」
「・・・」
「小僧…どこまで潜ったか言えば良いだけですよ?」
「・・・」
「ユウギさん……答えなさい」
「・・・」
「タクト?怒らないから言ってみなさい?」
アストレアがそう言った時、タクトは答えた。
「………13階層です」
「「「「中層?!」」」」
「あらあら、思ってた以上に行っていたわね」
「……ごめんなさい」
「タクト!LV.1の貴方が中層なんて「アリーゼ、許してあげて」
アリーゼが激怒するもアストレアに止められる。
「な、なぜですか!アストレア様!」
「だって、怒らないって約束したんですもの」
「そ、それはアストレア様が!」
怒りで落ち着かないアリーゼだったがライラの二言によって落ち着きを取り戻す。
「団長さんよ、それは許してやろうじゃねぇか」
「な?!ライラまで?!」
「何も全部許せとは言ってねぇ
そう言ったライラにアリーゼはどういう事?と、言うふうにに聞き返した。
「中層の件?」
「ああ………おいタクト…お前まだなんか隠してんだろ」
「っ!……」
「LV.1が1人で中層に潜って6万も稼げるわけがねぇ」
「あ、本当だわ!流石ライラ!」
「団長以外はみんな気づいてたがな」
「「「「うんうん」」」」
「なっ、私だけ仲間はずれ……」
唖然とするアリーゼを無視してライラが話始める。
「で?何を隠してんだ?。お前がバレたくないのはそっちだろ」
「………正解だよ……」
「やっぱりな」
「ユウギさんは何を隠しているんですか?」
「今はまだ話せない。俺もまだ見定めている途中なんだ。……だから今は何も聞かないでほしい」
全員が何を言っているんだこいつは。っと思った。
少しの間沈黙が続き。最初に声を出したのはアリーゼだった。
「今はって事は近いうちに話してくれるのよね?」
「わからない。……早くても数ヶ月はかかるかも」
シオンのギルド登録条件はLV.3になるか暗黒期が終わるまで。それまでは少しでもバレるリスクを下げておいてやりたい。
「……今回だけ、今回だけ見逃してあげるわ」
「……アリーゼ」
「今回だけ!次はないわ!」.
「……ああ、ありがとう。アリーゼ」
どうやら見逃してくれるようだ。助かった。これで説教はない。タクトがそう考え始めた時だった。
「でも中層の件は別よ?」
「え?」
「タクトのどうしても隠したいことは見逃してあげる。でも中層の件は見逃さないわよ?」
「・・・」
説教。3時間コース、スタート。
——3時間後———
説教を終えたタクトは食事をとり。アリーゼと話をしていた。
「タクト、明日もダンジョンへ行くの?」
アリーゼがそう問いかける。
「んー。明日は多分行かないかなぁ」
「用事とかは?」
「ないぞ」
何でそんなことを聞くんだ?、……もしかしてまた訓練をするつもりなんじゃ……。
「なら、明日私と一緒に警邏するわよ!」
「え?……何で俺?」
「貴方もファミリアの一員なんだからあたりまえでしょ?」
「俺……用事を思いだ「用事はないって言ったわよね?」
アリーゼは勝ち誇ったようにそう言った。
「…俺、人見知り激しいんだ。だから「人見知りが激しい人がデイリーをこなせる?」
「・・・」
「諦めなさい?。何を言っても連れて行くわよ?」
どうやら拒否権はないらしい。アリーゼは一度決めると考えを変えない。今回は諦めて参加するしかないか。
「わかったよ。明日は参加する。」
「フフーン!それで良いのよ!」
こうしてタクトの初の警邏参加が決定した。
———???side———
ボロボロになった教会に1人。仮面を付けた男が立っていた。
「もう少しだ……あと少しで私の願いは叶う」
男は誰もいない教会で1人……何度もそう呟いている。
「もう少し……もう少しなんだ……」
そう呟く男の声はどこか悲しそうで。今にも消えてしまいそうなほどに小さな声だった。
「もう少しで……」
男の手には一枚の文字が書かれた紙が握られていた。古い物なのだろうか。文字は潰れて殆ど読めなくなっていた。ただ、下の方に書かれている文字は潰れているものの少し読み取ることができた。
【—戮者】
1人殺—ごと—全ステ——ス+10
このスキ——以外で—験値獲得不—
ス——タスカンスト時——階位昇—
最後わかりにくいかな?
アリーゼがタクトを見逃したのには訳あり。