転生近界民のアカデミア   作:暁月鈴

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第3話「体育祭」

 校内に侵入してきた(ヴィラン)と戦った翌日。ソイツらはよりたくさんの(ヴィラン)を率いて、再び雄英高校へ侵入……というよりは、襲撃に来たらしい。らしいって言うのは、おれはその場を見ていないからだ。

 

 (ヴィラン)連合と名乗ったソイツらは、オールマイトっていうNo1ヒーローの殺害を目的として雄英高校(ここ)に来たようだ。死人は出なかったものの、現場に居合わせた先生と生徒に少なくないダメージを与えた上に、主犯となる人物は逃げたようだ。

 

 この事件はあっという間に世間に広がり、ニュースで報道された。まあ、今回の事件。マスコミからしたらそれは美味しいネタだろう。ニュースでは今もなお、侵入してきた(ヴィラン)のことや、それらを乗り越えたヒーロー科の生徒について報道されていた。

 

 その事件の翌日は、学校が急遽休みとなった。だからその日は、ひたすら家のトレーニングルームで戦闘訓練を行った。その成果として、新しくいくつかのトリガーの使い方をマスターした。それは、レプリカから『実戦でも十分使えるだろう』と太鼓判をもらえるレベルには。

 

 そして次の日。朝礼の時間に先生から2週間後に雄英体育祭を行うということが伝えられた。

 

 (ヴィラン)に侵入されたばかりなのに大丈夫かと言う声も上がったが、先生曰く、逆に開催することで、(ヴィラン)に屈しない姿勢を見せるとのこと。それに、この体育祭の結果次第では【ヒーロー科】への編入も認められているらしい。その事を聞いてか、回りの人の目つきはより鋭い物へと変わった。

 

 

 

 

────

 

 

 

 

 あれから、あっという間に2週間が過ぎ、体育祭当日が訪れた。おれはトリオン体へ換装して、控え室で開始の時を待っていた。

 

 ちなみに、この体育祭で何をするのか分からないため、トリガー構成は1番使いなれている構成…原作の遊真と同じものになっており、服装も玉狛第2の隊服ではなく、雄英指定のジャージになっている。

 

 ……………にしても

 

(やっぱり、ピリピリしてるな)

 

 レプリカ曰く、普通科の生徒のほとんどはヒーロー科の入試試験に落ちた人達らしい。そのため、この体育祭で結果を残して、ヒーロー科へと行きたい人がほとんどだとか。この場の空気がピリピリしているのは、それが理由だろう。

 

 そんなことを考えてる間にも時間はたち、選手入場の時がやってきた。入場の合図がかかり、おれは控え室を出てクラスメイトと共に入場門の近くで待機する。

 

 そして、会場のスピーカーからアナウンスの声が鳴り響いた。

 

『雄英体育祭!! ヒーローの卵達が我こそはとシノギを削る年に1度の大バトル!! どうせお前らあれだろ、こいつらだろ!? 敵の襲撃を受けたにも拘わらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星──』

 

『ヒーロー科!!1年!!!A組だろぉぉ!!?』

 

 アナウンスを勤めるプレゼント・マイク。彼の声が会場全体に響くと、観客達それに応えるかのように一際大きな歓声を上げた。

 

『A組だけじゃない、こっちも精鋭揃いだ! ヒーロー科1年B組!! 続いて普通科C・D・E組! サポート科のF・G・H組も来た! そして経営科……!』

 

 A組の大々的な紹介と比べるとあまりにも雑過ぎるクラス紹介のせいか、クラスの雰囲気がより悪くなった。観客の注目をヒーロー科…A組に全部奪われて見向きもされていない事実に苛立っているからだろう。それは他の普通科やB組も同じのようだ。

 

 一方で、サポート科と経営科の雰囲気はそこまで悪くなさそうだ。なんか理由でもあるのか?

 

『サポート科と経営科は体育祭に対する意気込みが違うようだ。サポート科の目的は、主に自作のアイテムのアピール。経営科に至っては体育祭に参加するメリットすらない』

 

 そのレプリカの説明におれは納得した。つまり、A組に対する敵対心があいつらには全くないということだ。

 

 そうこうしている内に全ての生徒が壇上前に並ぶ。

 

「選手宣誓!!」

 

 その声とともに壇上1人の女性が表れた。一風変わった格好をしているが、あの人もヒーローなのだろうか。

 

『ミッドナイト。雄英に在籍するヒーローの1人だ』

 

 レプリカの簡単な紹介に軽く礼を言って、おれは壇上に注目する。すると、ミッドナイトは1人の生徒の名を上げた。

 

「1年A組、爆豪勝己!!」

 

 そして、1人の生徒がポケットに手を突っ込んだ姿勢のまま壇上に上がる。その姿と態度はまるで不良のようだ。そして、ソイツは壇上に立つと、こう声を発した。

 

『せんせー。俺が1位になる

 

 瞬間、会場はソイツに対するブーイングの嵐で包まれた。さらにソイツは、せいぜい跳ねの良い踏み台になってくれと首を切る動作までする。その行動がブーイングをさらに加速させる。

 

「さーて、それじゃあ早速第一種目に行きましょう!いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ(ディアドリンク)!さて運命の第一種目!今年は……コレよ!!」

 

 そのブーイングが収まり、ソイツが元の場所に戻るのと同時にミッドナイトは進行を再開した。その声と共に、スクリーンには【障害物競走】の文字が表れる。

 

 全11クラス総当たりで行うレースで、4kmのコースを回って順位を競い合う。そして、コースの外に出さえしなければ何をしても構わないというルールだ。

 

「さあさあ、位置につきまくりなさい………」

 

 その後、鞭を振り払うミッドナイトに促され、皆は自分こそが一番になるんだと一斉に場所取りに向かう。スタート地点は、少しでも前に出ようとする人達で溢れ帰り、あっという間に足の踏み場もなくなった。

 

 その様子を目にしたおれは、あえて後ろの方に陣取ることにした。あれだけの人数がゴッチャになっているあの場所では、こっちが自由に動けないだろうしな。

 

 そうして、生徒全員が位置についたところで、スタート地点に備え付けられたライトがピッと音を立て、1つ、また1つと光を放つ。

 

 そして最後の、3つ目のライトに光が灯るのと同時に──

 

「スタート!!」

 

 と、競技開始の合図がミッドナイトから発せられた。そしてその瞬間、おれは素早くグラスホッパーを展開し、それを踏み込んだ。

 

 

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