目次とドレスローザ編10話に掲載していますので是非ご覧下さい。
今回はウソップ視点から。
ルフィの影が入れられて復活したとんでもなくデカい巨人のゾンビに驚き、隠れていたクマシーと呼ばれる中身の空っぽなぬいぐるみのゾンビから転がりだしてしまった俺とナミ、チョッパーの三人は必死に逃げ回った。何とか追手を引き離して逃げ切れると思ったとき、突然俺とチョッパーは“何か”の砲撃でふっとばされ、ナミはアブサロムと名乗った顔面がライオンの男に連れ去られてしまった!
そして俺たちを捕まえるために現れたゾンビ達に捕まりそうになったとき、突然俺達を抑え込んでいたゾンビ達が苦しみだし、口から黒い魂のようなものを吐き出して動かなくなった!
フランキー「アウ!!アウ!!!
…おれの弟分達から手ェ離せやコラァ!!!」
チョッパー「ア”ニギ〜〜〜!!!」
ウソップ「ロビ〜〜〜ン!!!」
助けに来てくれたロビンとフランキーと一緒に、サニー号の停泊している場所まで駆け戻った俺達は、二人にルフィとウタの影が奪われてしまったこと。ルフィの影がデカい巨人、あいつらが“オーズ”と呼んでいる怪物に入れられたことを説明した。
とにかくまずはサニー号に戻り、先に船に運び込まれたであろううちの一味の主力達を叩き起すことになったんだが…。
ウソップ「美女の剣豪が肉持ってやってきたぞ!!!」
サンジ「美女!!?」
ルフィ「肉!!?」
ゾロ「剣豪ォ!!?」
チョッパー「ダメだコイツら!!」
ダイニングで見事にデコレートされていたダメな三人をどうにか叩き起こしたはいいが、大きな問題が一つ残っている。
ルフィ「ウター!!起きろーー!!!」
どんなに呼びかけてもウタが、うちの一味のマスコットが目を覚まさないのだ。
フランキー「アウ!まさかとは思うが、壊れちまったのか…?」
ウソップ「おい!フランキー!…ふざけたこと言ってんじゃねェ!」
ロビン「…ねえ、そもそもなんだけど。みんなウタが眠っているところを見たことある?」
一味全員「「「「「「……?」」」」」」
フランキーの不謹慎な発言にツッコミを入れた後、ロビンの疑問に全員が首を傾げた。
ゾロ「そういやあいつ、夜の見張りの時はいつも寝ずの番の奴に飲み物差し入れてたな。」
ウソップ「洗濯されて乾かすのに吊り下げられてるときも、別に寝てはいなさそうだったな。」
サンジ「メリー号の頃からウタちゃんには夜に冷蔵庫の門番を任せてたが、今までつまみ食い犯を見逃したことはなかったな。」
チョッパー「たまに甲板とか芝生で横になってるけど、声をかけたら反応があったし、昼寝とかしてる感じじゃなかったぞ?」
フランキー「…おれはまだ付き合いは短いが、たしかにあいつが眠ってることなんざ見たことねェな。」
ルフィ「…ウタの奴、昔から眠くならねェみたいでよく夜中はマキノに貰った本を引っ張り出して読んでたな。」
一番長い付き合いのルフィも含めて、誰もウタが眠っているところを見たことが無かった。
ロビン「私も、ウタが眠ってるところは見たことないわ。そもそも、人形の彼女は睡眠が必要ないのかもしれない…と、思っていたのだけど。」
ウソップ「でもよ、現にウタは全然目覚めねェじゃねーか!
どうしちまったってんだよ!?」
ロビン「影を奪われると、奪われた人間は気絶する。
ウタの場合は、本来眠らないはずなのに無理やり眠らされた訳でしょう?…そのせいで人間とは少し違う結果になってるんじゃないかしら?」
……?どういうことだ?
おれ以外の一味の皆も首をかしげる。
ロビン「いくつか仮説があるわ。一つは単に他の皆と比べても眠りが深くてなかなか起きないだけ。暫く待てば自然と目覚めるかもしれない。」
フランキー「だがよォ、こんだけ騒がしくして麦わらが大声で呼びかけてるのに起きねェのは、不自然じゃねェか?」
そうだ。いつものウタならルフィが呼びかければ嬉しそうに飛び跳ねて行くはずだ!
ロビン「そうね。だからもう一つ仮説があるの。影はわたし達にとってもう一つの魂。それが無理やり引き剥がされたせいで気絶する。もしかしたらウタは、影が戻らないと目を覚まさないかもしれないわ。」
サンジ「おいおいロビンちゃん。いくらなんでもそんな…」
ロビン「わたし達はウタが何故動いているのか、ほとんど知らないのよ?そのウタが動かなくなった。そしてその原因が影を奪われたから。
人形のウタにとって、魂の一部を奪われただけでも、人間のわたし達に比べて負担が大きいのかもしれないわ。
だから、とにかく影を取り戻すのがウタを目覚めさせる一番の近道だと思うのだけど、どうかしら?」
ロビンがウタの状況を丁寧に説明してくれてようやく理解できてきた。確かにおれ達はウタがなんで動いてるかも知らないんだ。
だったらここであーだこーだ議論するより、まずは盗られた影を取り返してやるのが一番の近道か。
ルフィ「なァロビン、影を取り返したらよ。
ちゃんとウタの奴、起きてくれるかな?」
ロビン「…分からないわ。これもあくまで仮説だもの。
ただ、可能性は高いと思ってるわ。」
ルフィ「……よし!わかった!!」
一瞬、辛そうに顔を顰めたルフィがウタを抱えたまま立ち上がる。
ルフィ「行くぞ野郎共っ!!!スリラーバークを吹っ飛ばして!おれ達の“影”と“ナミ”と“めし”を取り返すぞ!!!!」
一味「「「「「「おう!!!」」」」」」
…今何か意外な物がランクインした気がするけど、とにかくうちの船長もエンジンがかかってきたみたいだ。
怖いけど、仲間を救うためだ。気合入れねェとな!!
…ウタ。W7でお前に酷いこと言っちまったけどよ、お前も俺たちの大切な仲間なんだ。だから、こんなところでお別れなんて嫌だぜ?
だからお前やルフィ達の影も、攫われたナミも、絶対取り戻してやるからな!
その後、全員で状況を再確認してあの骸骨、ブルックの事情についても知った俺たちはより一層気合を入れ、スリラーバークへ乗り込んだ!
ルフィ「ウターーー!!!!!」
ルフィがサニー号に、いやサニー号の船室の中に置いてきたウタに大声で呼びかける。
ルフィ「待ってろよ!お前の影も絶対取り返してやるからな!!ウターーー!!!」
TO BE CONTINUE
長くなりそうなのでここで一区切り。
ウタが目を覚まさない理由に理屈をつけるのに苦労しました…。
完全に独自設定なので設定の粗への突っ込みはお手柔らかにお願いします…。