異世界~それは割と近くにあるのかもしれない~ 作:星喰 野良
テクテクテク・・・
スタスタスタ・・・
ドシンドシン・・・
「・・・。」
なんか、明らかに人間の足音じゃないものが混ざってるって?確かに、そうだな。その犯人は、ミカンなんだが。
とはいえ、今、非常に困っている。
何故なら、行く先を決めていないまま、進んでいってしまったからだ。そして、こうなる。分かれ道、だ。ミサに、どっちに行きたい?と聞くと、右!と答えた。わかった、と言いながら、冷や汗がダラダラだ。何故なら、深い森が見えていたから。でも、ミサが右を選んだんだ。右に進む。そして、数分後には、森の一歩手前まで来ていた。
「・・・どうする?」
おい、ミサ。お前が選んだんだろ。どうするもクソもあるもんか。
「お前が選んだんだろ。行くぞ。」
しかし、今回はそうはいかなかった。ミカンが少し、森を怖がっている。一体、この森にナニがあると言うんだ。ミカンまでもが恐れるものがどうしてもわからなかった。そして、俺は、ミカンと、上から森を見に行くことにした。
「おい、ミサ、ミカンの背中に乗ってくれ。」
俺がそういうと、コクりとミカンの背中に乗った。さっと飛んで、上から森を見た俺の感想は、
「どうなってんだ・・・この森・・・。」
だった。なにしろ、明らかにおかしい。生き物の気配も、魔力も感じない。それに、森がとても広い。左をあのとき選んでいても、森に着いていたかもしれない。一体、この森は何なんだ・・・。俺は、封印から目覚めてから、初めて恐怖を感じた。理由は、それだけではない。地上で近くにいるのは、ナニも問題ない。しかし、上にいる俺たちが、森に吸い込まれかけてきていることだ。これでは不味いので、さっさと先程の所まで戻ろうとした。しかし、森の終わりがいっこうに見えてこない。逆に行っても同じだ。俺は、あっと思い出した。こういう類いは、後ろに行くと逃げられるのだ。それをミカンに伝え、一緒に後ろに下がると、すぐに森が終わった。しかし、これが通用するのは、魔力が一定以上ある者のみ。ミカンを探す。すると、少し黒くなりながらも、脱出したようだ。
「・・・。」
何でミカンが黒くなっているんだ?実に今更な疑問に俺はそれを気づかなかった自分に腹が立った。ミサめ、良くこんなやつをテイムしたなぁ。こいつは、本来なら人に仕えない。何故なら、人を憎み、警戒するドラゴンだからだ。そして、こいつの正体は、
「厄龍、ウィルゴン・・・・。」
その名を口にするものはもう、居ない。何故なら、伝承は俺が封印された年に禁止されたからだ。家にも監視が入っており、伝えられることはない。だから、今戻ってきたのか。しかも、ウィルゴンは、厄竜。ありとあらゆる災害を起こし、人間と仲良くしたりする事を嫌う。しかも、こいつは、本来なら封印されていて、もう二度とこの世に出てこないという風になっていたはずだ。封印したのは、俺。まさか、一緒に封印されていた、なんて事はないよな?とりあえず、ミサに気付かれずに・・・ いや、それは危ない。ウィルゴンは、危害を加えた国にしか攻撃をしない。だが、ドラゴンは普通に人間と旅をしたりすることは少ないはず。ならば、怪しまれないよう、この森にいるのもひとつだ。でも、ウィルゴンがなぜこの森を恐れた?まさか、ここに封印したとかじゃあないはず。とは言え、俺はたくさんの魔物を封印してきた。ミカンも、封印してきたかもしれない。あの知恵も、ここのだとしたら、可能性が高い。いったい、この先どうしろってんだよ!
「クッ!」
そして、俺の頭にある考えが浮かんだ。
もしかしたら、ミカンは封印中に記憶をなくしてしまったのかもしれない。ならば、俺がそのときの記憶を蒸し返さずに出来るだけいつも通りにしよう。そう思った俺は、ミサを探す。居ない。一体、アイツ、何処に行ったんだ?ミカンに聞くと、とっても焦っていた。気づいていなかったんだろう。俺も気づかなかったし、ドラゴンの皮膚は固く、頑丈だ。逆にそれが仇になったわけだが。とりあえず、探すか、と思ったのだが、この下は森だ。もしかしたら、ミサが一定以上の魔力を持っておらず、ミカンは通れた。そのときから置いていかれたのだろう。哀れ。とにかく、俺たちは高度が最低でも千はある。ここから落ちたと思うと、恐怖でしかないな。とりあえず、森に入り、上から声を掛けたりして、捜索・・・ができなかった。声をすぐに吸収する。現にミカンの声すら聞こえない。それを伝えに行こうとすると、
「ちょっと!もっと僕みたいに声を出してください!」
と叱られた。魔力は俺の方が高いのに。どこか納得がいかない俺。俺の方が貴族で、守られるべき存在なのに。守られる図を想像する。しかし、自分より弱いやつに守られるのも、あれだな。しゃくにさわる。何か頭がぐるぐる混乱しつつ、諦めた。守られるのは、弱いやつで良い。強いやつに守られているやつは、威張りたいだけのやつだろう。そういうやつは、クソ野郎って言うんだぜ。
・・・ってそうじゃない。ミカンに、俺の考えを伝える。
「成る程・・・。そうなると、地上で探すしかないですかね。」
おお、理解が早いし、助かる。心の中で、ミカンに感謝する。100年とちょっと前、何でお前を封印したんだろうなあ。100年ちょい前の俺を殴りたい。・・・てそうじゃない。脱線しすぎだろ、俺。で、何だっけ。そうだ、地上で探すかどうかだ。やっぱり、最善の方法はそうなるんだろうな。
「そうだな。不本意ながら、そうしよう。全く、厄介な森だぜ。」
そういうと、ミカンは首をかしげる。
「?わかっててここに来たんじゃないんですか?」
「すまん、残念ながら、興味本意だ。」
「まぁ、わかりますけどね。」
ミカンに同情された。でも、わかってくれて嬉しい!ミサにも見習ってほしいな。
そんなことを考えながら、どんどん森の奥に進んでいくと、城が出てきた。ああ。成る程ね。こいつがいた森だったとは。二度と来るもんか。とか、封印される前に誓ったんだよな。アイツ、生きてんのか?とりあえず、見てみようと思い、ドアを開ける。
ギィ・・・・ガガガ・・・・
ああ、懐かしい。この何かが抉れるような音。結局、わからずじまいだったんだっけ。
「おーい、ワルクス、居るのか?」
「・・・。」
返事なし。入って平気だな。ワルクスは、最初は出ていけ、と言う。何かしらの返事があると、たいていは出ていけ、と言う意味だが、逆に今のように無言だと、平気、と言う意味になる。まあ、死んでいても、怪しまれないがな。おれは、平然と城の中を進む。
カツン・・・カツン・・・カツン・・・
足音だけが妙に響く。すると、
「誰だ、お前は。」
「俺だ。キュビナ軍の軍長、と言えば、ワルクスにはわかる。」
「ワルクス?一体、誰のことだ。」
「?」
もしかして、違ったとか?いや、それはないだろう。偽名を使っているのかもしれない。
「なら、バットンと言うやつはいるか?」
「バットン・・・。ああ、あいつか、居るぞ。」
やっぱり、偽名を使ってやがんな。くぉのやろう。ただで返すと思うなよ。
「バットン、来客だ。」
「誰。」
「キュビナ軍の軍長、と言っていた。」
「何、アイツが来たのか!?」
「・・・。」
「・・仕方ねぇ。丁重に招いてくれ。」
「承知。」
そんなことを言っている。悪いが、丸聞こえだ。声の方向へ向かう。そして、あることに気づいた。
「・・・アイツ、また壁増やしてんのかよ。」
所々が行き止まり。これじゃあ、すぐに道がわかっちまうぜ。少し心配になりながら、声の主の部屋の前につく。すると、最初に話を聞いてきたやつが、驚いたかおで、こう言った。
「主から、許しが出たぞ。」
こいつ、できるやつなのか、地味に悩むな。とりあえず、返事ぐらいしておこう。
「ああ、わかった。」
そういうと、男は去っていった。あ、道間違えてやがる。
ゴーン!!
頭ぶつけてやがる。良い音鳴ったけど、大丈夫か、あいつ。でも、あれくらい元気があるやつ、嫌いじゃない。
「・・・元気の良いやつだな。」
「・・・。」
「それは・・ほめているのか?」
「ああ。」
久々の会話がこれとか、泣いても良いよな?って違う、そうじゃない。そんな話をするために俺は、ここに来たんじゃない。
「しっかし、ひさっしぶりだなあ、ワルクス。」
「・・封印から、目覚めたの・・か?」
「ああ。つい二、三週間前に。」
「・・・そうか。もうそんなに経つんだな。」
「・・・じじくせぇ話し方すんなよ、どうせフケてねぇんだから。」
「ははっ、バレてたか。」
こいつ、バレてないとでも思ってんのかよ。ちなみに、ワルクスは俺の従者だ(ったやつだ。)。種族はメラクシス。簡単に言うと、人形になったドラゴンだ。なかなかいないし、伝説級。でも、父に頼んだら、貰えた。父スゲェ、と思った俺は普通だろう。メラクシスは、平均寿命は千くらい。時に十万まであるものもいる。化け物だな。魔物だから当然だけど。
「しかし、お前、何故見た目が変わってない?」
ああ、この感じ。ワルクスは、残念なことに、片言綴りでしか話せない。なるべく勉強して、ここまでできるようになったんだな。偉い偉い。
「俺は元々老化耐性と、死に対する耐性があるかんな。余程の事がなきゃ死なねぇし、歳もとんねぇ。」
「ガハハッ。そうだったな。忘れかけてたよ。」
「そんな100年で忘れないでよ・・・。」
「んで、何の用?ご主人?」
「ご主人、じゃなくて翔だろ?」
「良いんだよ。立場が分かりやすい。」
「・・・。(怒)」
「・・・わぁったよ。翔、で何の用?」
「ならば良い。で、また一緒に冒険しねぇか?」
「魔物、倒す!」
「・・・俺と旅してる仲間に手ェ出すなよ?」
「俺は、そこまでバカじゃあねぇぞ。」
「なら良かったよ。」
「さぁ、行くぞ。ワルクス。」
「了解、翔。」
そうして、皆の元に向かった。
昨日は、忘れていてすみません。何かネタがうまく浮かびませんでした。突っ込みどころ満載で、ミカンの正体は、実は・・・と言う風にやりたかったんです!許してください!
出来るだけ早く次を出します。誤字、読み、よろしくお願いします。