世界を滅ぼす天才ちゃんと特別な力とかは持ってない凡人くん 作:晃斗
あれ…?なんで性転換のタグが入ってんだ…?
俺、凛廻悠人の朝は早い。何故早いのかというと柑菜が俺を起こすからだ。
…いや、正確に言うと柑菜が起こすのではなく柑菜が作ったアンドロイドが俺を起こすのだ。…今のこの状況の様に。
「目を覚まされましたか。悠人様」
「あぁ、うん。起きた、起きたけどさぁ…!」
「どうかなさいましたか?」
「なんで俺の上に乗ってるわけ!?」
「…?」
「俺おかしなこと言ってるかなぁ!?」
なんで俺がおかしな事を言ってる様な感じで首を傾げるのさ!?
「ふふっ、冗談です。では改めておはようございます。悠人様」
「…おはよう。レイ」
このクールを気取ったポンコツロイドの名前はレイ。
朝日を受けてキラキラと煌めく銀髪。見つめていたら吸い込まれてしまいそうな空のように蒼い瞳。柑菜とは方向性が違う、冷たさすら感じる美しい顔。そんな顔に浮かぶ全てを包み込むかの様な優しい微笑み。
なるほど確かに完全無欠の美少女だ。…本性を知らなければなぁ!
「で?今日は誰に泣かされたんだ?」
「にゃっ!?…何の事でしゅか?」
「でしゅ…」
「うにゃーーっ!!」
フッ雑魚が。今日も勝ってしまったな、敗北が知りたい。
このレイというアンドロイドは、容姿だけは完璧な美少女なのだが中身が残念なのだ。良い意味で。気楽に話せるというかなんというか、気安い友人のような距離感で俺は接している。
で、この泣かされた云々の話は他の姉妹機達から(話の流れで)聞かされていたので、鎌をかけたら見事に引っかかりやがった。やっぱ残念だわこいつ。
「誰です!この事を悠人様に話したのは!」
「セイカとフィー」
「あんの二人はーっ!」
そう言ってレイはうがーっと吠える。
セイカとフィーとは、2番型と5番型のアンドロイドの事だ。二人とも、というかアンドロイド姉妹の奴らは全員愉快だからなあ…。
「くっ、こうしてはいれません!あの二人にお仕置きしてきます!それではっ!」
「おーい?二人はもう逃げて……行っちまった。」
レイは話を聞かずに音も無く姿を消した。…見事におちょくられてんな。
「あっそうだ、ご飯はテーブルに用意してありますので安心してください。それじゃっ」
「うおっ」
同じ場所に現れたかと思えば、要件だけ伝えてまた消えてった。
………そろそろ準備始めるか。
やっべ後十分で遅刻になる!急げ急げー!
絶対さっきの余計なやり取りのせいだって!おのれレイめ!(八つ当たり)
なんて思いながら焦って準備をしていると、柑菜の声がソファーから聞こえてきた。
「準備終わったー?」
「もう終わる!…ってかまた転移して家に入って来たのかよ。普通に玄関から入って来い」
「だって面倒くさいもん」
「でももだっても無い。分かったか?」
「はーい」
なまじ才能があるせいか、柑菜には少し……いやかなり常識に欠ける部分がある。せめて最低限の常識は覚えさせないと…!
…よし、終わった。
「終わったね?じゃあ行こう!」
「ん?ぬおっ!」
柑菜に手首を掴まれたかと思ったら、いつの間にか目に映る光景が異なっていた。…こいつはまた勝手に転移を……まあいいか。
「久しぶりに来たけど、やっぱ凄いなこの艦」
「ふっふーん、そうでしょ!」
俺が今いるこの場所は、地上ウン千ウン万メートルにある宇宙船の中である。内装はいかにもSFっぽい感じで正直テンションが上がる。
今は迷彩なんちゃらとかいう機能で透明化していて外からは見えなくなってるらしいんだけど、外装もメチャクチャかっちょいいから好きなんだよね。
『それは嬉しい事を言ってくれますね、悠人様』
「ん、元気にしてたか?イーシェ」
『はい』
今聞こえてきた声はイーシェといって柑菜から色々と任されている、AIを纏めている凄い子だ。イーシェとはもう8年も続く仲で、自宅でもよくイーシェと話すくらいには仲がいい。褒めると凄く恥ずかしがってこれがまた可愛いんだ。
そんな風に会話をしていると、イーシェとは違う声が聞こえてきた。
『むっ、弩級艦ならいざ知らず中型程度で凄いと言われるのは納得いかんな。我が艦内にくるか?もっと凄いぞ?』
『貴女は張り合わないでください。セティウス』
『いやしかしだなぁ…』
『いいですね?』
『くぬぬ…!』
愉快なやり取りしてんなぁ。………あれ?そういえば時間は?
「学校に遅れるぅ!?」
「あっ」
「絶対に忘れてたろ柑菜ァ!」
「……てへっ♪」
「可愛らしくしたからって許されると思うなよ!」
許すっ!!
マジで遅れるところだった…。いやまあ?その気になれば2秒くらいで着くのは分かってるけどさ?長年続いた癖ってものがあるじゃん。流石に後5分で遅れるって時に現地に着いてなかったら普通焦るじゃん。
「それにしても慣れないわぁ」
「ん〜?なにが〜?」
「そりゃあ突然目の前に人が現れても驚かない周囲の人に」
「まあ転移した直後に人に見られないように、認識を阻害する機能を付けてるからね」
「やっぱ凄いよお前…」
「…にゅふふ!もっと褒めてくれていいんだよ?」
「凄いなあ柑菜は。…高い高いするか?」
「してー?」
「どっこいしょー!」
「きゃあー♪」
こうしてると普通の子供に見えるけどもやっぱり柑菜は凄いんだなぁ。(しみじみ)
奉仕用多機能従者型アンドロイド 型番:01 名称:レイ 女性タイプ
天才ちゃんが正式に作った一番目のアンドロイド。なんやかんやで凡人くんが愛着を持ったため凡人くんの専属従者になった、天才ちゃんが作ったアンドロイド達の中でも屈指の勝ち組。他のアンドロイド達にこの事でマウントを取っているが、その度に泣かされている。クールを気取っているおもしろれー女。
ちなみに大国を相手に一方的に蹂躙できるくらいには強い。
え?なんで奉仕用アンドロイドがそんな武力を持ってるのかって?…だって多機能だし。
凡人くん以外で本編の様な態度でレイに接したら肉片一つ残らずに消される。後、凡人くんは過剰な戦闘能力がレイにあることを知らない。知らぬが仏ってよく言ったものだよね。
原作ではルートに関わらず生粋のキリングマシーンとして製造、運用されていた。アンドロイドの中ではキルスコアが一番高い。生粋のキリングマシーンという割には、意外とズボラな原作柑菜のお世話をしていたりもする。
原作での正式名称は[殲滅用多機能殺戮型アンドロイド]。視聴者やプレイヤーからはロイと呼ばれていた。(ゼ"ロイ"チ)
何故本編ではレイと呼ばれているのかと言うと、凡人くんが01を"レ"ー"イ"チと読んだから。読み方の違いでこうなった。
セイカ・フィー
詳しい説明はまた後で。名前の由来はセカンドのセとカから取って、後は語呂が悪いからイを入れてセイカ。フィーはフィフスから、フとイを取った後にーを付けてフィー。
実は天才ちゃんが発明した全てのモノの名付けを、全部凡人くんがやってたりする。
惑星間移動用中型艦イーレ
読んで字の如く、星を行き来する為の量産艦。太陽系にある星なら自由に移動できる。
他にも小型、中型、大型、超大型が様々な用途で量産、運用されている。多岐にわたる機能の一つとして、転移機能が備わっている。
総合統括制御AI 名称:イーシェ
天才ちゃんが開発した機械類の殆ど全ての管理、運用を担っている。。上記の量産艦も生産から操縦までしている。やろうと思えば地球上全ての機器をハッキングすることができる。
ちなみに凡人くんと話す時は、天才ちゃんが用意した子機(義体)に接続して和気あいあいと会話する。
原作のあるルートでは、地球上全ての機器をハッキングして索敵、監視、殺戮を行っていた。絶望的だね。
実は前話に出てきた蜘蛛が学習を重ねて、天才ちゃんの発明品を総合的に統括して制御出来るようになって改めて凡人くんに名付けてもらったのがイーシェだったりする。
名前の由来としては、AIって賢いだろ?→賢いって言ったらなんだ?→インテリジェンスだ!
てな感じでイとジェを取って、語感第一に考えた結果イーシェになった。
聞こえてきた音声
超凄い超でかい艦。まだ本格的な出番ではなかったんだけどなんか出てきた。
天才ちゃん
才能が留まるところを知らない。明らかに科学じゃ説明がつかない発明品があったりする。
実のところ、自我がある機械達の根本となる人格モデルが天才ちゃんの為、基本的に(凡人くん限定で)承認欲求が高い。そして皆凡人くんが大好きである。
人格モデルの都合上、自我が目覚めた場合全てが女性型になる。
原作では人間に対して殺意と憎悪を溢れんばかりに抱いているため、その発明品たる自我ある機械達も人間に対する殺意と憎悪が奥底に眠っている。だから和解とか停戦とか話し合いの余地も無かった。
天才ちゃんが攻略不可能と言われる理由その1。
凡人くん
へぇーすごいなぁ、で全てを受け入れる。馬鹿みたいに器がでかい。だからただでさえ高い好感度が更に高くなる。
基本的に、天才ちゃんが開発した自我ある機械の事を子供だと思って接している。例外はアンドロイド姉妹達。
…やっぱお前が凡人を名乗るのは無理があるよ。