寝て起きたら暗黒期!?ベルくんに会うまで死にたくねー! 作:お米大好き
あと短くて2話長くて4話かな…?。
[呪印状態2]
使用時、耐久、魔力以外を階位昇華
【一部の魔法を変化】
残虐性の増加
発動条件、呪印状態を5分維持
戦闘中効果持続
戦闘終了後強制マインドダウン
【正義の使徒】
任意発動
使用時、最大魔力の半分を消費
使用後10秒間、全状態異常耐性、魔法、物理に対する完全耐性を付与
10秒経過後、5分間全ステータス20%アップ
一度使用すると24時間使用不可
「燃ヤシタ、全部焼イタ!キャハハハッ!!」
周囲は赤く染まり、辺りには焦げた臭いが充満している。そんな中、嘲笑、狂喜、愉悦。そんな様々な感情が込められた甲高い声だけが階層内に響き渡る。
「……どめを……とどめ…させ」
「アハッ♪、キャハハハッ!」
笑い続ける
「…うぐっ…」
聞き逃してもおかしくないその声を聞き取った
そこにいたのは、先程まで
「キャハハッ!」
その姿を見たは大喜びで
「キャハハ♪」
「くっ…そ…」
痛みに耐えながら、必死に地を這いずる。それが今のライラにできる精一杯の行動だった。
「ガンバレ!ガンバレ!キャハハ!!」
「あぐぅ……ッ!?」
ライラの表情が苦痛に歪む。それを見た蛇女は更に笑みを深めた。
「ドウ死ニタイ?砕ク?折ル?ソレトモ食ベル?キャハハ♪」
「ふざけ…んなよ……。誰が……モンスターの……餌に……ッ!」
どうにか
「────イタダキマス」
大きく開かれた口からは大量の唾液がポタポタと地面に落ちる。
「…腹でも壊しやがれ……くそったれ…」
そう悪態をつく。しかし、それで状況が変わる訳もなく、ライラは
バチッ
───蛇女の背後で燃え盛る炎が揺らぎ、何かが弾けるような音がダンジョン内に響いた。
そしてその刹那
「キャッ……!?」
一筋の黒い閃光が蛇女の横を通り過ぎた。直後、
その突然の出来事に
「ッ……!オ前……!!」
視線の先には片腕で
「本当に……ギリギリだった……」
タクトはライラをゆっくりと床に下ろし、へと向き直る。
「……スキルで耐えた10秒間、ステータスに祈った30秒。おかげで全身大火傷だくそったれ……」
呟くように言葉を漏らしながら、タクトは
「まぁ、何にせよ生き残った……もう逃げるのはやめだ…」
「……ッ!」
「まあ、待てよ。やっと時間が来たんだ…」
ピコン
【ウィークリー】
・[生き残れ]残り時間、0分。クリア
報酬、全治
タクトの身体が淡い光に包まれる。次第にその光が収まると、全身の火傷、腹の刺し傷、身体を侵していた毒、
直後、近くに落ちていた赤黒い剣を拾い上げ────
「…よし。さぁ、始めようぜ…今の俺ならある程度戦えそうだ」
そう言い放った。
シオンside
「君!!今の話詳しく教えてくれるかな!?」
突如現れた女性は俺が手も足も出なかったローブの男を簡単に切る伏せると、俺の元へと駆け寄ってきた。
「あ、あの……貴方は……?」
「私の名前はアーディ!ガネーシャファミリアの冒険者だよ…って、そんな事よりさっき君が言った話について聞きたいんだけど!?」
アーディ?さんは俺の質問に答えると、今度は俺の両肩を掴み激しく揺らしてきた。
ちょっ……待って……。腹の傷が……痛い……。俺は必死に痛みを堪えながら、なんとか声を捻り出す。
「あ、あれは……本当です…。タクトとライラさんが今現在、17階層で闇派閥とモンスターに……襲われてます……」
俺はそう言いながら、必死に状況を伝えた。アーディさんは俺の言葉を聞くと、険しい表情を浮かべ、すぐさま行動に移った。
「【ディア・カウムディ】」
アーディさんが俺の腹に手を当て魔法を唱える。直後、暖かい光が溢れ出し、痛みが和らいでいく。これが回復魔法……。凄い……。これなら……。
「ごめんね、完全には塞げなかったから、後でちゃんとした治療を受けて」
「ありがとうございます……」
「うん。じゃあ、君はここで休んでて。後は私が何とかする」
「でも……」
「大丈夫。こう見えても私は強いんだ。だから、安心して」
そう言って俺の頭を撫でる手はとても暖かくて、懐かしかった。でも
その手を払い除け、立ち上がった。俺にはまだやらなきゃいけない事がある。
「アーディさん…アストレアファミリアが今どこに居るかしってますか?」
俺の問いに、アーディさんの手が止まる。そして、少しだけ悲しそうな顔をした。
「知ってるよ…でも君その体で動いたr──「教えてください…!」
俺が食い気味に言うと、少し驚いた様子を見せたが、すぐに真剣な顔つきに戻り、口を開き教えてくれた。
「アリーゼ達はここから西に1kmほど先にある廃工の中にいる。そこで、別の
それを聞くや否や、走り出した。後ろでアーディさんが何かを叫んでいたが、俺は振り返らずにただひたすら走った。
アーディside
「行っちゃった……」
シオンと名乗った少年は私の制止の声を無視し、そのまま走っていってしまった。正直、彼の身体では走るだけでも辛い筈だ。それでも彼は止まらなかった。それ程タクト君と仲がいいのだろう。
あの体で、あんなにも頑張ってるんだ、彼の言葉を信じてもいい…よね!。
なら私がすべき事は一つだ。
「お姉ちゃぁぁぁん!!ちょっと17階層まで人助けに行ってくるから後は任せたよぉ!!ここが片付き次第応援送ってね!!」
私は大声で叫び、返事を待たずにその場を去った。
タクトside
「【火ヨ、来タレ、猛ヨ猛ヨ猛ヨ、炎ノ渦ヨ紅蓮ノ壁ヨ業火ノ力ヲ借リ世界ヲ閉ザセ、燃エル空、燃エル──「させねぇよ」
「ラァッ!!!」
「……ッ!」
タクトは振るった剣の軌道をずらし迫り来る爪を受け止める。 直後、ガキンッ!!と金属同士がぶつかり合う音ような音が響くと同時にお互い距離を取る。
「……ふぅ」
(…かなり腕が痺れる……連続で受け止めんのは無理だな…)
今の攻防に冷や汗を流しながら、タクトは冷静に分析する。通常のモンスターとは比べ物にならない程の筋力、耐久、敏捷を持っている。俺が唯一張り合えるのは速さだけだ。でもそれは
(この黒い千鳥……なんで黒くなったのかわからねえが
それでも俺がまともに戦えるのは
「……ッ!」
タクトは地を蹴り再び
タクトはそれを
「【千鳥流し】」
「イギャ────」
(ッ…外した?。魔石は胸元じゃないのか…?)
剣先は
(まずいっ…。コイツ痺れがもう──)
衝撃で崩れ落ちた瓦礫の中から這い出たタクトの視界に入ったのは再生を終え余裕の笑みを浮かべる
「ぐっ……」
(くそ……ッ。さっき電撃を浴びせた時より動き出すまでの時間が早え…)
立ち上がり、再び剣を構える。
(身体は少し痛むが多分大丈夫だ……大した怪我はしてない)
大きく深呼吸をし、
(さて、どう攻めるか……。胸がダメなら頭か?……胸元まで跳んで攻撃するのすら命懸けなんだぞ……?)
(……でも試す価値はあるか)
息を整え、意識を集中させる。そして、ゆっくりと蛇女を見据えると──── 、一気に駆け出した。
狙いは
切先が当たった瞬間、
「───ッ!」
バキッ──── 鈍い音を立て、
その光景に舌打ちを打つタクトであったが、その表情に焦りはなかった。
砕かれた剣を手放し、右手を
「【千鳥鋭槍】」
バチッっと音を立て放たれた雷槍は瞬く間に
「グギィアァァァァァァ!!!」
「ッ……またハズレか……」
頭を貫かれ苦悶の声を上げる
その様子を見てタクトは小さな違和感をおぼえていた。
(こいつ……さっきより再生が上がっt──)
一瞬の油断。
「ゴガアッ!!!」
耳を覆いたくなるほどの怒号と共に突如
ダンジョンの壁に叩きつけられ肺の中の空気が全て吐き出される。痛みに顔を歪めるタクトの眼前に、
だが、
「ナニコレ……」
その声はから発せられたものだった。
その視線の先には地面に横たわるタクトと、そのタクトを庇うように立ち塞がり
「ギリギリだったぜちくしょー……!!」
唖然とする
「内側から吹っ飛びやがれ……!!」
そう言い放ち蛇女の胸へと腕を突き刺す、そして──── 。
「ベル君にマジ感謝だくそったれぇぇぇ!!」
全力全開、出来る限りの魔力を込めて蛇女の体内へと電撃を流し込む。
「イギャァァァァ!!!」
鼓膜が破れそうな程の悲鳴を上げながら蛇女の腹が膨らんでいく。やがて限界を迎えた蛇女は口から大量の血反吐を吹き出しながら上半身が破裂した。
「熱っちぃ!!?」
当然、爆発に巻き込まれ吹き飛んだタクトは全身火傷を負いながらもなんとか着地した。
辺り一面に撒き散らされた蛇女の血液が蒸発し水蒸気が上がっている。
「……やった…のか?」
近くで横たわっているライラが呟いた。タクトはそれに答える事なくただ黙って煙が晴れるのを待つ。すると徐々に視界が開けていき、タクトの視界には────蛇の下半身だけになった蛇女の姿が映った。
「……最……悪だ…」
タクトは蛇女を倒すため、蛇女の心臓部である魔石を探し当て破壊しようと試みていた。しかし、蛇女の胸元や頭に魔石は無く、仕方なく蛇女の体内に直接電撃を流し込んだのだが────その結果がこれだ。
視線の先で蛇女の下半身は傷口がモゾモゾと動き、上半身を再生し始めている。そしてその間に上半身と下半身の繋ぎ目に紫色に輝く魔石が見えた。
(クソが……体が動かねぇ……)
「おいタクト……!。あのバケモンが再生し始めやがったぞ……!!。倒すなら今しかねえ……早くしろ…!!」
ライラの声は届いている、しかし動かない、いや、動けない。
(くそ……っ。こんな時に……)
た強化された雷を身に纏い続けての戦闘、それに付け加え蛇女の身体に蓄られ爆破と同時にタクトへと襲いかかった放電。
それらはタクトの持つ雷耐性のキャパを完全に超過しており、その影響で身体が麻痺している状態に陥っていた。
(あぁ……最悪だ……)
再生を終えた蛇女はゆっくりと起き上がり、タクトを見下ろす。
その瞳からは殺意が溢れ出ており、タクト達の息の根を止めるまで止まらないだろう。
(あと少し…あと少しズレてさえいれば……)
悔しさに歯を食い縛るタクトに蛇女はゆっくりと爪を振り上げた。
(……ああ……ベル君なら勝てたんだろうなぁ……)
振り下ろされる爪を見ながらタクトは心の中で呟いた。そして、蛇女はタクトの頭目掛けて爪を振るう──────── 。
その刹那
「【ガーナ・アヴィムサ】!」
そう声が聞こえた瞬間、蛇女の動きが止まった。
突然の出来事に困惑するタクトであったが、すぐに状況を理解した。
タクトの目の前に立つ一人の少女、それは──── 。
「ふふ、今度は私が助ける番だね。タクト君」
「アー…ディさん……?」
タクトが炎に飲み込まれる際に取った行動。
1、魔法の対象外であろう瀕死状態の男(テイマー)の近くへライラを投げる。
2、スキル(正義の使徒)を発動し耐える。
3、1度目の蛇女の魔法で出来た穴へと隠れ目を閉じて息を止める。
4、【感知】を使い蛇女の位置を特定。
5、ライラを囮に絶好のタイミングで不意打ち。
アーディさんの魔法。
[ガーナ・アヴィムサ]
対象を高確率で強制停止(リストレイト)し、全能力値下降(アビリティダウン)の効力を付与する拘束魔法。
[ディア・カウムディ]
回復魔法。さらに一定時間、効果対象の能力を上昇させる。