やはり俺がリリベルなのはまちがっている。   作:新太朗

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アランと確認

クルミ視点

 

千束たちの東京ガイドは今の所、順調に進んでいた。今日は祭りがあって千束たちはそこで出店を楽しんでいた。お前が楽しむなよ。

それにしてもさっき店での話は本当なんだろうか?千束の心臓がまるごと機械なんてな。千束の運動量は相当なものだ。

その運動に耐えられるだけの心臓があったなんて知らなかった。

 

「DAがそんなものを作っているなんてな。データベースでも覗いてみるか」

 

「作ったのはDAではない……」

 

「じゃあ、誰が?」

 

「アラン機関だ」

 

「例の天才を世界に羽ばたかせる?」

 

「そうだ……」

 

ミカがなんだか、妙な表情をしているな。これは聞かない方がいいかもしれない。それにしてもDAが作ったんじゃなくて、アラン機関が、正確にはアランチルドレンが作ったのか。

 

『クルミ。ちょっといいか?』

 

「どうした、八幡。誰か見つけたのか?」

 

『お前に個人で依頼したい事があるんだ』

 

「なんだ?改まって……」

 

八幡がなんだか、重たい雰囲気の声でボクに依頼をするなんてな。それにしても八幡がボクに依頼とはなんだ?

 

『千束の心臓を作ったアランチルドレンを探せるか?』

 

「多分、時間は掛かると思うけど」

 

『なら頼む』

 

「でもおかしな話だな」

 

『何が?』

 

「八幡は千束を殺すためにリコリコに居るんだろ?どうして千束を生かそうとする?」

 

確か八幡がリコリコに居る理由は千束を殺すためだ。どうして逆に生かそうとするのかが分からない。何か深い理由でもあるのか?

 

『クルミ。俺は千束が逃げたり、裏切ったらしたら殺すんだ。それをしなければ、殺しはしない。それに千束が長生きすれば、俺は本部に戻らなくて済むからな』

 

「なるほどな……八幡は本部が嫌いなのか?」

 

『嫌いって言うとか……空気が嫌いなんだよ。それにリコリコは人殺しをしなくて済むからな』

 

「八幡も千束と同じで不殺なのか?」

 

『まあ、な……』

 

八幡からの依頼を受けるのもいいか。例の武器取引の連中の事はある程度、終わったようなものだ。それに千束が生きていないとボクの命が危ない。

 

「依頼料は?」

 

『お前のいい値でいいぞ』

 

「なら八幡の賄い一年でいいぞ。シューアイス、美味かったからな」

 

『あれを食ったのはお前か!?食ったなら一言言え!』

 

あのシューアイスは全て八幡の手作りだった。あれは市販されているものより美味かったと思う。他の手料理を食べてみない。

前に千束が毎日、食べていると自慢していたからな。ここはボクの胃袋もしっかりと満たして貰いたい。

さて、千束の心臓を作ったアランチルドレンを捜すか。ボクの命と手料理と為に!

 

 

 

千束視点

 

いや~楽しんだ楽しんだ!お祭りでは射的で根こそぎ景品を取ってやったぜ!今は船で移動している。川の上だから夏でも涼しい。

 

「どうですか?楽しんでいますか?」

 

『ええ、こんなに楽しいのは久しぶりですよ』

 

「よかった~」

 

『あれが延空木ですね。知り合いが設計に関わっているんですよ』

 

「そうなんですか?だったら完成したら見に来ないと」

 

あの延空木の設計に知り合いが関わっているなんて、もしかしてそれが今回、帰国した理由だったりするのかな?

 

『少し人に酔ってしまいました。室内に居ますね』

 

「はい」

 

「……千束。どうぞ」

 

「ありがと、たきな!」

 

依頼人と入れ替わりでたきなが私にジュースをくれた。うん、美味しいね!ここまでちゃんとガイドが出来ているかな?

 

「千束。店での話しなのですが……」

 

「うん?心臓の話?」

 

「はい。人工心臓と言うのは……」

 

「すごいでしょ?心音とかないからびっくりするよ」

 

この心臓のおかげで私は生きれて八幡に出会う事が出来た。それにしても私を救ってくれた救世主さんは今、どこで何をしているのかな?

 

「ちょいちょい!」

 

「確かめようと……」

 

「だからって公衆の面前で乳を揉むな!」

 

「二人っきりだったらいいんですね?」

 

たきながいきなり私の乳を触ろうとしてきた。確かめるためだからって人前でするな!しかもきょとんと自分がしようとした事がおかしい事に気がついていない!?

たきなって時々天然が入るんだよね。八幡と同じで常識ってものが欠けているんだよ!

まったく私の乳を触っていいのは八幡とたきなだけなんだからね!八幡はどこで私たちを見ているんだろうか?

 

「八幡。聞こえている?」

 

『どうした?何か問題があったか?』

 

「声を聞きたかっただけ……」

 

『まったく……依頼に集中しろよ。晩飯、何がいい?』

 

「それじゃハンバーグで」

 

『了解』

 

晩ご飯が楽しみになった。八幡の声が少し聞けて元気になった。もっと私を誘惑するようなセリフとか言ってくれないかな?

それならもっとやる気になるんだけどな~さて、依頼を絶対に成功させるぞ!この後はお昼を食べて美術館に行ってから延空木の近くまで行く!

 

「よし!たきな、行こう!」

 

「はい!」

 

私たちは依頼人に合流してから船を降りて、お昼を食べて美術館に向かった。あまり芸術ってのは分からないけど、しっかりとガイドするぞ!

私は気合を入れ直してからガイドをこなして行った。私っていいガイドだよね!

 

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