異世界~それは割と近くにあるのかもしれない~ 作:星喰 野良
今回もよろしくお願いします。
旅しない?と聞いて、旅する!と断言されるとは思わなかった。自分で言っといて何を言う、と思うかもしれないが、それが事実だ。
それ故に、ぶっちゃけドン引きした。だって、今まで嫌い!とか、
告白!とか、変化が忙しいやつだったが、此処までとは思わなかったんだから。
「ねぇ、これからどこに行くの?」
ミサが聞いてきた。とりあえず、仕事はたくさんある。だが、これは自分だけで出来る。下手しても、魔物に食われかければ魔法を獲得できるし、相手は倒せる。この魔法もチート級の魔法っぽいけど、食われるのが嫌だから、そこまでチートじゃないと思う。とりあえず、あの国に行きたい、と言う。前に不時着した所の国だ。キューリナでもないのに、あんなに自然が豊かで人が住んでいるところでは無さそうだ。アイツらは、殺人鬼だ。人間によって俺・・・僕の仲間が何人死んだと思っている。絶対に許す気はない。
っと、話がずれすぎた。でも、何で他の国に行こうとするのか、と言うと、依頼は、ほとんどが他の国からの物だったからだ。ならば、旅行時にやったほうが色々効率がいいし、ミサも飽きないだろうという考えのもとだ。しかし、これからは二人と一匹の旅が始まるから、遠慮も必要になってくるんだろうな。辛い・・・。でも、絶対にミサからの雷を浴びたくない。そう誓いながらその国を目指す。実は、困ったことにミサに国名や、詳細を聞こうとするが、全然知らなかった。アテにならないし、使えねぇ。更に足手まといになりかけている。仮にも、こんなことは本人に聞かれてはいけない。雷が落ちるから。魔法を使っていないのに衝撃を食らうってどう言うことだ!納得できないし、説明が出来ていない。ってアレ?なんでミサが顔を赤くしているんだ?はは、恥ずかしがりやなのか?いや、こいつに限ってそんな事は無いハ・・・
ビカッ!!!!!!!!
ドシャッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おい、ビックリマークの数がおかしすぎる!バクってんのか!?
(違います。)
光っているときの三倍ぐらいのビックリマークが付いているぞ。どんな雷受けてんだ俺は・・・・。つか、何で雷が落ちたんだ?
「・・・何?私は、どうせ使えないし、アテにならないし、足手まといですよ!そして恥ずかしがり屋でもなくて悪ぅござんしたねぇ!」
・・・・ヤバ!大分最初ッから聞いてる!いつの間に心を読めるようになったんだ!?
「別に心を読んでる訳じゃあないわよ・・・・多分(ボソッ)」
多分って!絶対に嘘だろ!あ、心読めてたららららら、や、やややバババババイイイイイイイのののででででではははははは?
こ、こんな風になるなんて、絶対にバグってる!!
注)バグっていません。
「ねぇ、何でそんなに焦っているの?
何かバレちゃヤバイことでも考えているのかな?」
ゴゴゴゴゴ!!!!!!!
「!!!!!」
やばいッ!そう思った僕は、ミカンの背中から降り、時速200キロはありそうな速さで空を駆けた。空気抵抗?そんなもの、無くなってしまえ。つまり、関係無い。理論上は、だが。
しかし、ミカンもドラゴンだ。すぐに追い付かれる。ならば!と思い、もう一桁くらい速く駆ける。すると、勿論ミカンは追い付けなくなり、あっという間に見えなくなった。流石にこれで長い間飛んでもいいんだが、魔力の消費もえげつないから、助かった。とはいえ、すぐに追い付かれるかもしれない。持って一時間だ。雷はもう、こりごりだし、一週間に一度、いや、一年に一度でいい。
さりげなくスキルを封印する。これで使えないと思って油断するだろう。
20~30分程して、ミカンはやって来た。意外と進んでいたのかな?
ちょっと嬉しく思いながら、来客を待った。すると、案の定ミサの雷が落ちた。でも、何も痛くも痒くもない。だって、僕は、精神的苦痛無効という、スキルを獲得したからだ。でも、まだLv.5で、このスキルを使おうとすると、他のスキルが使えないのだ。でも、肉体的苦痛無効は同時に使えるらしい。まだ持ってないけど。
魔物に食われかけて獲得したものだ。頂戴、と言われてもあげることなどできるわけがない。しっかし、ミサの所から逃げる途中に、飛行の魔物を沢山見たな。アイツら、全部倒したし、多少は他のスキルが獲得できるだろう。まぁ、もしも獲得できなかったとしても、経験値に変換される。すぐにAランクに届くだろうし、先日貰った依頼を全部達成すれば、Sランクに届くかもしれない。でも、断言はできない。何故なら、依頼の魔物の強さに大分ばらつきがあるからだ。全部Bランクとか、Aランクなら、すぐに魔王にだってなれるはずだ。悔しいが、これが現実だ。受け入れよう。 少し残念に思いながら物思いに更けていた。それが故に命を落としかけるとも知らずに。
「・・・る」
「・・・ける」
「翔!!」
「・・・ああ、済まない。少し考え事をしていて、気付かなかった。」
「・・・そう・・・・。」
何故か残念そうな、同情するような顔をされた。何かあったのか?と聞くが、首を振るだけだ。何があったんだろうなぁ。生憎、僕の頭ではわからなかったので忘れて、見なかったことにした。
「行く予定地より、大分南に行ってしまったな。」
「・・・そっか。でも、ミカンが疲れているみたいだから、此処で休むことにしても良い?」
「あ、ああ。問題ないぞ。」
「・・・あ、ありがとうございます・・・・」
どこかよそよそしい感じでそういわれるが、嬉しくない。だって感謝と言う点は嬉しいんだが、態度が、合っていないって言うかなんと言うか・・・。どう反応すればいいのか、さっぱりわからない。きっと困った顔をしていたんだろう。気にしないでください、と他人行儀に言い放たれた。とっても悲しくて、むなしい気持ち。心に穴が空いたような気持ちだ。
「・・・・。」
「・・・・。」
二人とも無言で夕御飯の用意をして、食べ終わり、寝た。なんともつまらない、よくわからない。何でミサはあんなよそよそしい態度になったんだろう。なかなか寝れず、ミサが寝ていることを確認してから、ミカンのもとに向かった。
「ミカン、起きてる?」
「・・・はい、まだ起きてますよ。聞きに来たそうな空気を感じて起きていたんです。」
さすがミカン様だ!僕の心や、空気を読むやつだったとは。しかも、待っててくれるなんて!そんな風に感動しながら、さっきのミサの態度の原因を聞いてみた。
「・・・僕も、少ししか知らないんですよ。主、なかなか言い出してくださらなくて。 しかも、今日は別に疲れたとか、疲れたように見せたつもりは無いんです。でまかせです。」
そっか。そうだったのか。ミカンも焦っていたから、僕のために休むなんておそれ多い、とかそんなこと思っているのだろうと考えていたのに。
「・・・悪ぃ、気付かなくて。」
「いえ、気にしないでください。僕が言わなかったのも悪いんですから。」
「・・・それで、アイツの、ミサの過去を教えてくれないか・・・?」
「・・・僕がわかる範囲までですよ?そして、これから話すことはナイショで。本人に僕が言っていたなんてバラされちゃ、彼女のテイマーとしての規約を破ることと同じになってしまいますから。」
「いいよ、約束だ。」
「・・・では、話しますね。」
ミカンから言われたミサの過去は壮絶なものだった。
ミサの親はミサが産まれたその日に斬殺、病院にいたミサも胸に刃物がかすり、一時期、死を危ぶまれたこととまであったらしい。なぜ通れたのかは謎で、一瞬、封印されていた連続放火殺人犯の一人で、100年間の封印をされたやつかと思われていたらしい。迷惑なやつだ。僕は一応、そうかもしれないな、と言っておいたが。そして、裁判所の人間たちが封印状況を確認。その犯人は封印されていた犯人では無い、と言える証拠があり、この世界に更なる混乱を招いた。どんだけ人々の不安を煽れば気が済むんだ、そいつ。今もなお、捕まっていないらしい。だからあの時、人の気配が沢山したのか。それに、ミカンによると、封印の強化までされたらしい。クッ!そいつが居なけりゃ、もう少しは強かったのに!その後、ミサは修道院に入れられ、毎日お祈りをしたらしい。しかし、それが嫌になったらしく、逃亡。ミサが6歳の頃の話だ。そして、テイマーになり、ミカンをテイムして、旅とも言えないような旅をしているとき偶然出会ったのが僕だったらしい。まだ、ミサの過去は全部知れていないと言うのだから、恐ろしい。もしかしたら、これが全部嘘かもしれないのだ。ミカンに合ってからの下りは信用できそうだが、それ以外はどうなのだろうか。ちょっと女子が怖くなった。しかし、産まれて間もない赤ん坊を刺そうとする奴なんているのか。世界は広いが、良いことずくめでは無さそうだ。
とりあえず、話をしてくれたミカンにありがとう、と伝えると、僕はその場を立ち去り、そしてグッスリと眠った。
────────────────────────
次の日──
「キャーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
悲鳴によって飛び起き、頭から血が出ている自分は成城だ!
ってそんなこと言ってる場合じゃあない。悲鳴の聞こえた方向に一目散に走る。段々、血の生臭い匂いが鼻にこびりついてきた。
────スッ
男の人間、いや違う。こいつは、ウォーレン。人間と同じサイズで、よく間違えられるが、顔を見るとよくわかる。目が赤く充血しており、口は頬まであり、ニタニタと笑っている。そして、特に満面の笑みを浮かべている場合、何かを殺した事が主である。
───ダッ!
僕はそいつを確認したと同時に走り出した。何故気づかなかったんだろう。あの悲鳴は、ミサがあげたものだ。そして、ウォーレンは叫んだり、恐怖で歪んでいるやつを見つけると、すぐに切りつけ、心臓を一突きだ。ミサが悲鳴をあげたということは、ミカンも不味いかもしれない。
「ハァ、ハァ、ハァ、」
やっと現場についた。すると、ミカンが呼吸停止に、ミサは過呼吸になっていた。とりあえず、ミカンの方が重い状態だ。大急ぎでドラゴン用フルポーションを飲ませる。すると、すぐに血を吐きながらも呼吸ができるようになったみたいだ。キューリナで多めに買っておいて良かった。泣く暇なく、ミサの方に取りかかる。ハイポーションで回復・・・できない!クッ!耐性があったとは・・・。マズイ。とにかく、病院に連れていって置いていくことに。その間、ミカンは、昨日のせいで、主を巻き込んでしまった、という自己嫌悪にかられて泣いていた。可哀想だ、とついつい涙を誘われてしまった。でも、此処で泣いたら負けだ。だから、僕は涙を流さないように頑張った。誰か誉めてくりぇ。そして、数日経つと、ミサも回復し、あとはリハビリだけになった。
「なぁ、リハビリってなにをやっているんだ?」
「何って普通に歩く練習や、腕を動かす練習かな。まだ難しいけど。」
そういうものが必要なのか。だからリハビリ(納得)。しかも、ミサの場合は神経を復活させるために、それが必要なんだろう。
「大変なんだな。」
そういうと、ミサは落胆したように、
「・・・別に前にもあったし。」
と言った。
「え?」
ちょっと驚いて、聞き返してしまった。そして、ミサはハッと口を手で覆う。いや、隠せませんぜ、今のは。そして、ミサは
「・・・忘れて。」
「・・・僕がそんなこと約束できると思って言ってる?」
「・・・それもそうね。あなたに期待するだけ無駄ね。」
ははっ、僕を信じてくれてるの?と言おうとすると、ミサが殴ろうと腕を動かそうとしてきたので、サッと逃げる。
───────────────────────────
数分後──
僕は一人、ポツンと病院にある庭で考えに更けていた。
「・・・別に前にもあったし。」
言いにくそうに、でも、気にさせないようにボソッと言っていた。やっぱり、ミカンが言っていたことは本当なんだろうか。でも、僕は知っている。足のくるぶし辺りに小さな、塞ぎかかっている切り傷があることを。ミカンが本当に気づいていないのだろうか?いや、ミカンの事だから、自分のせいだ、と思ったりしているのではないだろうか。でも、あれは刃物でできたものであり、ドラゴンの爪はあんな風にならない。ドラゴンの爪の威力舐めんな。もし、6歳の子供にましてや女の子にやっていたら、絶対に死んでいる。とはいえ、まだそうと決まったわけではない。アイツが、ミサが言ってくれるのを待とう。そう考え、僕はこの病院の近くの森に行った。
「オーイ、ミカン来たぞー」
すると、奥の方でざっと重い音がする。あんなに遠くまで行けるようになったのか。だいたい5~6㎞先にいた。二人とも回復に向かっている。でも、僕と一緒に旅をすることはやはり危険だ。そう決断しながら僕は棲みかに戻った。
本来、僕も皆と一緒に焼死刑であの世に行くはずだったのに。本来はもうこの世界に居て良い奴ではないんだ。
そう考えていると、つと涙が出てきた。
ううっ・・・
孤独感を感じながら、意識を手放した────。
はい、今回は一言で言うと、重すぎる!です。2人の過去を踏まえながら書いてみました。
次回は「二人の闇」です。
ご想像のと降り、二人の過去が入ります。これにより、明日投稿できず、少し遅れると思います。字数も多くなる予定なので覚悟してください。(脅し?)2.3日でかき終わると思います。次回は、後書きも前書きも短縮して、書かないかもしてないので、ご了承ください。あ、ありがとうございます。と、次回のタイトル位は言います。
誤字報告、評価と次回もよろしくお願いします!