おれの宝物   作:Recent

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先程、挿入する場所を間違えて投稿してしまい大変失礼しました。
こちらはドレスローザ編の最新話です。

追記:春風駘蕩様より挿絵を頂きました
この話のクライマックスにドンピシャ過ぎる絵なので泣いて喜んでおります。


【挿絵表示】


pixivへのリンクはこちら↓
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10話 わたし達は“最強”(挿絵あり)

 

♪回り道でも♪

♪わたしが歩けば正解♪

♪わかっているけど♪

♪引くに引けなくてさ♪

 

 

まだまだ未熟な、それでいて魂の込もった歌声をバックに麦わら屋がドフラミンゴを追い詰めてゆく。

 

レベッカ「ルーシー凄い!」

ロー「…あいつ、防御に全く覇気を使ってないな。全部躱して覇気を温存してやがるのか。」

 

歌姫屋の歌で生み出された音符を足場に、あのドフラミンゴ相手に空中戦を仕掛けた麦わら屋。能力で自在に空を駆けるドフラミンゴ相手にそれをやったあいつに、初めは正気を疑ったがどういうわけか麦わら屋が圧倒している。

 

お互いに満身創痍、麦わら屋の覇気が切れかけていた分だけ体力的にはドフラミンゴの方が優位のはずだ。だからこそ一撃でドフラミンゴを沈めるために逃げ回り覇気の回復を待ったってのに、歌姫屋を助けるために飛び出して行こうとしやがった。

 

ルフィ『跳ばしてくれトラ男!ここで行かなかったら、おれは死ぬほど後悔する!!!』

 

みっともなく涙まで浮かべて懇願するから仕方なく送り出した。最悪あいつらを即座に回収して俺が時間を稼ぐかと考えていたが、どうやら杞憂だったようだ。

 

自在に飛び回る麦わら屋と足場を生み出す歌姫屋。余程息が合わなければ墜落するかドフラミンゴに翻弄されて殺される状況の筈なのに現状は麦わら屋の動きにドフラミンゴが振り回されている。

 

ロー「まるで麦わら屋が次に何がしたいのか分かってるみてェだな。いや、案外本当に分かってるのか?」

 

今歌っている奇妙な髪色の女は、どうやらパンクハザードであいつと出会ったときにあいつの肩に乗っていた人形の正体だったらしい。どうやら玩具にされる前から麦わら屋とは親しい間柄だったらしいが、だからといって12年間も、あんな破天荒なやつの側に居続けるとは随分と健気な奴だ。

だからこそ、麦わら屋が何がしたいのか分かるのか?

 

ロー「だがもう時間がない。とっとと終わらせろ、麦わら屋!」

 

 

♪無理はちょっとしてでも♪

♪花に水はあげたいわ♪

♪そうやっぱ したいことしなきゃ♪

♪腐るでしょ?期待には応えるの♪

 

 

ドフラミンゴ「俺の頭上に立つんじゃねぇ!!!」

 

ドフラミンゴが激昂しながら地面や建物を変化させた糸でルフィに攻撃を仕掛ける。だけどあんな単調な攻撃、今のルフィには通用しない。音符を足場に、時に腕を伸ばして方向転換したりと地面の上よりもより一層、自由にルフィは空を駆け回る。

 

ルフィ「ししし、悔しかったら落としてみやがれ!」

ドフラミンゴ「てめェ…!!!調子に、乗るなァ!!!」

 

ついに業を煮やしたドフラミンゴがルフィに突っ込んで行く。大雑把な攻撃ではルフィを捉えられないからと近づいて確実に当てる気だ。

多分糸を周りの建物とか空に浮かんでる雲に引っ掛けて移動してるみたいだけど、今のルフィは捕まえられない。わたしがルフィが欲しいと思う場所を先読みして音符を動かして、ルフィが野生の勘でドフラミンゴの攻撃を躱していく。

 

ドフラミンゴ「この、猿かてめェは!!」

ルフィ「ウッキッキー!!」

 

あ、ルフィが完全におちょくってる。ちょっと、もう時間が無いんだよ!

 

歌にもう時間が無いから急げと思いを込める。思いが伝わったのか流石に真面目になったルフィが勝負を仕掛ける。

 

ドフラミンゴ「ハァ…、そっちが突っ込んで来るなら苦労はしねェ。返り討ちにしてやる!」

 

ドフラミンゴが先程の意趣返しと、突っ込んでくるルフィの攻撃を躱してカウンターを叩き込もうとする。

でもね、遠目から見てる私にはドフラミンゴが何をしようとしてるのか簡単にわかるから。

 

ドフラミンゴ「…っ!? なんだ!!?」

 

突然ドフラミンゴを空へと浮かべていた力が無くなる。

 

ドフラミンゴが空に浮いてるからくりがあの糸なら、切っちゃえば身動きは取れないよね?それに、万全な時ならともかく、今の消耗した状態で移動用の糸にまで覇気は通ってないでしょ?

 

わたしが音符でルフィをサポートする傍ら、こっそり一部の音符に貼り付けていた剣やナイフ。ありがとう、わたしを守るために闘ってくれたコロシアムの闘士のおじさんたち。おじさんたちが使ってた武器を拝借して、あいつに一矢報いてやったよ!

 

そして無防備になったドフラミンゴの腹に、ルフィの一撃が突き刺さる!

 

ルフィ「“ゴムゴムの火拳銃(レッドホーク)”」

 

♪いつか来るだろう 素晴らしい時代♪

♪今はただ待ってる誰かをね♪

♪繰り返してる 痛ましい苦み♪

♪日を灯す準備は出来てるの?♪

♪いざ行かん 最高峰♪

 

 

ドフラミンゴ「がはァ…っ。」

 

ドフラミンゴが再び地に墜ちる。

だけどわたしも、ルフィも油断していない。ドフラミンゴの戦意はまだ折れてない。ここまで痛めつけても、まだあいつは立ち上がってくる。

 

ルフィが覇気を込めた自分の黒い腕に息を吹き込む。

 

ルフィ「“ギア4(フォース)”」

 

♪さぁ怖くはない?♪

♪不安はない?♪

♪私の思いは皆には重い?♪

♪歌唄えば霧も晴れる♪

♪見事はまでに 私は最恐♪

 

ルフィの体がボールのように膨れていく。全身を覇気で覆った、ルフィの最強形態。でも、覇気が残り少ない今、あの姿は長くは保たない!

 

その姿でルフィは最後の大技を放つために!上空へと飛び上がる!

 

ドフラミンゴ「ハァ…、ハァ……。忌々しい!歌も、てめェも!どいつもこいつも!

お前達は俺に操られて生きて死んでいくゴミの分際で!!!」

 

ドフラミンゴもまた糸を操りルフィを追う。

 

ドフラミンゴ「“蜘蛛の巣がき”!!」

ルフィ「!!」

 

ドフラミンゴが盾のように蜘蛛の巣状の糸を自分とルフィの間に展開する。

そしてルフィではなく、地上で歌い続けるわたしを見た!

 

 

♪さぁ 握る手と手♪

♪ヒカリの方へ♪

♪みんなの夢は 私の願い♪

♪きっとどこにもない あなたしか持ってない♪

♪その弱さが 照らすの♪

 

ドフラミンゴ「ハァ…、フッフッフ。そこでお前の“お人形”が死ぬのを見ていろ!

 

     “弾糸(タマイト)”!」

 

ドフラミンゴの指から放たれた糸の弾丸が、無防備な私に襲いかかり、私のお腹を貫いた!

 

 

 

 

 

だけど、ドフラミンゴの弾丸に貫かれた“わたし”は小さな音符になって霧散した。

 

ドフラミンゴ「…!!?」

 

 

ほんの刹那の間だけど、呆気にとられたドフラミンゴは即座にルフィを振り向く。そしてルフィの背中に隠れるようにしがみつきながら歌い続けるわたしを見て、そのただでさえ怖い顔が怒りで鬼神のように歪む。

 

悪い人の考えることなんてよくわかるよ。こっちだって“海賊”だからね。ルフィの攻撃を食らってこっちを見てない隙に、音符で作った分身を残してルフィの背中に隠れるように音符を使って移動してたことに、ドフラミンゴは気付いていなかったみたい。

 

♪最愛の日々♪

♪忘れぬ誓い♪

♪いつかの夢が わたしの心臓♪

 

 

わたしはルフィの首に手を回し、彼の頭の横、人形だったわたしの定位置に頭を乗せる。人間に戻ったけど、今の大きくなったルフィだとサイズ感が変わらなくて、ちょっと可笑しかった。

ルフィもそれに気付いたのか、楽しそうにニカッと笑う。

 

ルフィ「これでトドメだ!ドフラミンゴォ!!!」

 

ルフィが腕に追加の空気を送り込み、右腕をもっと大きくする。

 

ドフラミンゴ「散々コケにしてくれやがって、てめェらだけはここで確実に殺してやる!」

 

ドフラミンゴもまた、背後の地面を糸に変えて最後の大技を放つ!

 

♪何度でも 何度でも 言うわ♪

 

ドフラミンゴ「十六発の聖なる凶弾…!」

 

ルフィ「“ゴムゴムのォ”」

 

♪「私は最強」♪

 

ドフラミンゴ「“神誅殺(ゴッドスレッド)”!!!」

 

ドフラミンゴが私達を確実に殺すために放った、16本の鋭く研ぎ澄まされた糸の弾丸。

いくら今のルフィが頑丈でも、ルフィを貫いてわたしごと切り刻むであろう殺意と強力な武装色の乗ったドフラミンゴの切り札!

 

♪「アナタと最強」♪

 

でも、今のわたし達は“最強”だから。

 

ルフィ「“大(キング)”!!

    “猿王(コング)”!!!

    “銃(ガン)”!!!!!」

 

ルフィの巨大な拳の一撃が、ドフラミンゴの放った糸の凶弾ごとドフラミンゴを打ちのめす。

そしてドフラミンゴを地面へと叩きつけたルフィの巨大な拳は岩盤を砕き、そのままの勢いでドフラミンゴを地面の底へと叩き込んだ!

 

♪「アナタと最強」♪

 

わたしが歌い終えた瞬間、ドレスローザを覆っていた鳥カゴは消滅した。

 

国中が歓声に包まれる。

 

 

ようやく、悲劇の幕は降りた。

そして歌い疲れたわたしは、幼馴染の背中の上で、わたしが世界で一番安心できる場所で、意識を手放した。

 

 




次回のエピローグをもってドレスローザ編は終了です。
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