転生近界民のアカデミア   作:暁月鈴

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2022/11/04 バックワームの使用を変更しました
・探知系個性の影響を受けなくなる→自身の気配を隠す


第2話「雄英高校」

 

 この世界に転生して二週間が経過した日の早朝。おれはレプリカの案内(ナビ)に従って、雄英高校に向かっていた。

 

 レプリカの案内(ナビ)のおかげで迷うことなく登校できたおれは、掲示板に貼られた自分のクラスと出席番号を確認して教室へ向かった。………にしても

 

「おお~。学校(ここ)もかなりの大きさだったが、まさか扉までデカいとは!!」

 

『おそらく、「異形型」の個性持ちに配慮して作られたのだろう。それに、見た目ほど重たくは無いようだ』

 

 こんな会話をしながら教室に入って、すぐに自分の席についた。そしてレプリカと一緒に、昨日のトレーニングルームでの戦闘を復習する。

 

 そうしていること数分。教室の扉が開き、担任の先生だと思われる人物が教室に入ってきた。

 

 その人物は、簡単な自己紹介とこれからの予定を伝えた。どうやら、これから入学式があるらしい。そう言うわけで、おれは体育館へと向かったのだが……

 

「なんか丸々一クラスいないんだが……?」

 

 そう。ヒーロー科のA組とその担任が全員欠席していたのだ。

 

 雄英高校はトップヒーローを何名も出している名門校らしいから、ヒーロー科が一番注目されてるだろうに、なんで誰もいないんだと驚いたが、教師の反応を見るに、これが初めてでは無いようだ。

 

 こんなハプニング(?)があったものの、入学式は無事に終わった。

 

 

 

 

─────

 

 

 

 雄英高校に入学してから数日。この日は朝からマスコミが学校前にたくさんいた。まあ、コイツらはヒーロー科の生徒が狙いらしく、普通科に通うおれからしたら、特に問題は無かったが。

 

 そして、その日の昼休み。早めに昼食を食べ終え、屋上でのんびりと一人で時間を潰していた……その時だった。

 

ウー!ウー!ウー!

 

〈緊急警報発令!セキュリティ3が突破されました!生徒は至急屋外へ避難してください!繰り返します……〉

 

 と、鳴り響く緊急警告(アラート)と共に、外に避難しろという指示が出された。

 

「なんだ?ま、とりあえず降りるか。トリガー、起動(オン)

 

 とりあえず避難しようと、おれはトリガーを起動する。そして、状況を把握しようと周囲を見渡して……

 

「おいおい、侵入者ってあいつらか?」

 

 正門の方には、たくさんの人が雄英高校内に入ってきていた。カメラやマイクを持っているのを見るに、おそらく朝のマスコミだろう。

 

 侵入者がマスコミだと分かり、一安心したおれはトリガーを解除しようとして……

 

『ユーマ。マスコミとは別に侵入者だ。それも、二人いる』

 

 レプリカの発言に耳を疑った。

 

「………マジか。レプリカ、ソイツらどこにいるんだ?」

 

『今、MAP(マップ)に表示しよう。侵入者にはタグを付けておいた』

 

 レプリカがそう言うと共に、視界にMAP(マップ)が表示された。

 

 これが、レプリカの強化された性能の一つ。オペレート機能だ。これはその名の通り、ワールドトリガーに出てくるオペレーターと同じことが出来ると言うもの。

 

 これがまた相当便利で、誰がどこにいるかを把握したり、水中や暗闇でも視界を確保したりと、色々なことが出来る。

 

「んじゃ、レプリカ。ソイツら(侵入者)のとこまで行くぞ」

 

『承知した』

 

 侵入者の位置を把握したおれは、バッグワームを起動する。本来のバッグワームはトリオンを少しずつ消費する代わりに、レーダーに映らなくなると言うもの。しかし、この世界ではその機能に加えて、自分の気配を隠すことも出来るらしい。

 

 そうして、おれはバッグワームを起動したまま侵入者のいる場所に………職員室に向かって走り出した。

 

 

 

─────

 

 

 

 誰にも気付かれることなく職員室まで着くことが出来たおれは、僅かに開かれた扉の隙間から室内の様子を窺う。

 

 するとそこには、見るからに怪しい格好をした二人の人間が何かを探していた。格好からして、おそらく(ヴィラン)とか言うヤツだろう。

 

 二人は探し物に夢中になっているようで、こちらの様子に気付いていない。なら………

 

「よし、やるぞレプリカ」

 

『心得た』

 

 おれはバッグワームを解除しつつ、二本のブレード……スコーピオンを手に取り(ヴィラン)目掛けて特攻する。(ヴィラン)も流石に気付いたようでこちらへと視線を向けるがもう遅い。

 

 おれは、刃を落としたスコーピオンを二人の足を目掛けて振り下ろした。

 

「がっっっ!!」

 

「ぐっっっ!!」

 

 この不意打ちで、二人の片足を奪うことに成功。後は適当に相手をしておけば、その内雄英高校(ここ)のプロヒーローが対処してくれるだろう。足をやられている以上、()()の手は打てないだろうしな。

 

 おれはスコーピオンを片手に手をたくさん着けた(ヴィラン)へと斬りかかる。

 

死柄木(しがらき)(とむら)!!」

 

「……チィッ!!」

 

 死柄木(しがらき)(とむら)と呼ばれた男は、こちらに右手を突き出して来た。

 

 おれはその手を回避して、ソイツの体を支えているもう片方の足をスコーピオンで斬りつける。

 

 「…………ガハッ!!」

 

 支えを失った死柄木は、背中から床に倒れ伏した。その後、黒いモヤを纏った(ヴィラン)にも、同じように足を狙って斬りかかる。…………が

 

「…………ちっ」

 

 攻撃が当たった感覚が一切無かった。どうやら、モヤの部分には当たり判定が無いようだ。

 

「ふう………危ない、危ない。流石は雄英の生徒と言うことですか。死柄木(しがらき)(とむら)、ここは引きましょう」

 

「はあ!?ふざけんな!!こんなガキひとりに逃げ帰るだって…………!?」

 

「我々の目的は既に達成しました。それに、彼の目的は我々の足止めでしょう。この足では、ヒーローに勝つことは不可能です」

 

「クソが………覚えてろよ!!次合った時は確実に殺してやる!!」

 

 死柄木がそう吐き捨てると共に、アイツらは黒いモヤで包まれた。

 

 そして、モヤが晴れた時には、アイツらの姿は無かった。

 

「ワープ系の個性、か………やられたな」

 

 せっかくのチャンスを逃したことを悔しく思いつつ、おれはトリガーを解除する。それと同時に、ドタドタと足音が聞こえると、勢いよく扉が開かれ、二人の教師が入ってきた。

 

「おいおい。一体何があったってんだ、こりゃあ?」

 

 俺にそう聞いてくるのは、雄英で英語を担当するプレゼント・マイク。

 

 その質問に、二人の(ヴィラン)と戦ったと伝えた。この答えに、二人は驚いたようで目を大きく開けている。

 

「聞きたいことは山ほどあるが、今は後回しだ。今回の事は誰にも話すな。それから放課後、職員室まで来い」

 

 名前を知らない、もう一人の教師の言葉に「了解」と頷き、おれはその場を後にした。

 

 

 

─────

 

 

 

 そして時は流れ放課後。職員室に足を運んだおれは、とある人物(動物?)に謝られた。

 

 その人物の名は根津(ねず)。ここ雄英高校の校長先生で、一言で言えば喋るネズミだ。入学式で初めて見た時は一瞬面食らったし。そして、根津校長から侵入してきた(ヴィラン)について教えて欲しいと頼まれた。

 

 特に断る理由も無く、おれは知っている限りのことを教えた。侵入してきた(ヴィラン)の名前に、判明している「個性」など。そして、その情報を元に、教師陣は会議を始めた。おれはいつまでここにいとけばいいのだろうか。

 

 そう考えていると、根津校長から帰ってもいいと言われたため、おれは職員室を後にし、帰路をたどる。その間に今回の戦闘を振り返っていた。

 

 今回の一件で、もっと色々なトリガーを使うことを考えた。今回の件も、弾トリガーや鉛弾(レッドバレット)、エスクードなんかを持っていれば、もしかしたらあの場で一人は捕らえることが出来たかもしれない。

 

「レプリカ。スコーピオンの枠を弧月(こげつ)追尾弾(ハウンド)にしといてくれ。今日から、色々なトリガーを試したい」

 

『了解した』

 

 おれは早く訓練を始めようと、駆け足で家へと向かった。

 

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