ありふれた魔術師が世界最強になるのは間違っていない   作:ミーラー

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第7話 大迷宮前夜

 

 

 

【オルクス大迷宮】

 

それは、全百階層からなると言われている大迷宮のことだ。七大迷宮の一つで、階層が深くなるにつれ強力な魔物が出現する。

 

にもかかわらず、この迷宮は冒険者や傭兵、新兵の訓練に非常に人気がある。それは、階層により魔物の強さを測りやすいからということと、出現する魔物が地上の魔物に比べ遥かに良質の魔石を体内に抱えているからだ。

 

魔石とは、魔物を魔物たらしめる力の核のことで、強力な魔物ほど良質で大きな核を備えており、この魔石は魔法陣を作成する際の原料となる。

 

日常生活用の魔法具などには魔石が原動力として使われているらしく、魔石は軍関係だけでなく、日常生活にも必要な大変需要の高い品なのである。

 

俺達は、メルド団長率いる騎士団員複数名と共に、【オルクス大迷宮】へ挑戦する冒険者達のための宿場町【ホルアド】に到着した。新兵訓練によく利用するようで王国直営の宿屋があり、そこに泊まる。

 

俺はハジメとルームシェアをしている。俺はベッドに横になり、ハジメは勉強中だ。

 

「オルクス大迷宮か……」

 

「八幡?」

 

「悪い、ちょっと外の空気吸ってくる」

 

重い身体を起こし、外に出た。

 

宿の近くを夜空を見ながら歩いていると、剣を振っている音がした。気になったので、音の方へ向かう。

 

「はっ!」

 

そこには、素振りをしている八重樫がいた。

俺は一度、元の世界で八重樫の剣を見た事がある。

その時よりも洗練され、この世界に来た事で、凄みが増していた。

 

「あら、比企谷くん、居たのね?」

 

「まぁ、たまたま通りかかっただけだ」

 

「そう……」

 

ん?八重樫のやつ、震えてる?

まぁ無理もねぇな……俺だって怖い……

だって戦争だよ?

やっぱり八重樫は、戦争の意味をよく理解しているみたいだ。

 

「八重樫」

 

「なに?」

 

「八重樫も、落ち着かなかったのか?」

 

「そう…ね。比企谷くんも?」

 

「ああ。やっぱ、落ち着いた時間があると考えちまうよな〜戦争の事とか……」

 

「やっぱり戦争って……そういう事よね?」

 

「だろうな。戦争、つまり……人を殺せってことだろうな」

 

八重樫が沈んだ顔をする。

 

「まぁ、八重樫は死なねぇよ」

 

「どうして?」

 

「everyone's motherだからな!」

 

「誰がみんなのオカンよ!」

 

「そうそう、その意気だ。それでこそ八重樫だ」

 

「まったく……バカね。でも、ありがとう」

 

「ふっ、八重樫がいないと面倒事が急増するだろうからな」

 

「今ので全部台無しよ!」

 

フッと2人で笑った。よし、これで八重樫も少しはマシになっただろう。

とはいえ、問題は山積みだがな……

 

そんな事を考えていると。

 

「あっ!雫ちゃん!比企谷くんも!」

 

「ん?白崎か」

 

「あら、香織じゃない。どこ行ってたの?」

 

「南雲くんのところ!」

 

おっと?俺がいない隙にハジメのやつ……いや、ハジメはヘタレだからありえないな……それに、白崎の雰囲気からもそういう感じじゃない。とはいえ、服装はアウトだが……

 

「ねぇ香織…」

 

「どうしたの?雫ちゃん?」

 

「あなた……その格好で南雲くんのところに行ったの?」

 

「その格好って?」

 

白崎が自分の姿を確認すると同時に、顔が真っ赤に染まった。

 

そりゃそうだ、今の白崎はネグリジェにカーディガンを羽織っただけだからな。たぶん、他の男子だったら襲われてたかもな。

 

「え!?私……こんな……格好で?南雲くんの……ところに?」

 

自分の行動を振り返り、身悶えする白崎。やっぱり白崎ってちょっと天然…いやちょっとどころじゃない気がするな。とんでもない事やらかすって八重樫から聞いてるし。

 

「八重樫、後は頼んだ」

 

「ええ、香織はこっちで何とかするわ」

 

「任せた。じゃあ、また明日」

 

「ええ、おやすみなさい」

 

そう言って、俺はその場を後にした。

部屋に戻る途中、歩きながらこれからの事を考える。

 

はぁ〜やっぱり一番何とかしないといけないは、天之河だよなぁ〜でも無理ゲーな気が……八重樫に任せるしかないか?

 

ん?

 

ふと視線を感じた気がした。なんと言うか、ドロっとした気持ち悪い視線だ。視線のした方に向かったが、誰もいなかった。

 

はぁ〜明日、何事もないといいが…

 

そして俺は部屋に戻り、ある物の作成に取り掛かった。

 

お待ちかねの魔術礼装作りだ!

 

ん?作り方わかるのかって?フッ……全て技能が教えてくれるのだ。簡単に言えば、原理をよく理解した人に、コレはソコ。アレはアソコね。と教えられている感じだ。

 

そう、つまり俺は全く原理を理解していない。組み立てながら理解しようとしているが、さっぱり分からん。

 

そして改めて思う……

 

 

ダ・ヴィンチちゃんどんだけ天才なんだよ!!

 

 

ちなみに材料はどこから来た?と思う人もいると思うが、俺に聞くな!俺も最初は材料もなしに、魔術礼装どうやって作んの?と思ったらなんか出てきたんだよ!

 

その日、俺は魔術礼装を2つ作った。

スキルはコレだ!

 

・全体強化

・ガンド

・応急手当

・オシリスの塵

・緊急回避

・騎士の誓い

 

この6つだ!フッ完璧だろ?

俺、組み立てただけだが…

気にしたら負けだ。

 

明日はいよいよ大迷宮での訓練が始まる。俺は明日に備えて寝ることにした。

 





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