やはり俺がリリベルなのはまちがっている。   作:新太朗

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先輩と勝負

たきな視点

 

DA本部の訓練場で射撃訓練をしていると知らないリコリスが話し掛けてきた。本部にいるリコリスはある程度覚えているけど、始めてみる顔だった。

 

「もしかしてまた仲間を殺しに来たんっすか?」

 

「…………」

 

「どうなんっすか?仲間殺しさん?」

 

私は何も言い返せなかった。確かに私は仲間が人質になっているに関わらず発砲した。仲間は無事だったけど、武器商人を全員、殺してしまった。

その所為で取引された大量の銃の行方は今だ不明のままだ。

 

「ぷっ……」

 

「何っすか?」

 

「いや、不確かな情報でここまで仲間に陰口を言えるなんて、驚いただけだ」

 

「はぁ?」

 

「だって、そうだろ?井ノ上がいつ仲間を殺した?」

 

私が何も言い返さないと比企谷さんが私の前に出て言い返した。目の前のリコリスも比企谷さんがいきなり言ってきて驚いていた。

もしかしたら存在そのものに気がついていなかったかもしれない。千束が比企谷さんは存在感が薄いと言っていた気がする。

 

「何っすか?」

 

「だから井ノ上が誰を殺したと聞いているんだ」

 

「もしかして彼女が傷つけられて庇っているんっすか?」

 

「論点をズラすなよ。井ノ上が仲間の誰を殺したかって話だろ?誰なんだよ」

 

「…………」

 

相手は比企谷さんの質問に何も言い返せなかった。何故なら私は仲間を殺してはいないからだ。比企谷さんはそれを見て、不気味な笑みを見せた。

 

「どうした?殺されたんなら知っているんだろ?それとも何も知らないで陰口を叩いていたのか?本部のリコリスも質が落ちたな」

 

「ホント、何なんっすか。アンタ!」

 

「先輩だよ。後輩くらい守らないとカッコ付かないからな」

 

「マジでなんなんっすか?」

 

目の前のリコリスは比企谷さんと正面から睨み合っている。よく比企谷さんと睨んでいられる。私は無理だ、恐ろしいから。

 

「質問を質問で返すなよ。だから井ノ上が誰を殺したんだよって話だよ。誰?」

 

「相手にするの面倒になったっす」

 

「陰口じゃなくて腕を磨いたらどうだ?」

 

「ちっ……」

 

先ほどのリコリスは舌打ちしてからどこかに行った。それにしてもどうしてこの人は私なんか庇うんだろうか?

 

「どうしてですか?」

 

「何が?」

 

「私なんて庇った所で……」

 

「そうだな。井ノ上が可愛いから?」

 

「理由になっていませんよ」

 

「だな……」

 

この人は千束を殺す指令を受けているはずなに、千束が側にいる理由が何となくだけど、分かった気がする。私はそれから比企谷さんにアドバイスを貰いながら射撃訓練を続けた。

 

 

 

千束視点

 

八幡とたきなと別れてライセンス更新のための体力測定に向かった。更衣室で懐かしい顔に出会った。

 

「久しぶりフキ」

 

「千束か……」

 

「真面目なフキさんがライセンス更新が最終日なんて珍しいね?」

 

「忙しかったんだよ。ズボラなお前と一緒にするな」

 

ズボラなとは失礼だな。私はただ忘れていただけだよ!言い争っても無駄な時間になってしまうので、着替えてフキと一緒に体力測定を始めた。

科目をどんどんフキと一緒にこなした。全部、私が勝ったけどね!フキが私に勝とうなって100年早い!

 

「先生は元気か?」

 

「元気だよ。気にあるなら会いに来ればいいに」

 

「リコリスは任務以外は―――」

 

「出歩かないでしょ。ホント、真面目なんだから」

 

「そういうお前は独り立ちしたらどうなんだ?」

 

「独り立ち?」

 

「先生と比企谷の事だ」

 

フキは何を言っているんだ?先生は兎も角、八幡から私が離れる訳ないじゃん。八幡だって私からは離れなれないのに。

私には残された時間が限られているんだから二人と一緒に居たっていいじゃん!フキは本当に分かっていないな。

 

「千束。私と勝負しろ」

 

「おっ!いいよ。負けないから」

 

「私が勝ったら二人から離れろ」

 

「なら私が勝ったら一発殴らせろ」

 

「いいだろ!」

 

「よし!決まりね!」

 

たきなの顔を殴った事、私は許していないんだからね。たきなの代わりに私がフキに一発、殴ってやる!覚悟しろフキ!

体力測定が終わると更衣室に誰が待っていた。

 

「久しぶりだな千束」

 

「どうも~楠木さん」

 

更衣室には楠木さんと秘書の人が居た。確か会議じゃなかったの?小言が多いから私は苦手なんだよね。八幡が居れば、盾に出来るのに。

 

「比企谷を手放す気になったか?」

 

「まだ手放さないよ。八幡は私のだし」

 

「いつまでも我がままが通るとは思わない事だ」

 

そんなの私が一番分かっています!私は早足で更衣室を出た。あれ以上話しても意味がないと思ったからだ。早く八幡とたきなと合流してよう!

 

「八幡!たきな!」

 

二人は訓練場で楽しそうに話していた。私はそれを見て、胸が締め付けられる気持ちになった。八幡の笑顔が、優しさが私以外に向けられている。

誰にも渡したくない。例えたきなでも例外ではない。八幡の全ては私のものなんだからね!

でも今はフキの奴をぎゃふんと言わしてやる!私は二人の元へ走った。八幡、お願いだから私だけを見てよ。

私の残された我がままを優先してよ。たまに自分が嫌いになってしまうけど、八幡の優しさがそれを忘れさせてくれる。

 

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