異世界~それは割と近くにあるのかもしれない~ 作:星喰 野良
主人公、口調が悪くなって、グレてるような・・。
主人公の成長に一抹の不安を覚えてます。
朝───
(翔視点)
「・・・。」
今日も、一人。近くの川で魚を捕り、焼いて食べる。最近、これが多い。なぜかって?考える必要なんかねぇ。簡単、旨い、最高!この三つが当てはまるものなら、なんだって良いんだ。だが、草食え!とか言うなよ?言ったやつは、その口に草を土つけたまんま食わせてやるが。まぁ、楽しいから大歓迎。虫ついてるのを選んでやるよ。感謝しろ!・・・。魚、食べ終わったしミサの所行くか。「前にもあったし。」とか言ってるくらいのやつだ。今日は、とことこ歩いてんだろう。いや、アイツはテクテクか、ペタペタだな。普通はスッスッて歩くんだけどなあ。スタスタまでは許す。でも、ドカドカと歩く魔物がいる。そいつ等は、足音だけで不愉快だ。弱いやつが多いし。だから余計に許せない。即刻死刑にする。ズシン、ズシン。こいつは、強いやつの可能性が高いから、逃げるか、真剣に戦う。命を落としたら、たまったもんじゃねえからな。それに、とってもダサくて笑えるし。それはさておき、ミサのところについた。え?いつの間に歩いていたんだって?答えは今考えている間。いや、逆にそれしかなくね?瞬間移動?いまはできない。悔しい。
ガラッ
「・・・翔?・・・いや、幻なのかな?」
なぁ、失礼で最低じゃあ無いか?いつの間にかアイツに俺は幻の存在で、頭がおかしくなったから見えるようになったとでも言いたいのか?・・・酷ぇやつ。
「・・・・本物だが。調子はどうだ?」
ちょっとムカついたが、気を使ってやる。
「・・・え?本物?」
寝ぼけてんな、こいつ。殴りたい、でも、相手は病人だし、聞きたいこともある。さっさと本題に入ろう。
「・ああ、そうだ。そして、ひとつだけ聞きたいことがある。」
「・・・もしかして、私の過去の話・・・?」
珍しく物わかりが良いな。ちょっとだけ関心したし、見直したぞ。
「・・・ああ、そうだ。どうしても、昨日の言葉が気になってな・・・」
これが、「・・・前にもあったし・・・。」と言っていたやつの事だ。残念だが、今もハッキリと覚えている。
「・・・そっか。昨日は、忘れてくれている用に振る舞っていたんだね。」
無理そうな感じだな。帰る用意でもするか、と考えていた時。ミサは言った。
「・・・わかった。言うよ。でも、その代わり翔も過去を教えてくれない?」
クッ!こいつ、交換条件を出してきやがった。俺が言いたくねぇのわかって言ってるだろう?腹立つ~!!!だが、それだけで教えてくれるなら、いっか。そう思い、
「・・・いいぜ。」
と返した。良いやつだ。カッコいい!俺。そんな感じの情けない事を考えていた。
「ありがとう」
じゃあ、話す?と言われたが、俺の過去をこんなところで話せるわけがない。誰に聞かれているかわかったもんじゃないからな。
「・・・退院したら、ミカンの待っている森の奥で話そうぜ。そこなら、誰にも聞かれねぇ。」
「・・・気使ってくれるの?」
そうならば、どれ程の親切な紳士なんだろうな。
「いや、俺の過去を他の人には聞かせられねえ。ミカンとお前にだけ伝えてやる。」
「私のためじゃなかったんだ。でも、ちゃんと約束だよ!明日には何とかして退院するんだから!」
健気なミサの顔をみて、フッと笑みがこぼれる。
「・・・かわ・・・・」可愛い、いつの間にかそんなことを感言いかけていたのを俺はまだ知らない。
「じゃあ、明日の夜8:00に。」
「了解。」
そういって俺は病院を去る。明日が楽しみだ。だが、その間、何しよう?考えた末、キューリナで貰った依頼を片付けることにした。ミカンのもとに行き、明日の夜のことと、これからやることを伝えておいた。明日の夜7:00頃には戻る、と言って、依頼にある魔物共を蹴散らしていった。
─────7時間後
フッフッフッ
俺は久々の魔物退治で、HPやMPも封印されていたために減少していることを忘れていたため、MPが10位になったところで、安全なところに避難した。討伐した魔物は、どうしようもないので、キューリナのハローワークで金に換えた。ざっと100億程の金を貰った。しかし、置き場もないので、銀行の地下にある巨大金庫の中に預けておくことにした。ちなみに、通帳は要らず、カードだけで済んだ。良い世の中になったもんだ。ついでに、前に貰った分も、必要な分だけ持って預けておいた。さ、もうちっと頑張るぞ!結局、ほとんどの依頼を達成し、残す依頼をあと200くらいってところになった時、もう朝の11:00になっていた。急いでミカンのもとに行き、夜のために休憩をとることにした。ミカンに、時間になっても起きなかったら起こしてと願い、さっさと寝る。やっぱり、ミカンの毛はふわふわで寝心地も良かった。
────約束の時間になった。ミカンに、約束の時間の10分前に起こして貰った。おかげで遅れることもなく、ミサを待てた。
「お待たせ!」
約束の時間にピッタリ来たミサ。すげえな。そして、ミサはミカンと久しぶりの再会を喜びあっていた。おいおい、まだ別れて一週間も経ってねえよ!ちょっとキレかかっていた時、ミサが言った。
「そろそろ、話そっか。」
「ああ、そうだな。」
じゃあ、私からだよね、と言ってミサは話始めた。
「私、元々農民の家庭だったんだ。」
農民。身分的に一番弱い。差別されるのが一番多いのは農民だ。だから、彼女は、ミサは大変な目に沢山あったんだろうな。
「私、5歳くらいまで、兄弟達とママとパパで暮らしていたんだ。生活はそれなりに大変だったけど、いじめられたけど、充実した日々だった。」
ん?五歳くらいまで、何事もなかったように言っている。やっぱり、盛っていたな。
「でも、五歳の時、弟の三歳の誕生日をお祝いしていた時に、それは起こった。」
何が起こったんだろう。俺は耳に全神経を集中させた。
「弟の誕生日では、知り合いや、私達の友達の親も来て、お祝いしてくれていた。勿論、刃物などを持っているかの確認をしなかった。これが、大惨事で、ママとパパは心臓と脳に刃物で刺され、即死だった。そして、お兄ちゃんがその犯人に飛びかかった。犯人は、少し押されぎみで、足元に爪で傷をつけられていた。そして、私は言った。」
「止めてぇーー!!!って。」
「!!!!!!!」
急に叫ばれ、身をつい萎縮させてしまった。ビクッとからだが震える。
「・・・でも、やめてもらえなかった。逆に私のせいでお兄ちゃんが腕を刺されてしまった。」
あのときの叫び声を3年経ったいまもなお、ハッキリと思い出せるとミサは言った。
「それでね、お兄ちゃん、死んじゃった。」
さらっととんでもないことを言い出す。でも、腕を刺されてしまっただけで死んだとは思えない。何か裏があるな、と思いながら話を聞く。
「それでね、その犯人は、誕生日会で偶然居合わせた人達を次々に刺したの。私も。当然、その人たちも意識不明の重体。その後死んだ。でも、死んだ人達、必ず死ぬ直前、こう言っていたの。」
「この星に光を!」
ってね。と言った。
俺は、この中の光、というのがよくわからなかった。でも、死んだ人達、全員が言っていたというのなら、気になることがある。
「なぁ、お前、何でそんなことがわかるんだ?」
誰に聞いたのか、病院に行ったのかも聞いていない。ミサにそういうと、ミサは、やっぱり、勘が鋭いね。と言った。
「私、命の精霊に助けられたの。」
命の精霊。これは、地上の世界で言う、神のような存在だ。たった一人しかいない。でも、その精霊に治せない怪我はないと言う。さすがに死んでしまった人間達は治せないだろうが。伝説級の精霊に会ったことがあるとは驚きだ。だが、その精霊に会ったものは必ず、何かを差し出すはずだ。それは何かと問うと、私の命、と答えた。正気かと思ったが、納得した。何しろ、約束の相手は命の精霊だ。そいつは、絶対にミサを殺すことはできない。意外と頭が良いらしい。一瞬ビックリしたけど。
「それでね、命の精霊と別れて、私はどうするべきか悩んだ。何しろ、家族はもういないんだもの。」
?いないってどういう事だ?弟はいつの間にか死んでいたのか?
「・・・なあ、弟はどうしたんだ?」
「・・・生きてるよ、私の一部として。」
やっぱりそうか。道理で、ミサが大ケガをしても復活できた訳だ。つまり、命の精霊は弟の一部をミサにやり、弟は死んだ、と言うわけか。命の精霊も怖いやつだな。
「そんでそのあとは?」
「今知っているとおり、ギルドでテイマーになって、旅の途中でミカンと会って一緒に旅をして、翔に会う前、おばあちゃんに、封印されていた悪しき者に会うだろう、って言って、もしあったら、警戒しろって言われて、おばあちゃんは死んでいったわ。」
ふむ、なるほど。面白味のない人生だ。だが、おばあちゃんとやらの予言、すげぇな。大当たりだし。ってか、ばあちゃん、生きてんのかよ。話題に乗らなかったから、忘れかけてたぞ。
「さ、今度は翔の番だよ。」
「・・・。」
そうだった。忘れていた。しかも、ミサのおばあちゃんが予言をした人だとバレるのか。・・・言いづらい。
「・・・わぁったよ。」
どうせバレるか疑われるかなんだから。
「わくわく」
おい、そんな期待の眼差しで見てくれるな。
「時は112年前に遡る─
俺は、王族の4人兄弟の長男として産まれた。」
「112年前に産まれた。ってことは、私より大分人生の先輩だね。」
「まあ、そうだな。」
「俺は、王族の長男だから、次の代の王になることが決まっていた。毎日血が出るくらいの修行で剣技、魔法、体力を増やすための筋トレや精神の強化。これらを毎日13時間はやった。」
「・・・人間だよね・・・?まさか、亡霊だった~、とかやめてよ?」
「ああ?言わねえよ。それぐらいは普通にやっていた時代だったんだ。そして、一言余計だ。」
「今じゃ考えらんない。」
そりゃあそうだろう。今は、朝筋トレしているやつなんか、ジジイくらいしかいない。
「話を続けるぞ。それを大体6.7年やっていた。」
「・・・すごいねぇ・・・。」
「そして8歳になった俺は、父である国王にある提案をした。それは、旅をして他国を見て、よりよい国作りの参考にしようと言うものだった。最初は渋っていた父だが、数十分後、カードを持ってきた。「これをやる。元々作っていたんだが、渡すに渡せていなかったのでな。」それは、身分証明にもなるカードだった。つまり、それが示す意味は、許す、ということだった。」
「良かったね。」
「ああ、そうだな。それをもらって一週間後、旅に出た。様々な国を回った。仲間もできた。そうしていつの間にか三年が過ぎていた。」
「三年で世界一周できるの?」
「まあ、マッハで飛んでいけばできるぞ。」
「・・・。」
「そして、俺は、家に帰り、少しの間、国で働くことにした。」
「職業は?」
「冒険者。でも、国内だから、そこまで冒険してなぇな。」
「でも、何年も続けたんでしょ?」
「・・・いや、何年どころか一年もやってない。」
「え?」
「ほら、有名なあの連続放火殺人事件という素晴らしい事件によってな。」
「・・・あ。」
「俺は、冒険者として働いていた。しかし、2ヶ月で終わった。理由は簡単。父が暗殺されたんだ。」
「あ・・・暗殺って誰がやったの・・・?」
「俺にとって叔父に当たるやつだ。あんなやつ、叔父と呼ぶ気はない。」
「叔父さんが何で翔のお父さんを殺したの・・・?」
「叔父は、俺の父よりも王になるってことに執着心が強かったんだ。でも、政治の方向性がヤバイと思った俺の祖父が、父に王位を託した。それは、内密に行われ、祖父がやっているという風に政治を行っていた。」
「・・・見破られたんだ・・・。」
「ああ、とはいえ、10年くらいは続いたんだ。元々、殺されることを百も承知でやっていたんだ。だから、長く続いてくれたことに感謝だな。」
「でも、何でばれたの?」
「祖父が死んだんだ。流石にバレてしまった。それに激怒したくそジジイは、父を殺した。だが、アイツは、自分の手で殺さなかった。それは、唯一絶対の約束だったにも関わらず。」
「そんな約束までしていたんだ・・・。」
「王に絶対はない。暗殺されることぐらい、考えておかないといけないんだ。王に即位して、最初の仕事はなんだと思う?遺書を書くことだ。それくらい、暗殺されることが当然なんだ。」
「・・・・。」
「そして、俺は、まだ11歳。残念ながら、15までは王になる権利は無いんだ。だから、必然的に叔父が継ぐことになってしまった。今まで、家族全員が恐れていた事態になった。そして、遺書を書かずに、「俺は死なない!」とかほざいていた。倒したくなったが、相手は仮にも王だ。手を出せない。アイツを自分の手で、18歳くらいになって、倒そう、と言う復讐心にかられていた。しかし、それは叶わなかった。」
「・・・連続放火殺人事件が起こったんだね・・・。」
「ああ。先手を打たれた。そして、犯人を俺と俺の仲間達に擦り付けた。王の言うことはほとんど絶対に覆らない。」
「・・・酷い。」
「そして、処罰が決定した。アリバイは残念ながらなかった。夜中だから、皆家にいたんだ。買い物とかに行っていれば、どうにかなったかもしれないのに。」
「先手を打たれていたんだね。」
「それも全てな。」
「そして、処罰は俺の仲間3人は焼死刑。俺は100年の封印になった。焼死刑って、遺体が真っ黒になるまで焼くんだ。誰のものかわからない。そんな惨いやり方をした。俺は、単純にほとんど全部の魔法を使えるようになってて、耐性もついていた。だから、ほとんどの刑を無効化できたんだ。だから、封印ということになった。」
「仲間は・・・」
「やめてくれ。考えたくない。でも、きっと皆地上で笑顔で暮らしている、と思っている。」
「・・・そうだと良いね!」
「・・・ああ。それで、俺の封印は、元々ただの封印だけだった。でも、叔父が余計なことをした。俺が封印されている所に行って、魔法吸収装置で勝手に魔力を吸いとられた。魔力って生命力と同じだぜ?人殺しも良いところだ。甥までやろうってんだから。人の子なのかと本当に何度も疑った。」
「それも血が通っているのにね。」
「ああ。そして100年も生命力を奪われた。それに、俺は老化しない老化耐性もついていたから、生命力が涌き出てくる。そして、それを全て奪われる。本当に辛い。そして、それを耐えた。そして2ヶ月ぐらい前にやっと封印から目覚めた。」
「・・・そして、私に会った・・・と。」
「そうだ。でも、こんな世の中に生きている必要があるのかわからない。今でも、夢を見る。仲間が笑顔でこっちに走ってくるんだ。そして、俺に触れようとすると、血のように赤く弾けるんだ。罪悪感で胸が一杯だよ。」
「・・・今も、仲間が生きていたら、そっちに行くの・・・?」
「どうだろうな。俺は、仲間を失ったという悲しさがあるけど、結局のところ、それで完結したような気持ちになってもいる。だから、ミサの方に行くのかもしんねえな。」
「・・・そっか。」
「怖いか?俺が封印されていた連続放火殺人事件の犯人だぜ。」
「多少は怖い。でも、濡れ衣ってわかったし、私が知っている翔なんだって感じがしたから、そこまで怖くない。翔の仲間ができなかったこと、私が叶えたい・・・強欲だね。」
「・・・そうだな。ミサの願いは、叶えてほしくねぇ。」
「・・・なんで?」
「お前が前の仲間だったなんて、思えねぇよ。」
「・・・そうだよね。無理があるよね・・・。」
ミサは残念そうにそう言う。だが、俺がいっているのもまた、事実である。
でも、もしもコイツが昔の仲間と一緒だったら・・・など、バカみてぇなことを考えて、ふっ、と笑った。
「さ、冒険の続きすっぞ!」
俺がそういうと、やだ!と抗議が上がった。なぜかわからず、首をかしげる。すると、
「まだミカンの過去を聞いていない!」
といった。ああ、確かに、そうだな。ミカンは聞くだけ聞いてはいさよなら、とは言わせねぇ。何かのスイッチを押された気がした。ジリジリと、ミカンに詰め寄る。
「あ、あなたまで、僕を裏切るんですか!?」
ああ。勿論だ。ドラゴンは、長寿だ。ミカンが子供みたく、小さくても意外と年がいっているかもしれない。そういうことで、無理だ。という。
そして、観念したようで、言った。
「・・ざ、残念ながら卵から孵化して一週間ちょっとしか経って無い内に我が主に会ったので、結局のところ、何もありませんでした。」
・・・嘘っぽい。ちょっとわざとらしい。だが、言うつもりはないらしい。だから、しらけた。俺はミサに冷たい目をやる。
「・・・な、何よ!知らなかったんだからしょうがないでしょ!」
おいおい、主としてどうなんだ、それは。
さっさと顔を背け、とっとと他のところに行くことにした。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
ミサとミカンが大急ぎで俺を追いかける。
フッと笑って俺はトコトコと歩いていった────。
感想くださった方、ごめんなさい!慈悲深くないようです!むしろ、殺人鬼に向いているような気がします。ですが、ヒロインのミサの雷で抑えている感じになっています。(今のところは)
まさか、ミカンの過去を書くことを考えていなくて、産まれてすぐにミサに会ったという設定になりました。ちょっと設定が雑になってしまいました。すみません。あと、一万字に届かないどころか、いつもぐらいになってしません!では、また明日(予定)!