やはり俺がリリベルなのはまちがっている。   作:新太朗

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更新と助言

八幡視点

 

DA(Direct Attack)。リコリスやリリベルを保有している国家の機密機関だ。警察などで対応出来ないような事件を秘密裏に処理するのが役割だ。

戸籍を持たない俺たちが見つかっても簡単に処分出来てしまう。まったく嫌な世界だよ。でも俺たちみないな存在がなくては今の平和は実現しなかっただろう。

 

「おい。何、飴を食べようとしているんだ?これからライセンス更新だろう」

 

「たきなにあげようかと」

 

「いりません」

 

俺、千束、井ノ上の三人は今、電車に振られてDA本部に向かっていた。やはり千束は企んでいたよ。デートってのはただの建前で本当はDAが発行している殺しのライセンス更新だったのか。

このライセンスがないと俺たちは殺しは出来ない。もしない状態で殺そうとするなら逆にこっちがやられてしまう。

 

「千束。俺、3週間くらい前に言ったよな?更新しておけって」

 

「いや~すっかり忘れちゃって……」

 

「去年も同じ事を言っていたな?」

 

「い、いや~……」

 

千束は視線を逸らして愛想笑いを浮かべていた。まったくこいつは。千束は本部で会いたくない人物がいるからライセンス更新に中々行こうとしない。

 

「井ノ上は何をしているんだ?」

 

「司令に言いたい事をまとめいています」

 

「たきな。本部に戻る!?」

 

「はい。そのつもりです」

 

井ノ上は本部に戻る気だった。俺としてはあそこは好きではない。ギスギスしていて、居心地が悪い。どうしてあそこがいいのか、分からん。

千束はまだ井ノ上にリコリコに居て欲しいようだけど、それは本人とDA本部が判断する事だろう。

 

「お待ちしておりました。錦木さま、比企谷さま、井ノ上さま。お乗りください」

 

駅に到着してみるとすでに本部の人間が送迎に来ていた。ここからは車移動だ。DAの本部は山の中にある。もう少し立地を考えて欲しい。

フェンスで囲われたが漸く見えてきた。ここに来るのも久しぶりだな。

 

「八幡!一生のお願い!」

 

「お前の一生は何回あるんだ?」

 

千束の一生のお願いはこれで少なくとも20回は超えている。まあ、ここに連れてきた時から予想はしていたけどな。

 

「私の代わりに楠木さんから怒られてきて!」

 

「その時は3倍になってくるけど、いいか?」

 

「うっ……楠木さん、小言が多いんだもん」

 

「お前のためだろ?」

 

リコリスの司令である楠木司令はなんだかんだで千束に期待している所があるんだよな。まあ、ファーストだからな。ちなみに俺もあの人は苦手だ。

 

「錦木さんは体力測定ですので、隣の医療棟へ」

 

「は~い」

 

「比企谷さんと井ノ上さんは……」

 

「俺はその辺、歩いています」

 

「楠木司令にお会いしたいのですが」

 

「司令は会議中で二時間ほど掛かります」

 

千束はライセンス更新のために隣の棟へ移動して俺はやる事もないのでその辺を歩く事にした。井ノ上は入り口近くの椅子に座ってメモ用紙を見返していた。

 

「ねぇ……あれ、仲間殺しじゃない?」

 

「ホントだ。戻ってきたんだ」

 

「後ろから撃たれるかも」

 

「っ!」

 

近くを歩いていたリコリスが井ノ上の陰口を当人に聞こえるように言ってきたよ。だから本部は嫌いなんだよ。誰かの陰口を言わないと死んでしまう奇病にでも掛かっているのか?

井ノ上は耐えられないのか、どこかへ走って行った。方向から訓練場だろうな。俺もジュースを買ってそっちに向かった。

 

「荒れているな?」

 

「……何が言いたいんですか?」

 

「感情的でブレているぞって話」

 

井ノ上は射撃場で訓練していたけど、的にまともに当たっていなかった。感情的で実に人間らしいじゃないか。

それにしてもさっきのリコリスたちは井ノ上が仲間を本当に殺したと確認したのだろうか?噂が巡り巡って捻じ曲がっているな。

 

「もう少し肩の力を抜いた方がいいぞ」

 

「……何なんですか?」

 

「ただのアドバイス。昔、お前のようにここで訓練した子にもした事があるんだよ」

 

あの子はまだ元気にしているだろうか?苗字しかしらないんだよな。当時はセカンドだったから井ノ上は知っているだろうか?

井ノ上は呼吸を整えてから肩の力を抜いて撃ってみたら見事、的を撃ち抜いた。本当にいい腕をしている。

 

「どうしてそこまで本部に拘るんだ?」

 

「全リコリスの憧れだからです」

 

「なるほど……」

 

京都にいるリコリスとって本部で働く事はこれ以上ない名誉だろう。そう教育されているのだから。俺はこの手の教育ってのが嫌いだ。

誰かに強制されるのは息が詰まる。昔を思い出してしまう。俺がまだ88号だった頃を。

 

「比企谷さんは―――」

 

「あれ~誰かと思ったら仲間殺しじゃないっすか!」

 

「っ!?」

 

「…………」

 

井ノ上が話そうとした時に茶髪で刈り上げている女が話し掛けてきた。いかにも生意気そうな子だな。それにしても誰!?

どうして今時の女子ってのは他人の陰口を言わないと駄目なんだ?もしかして流行っているのか?

さて、どうしてものか。千束が戻ってくるまで時間はまだまだたっぷりとあるし、後輩のためにここは一つ、返り討ちにしてやるか。

 

 

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