寝て起きたら暗黒期!?ベルくんに会うまで死にたくねー!   作:お米大好き

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今回は短めです。キリが良かったので。



第十一話、呪印状態2

 

 

 

 

「ぁあぁぁぁあ!!!」

 

 

 

 喉が張り裂けそうな程の声を出し、地面に転がりまわるタクトに折れた足を引き摺りながらもライラが駆け寄った。

 

 

 

「タクト!おいタクト!」

 

 

 

 ライラの呼び声に反応せず、タクトは叫び身体を掻きむしり続け、ライラも必死に呼びかけるが全く効果が無いようだった。

 

 

 

「やめろ!!それ以上自分を傷つけんじゃねぇ!!」

 

 

 

 そう言って必死に手を抑えようとするも、タクトの力が強く振り払われてしまう。

 

 

 ライラが抑える度にタクトが暴れ、傷が増えていく。

 

 

 

(どうすりゃいいんだよ……!腕一本喰われたとはいえ痛がり方が異常すぎる!)

 

 

 

「タクト!!しっかりしろ!タクト!!」

 

 

 

 何度も呼び掛けるが、一切答えは返ってこない。

 

 

 

 それどころか、徐々にタクトの叫ぶ声が、力が弱まっていくのをライラは感じた。

 

 

 

(考えろ、知恵を絞れ……何か方法があるはずだ……なにか……なにか…!!)

 

 

「……ぁぁ……ぁ……」

 

 

 

 タクトの口から小さな悲鳴が漏れ、ついに力尽きたのか、タクトは動かなくなった。

 

 

 

「タクト……?」

 

 

 

 恐る恐る名前を呼ぶが返事は帰って来ない。

 

 

 

「おい…嘘だろ……?なぁ…」

 

 

 

 息があるか確認するが、呼吸をしている様子はなく、心臓の音すら聞こえなかった。

 

 

(死んだ……?腕を失っただけで?出血もほとんどしてねえのにか?……いや、違う……失ったじゃねえ、喰われ(噛まれ)たんだ……なら、原因は──)

 

 

 

「毒……?」

 

 

 

「ハッハァ!正解だぜぇ、まあ今更気付いたところで遅せぇけどなぁ!!」

 

 

 

 ライラの言葉に男が答える。

 

 

 

 その言葉にライラは男へと視線を向けると、男は楽しそうに笑い始めた。

 

 

「本当に最高だったぜぇ?。さっきまで粋がってたガキが悶えながら苦しんで死んでいく姿はよぉ」

 

 

 

 そう言って笑う男にライラは怒りを覚えるがそれもすぐに消えた。

 

 

 

(せめて装備さえ奪われてなけりゃ……クソッ……)

 

 

 

 ライラは自分の無力を呪いつつ、タクトへと視線を向けた。

 

 

 

「……」

 

 

 

 タクトの顔は青白くなっており、生気がまるで無い。

 

 

 

「……ッ」

 

 

 

 その顔を見てライラは唇を強く噛む。そして、ゆっくりと立ち上がり、タクトを庇うように男と対峙する。

 

 

 そんなライラの様子に男は少し驚いた表情を浮かべるも直ぐ様ニヤリと笑みを浮かべ、口を開く。

 

 

 

 その表情はまるで新しい玩具を見つけた子供のようなものだった。

 

 

 

「死体を庇って俺に立ち向かうなんて馬鹿か?お前は?いや、この状況で自分の心配より他人の心配をするなんざ、ただの偽善者だなぁ!?。そんな奴がこの先生き残れるわけがねぇ!ここで死んどくべきだと俺は思うがなぁ!?どうするよ!!どっちがいいィ!?」

 

 

 

 そう言い放つ男の表情には愉悦の感情しか無かった。

 

 

 

大人と子供。

 

 

 

冒険者と一般人。

 

 

 

階層主と駆け出し。

 

 

 

 

 それ以上の戦力差が二人の間にはあった。

 

 

 

 しかし、ライラは臆することなく、ただ真っ直ぐに男を見据えていた。

 

 

 

「決めたぁ!!手足切り落として、そのあとぁ、生きたまま餌にでもするかぁ!!」

 

 

 そう言うなり、男は腰から剣を抜き放ち、ライラ達の元へ走り出した。

 

 

 

(あぁ…クソッタレ……こんなことになるなら貯金なんかせず全額賭けとけばよかったぜちくしょー……)

 

 

 

 迫り来る死に、ライラは心の中で悪態をつく。しかし、不思議とその恐怖は感じていなかった。

 

 

 

(クソみたいな最後だが……あたしらしいっちゃ、らしいか…悪りぃなタクト、折角助けに来てもらったっつーのに……)

 

 

 

 目を閉じて、その時を待つ。しかし、いつになっても痛みは襲ってこない。

 

 

(……?)

 

 

 疑問を感じゆっくりと目を開ける。そこには、信じられないものが映っていた。

 

 

 

「ぐっ……が……ぁぁ…てめぇ…!」

 

 

 

 ライラ達を庇うように立ち、男の腹部へと深々刺しているシオンの姿が。

 

 

 そして、ライラが見たものはそれだけではなかった。

 

 

 

「はぁ……はぁ……ざまあみろ……!タクトと俺の勝利だ……!」

 

 

 

 

 息も絶え絶えになりながら、それでも尚、力強く言葉を紡ぎ出す。

 

 

 

「ふざ、けんな……!。こ、んなもん……!」

 

 

 

 そう言って、男は力任せに剣を引き抜き、後方へと距離を取る。その際、傷口から大量に出血し、地面に膝をついた。

 

 

 

 一方、シオンも限界だったのか、そのまま地面に倒れ込む。

 

 

 

「はぁ……はぁ……はは……勝ったぞ……タクト……」

 

 

 

 そう言って力無くシオンは微笑んだ。

 

 

 

 男の出血量からして、このままいけばあと数分もすれば死ぬだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかしそれは()()()()()()()の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

「ッ…勝っただぁ!?ふざけんじゃねぇ!!まだ勝負は終わってねぇだろうが!!」

 

 

 

 男は激昂しながら、懐に手を入れ何かを取り出した。それは小さな小瓶だった。

 

 

 

 男は蓋を開け、中身を飲み干す。すると、みるみると傷が塞がっていく。

 

 

 

 それを見たライラとシオンは驚きを隠せなかった。

 

 

 

 

(エリクサー!?)

 

 

(まずい…あれ多分一番高いポーションだ…)

 

 

 

 ライラ達の動揺を他所に、男は剣を握り血走った眼で3人へと近づいていく。

 

 

 

「はぁ……はぁ……これでまた形勢逆転だなぁ?。さぁ、どうするよ?。まさかこれで終わりなわけねぇよなぁ!!?」

 

 

 

 

(クソッタレ…今度こそ本当に終わりだ…)

 

 

 

(悪い……タクト……無理だ!)

 

 

 

「楽に死ねると思うんじゃぁねぇぇぞぉぉ!!」

 

 

 

 男が叫びながら斬りかかる。

 

 

 

もう駄目だと諦めかけた時だ。

 

 

 

 

 

 突然、男とシオン達の間に白い人影が現れる。

 

 

 

 

 

 そして、その人物は男の腕を掴み捻った、するとゴキッという鈍い音が響き渡り

 

 

 

「うぐ────」

 

 

 

 直後男が悲鳴を上げようとするが、その前に喉を掴み無理やり黙らされた。

 

 

 

(うぐぁ!?なんだ!?一体───)

 

 

 

 

 男は混乱していた。何故なら、目の前に現れた人物に見覚えが無かったからだ。

 

 

 

 

 しかし、直ぐにその人物が誰なのかを理解させられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タクト……?」

 

 

 

 

 そう声に出したのはライラだった。

 

 

 

その言葉を聞き、男はやっと理解した。

 

 

 

(こいつがあのガキだと……!?)

 

 

 

 

 

 男はタクトが腕を失い、死んだと思っていた。だからこそ、タクトが生きていることに驚愕したが、それ以上にタクトの変貌ぶりに驚いていた。

 

 

 

 

 全身は白銀に染まり、腕や頬には鱗のようなものが見え、瞳は黄色く、獣のように縦に割れている。そして腰には白い尻尾が生えていた。

 

 

 

 

 

 

その姿はまで───

 

 

 

 

 

 

(竜種……?。いや、違う…これは──)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……蛇?」

 

 

そう声を発したのはライラだった。

 

 

 

 






一応この続き出来てはいるのですがタクトくんがやらかし過ぎてて書き直し中…来週までに間に合うかなぁ?
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