やはり俺がリリベルなのはまちがっている。   作:新太朗

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真島と小町

真島視点

 

この国の連中の笑い声を聞く度に吐き気がする。偽りの平和を享受して、争いなんてものには無関係だと思い込んでいる。

危険なんてものは常に隣にいるんだぜ?この日本の偽りの平和を壊すと考えるとゾクゾクしてくるね!

 

「機嫌、いいね?真島さん」

 

「ああ。これからこの国の化けの皮を剥がすと考えると楽しいからな」

 

「そうだね。楽しみだね!」

 

「準備はいいか?99号」

 

「間違っているよ。真島さん」

 

「ああ。そうだったな……比企谷小町」

 

「まったく小町の名前を間違えるなんて、ポイント低いよ?」

 

俺はここ1年ほどで俺の右腕となったガキに意識を向けた。このガキはある意味、俺よりぶっ飛んでいる。

今はない殺し屋組織が育てたガキだが、自分の兄を完成させるために死ぬらしい。まったく最初は信じられなかったが、こいつは兄以外から殺されないように立ち振る舞っている。時々、俺の部下を盾にして逃げた事があったほどだ。

 

「真島さん。これが終わったら小町、お兄ちゃんに会いに行くから」

 

「例のDAに居るっていう兄か?」

 

「そうだよ!数年ぶりなんだ!カッコいいかな?殺しの腕はどれほど上がっているかな?好きな事とか得意な事とかたくさん話すんだ!」

 

小町は嬉しそうに兄の事を語っていた。この時の声音は俺にとって酷く心地よかった。自分を殺す兄を語っている時の小町は本当に幸せそうな声を出す。

 

「まったく気持ち悪いガキだ」

 

「酷い!?小町的にポイント低すぎ!」

 

「何なんだよ。そのポイントは?」

 

「たくさん貯めると小町がいい事してあげるよ?」

 

「いらねぇ」

 

こいつからいい事なんて期待するだけ無駄だ。兄の事しか頭にないガキだ。どうせ、兄について語るだけだ。それで3時間も永遠と話していたからな。

 

「それで真島さん」

 

「何だよ、小町」

 

「派手に殺す?盛大に殺す?」

 

「ド派手に盛大に殺すに決まっているだろ!」

 

「りょーかい!」

 

俺の答えに小町は心底嬉しそうな声を出した。この仕事が終わった後の事を想像しているのだろう。自分を殺す兄に会うために。

さあ、日本!お前の化けの皮を剥がして偽りの平和を白日の下に引き摺りだしてやるよ!

まずはこれからこの駅に到着する電車に乗っている一般人を皆殺しにする!大勢の人死ねが出れば、誰もが注目するだろう!!

 

 

 

小町視点

 

「撃ちまくれ!!」

 

真島さんの掛け声に合わせて、真島さんの部下の人たちが機関銃で今来た電車に向けて乱射した。小町もたくさん撃った。

だけど、悲鳴どころか血の一滴も電車からは出てこなかった。そもそも誰も乗っている様子がない。どうして?

 

「真島さん。あの電車、誰も乗っていない様だよ」

 

「はぁ!?―――なっ!?」

 

「うわぁ!?な、なに?」

 

無人と思っていた電車から誰かが撃ち返して来た。学生服を着た女の人だ。日本では女子学生が銃を持っているの!?

小町と真島さんは駅の柱に逃げ込んで無事だったけど、部下の人たちは全員やられちゃった!

 

「真島さん!もしかしてあいつらディーエーとかの殺し屋かもしれない!」

 

「あれが例のリコリスってやつか!」

 

「どうする?もう小町たちしかいないよ?」

 

「逃げるしかないだろう!」

 

真島さんが逃げるより小町は一足先に逃げていた。だって、小町はお兄ちゃん以外に殺される訳にはいかないから!

アジトに小町は無事に戻れたけど、真島さんは事前に仕掛けておいた爆弾を使って逃げたので少し怪我をしていた。

 

「いっ!?おい、もっと優しくしろ」

 

「もう!注文が多いよ?」

 

「くそっ……リコリスどもが」

 

「まさか先回りされているなんてね~」

 

小町は怪我をした真島さんに包帯を巻いてあげていた。この人に死なれると小町が困っちゃうから。

 

「おい、ロボ太。リコリスどもの拠点はまだ分からないか!?」

 

「こんなにすぐ分かる訳ないだろ!?」

 

「使えないハッカーだな」

 

「なんだと!?」

 

アジトではパソコンの前で変なロボットの被り物をした男の子が真島さんと口喧嘩していた。さて、お兄ちゃんに会いに行こう!

 

「おい小町。どこに行く?」

 

「お兄ちゃんに会いに行くんだけど?」

 

「それは延期だ」

 

「ええぇ!!どうして!?」

 

「俺らの行動はDAの連中に知られるんだぞ?会いに行こうとしたら蜂の巣だぞ?それでもいいのか?」

 

そんな!お兄ちゃんに会いに行けないなんて!こんな残酷な事はないよ!!小町の邪魔をするなんて、ディーエーの連中は皆殺しにしないと!

 

「ロボ太くん!早くリコリスの拠点を探してよ!すぐに!今すぐに!」

 

「そ、そんな簡単に見つかる訳ないだろ!」

 

「なら早く作業に入りなよ!」

 

「わ、分かったから銃を仕舞え!」

 

ああぁぁ!!折角、日本に戻ってきてお兄ちゃんに会えると期待していたのに!!これも全てリコリスってのが悪い!小町とお兄ちゃんの出会いを台無しにした事は許されないんだからね!!

 

「お兄ちゃん……もう少しだからね」

 

小町は懐から最近のお兄ちゃんの写真を取り出して眺めた。腐って、死んだ魚のような目が最高にカッコいい!!

早く小町はお兄ちゃんに会いたいよ。待っていてね、ディーエーの連中を皆殺しにしたら会いに行くから!

 

 

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