世界を滅ぼす天才ちゃんと特別な力とかは持ってない凡人くん 作:晃斗
性転換タグをつけてるなら好きなだけ性転換させていいってばっちゃが言ってた。(言ってない)
オレはごく普通のオタクだった。新作のラノベを見ては興奮して、面白そうなアニメやゲームを見ては実際に見たりやったりする。そんなありふれたオタクだったのだ。
……それが、それがなんでこんなことに…!
なんでこんなことになってるんだぁぁぁー!!!
〜数分前〜
「はあ…、よくある転生ものみたいな感じですかね?」
「そうそう!そんな感じそんな感じ!」
気がついたらいつの間にか目の前に神様がいた。今の俺の状況を説明するとそんな一言で言い表せる。
オタクな事が功を奏したのかこの状況でもそんなに困惑はしていなかった。逆にワクワクすらしている自分に驚いたくらいだ。
「それで神様?オレが転生する世界ってどんな所なんです?」
「よく聞いてくれました!君が転生する世界は「此方に花咲く彼岸花」の世界なんだよ!」
「こなひなの世界に!?」
オレでも知ってる鬱百合アニメじゃないか!主人公達もヒロイン達も皆魅力的で、ラスボスが人気投票No.1に輝いた作品!
へぇー!そんな世界に転生できるのかぁ…!……待てよ?こなひなと言えば多種多様なルートがあるアニメ。オレが転生するルートはどこなんだ?
「心配むよー!どのルートでもない平和な世界だから!」
「そうなんですか!?ってなんで言葉に出してないのに…?」
「それはカミサマですから!」
神様スゲー!!
「それじゃあ転生ゴー!」
「えっあのチートとか無いんですk…」
「すぐ分かるからー!」
それはあんまりにもあんまりでは!?
〜そして冒頭に戻る〜
これがチート!?本当に言ってんのか!頭沸いてんじゃねぇの!?もうぜってぇ神"様"なんて言わないからな!クッソ馬鹿にしやがってぇ…!
ちぃっ!あんな奴の事を考えてたって仕方がない。今は目の前のコレについて考えろ…!
まずは①ィ!何か男に恨みでもあるんか!?産まれてきたことを後悔って時点でヤバイのに消滅ってなにさ消滅って!怖すぎるって!
次は②ィ!紆余曲折って何だ!?なんやかんやって何だよ!最後には幸せになれてようござんすねぇ!!(半ギレ)
…選ぶのは②だよチクショウめぇ!
そしてオレは「私」になった。
転生してからのオレ……私の人生はこの「脳内選択肢」のせいで散々なものだった。幼稚園では、周りの園児に泣かれて孤立してからボッチになる流れはいっそ芸術的なまでに美しく、小学校では生徒どころか先生にも腫れ物扱い…というかキチガイ扱いで話した回数は両の手の指で数えれるほど。中学校ではみてくれに釣られてきた馬鹿な男子も選択肢の行動の前にすぐに消えて居なくなった。
そんな人生だけど元気に生きてます…。(空元気)
そんな過酷な人生を生きてきた私は今、史上最大の選択肢の壁に頭を悩ませている。そう、こんな選択肢に…!
(不合格で人生転落)
(何とか合格するものの虐めの対象に)
(今から努力を始めれば合格でき幸せへの第一歩に)
(ギリギリ推薦枠に入るがついて行けずに中退)
(余裕で合格し平々凡々なつまらない人生を送る)
………スゥー。(深呼吸)
何だこの「いっつも可哀想だから今回くらいは救いの道を用意してやるか」っていう感じの鼻をかんだ後のティッシュみたいな慈悲は!鼻水がついてるティッシュは紙くずって言うんだぞ!?そんな慈悲ならいらねぇわ!!
(不合格で人生転落)
(不合格で人生転落)
(不合格で人生転落)
(不合格で人生転落)
(不合格で人生転落)
そういう事じゃねぇぇぇぇー!!!!確かにそんな慈悲なんていらないって言ったよ!?でもさ?積極的に人生転落させにいくのは違うんじゃない!?ねぇ!ねぇ!!
点滅してまで強調してくんな!
いや…あの…?
あの……。
すみません…。私は鼻をかんだティッシュにも劣るゴミクズです…。なのでその……、温情を頂けませんか…?
(今から努力を始めれば合格し幸せへの第一歩に)
いやもうそれ選択肢じゃ無………、はいもうそれで良いです…。
お……終わっ………た…。頑張って東雛川に合格したのに……。なんで自己紹介の時に「脳内選択肢」が来るの…?あんな事を言った奴の高校生活なんて酷いものになるに間違いなし……。うぼあぁぁぁぁー……。(瀕死)
それに自己紹介してた時のクラスメイトの表情を思い出してみろ…?「うわ…なんかヤバい奴がいる…」って顔で全員がドン引きしてたんだぜ…?うっ…思い出すだけで胃がキリキリして心臓がキュッとしてきた…。まさかこれが…恋……?(ストレス)
そんな恋の病(ストレス)と戦っていると、入学式である今日することが全て終わったらしく話を締めて先生が出ていった。瞬間、生徒達はぽつぽつと少数のグループを作って駄弁りだした。…え?あの、もうある程度のグループが決まってるんですか…?私を入れてくれても……。あっその不審者を見る目を辞めてくださいお願いします。転生してからメンタルが確実に弱くなったから心に響くんです…。
その空気に耐えきれず、教室から逃げ出して下駄箱近くまで来たのだけどその時に人にぶつかってしまった。ぶつかったのは私だけど倒れたのもまた私だった。尻もちをついた私に、ぶつかられた人が手を差し伸べてくれたその手をとったその時。
自分からぶつかった何も悪くない相手に逆ギレする(喜々として)
何も悪くない初対面の相手に変なダル絡みをする(声だけガチで)
選ばせてるのはお前だよぉ!!オレが喜々として選んでると思ったら大間違いだぞテメェ!①も②も相手に何の罪もないって事を強調してんじゃねぇ!オレが一番知っとるわ!!
この場で誰が悪いかと言えば100オレが悪いんだよ。オレだって謝れるなら謝りてぇよ!くっそ…くっそぉ!
……ぐ、ぐぎぎ…②だぁ…っ!(血反吐を吐きそうな顔で)
「何コラ分からせコラァ!」
「………」(呆気に取られている)
ごめんね!?本当にごめん!全部オレが悪いのにっ…!「脳内選択肢」めぇ…!
「…!俺の注意不足だったよ。大丈夫だったのか?怪我は無いか?」
「…え?」
なんでそっちが謝るんだ…?それに失礼な事を言ったオレに心配までしてくれた…?な、なんで?
「う…あ、えぁ?」
「そんなに驚いた顔をしなくても…」
だってそんなことは初めてだ。だってそんな人は初めてだ。何時だって悪いのはオレだった。なのに「脳内選択肢」のせいで毎回悪い方向に行かされる。それなのに、それなのにっ…。
「何か事情があるんだろ?それも君が一切悪くない事情が。なら君を責めたりはしないよ。それに…、そんな自分を責める様な顔をしてる人が悪い人のはず無いだろ?」
言葉にならないとはこういう事を言うのだろう。感謝の言葉を伝えたいのに喉が震えて上手く声が出せない。深々と頭を下げて感謝の意を示したいのに視界が滲んで、体が震えて行動に移せない。
そんなオレを気遣ってか、男はブレザーを脱いでオレに被せてから人気の少ない所に連れてきた。……それがオレの限界だったのだと思う。
それからわんわん泣いた。人目を憚らず、声を抑えず。これまでの全てを流し出すかのように。それを男は文句一つ言わずに黙ってそれを聞いていた。それがオレにとって何よりも救いだったのだ。
泣き続けて、涙も枯れてきた頃にオレは…私はようやく声を出すことができた。
「その、ありがとうございます。見ず知らずの変なことを言った女の涙に付き合ってくれて」
「どういたしまして。限界が来る前にカラオケとかで発散したら案外楽になるかもよ?」
「あははっ、そうですね!」
私は転生してから初めて、心の底から笑うことができた。…本当に…比喩じゃなくこの人に私は心を救われたのだと確信して言える。この人生で最高の…そして得難い出会いをしたものだ。
「その、ありがとうございました。ま…またっ」
「ああ、またな」
そうして彼と別れるのだっ……あ?
………このっ、こんのクソ神ィィィィィィィィー!!!!
変人ちゃん
神様TS転生者。またの名を神の玩具。
「此方に花咲く彼岸花」の事はアニメの事だけ知っている。ライトなオタクがこんな事になっちゃって…。(憐憫の眼差し)
転生してからは「脳内選択肢」に振り回される毎日。小中と「脳内選択肢」が原因で友達はおろか、話し相手すらまともに居なかったためコミュニケーション能力が著しく退化している。
色々と限界が来ていた東雛川高等学校の入学式に凡人くんとばったりエンカウントしたのが人生最大の幸運。凡人くんのパーコミュカウンセリングでメンタルが完全回復した。それ以降は「脳内選択肢」に余裕をもって元気にノリツッコミをしている。なお「脳内選択肢」は凡人くんを完全ロックオン。前話のマイダーリンとか「脳内選択肢」の結果で、変人ちゃんがそう呼ばされている。
容姿は、髪色は濡羽色でアホ毛がトレードマークなサイドテール。瞳の色も濡羽色。タレ目気味だがぱっちりと瞼を開いているため、明るく見える。顔立ちはかわいい系で声はすんごいかわいい。天才ちゃんよりちみっこい。言動で全てを台無しにするタイプ(強制)
名前の由来は、[
脳内選択肢
某脳内選択肢に学園ラブコメが邪魔される系のあれ。まるまるパロった。
天才ちゃん
この日は用事があったため、実体を持って自立思考ができるホログラムを代わりに登校させた。…それはもうホログラムじゃないのでは…?
凡人くん
また訳ありの女を引っ掛けたクソボケ。流れる様にパーコミュして流れる様に闇を持つ女の闇を払った。
もうお前は凡人って言葉に謝れ。