魔法少女リリカルなのは~生まれ墜ちるサイヤ人は悪魔の子~(更新一旦停止)   作:生まれ変わった人

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決着

エネルギー波が目の前に迫り、万事休す

 

今までのことが走馬灯のように駆け巡っていた。

 

そんな時だった。

 

「全力全開! スターライト……」

「雷光一閃! プラズマザンバー……」

「響け終焉の笛! ラグナロク……」

「「「ブレイカーーーーー!!」」」

 

突如として自分の傍で強力なエネルギーの波動を感じた。

 

死んだ、と思ったその直後に覚えのある気が隣にチラホラと感じ、周りを見渡す。

 

すると、自分の右になのは、左にフェイトとはやてが砲撃を放っていた。

 

「お前等! 何してやがる! 何故ここに来た!」

「私たちだけじゃないよ!」

「なに!?」

 

なのはから聞いた直後、様々な方向から力を感じた。

 

そこには先ほどまで走馬灯の中に含まれていた顔がたくさん見られた。

 

「チェーンバインド!」

「ケージバインド!」

「ストラグルバインド!」

 

アルフ、ユーノ、シャマルは少し離れた場所バインドでジャネンバを拘束する。

 

様々な色のバインドに拘束され、圧倒的に力が強いジャネンバでも態勢を崩される。

 

「ぬぅ!?」

 

態勢が崩されたことによってジャネンバのエネルギーが弱くなり、少しカリフたちに押される結果になった。

 

「凍てつけ!」

 

さらにクロノが遠くでデュランダルを起動させて冷気を発する。

 

「ぬぎぎ……」

 

魔力の籠った氷でジャネンバを足元から凍らせていく。

 

それによって再びジャネンバのパワーが落ちて再びカリフたちが押し始める。

 

「いける! このまま押し切れるよ!」

「なのはちゃん! 私たちの役目はあいつを倒すことじゃないで!」

「カリフの負荷をできるだけ減らすこと! 無理に力を上げようとすると体力がもたないよ!」

 

カリフと共に全力の砲撃を続けるなのはたちには疲労の色が見え始めている。

 

そんななのはたちの対となるジャネンバは全身を凍らせられ、バインドで幾重に拘束され、尚且つなのはを含めた四人の砲撃に押され始めている。

 

それでもジャネンバは予想を遥か上をいく。

 

(次から次へと……どいつもこいつも……)

 

冷静さを欠いた苛立ちを含み、口からの砲撃を続けながら周囲に潜在パワーを発散させる。

 

(消え失せろぉぉ!)

 

ジャネンバのパワーの開放によって更なる余波はジャネンバの氷とバインドを砕き、クロノたちさえも吹き飛ばし、火山帯に巨大なクレーターを作り上げた。

 

光るエネルギーがドーム状に迫ってくる。

 

「うわぁ!」

「ああぁぁぁ!」

「きゃあぁ!」

「くうううぅぅぅ!」

 

ユーノたちとクロノは成す術なく吹き飛ばされ、ジャネンバの妨害が止まってしまう。

 

「はあああああああああああああああぁぁぁぁ!」

 

ジャネンバの砲撃が本来の力を取り戻し、気合と共により一層威力を上げる。

 

「あああぁぁぁぁ!」

「ぐ……くぅ……!」

「うううぅぅぅぅぅぅ!」

『な、なんてパワーだ……』

 

なのはたちは激しくなった砲撃に押されて苦悶の表情を浮かべる。

 

リィンフォースもはやての中から苦悶の声を上げる。

 

なのはたちにかつてないパワーが襲い掛かり弾き飛ばされるのを必死に堪える。

 

それでも砲撃を止めないのは最早見事とさえ言える。

 

そんな三人にカリフが声を張り上げる。

 

「ば、馬鹿野郎……お前らが来た所で焼け石に水だ……! さっさと消え失せろ!」

 

先ほどまでの諦めもなのはたちの登場で払拭されて必死の形相に変わっていた。

 

だが、なのはたちはエネルギーの余波に耐える。

 

「なんでここに来た! 力さえ合わせれば勝てるなどと自惚れたか!?」

 

なのはたちがいるとすれば全員いるに違いない……

 

今までの経験上ではこんな場面に態々出張ってくる奴などいない。

 

(この……馬鹿共が……!)

 

内心で舌打ちしながら僅かしかない気迫を振り絞って砲撃を止めない。

 

これ以上やればこいつらもオレと一緒に……

 

自体は最悪……なのはたちにも死の影が忍び寄っていた……

 

『なのはちゃん! フェイトちゃん! はやてちゃん! 準備が整ったわ!』

「「「!」」」

 

そう思っていた時だった。

 

なのはたちにしか分からない念話がなのはたちの頭に響いた。

 

『メガーヌさん!』

『隊長のゼストも騎士たちも所定の位置に着いた……後一分耐えて!』

 

その瞬間、なのはたちに再び闘志が湧いてくる。

 

そして聞こえていないカリフにフェイトが叫ぶ。

 

「カ、カリフ……! 後……一分だけ耐えて!」

「い、一分……?」

 

フェイトの言っている意味が分からずにいる。

 

だが、何か策があるのだと何も言わずに力を休めることはない。

 

 

気を探る余裕がないカリフは知らなかった。

 

ジャネンバの真下に何人かが集まっていることに。

 

「大地の恵み、風の囁きよ。我らに力を与えたまえ……」

 

互いに離れて大きい円陣を組むシャマルを除いたヴォルケンリッターとゼストとクイント

 

そして手の甲のデバイスに向けて詠唱するメガーヌ

 

「魔力、身体強化! トランスファー!」

 

デバイスの輝きと共に皆の足元に魔方陣が展開されると、皆の身体にオーラが流れ出す。

 

「力が……漲ってくる!」

「よっしゃあ! 一気に片付けるぜ! アイゼン!」

 

ヴィータの掛け声を皮切りに騎士たちが、槍型のデバイスをゼストが、手に機械のグローブ型デバイスを付けたクイントが構えた。

 

「「「「カートリッジ! ロード!」」」」

 

魔力カートリッジシステムを備えたシグナムとヴィータ、そしてゼストとクイントは薬莢の魔力を取り込んで魔力を上げる。

 

メガーヌとカートリッジで強化した四人は力を開放し、上空に躍り出る。

 

「轟天……爆砕! ギガントシュラーク!」

 

 

 

ヴィータの巨大に変形した破壊の金槌が……

 

 

 

「翔けよ隼!」

 

 

 

シグナムの疾風の弓矢が……

 

 

 

「フルドライブ!」

 

 

 

ゼストの正義を貫く槍が……

 

 

 

「一発……入魂!」

 

 

 

クイントの任務を全うする拳が……

 

 

 

「テエオオオオオオォォォ!」

 

 

 

ザフィーラの主を護る拳が……

 

 

 

 

灼熱のマグマを含んだ足元の岩盤へと放たれ……爆散した。

 

 

 

爆散した後の嵐が吹き荒れる地面

 

「はぁ……はぁ……」

 

ヴィータたちは肩で呼吸をしてデバイスの魔力を収める。

 

力が抜け、襲い掛かる疲労感よりも皆は爆発した場所をただ見詰める。

 

だが、何の反応も起きない。

 

「なんでだ……なんで何も起きねえ」

「まさか……」

「失敗……なのか……」

 

不吉な予測がその場全員の心を侵食する。

 

彼女たちにとっては最後の力を振り絞った決死作戦と言えた地面を打ち抜く作戦

 

全てを賭けたこの作戦の結果は……

 

 

巨大なエネルギーと魔力がぶつかり合い、巨大なうねりを引き起こしている上空

 

(そろそろ一分……!)

 

フェイトから提案されたタイムリミットが過ぎたと感じる。

 

未だにエネルギーがぶつかり合い、互いに体力を消耗させている我慢比べが続く。

 

気が遠くなるような我慢比べでの一分は永遠とも言えるような気分だった。

 

身体の底から生命力が枯渇していく気分だ。

 

「うぅ……!」

「あと少し……!」

「あかん……そろそろ限界や……」

 

砲撃を続けているなのはたち三人の体力もそろそろ限界がきている。

 

かく言う自分も重度の脱水症状と出血多量、戦い続きの疲労により人のことが言えなくなってきている。

 

手の感覚も消え始め、また死の影が差してきた。

 

(せめて、こいつ等くらいは……!)

 

仮にも今まで共に過ごし、世話になった借りがある。

 

その気になれば自爆なりなんなりして逃がすことも考えねば……そう思っていた時だった。

 

ジャネンバの真下の地面に罅が入る。

 

「かあぁぁぁぁぁ……!」

 

そして、その硬い岩盤に覆われた地面の罅は広がって穴ができる。

 

「ああぁぁぁ……!」

「はあぁぁぁ……!」

「もう少し……!」

 

更に穴は拡大し続け、中からマグマが僅かに溢れ出す。

 

「くそ……ここまでか……!」

 

カリフは三人を逃がすための覚悟を決め、命のカウントダウンを始めようとした。

 

 

 

その時だった。

 

ジャネンバの下の地面から溢れ出たマグマはその量を増していく。

 

マグマは硬い地面から出ようと地面を膨らませてあがく。

 

「この揺れは……」

 

開放されないマグマはまるで怒りを抑えられないと主張するかのように肥大化していく。

 

「まさか……」

 

出してもらえないマグマは無理矢理出ようとするだけでは飽き足らず地面内部で駄々をこね、暴虐の限りを尽くす。

 

やがて小さな反抗は大きな反乱へと発展していく。

 

そして遂に……

 

この星を動かす熱のエネルギーが

 

「総員、速やかに退避せよ!」

 

岩盤を押しのけたマグマが爆炎から噴水のごとく噴出した。

 

「なっ!?」

 

ジャネンバは自分の背中から強い熱気を感じ、振り返ると下からマグマの柱が自分へと向かってきている。

 

エネルギー波によって身動きが取れない。

 

動けるはずもないジャネンバは成す術なく高温のマグマを背中に受けた。

 

「ぐあああああああああああああああぁぁぁぁぁ!! づああぁぁぁぁぁ!」

 

マグマに背中を焼かれて断末魔を上げるジャネンバは反射的にマグマを防ごうとするが、そこで見計らったようにカリフたちの砲撃が激しさを増す。

 

正確にはジャネンバ自身がダメージによってパワーダウンしたのが原因である。

 

そしてカリフでさえ突然の出来事に驚愕を隠せない。

 

「ふふ……」

 

なのはたちの方を見ても三人は辛そうながらも不敵に笑って返す。

 

「味なマネを……」

 

どこか呆れながらも気が付いたら苦笑してしまいそうになってしまった。

 

(くそ……! このオレがこいつら如きに変な気分になっちまうなんてよ……)

 

だが、不思議と悪い気はしない。

 

一対一の決闘を邪魔されたにも関わらず悪い気はしない。

 

「だったら最後までとことんやってやる! お前等! まだいけるか!?」

「うん! まだやれる!」

「カートリッジもあと少し残ってる!」

「何とかやってみる!」

 

こんな波動の傍にいるだけでオレよりもシンドイくせに無理をしやがって……

 

「なら、合図に合わせてお前らの砲撃をオレのエネルギーに混ぜ合わせろ!」

「だ、大丈夫なの!?」

「なんだか知らねえが気はお前らの魔力と相性がいい! そうなればお前らの魔力とオレの気の融合で威力は段違いになるはずだ! 推測でしかねえ暴論だがな……」

 

三人は一斉に頷く。

 

「やるよ! カリフを信じる!」

「私も! 皆で力合わせれば……!」

「絶対に負けへん! リィンフォースもも少し頑張ってや!」

『はい! 我が主!』

「「カートリッジ、ロード!」」

 

踏ん張るなのはとフェイトはカートリッジをロードする。

 

二人の魔力はカートリッジを全て使って段違いに上昇する。

 

三人の覚悟を再確認したカリフには既に三人を止めるようなことはしない。

 

「合図はお前等に任せる! このまま勢いで一気に決めるぞ!」

「フェイトちゃん! はやてちゃん! いくよ!」

「「うん!」」

 

三人は足元の魔方陣が更に大きくなる。

 

「いくよ! これが私たちの最後の全力全開!」

 

なのはが

 

「闇を浄化する光の一閃!」

 

フェイトが

 

「ブライト……」

 

はやてが

 

「ストリーム……!」

 

そしてあのカリフまでもが

 

全員の心が合わさり、一つとなった光を……

 

 

 

 

「「「「ブレイカーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」

 

解き放った。

 

紅のエネルギーの周りを桃色、金色、白の魔力が螺旋状を描いて飛びまわり、混ざり合う。

 

混ざり合った魔力と気の超エネルギーはジャネンバを丸呑みにした。

 

「な、何だとおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!」

 

受け止めていたエネルギー波に飲み込まれながらジャネンバは魂から叫んだ!

 

後方にはマグマ、前方には今までにない莫大なエネルギー波

 

二方向から身を焼かれるジャネンバの身体は徐々に崩壊を始めた。

 

崩れゆく身体を闇の書の防衛プログラムが修復せども修復よりも崩壊のスピードが早い。

 

「「「「はああああああぁぁぁぁぁぁ!!」」」」

 

カリフを筆頭とした四人のエネルギー波はジャネンバを飲み込むだけでは飽き足らず、下から押し寄せるマグマさえも押し戻していく。

 

星そのもののエネルギーと言っても過言ではない噴火のエネルギーを星そのものに押し返す。

 

二つのエネルギーに挟まれたジャネンバには既に最初の人型の面影がどこにもなくなっていた。

 

「こんなはずではっ! 私はああああぁぁぁぁぁっ!」

 

そして、ジャネンバはマグマと共に噴火口へと押し戻され……

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

ジャネンバの下に溜まっていたマグマに大量のエネルギーと共に叩き込まれ……

 

 

 

 

景色を塗りつぶすほどの大爆発を起こした。

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