寝て起きたら暗黒期!?ベルくんに会うまで死にたくねー! 作:お米大好き
言い訳だけど、38度出ると数日間何もやる気起きないよね。
コロナじゃないよ。
「お前……昨日アリーゼになんかしたか?」
そう言って距離を詰めて来たパルゥムの少女は少し表情が険しく…いや、怒っているように見えた。
そんないつもと違う雰囲気を纏っている少女にタクトは少し気圧され、一歩後ろに下がり、返事を返す。
「いや…何もしてないけど…」
ライラの聞きたい事は何となくわかる。今朝のアリーゼの様子はいつもと比べてみても明どこかおかしかった。
「本当に何もしてねぇのか?」
少女の声には少し怒気を帯びているように聞こえ、タクトを少し不安にさせる。
(いや、本当に何もしてない)
今日のライラ…なんか…怖え。それにどうして俺にアリーゼの事を聞くんだ?。俺がアリーゼと会ったのなんて昨日の出かける前と今日起きた時ぐらいだ。
「…ライラが俺に何を思っているのか知らないけど、アリーゼについてはマジに何も知らん」
「・・・」
タクトの返事を聞いたライラは口を閉じ顎に手を当て何かを考え始める。
「昨日俺がアリーゼと会ったのは朝出かける前だけだ」
俺はダンジョンから帰宅後すぐ部屋戻って寝たし。帰ってからもアリーゼと会ってねぇ。
タクトがライラへとそう告げると再び少女が話始める。
「…リオンの奴が言うには昨日アリーゼはお前の跡をつけていたらしい」
「アリーゼが俺の跡を———っ」
ライラの一言でタクトはアリーゼの現状を少し理解する。
アリーゼの奴
『…はぁ…
もしかして
『正直隠し事の内容を知った時は説教しようと思ったのだけれど、気が変わったのよ。今回だけは見逃すわ』
あの場所に居たのか?、なら昨日の話を聞かれて…それで———「その表情…心当たりがあるようだな。タクト」
やべ…顔に出てた?……どうしよう、話すべきか?…でも話したところで信じてもらえるのか?
未来の俺が助言をしに来たなんて。
「さっさと教えな、昨日何があったか。気になってしょうがねぇ」
話す…か?。でも場所が悪すぎる。なら。
「…ホームに帰ってからじゃダメか?」
ホームに帰ってからならアストレア様を話に混ぜて嘘じゃないと証明ができる。それに直接アリーゼから聞くことも可能だ。
幸い近くに他の冒険者は居ないが、こんな誰が聞いてるかもわからない場所で話していい内容じゃない。
「…今話せよ」
「…多分…話しても簡単に信じてもらえる内容じゃない。だから今日の夜ホームでアストレア様を混ぜて話さないか?。…それにこの話を他の冒険者に聞かれるのは避けたい」
俺がそう話すとライラは再び何かを考え始め、その後、少しして口を開いた。
「…ホームで話すって考えには賛成してやる、アストレア様を混ぜるって事はそれだけやべぇことなんだろ。ただ一つ聞かせろ」
「…答えられる内容なら」
ライラの後ろ、奥の方に人影が複数見える。時間的に他の冒険者がダンジョン探索に来たのだろう。多分これが今答えられる最後の質問だ。
何が聞きたいんだ?。
「アリーゼを傷つけたのはお前かどうかだ」
え?、何の話?それ。
「…傷つけた?…」
今朝アリーゼの様子は変だったけど、別に怪我なんかしてなかったぞ?。
「その様子だと、何も知らなさそうだな……ならいい、今日ホームに帰って来たらお前の隠してる事全部話してもらうから」
そう言ってライラは振り返りダンジョンの外へと歩いて行った。
「……えぇ…」
マジに昨日アリーゼに何があったんだよ。
[12階層]
「遅くなってすまねぇな」
12階層に着くなりタクトは階層の入口で待っていたシオンへと声をかける。
「お!やった来たかタクト!。で、新技って言ってたけどなんか思いついてんのか!?」
新技という言葉にテンションを上げていたシオンはタクトが来るなり詰め寄り、新技について聞き出そうとする。
「まあ、落ち着け。いくつか考えてる、ただ本当に出来るかはわからん」
「おお!!それでもいい!!今すぐ試そう!!」
「ああ、まずは———」
[1時間後]
「タクトォ!!出来たぞぉ!!」ゴオォォ
「な!?早えよ!!俺まだ出来てねぇ!!」チチチチ
[2時間後]
「ふっ、今度は俺の方が早かったようだね。シオンくん」バシュ
「負けたぁ!!…出来た!!」ビュン
「なっ…もう少し時間かけろよ…まあいい。次は合わせ技だ」
「合わせ技!?」
「おう、俺の魔法とお前の魔法を合体させる」
「合体!?よし!今すぐやろう!!」
[2時間後]
「…ハァ…ハァ……時間がかかったができたぁ。右手痛え」
「…ハァ……すげぇ威力。でもよタクト…左手めっちゃ痛え」
「…ふぅ…仕方ねぇよ、強力な技には代償が付きもんだ」
「んー。それもそうだな!」
「よし、次ィ」
[30分後]
「イッテェェ!?足ガァァァ!!」
「タクトォォォ!?」
[1時間後]
「だからやめとけって言っただろタクト!!」
「やってみたかったんだよ…今は反省してる」
「最後の技は禁止だ!!戦闘中に使えねぇよ!!」
「まあ、そう怒るなって…新技の開発はここまでにしよう。後は技の練度を上げるぞ」
[1時間後]
「技の練度上げるって言ったのタクトだよな?」
「どうしよ…これどうしよ…」バヂバヂバヂ
「何でまだ新技作ってんだよ!?てかそれどうにかしてくれ!!危なっかしい!!」
「や、やばい。千鳥解除しても消えねぇ!?」バヂバヂバヂ
「なぁ!?って、タクトぉ!?足焼けてる!?」
「熱ィィィィ!?」
[30分後]
「ふぅ、後は技名だな」
「何もなかったみたいな雰囲気を出すなぁ!!足大丈夫なのか!?」
「おう、まだ痺れてるが問題ねぇ。多分途中で千鳥を解除したのが原因だな」
「次からは気をつけてくれよ。タクトぉ」
「ああ…で、技名どうする?シオン」
「技名……んー、思いつかない、タクト任せた」
「…少しは考えろよ」
[1時間後]
——ダンジョンの外——
新技の開発を終えたタクト達はゆっくりと帰路を歩いていた。2人がダンジョンから出た頃、外は少し暗く街灯に灯りが付いていた。
「…やっと外に着いた。……エレベーターをくれ」
「…無茶言うなよタクトぉ…」
新技の開発や戦闘でマインドが底をつきかけている2人はかなり疲れ切っていた。
「…魔石の換金は明日にしよう…今にも気を失いそうだ」
「…おう、それじゃあタクト…俺はこっちだから。また明日もよろしくな」
そうタクトへ返事を返しシオンはフラフラしながら街の中へと消えて行った。
「…俺も帰らねぇとなぁ、…しんど——「今日は結構長く潜っていたのね」
タクトが再び帰路を歩こうとした時、後ろから声を掛けてくる人物がいた。
「…この声、アリーゼか…」
声のする方へ振り返ると、少し笑顔のアリーゼが後ろに立っていた。
「そうよ♪、警邏の帰りに偶然タクトを見つけたの、ってどうしたの?すごい疲れてるみたいだけど」
「…魔法の使い過ぎでマインドダウン寸前…ヘルプ」
俺がそう言うとアリーゼは少し…いや、かなり真剣な表情で聞いてきた。
「マインドダウン寸前…タクトが魔法を使う程の敵。何があったの?」
「ダンジョンの帰りに…モンスターと戦闘したんだよ」
ダンジョンの帰り、シルバーバックを見つけたタクト達は魔法を使用し視界に入ったシルバーバックを全て始末していた。主にタクト。
戦闘音を聞きつけたモンスター達をシオンが片付け、その結果2人ともマインドダウン寸前まで追いやられたのだった。
「…タクトが魔法を使用する程のモンス——その足どうしたの!?」
激しい戦いをしたと勘違いしたアリーゼがタクトを観察していると、足が少し焦げているのを見つけ、悲鳴にも近い声でそう言った。
「…少し、無茶してな…」
(調子乗って新技試してたら制御できなくて怪我しちゃった)
「無茶って…ま、まあいいわ!ホームに帰りましょう!!ポーションが必要よ!」
そう言ってアリーゼはタクトを連れ帰ろうと腕を掴む。
「…ちょっと待って…俺今、走れな——「なにこれぇ!?」
タクトの右手を見て再びアリーゼが悲鳴に近い声を上げる。
「左手傷だらけじゃない!!切れて…いや、裂けてる!?何があったの!!」
「…ん?、これは…魔法で付いたんだよ…」
(シオンと魔法の合わせ技を試してたら左手から腕にかけて少し裂けた、ポーションは勿体無いから少ししか使わなかった)
「魔法で…相手はモンスターだけじゃない?…まさか」
「…どうした?」
「タクト…魔法を使った相手は生きているの?それとも殺したの?」
え?、何言ってんのこいつ、俺がシオンを殺すわけねぇだろ
「…いや、殺せるわけねぇだろ…」
そう返事を返すとアリーゼは下を向きながらぶつぶつと独り言をし始める。
「…それもそうか。アーディから貰った情報だと相手はレベル3。レベル1のタクトが勝てる相手じゃない…見逃された?何故?。タクトを狙ったと言う事はやはり腕を斬り落とされた事を根に持っているって事。なのにどうして見逃したりなんか」
何の話をしてるか全くわからん、てか意識を保つので精一杯だ。
「…アリーゼ…帰ってもいいか?」
「っ!、ええ!!今すぐ帰るわよ!!」サッ
「え、なにこ——れぇぇ!?」
帰ってもいいか?、そうタクトが問いかけるとアリーゼはタクトを背負い全力でホームへと走る。走り出して1分ほど経過した頃。タクトは気を失った。
[アストレアファミリアホーム]
ガチャ
「ただいまぁ!!大変よ!!タクトが狙われたわ!!」
ホームへ着くなりアリーゼは人の多いであろう食堂へとタクト背負い向かう。
するとそこにはアストレアを含む全メンバーが揃っていた。最初に慌てているアリーゼへと話しかけたのはライラだった
「おいおい、どう言う事だ?何があった」
「実は———」
*説明中(アリーゼの考えを)
「っち…あの後アタシが着いて行って居れば!!」
ライラが悔しそうに床を叩く。それを見た輝夜がライラと似た表情をしながら言った。
「気持ちはわかるが落ちつけライラ。小僧ば無事帰って来たんだ。今はそれを喜ぶしかない」
「わかってる…「戻ったわ、とりあえずタクトはベットに寝かせてきたわ」
2人が話しているとタイミングよくアリーゼが戻って来て話に混ざる。
「なら、さっさと話し合おうぜ?、これからどうするか」
「ええ、相手は超級の犯罪者。つい最近まで行方すら掴めなかったやばい奴よ!」
[次の日]
チュンチュン
窓の外から聞こえる鳥の声を目覚ましにタクトは目を開く。
「んぁ〜、俺はどれくらい寝てたんだぁ?ってもう朝か」
[午前8時]
我ながらいい時間に起きたものだ。褒めてやりたい。
「さてと、飯食ってダンジョン行くかぁ、でもその前に」
ベットから体を起こし横に座っていた神物へと声を掛ける。
「何してんですか?アストレア様」
タクトの声を聞いたアストレアは嬉しそうに返事を返す。
「貴方が元気そうですよかったわ〜。みんな心配してたのよ?」
心配?何の事だ?。んん?俺昨日どうやって帰って来たんだっけ。確かダンジョンの外でアリーゼと会って…あれ、思い出せねぇ。
てか、いつもならリューさんやアリーゼの声が部屋まで聞こえてくるのに今日は誰の声も聞こえねぇ。
「…アストレア様、アリーゼ達は出かけてるんですか?」
「ええ、みんな貴方のために朝早くから出かけたわ」
「俺の為…ですか?」
「ええ、昨日闇派閥の者に襲われたのでしょ?アリーゼ達はその仕返しに犯人を探しに出かけたわ」
は?襲われた?誰がいつ……俺が?。どうしてそんな話になってんだ?。
「俺…襲われたりしてないんですけど…」
「え?」
[30分後]
「あらあら、大変な勘違いをしてしまったみたいね、ふふふ」
とりあえずアストレア様達の状況と昨日の俺の状況を話し合った結果悪いのは勘違いしたアリーゼと勘違いさせた俺らしい。最初は少し焦っていたアストレア様も話が進むにつれ余裕ができたのか、今は笑っている。
「…そんなこと言ってる場合ですか?」
アリーゼ達は今町中を探してんだろうなぁ。輝夜さんあたりが真実知ったら俺…斬られるんじゃね?。
「まあいいや、考えても怖いだけだダンジョン行こう!」
そう言って部屋の外に出ようとした時だった。アストレア様に呼び止められる。
「タクト、これを持っていきなさい」
そう言ってアストレア様から黒い四角のウエストポーチを渡された。
「ん?何ですかこれ」
「貴方の物よ、中には少し高めのポーションが入っているわ、ポーチはアーディちゃんからのプレゼントよ」
「アーディさんの?」
「ええ、昨日貴方をご飯に誘いに来てたのよ」
マジかぁ、ダンジョンに行かなければよかった。勿体無い。って…あれ?昨日って……。
「…アストレア様…アーディさんが来たのって、いつですか?」
「貴方とアリーゼが帰ってきた後よ、昨日話し合いの中ポーションを用意するって事になってね?アーディちゃんすごく急いで買いに行っていたわよ?ふふふ」
わ、笑えねぇ。って事はアーディさんも勘違い組に入ってるのね。このポーチ高そうだけど…返すお金あるかなぁ。
「聞かなかったことにします…とりあえずダンジョン行って来ます」
「ええ、いってらっしゃい。頑張るのよ」
話をし終えた俺はホームを出てダンジョンへ向かったのだが何だかいつもよりダンジョンまでの距離が遠く感じた。見つかったら何をされるかわからない。
[一階層入口]
「お!タクト!少し遅かったな!」
約束の場所へ行くといつものようにシオンが待っていた。
「おう、今日は稼ぐぞ…」
何としてもポーション代とポーチ代を稼がねば。
「お、おう…今日のタクトはすげぇやる気だな!」
「行くぞォォォ!!」
「おおーー!!」
こうして俺たちは今日も金を稼ぐ為ダンジョン探索を開始した。
[12階層]
「マジでエレベーター付けてくんねぇかな」
「無理を言うなよタクト…で?今日はどうするんだ?中層まで行くのか?タクト」
「いや、今日はここで狩り続ける。技の調整も同時にやる」
「おう!ってあれ階層主じゃねぇか?タクト!」
そう言ってシオンが指差す方向には80メートル程先にインファイトドラゴンが……魔石食ってね?。
「おい、あいつ、魔石食ってねぇか?」
「……食べてる。って事は強化種か?タクト」
その可能性が高い……階層主の強化種。流石に勝てねぇか。
「どうする?タクト」
「やめておこう、俺らはまだレベル1だ。流石に強化種は無理」
気づかれる前に離れるとしよう。襲われたら俺は逃げる自信があるが
シオンは多分逃げきれない。
「とにかくここを離れよ———
俺がそう言おうとした時だった。
ゴゴゴゴゴゴゴ
っとダンジョンが揺れ始める。
「な、何だ…この揺れ…」
「おい、タクト…なんか聞こえ———
シオンが何かを言おうとした直後
キィ—————————
耳鳴りの様な音がダンジョンに響き渡った。
「おい、ふざけんなよ…」
タクトはこの現象を知っていた。とある物語の中での最悪を意味する現象。
「ダンジョンが……哭いてやがる」
それは理不尽が起きる前触れ。
「ダンジョンが哭いてるって…どう言う事だよタクト!?」
タクトの様子を見てシオンに焦りが生じ始める。
そんな2人を遠くから見守る神物がいた。
「俺からのプレゼントだ…受け取ってくれよ、2人とも」
その言葉は2人に届く事はない。ダンジョン内でアルカナムを発動した神はそれを理解しながら嗤い、言葉を続ける。
「【人形姫】の時は竜が出たけど、今回は何が出るかなぁ?見れないのが残念だよ」
そう言って神は従者の者と階層を移動する。
「シオン…逃げるぞ、どこに何が現れるかわからない」
タクトは小さな声でそう言った。タクトはこの状況に怯えており、それを見たシオンも不安になり始める。
「た、タクト…いったいダンジョンでなに———
シオンの言葉が最後まで発せられる事はなかった。
タクト達の後ろ、約20メートル程先の地面がボコッっと膨れ上がる。
「…ふざけんなよ…何でよりによって俺達の所なんだよ…」
そう言ったタクトの声は震えていて、シオンはそれを見てこの状況に恐怖を感じめた。
「な、何が起きて——
ボコッ
その音を最後に膨れ上がっていた地面が裂け中から1匹のモンスターが生まれた。
「タクト、何だよ…あの化け物…」
「逃げるぞ…シオン」
タクトがシオンの手を引き動き出そうとしたその時。
「ヴモォォォォォ!!」
上半身はミノタウロス。下半身は馬で出来ている化け物が
「「っ!」」
逃げ出そうとした2人の足を化け物は咆哮ひとつで止めた。
「ヴモォォ!!」
化け物が地面に手をかざすと地面から
「…弓?…」
「シオン逃げ——
ビュン
タクトが言葉を発した直後、2人の間を恐ろしい速度で矢が通り抜ける。
「ギャオオ———」
「「な!?」」
2人が後ろを振り返ると、階層主、それも強化種であるはずのモンスターが、一撃で灰となった。
「ヴモォォォ!!」
化け物は次はお前達だと言わんばかりに2人を見て再び咆哮を上げる。
【デイリー】
[ダンジョンへ行くな] 報酬、全ステータス+30
[ダンジョンへ行くな] 報酬、全ステータス+30
[ダンジョンへ行くな] 報酬、全ステータス+30
ウィークリー
[冒険をする] 報酬、発展アビリティのランダム獲得
前日のタクトくんのデイリー
[新技を作ろう] 報酬、魔力+50、器用+25
[合技を作ろう] 報酬、魔力+50、力+25
[モンスターを100体倒そう] 報酬、全ステータス+30