魔法少女リリカルなのは~生まれ墜ちるサイヤ人は悪魔の子~(更新一旦停止) 作:生まれ変わった人
『臨時ニュースです! 先程、クリスマスで賑わう海鳴のショッピングモールで無差別殺傷事件が発生いたしました! 現場はご覧の通り混乱に満ちております!』
クリスマスの夜に起こった臨時ニュースは全てのチャンネルでバラエティー番組の合間に放送されていた。
視聴者もプログラムにはない臨時ニュースに釘付けとなっていた。
そんなニュースが流れているのはケーキ翠屋の店内テレビでも同じだった。
聖夜にしては生々しい放送内容に客も、士朗たち従業員もテレビに見入っていた。
「通り魔?」
「こんな日になんてこと……」
恭也と美由希が悲痛な想いで聖夜に起こった惨劇を見ているが、今回のニュースは違っていた。
『証言者の話によりますと、犯人は衣服は着用しておらず、肌も赤と紫色をしており、角と尖った耳が特徴と信じられない証言を繰り返されております!』
「え? それって人なの?」
「コスプレ……とか?」
店内のその場の全員の疑問に答えるかのようにテレビキャスターは緊張を孕んだリポートを続ける。
『周りの人は悪魔、だとか鬼、だと異口同音に証言されております! ここで念のためですが、重症人が実際に出たのでこれはヤラセではないことを承知してください! それと、今入ってきた情報なのですが………し、信じられないホ、報告が入ってきました! なんと、先程までその犯人と金髪の長髪の少年が取っ組みあってことが判明いたしました!』
「「「!?」」」
『少年は見た目から推測して小学生だと考えられております!』
そんな情報に店内はさらにざわついた。
『見てくださいこの流血の跡と無残に形を変えた車や公園の備品を! 内容の真偽はともかく、ここで乱闘が起こっていたの間違いありません! 現在、例の少年と犯人はあのデパートの中に……』
その瞬間だった。デパートの中から破壊され、轟音を響かせた。
テレビを見ていた人たちもその場にいる人たちの悲鳴が上がった。
そして、爆煙の中からカリフが弾かれるように飛ばされてきた。
『あぁ、見てください! 子供です! 金髪の長髪の子供がデパートの壁から出てきました! 今は壊れた場所に捕まっていますが、とても危険な状態です!!』
見物人が悲鳴を上げる中、建物の中からジャネンバが姿を現してカリフを見下ろす。
『な、な、な、何ですかあれは……』
『分かりません……局にも連絡は取ったのですがどこかのゲリラ撮影でもありません!』
スタッフの焦った声が視聴者に思い知らせていく。
これはロケでもヤラセでもないということを……
◆
破壊されたデパートの三階地点でカリフは壊された壁にしがみついていたのだが……
「ふ……」
「!?」
ジャネンバが踵を頭上にまで上げた時、カリフは身の危険を感じて手を離した。
「きゃああああ!」
「落ちた!! 男の子がデパートの三階から落ちてしまいました!!」
野次馬が悲鳴を上げる中、ジャネンバの踵落としが破壊されていたデパートの壁にさらなる風穴を開けた。
離れてても分かるあまりに重い一撃を目の当たりにして落下しながら肝を冷やすカリフ
しかし、彼にそんな余裕などなかった。
「無駄だ」
「グハァ!!」
落下していたカリフの近くにまで量子分解させていた体を運び、姿を現したジャネンバの蹴りがカリフの背中に炸裂する。
嫌な音を立ててきしむ背中のダメージで口から空気と血を同時に吐き出された。
鋭い蹴りに飛ばされたカリフは再び元の戦っていた公園の噴水に激突することとなった。
「カリフ!!」
だれか知り合いが叫んだであろう声は周りの悲鳴にかき消され、本人にはまるで届いていない。
「ガハ……ゲホ……ゴホ……!」
冷たい水に濡らされながら咳き込んで立ち上がろうとするカリフの前にジャネンバが姿を現す。
「!?」
ジャネンバに顔面を掴まれて持ち上げられ、力一杯に地面に叩きつけられた。
「っ!!」
苦悶の声も出せないカリフは地面で大きくバウンドさせられて倒れ込んだ。
ジャネンバはさっきまで殴られて吐血した血を拭きながらゆっくりとカリフに歩み寄ってくる。
「調子に……」
ゆっくりと近付いて来るジャネンバに対し、カリフは顔に青筋を浮かべながら力の限り起き上がり、渾身の拳を振るった。
「のってんじゃねえ!!」
「!?」
ダメージによるパワーダウンを差し引いてもカリフの一撃は必殺と呼ぶに相応しいほど力強く、鋭く、重く、魂の籠った一撃と言えた。
普通の相手なら死に体と油断して確実にその一撃をもらい、体を抉り取られて絶命したであろう。
だが、今回は相手が悪かった。
否、悪すぎた。
「フッ!」
「なっ!?」
ジャネンバはカリフの必殺の一撃を軽やかに無駄な動きを省いて紙一重で避け切る。それだけでは飽き足らず、カリフの神速が“チャチ”に思えるほどスピーディーでコンパクトな動きでカリフの懐に入り込んで……
「これも……さっき覚えた」
カリフの顎に拳でできた鈍器を叩きつけたのだった。
「ガハァ!」
今ので口内を切ったのか夥しい量の吐血を撒き散らせて地面に倒れ込んだ。
「いやぁ! カリフぅ!」
「だめフェイト! 今行けばあなたまで……!!」
「母さん! でも、でもカリフ! カリフがぁ!」
「行っちゃだめだよフェイト!」
目の前の惨事にフェイトが助けに入ろうとするも、プレシアとアルフが押さえつけて阻止する。
今行けばカリフと共に殺されるか、むしろ足手纏いになってしまうと察したからこその行動であり、この場で最も適切な判断だったと言える。
そんな悲鳴が響く公園内でカリフは遠のく意識を繋ぎ止めながらジャネンバだけを見定めていた。
(野郎……!! ただ本とビデオ見ただけでボクジングをマスターしやがった……!!)
カリフにとってジャネンバの恐れるべき点は腕力ではなく、高度な知能だと考えていた。
時間が経てば経つ度に学習し、戦い方、戦法、戦略、技能を会得するだろうと危惧して短期決戦に持ち込むことが条件だった。
だが、カリフの認識よりもジャネンバの知能はあまりに高度過ぎた。たった数分足らずで武術でいえば突き系統最強のボクシングを覚えただけに飽き足らず言葉さえも覚えてしまった。
確実にに“覚え、考え、実戦する”といった流れを確立させてしまった。ここからさらに時間をかければ戦法に応用を加えてくるだろう、そうなってはもう収集を付けるのが困難になってしまう。
「ヌウン!」
「ぐあ!!」
倒れていたカリフの小さな頭をジャネンバが力一杯踏みつけた。
その瞬間、踏みつけた力によって地面が大きく陥没して小規模の地震を起こした。
「うわああぁぁぁ!」
「ひぃっ!」
あまりに大きい衝撃に遠くのクリスマスツリーも地震で倒れ、イルミネーションを演出していたライトが粉々に砕かれた。
「があああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」
騒然とする現場でカリフは音を立ててきしんでいる頭蓋骨に守られる脳みそをフル回転させてこの場から生き残る術を導きだしていた。
そして、無我夢中に両手で気でできた『細い糸』を作り出し、ジャネンバの足……の指に引っ掛けた。
「き、貴様なにを……!」
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!」
叫びながら足の爪の間に糸を入れて思いっきり上に“引っ張った”。
そしてカリフを踏んでいた足の爪が剥がされた。
「!? ぬあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
爪を剥がされたジャネンバは想像を絶する痛みにカリフから足を離して後ろに転げ落ちた。剥がされた箇所からドクドクと溢れ出る血と頭に突き刺さるような痛みに自分の足を押さえて悲鳴を上げた。
「おのれぇ! おのれえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
呪詛を口にしながら悶えるジャネンバから離れるようにカリフはクレータから這い出てその場を離れる。
ある程度距離を開けた所でカリフは震える足を必死に黙らせて立ち上がる。だれもが満身創痍と判断できるほど血を流し、体がよろめいてもその目の輝きは衰えない。
“命を捨てる”といった半ば諦めの心情ではなく、“命をかけて生き残る”と訴えるような光を宿す目だった。
(この状況で……まだ諦めていないのか!? まだ策が……)
「シグナム!? もう止めさせて! このままじゃ……このままじゃ本当に死んでまう!」
「! あ、主……」
はやては動かせない体を揺らしてカリフ止めようともがくが、それすら叶わない。
シグナムに懇願するはやては悲しみで誰も見ていられない表情となっていた。
「もういや……せっかく……友達に……好きになったのに……これ以上傷つく所なんて……」
「はやて……」
「はやてちゃん……」
「主……」
だが、騎士たちもどうすることができなかった。実力的にもそうだが、長年戦場の最前線にいたからこそ分かるカリフの“気高さ”
今まで絶望的な状況に出くわしてきたが、そんな状況でもあんなに輝きを放つ魂の持ち主になど会ったことが無い。
(すみません主………我らでもどうすればいいのか……)
本当に情けない……
自分の無知と無力を心の中で恥じながらシグナムは見守ることしかできない。
それはクロノでさえも同じだった。
「もう止めるんだ!! もう実力は開いて勝負にならない! ここは退いて態勢を……!」
(何を言っているんだ僕は!? あんな状態で逃げることなんてできやしない! ましてやカリフの目……あれは諦めないタイプの目だ!!)
だが、目の前で人が死ぬという事実は決して見たくは無いというクロノの意志が働く。
(だけど、もう僕の身近の人が死ぬなんていやだ!)
今のクロノは執務官などではなく、ただの子供だった。何もできないのに必死に頭の中で策を練る。
そんな中、息絶え絶えのカリフの先にダメージを回復させたジャネンバがクレーターの中から這い出てきた。ゆっくりと近寄ってくるジャネンバにカリフは挑発する。
「来やがれ! 射程距離内に入った瞬間にてめえの股間なりなんなりぶっ潰してやる!」
「……」
ジャネンバは何も答えずに警戒心を露わにしてカリフに近寄ってくる。
顎を揺らされてしばらくは動き回れないと判断したカリフは自重気味に笑った。
「こりゃあ……腹括るしかねえな……五分ってのは長いぜ」
その瞬間、カリフは上着を脱ぎ捨てて古傷だらけとなった逞しい体を露わにした。
「ふぅ~……はぁ~……」
呼吸を整えて腕を交差させた直後、カリフの体から僅かに湯気が登る。
体中の脂肪や水分を集中させてエネルギーに変換させる。体も僅かではあるが余分な肉が失せて筋肉が引き締まっていく様は到底ありえない光景だった。
だが、観衆の目はそこだけではなく、カリフの“背中”にもあった。
「あれは……顔?」
「……なんか怒ってる顔が……」
それは筋肉で模られた背中の鬼の形相
今のカリフを現したかのように鋭く模られた鬼がカリフと共にいた。
「む……」
そんなカリフにジャネンバは構うことなく歩みを止めた。本能的に今のカリフに近寄ることを危険だと感じたからであろう。
ジャネンバは目の前の死にかけの子供に対して自分の記憶にインプットされている“鬼”の肖像を重ね合わせていた。ジャネンバの肝が冷え、嫌な汗が流れてくる。だからこそ目の前の少年に興味が湧いたのも無理は無い。
「お前……名は?」
「……カリフ……お前は?」
「名は無い……好きに呼べ」
互いに息絶え絶えで自己紹介を終えた二人の間には“殺し合う敵”の関係だけではなく、どこか暖かく、優しい因縁さえ覚えていた。
これを人に聞けば大体がこう答えるだろう。
『それは友情だ』と……
敵同士、殺し合うことから始まった奇妙な友情……カリフたちの精神は間違いなく、前の世代から受け継がれていたものだった。
まるで英雄と王子のように……
互いに睨み合ってからしばらくの時間が経った時だった。
「……こういう趣向はどうだ?」
突如、ジャネンバが手をかざすとそこら辺に落ちた鉄の棒がどこからともなく現れて独りでにジャネンバの手の中に収まった。
そして、手の中で何の変哲もない棒が剣へと姿を変えた。
「!?」
「ふふ……もうお前に遠慮などせん……故に、敬意を表して全力でいかせてもらう」
「へ……上等だこの野郎が……」
互いに追い詰められているにも関わらず笑みを浮かべる様子は異様とも言える。
どちらが先に動くか……世界は二人だけとなっていた。
冬の冷たい空気が上半身を覆ってもそれ以上に魂が燃えている。
静かに、だが熱く燃える青い魂の炎は徐々に温度を上げていく。
一歩
また一歩
動けないカリフの代わりにジャネンバが歩み寄ってくる。
その手に妖しく光る剣がカリフの目の前でちらつく。
互いに手が届く距離にまで肉薄していた。
「……」
「……」
互いの大砲が届く距離、カリフが見上げ、ジャネンバが見下ろす様子になのはたちが、一般大衆が、その一般人を守るはずの警官でさえもその二人を見て生唾を飲み込む。
今まで見せてきたのは人外同士の戦いではあったが、そこには男たちの『本能』を揺さぶる物が確かにあった。
皆が固唾を飲んで見守る史上最強の殴り合いの終焉
(まだだ……! まだその時では……!)
(来い……狙うのは頭か心の臓腑か……)
手から汗が滴り落ちるだけの周りが停まった世界
その世界の中で唯一、動いた物があった。
『クロノくん! 転移装置回復したよ!』
「!? いいぞ! やってくれ!」
『ほいさ!』
クロノのインカムからエイミィの歓喜に満ちた声が届いた。
クロノも無我夢中に叫んだ瞬間、不思議な現象が起こった。
イルミネーションに照らされた街の真ん中で一際大きい光の柱が地上から降り注がれる。
「む……」
光はジャネンバの全身を覆い尽くし、より一層輝きを増した。
だが、ジャネンバは抵抗する素振りはおろか、不敵に笑って光を迎え入れた。
「場所を移す。もっと相応しい場所に」
「……」
意味深な言葉と共にジャネンバの体はこの世界から転移されて消えつつあるが、首だけとなった所でジャネンバはより一層……狂気に満ちた笑みを見せてカリフに微笑んだ。
「待っているぞ」
目のハイライトが消え、白く染まった目で睨まれたカリフはその瞬間、一切の身動きさえ取れなくなってしまった。
やがてジャネンバが消えたと思った矢先、今度はカリフ自身が光に包まれたのだった。
◆
光が治まり、目の前の視界がクリアになった瞬間、カリフの緊張の糸が切れてその場に倒れ込んだ。
倒れた瞬間、周りの人が駆け寄ってくるのが足音で分かった。
「カリフ! 大丈夫!?」
カリフの頭を支えて心配そうに涙を浮かべるのはフェイトだった。
「フェ……イト……ここは……」
「なのはたちもはやても皆アースラに帰って来たんだよ! だから早く治療を……!」
見渡すと、確かになのはやはやて、ユーノやアルフたちが自分を心配そうに見下ろしていた。
何故かそこにはアリサとすずかも心配そうに見ている。
だが、こんな状況でもそんな視線に堪らず、ほとんど言うことを聞かない足を震え立たせた。
「カリフくん! 無理せんといて!」
「今はどうでもいい……奴は……奴はどこだ」
フェイトとはやての制止を振り切ってふらつきながらエイミィに聞くと、エイミィは依然として深刻そうに言った。
「とりあえず、生物反応のない無人世界に送ったんだけどどんな世界かは分からない……」
「……場所は分かるのか?」
「え? まぁ、一応の座標は確認したんだけど……」
エイミィがいつにもまして迫力を纏わせたカリフに緊張しながら返すのだが、ここで異変が起こった。
突然、船の緊急信号が鳴り響いた。
「どうしました!?」
「今しばらくお待ちを!」
リンディの問いにスタッフたちが息を吐く暇も無くコンソールを操作して異常の原因を探っていた。
そして、一人のスタッフが探り当てた。
「こ、これは……」
「何か分かりましたか!?」
「そ、それが……」
若干言い淀むスタッフに焦燥に駆られる中、他のスタッフたちも同様に顔を青ざめていった。
「まさか……信じられない……」
「こんな……ことが……」
「だーもう! 何がどうなってるのか説明しとくれよ!」
アルフが業を煮やして大声を張り上げると、突如として画面が勝手に映し出された。
「これは!?」
「艦長! これは我々の操作では無く、外部からの操作を受けています!」
「なんですって!?」
これにはクロノ、ユーノ、リンディにグレアムまでもが驚愕した。この次元を渡る船、アースラは近代発明の中で最も群を抜いている。
最高の設備と最高の技術、最高のセキュリティを用いられて完成したこのアースラが勝手に動き出した。
「ハ、ハッキング……」
「そんな……こんなことが……」
管理局に属している者だからこそ分かるこの異常さ
最高の戦艦が見事にハッキングされて制御を失っているのだという。
「か、艦長! メッセージが届きました!」
「!? 内容は!?」
「映します!」
簡単な操作はできるようなのか、エイミィが突如として送られた信号を巨大なモニターに映す。
すると、カタカタと一文字ずつ文字が書き込まれていく。
「逆探知は!?」
「やろうとしても拒否されます! パスワードも予備システムも全て乗っ取られています!」
信号先の特定は不可能
皆が慌てている内に未知なるメッセージは全て書き終わっていた。
驚愕の内容を残して
『カリフトイウ人間ヲ十分後、指定ノ世界ニ転送シロ』
「な、なんだこれ……」
しばらくメッセージを表示した後、メッセージはいったん消えて再びツラツラとメッセージが書きこまれる。
『コノ機会ヲ逃セバ、オ前タチハ“私”トイウロストロギアヲ逃スコトニナル……暴走ヲオコシタイトイウノナラ話ハ別ダガ』
この文面で皆の頭の中で答えに行きついた。
自分をロストロギアと認識しているからして“奴”しか考えられなくなった……
その瞬間、文字だけのモニターが消えたと思ったら急に映像が映った。
至る場所に位置する火山がとめどなく噴火し、火山灰と火の粉が蔓延する世界。
溶岩が川のように流れるような生物の住めない岩石で覆われた死の世界
そんな過酷な環境下の中に“そいつ”は悠然と足を組んで待っていた。
「そ、そんな……」
「まさか……こいつが……」
シグナムもヴィータも絶望に顔を蒼白させた。
モニターの前には悠然と、堂々と灼熱地獄の中で座禅を組むジャネンバの姿が見られた。
「こ、こいつが……!」
「奴は……ナハトヴァールは……夜天の書の性能を脈々と受け継いだ生物型のロストロギア……この戦艦をハッキングするくらい造作も無いのだろう」
リィンフォースが告げる現実にアースラ全体が重い空気に包まれる。
アースラごと自分たちの命を握られたこんな状況の中、巨大なスクリーンがまた勝手に表示された。
そして、なのはたちの焦燥など関係無く再びメッセージが表示される。
『コレカラノ要求ヲ最優先ニ応エナケレバ双方ニトッテ最悪ナ結果ニナル』
そして、“取引”という名の“命令”が下された。
『繰リ返ス。十分後ニ“カリフ”ヲ指定ノ世界ニ送レ。ソレ以外ノ要求ハナイト思エ』