今、俺はトレーナー室で正座をしている。何故、正座をしているかって?
それは目の前に大層ご立腹なうちの担当ウマ娘が仁王立ちで俺を見下ろしている訳ですよ。
「ねぇ、トレーナーさん……なんであたしが怒ってるのか分かります?」
「…い、いえ…記憶にござ…」
と、俺がその先を言おうとした気、ビュン!と俺の真横に何かが通り抜け、壁に突き刺さった。俺は機械みたくギギギっと壁に刺さった物を見る。
そこにはネイチャがいつも愛用しているペンであった。
恐らくだが、質問にいいえやNOーーーつまり、否定的な事を言えば、ペンが飛んでくる…ということだろう。
全部、はいかYESで答えないと俺は確実に死ぬ。
……でも、なんだ?この違和感は?頭の中ではNO!とはっきりしてるのに自然の口はYESと答えているというような……そう、まるで自白剤でも飲まされたような…はっ!?
「ネ、ネイチャ!ま、まさかお前…!」
「そう……さっき、トレーナーさんが来た時に飲ませた飲み物に…タキオン先輩から貰った特製自白剤…私の質問には全て"答える"ように調合してくれた物だよ」
「あいつ、なんてもの作ってるんだおい!!!!」
くそっ!タキオンの野郎っ!どうせ、「ふむ…この薬を誰かに飲ませて実験したい…モルモット君の実験にはなるが…あまり…」とかなんとか言って、丁度ネイチャがいたから渡したんだな!!あのマッドサイエンティストウマ娘め!!!!
「ねえ、トレーナーさん。楽になろうよ…時には諦めも肝心だよ」
「いや、そもそも自白剤を飲まされてる時点でもう諦めてるからね!!?」
「そっか…なら、ここにある写真に覚えはあるよね?」
ネイチャはそういうと俺の目の前に沢山の写真を見せてきた。
しかも、それら全ては俺とほかのウマ娘が話をしていたり、一緒にランチをしたり、トレーニングを見てやったりと様々だった。
「…この写真に写ってる子達となんか、随分仲良くなってるよね?」
「あっ、いや…それは…」
「ねぇ、この子達どうだった?可愛かった?」
「ああ、それは勿論……あっ」
否定の言葉を出そうとしたが、正直な事を言ってしまい、しまった!となったがネイチャはその反応すら無視をし、次の写真を見せてきた。
「ふーん、そう…じゃあこれは?エアグルーヴ先輩となんか花の水やりしてるけどなんか、エアグルーヴ先輩がトレーナーさんに抱き着いてるけどこれはどういうこと?」
「確か、この時は生徒会に用事があって、丁度中庭を歩いていたらエアグルーヴが花に水やりしていたんだ。上機嫌で花に水やりやっていたから気をつけて通り過ぎたんだけど…急に叫び声が聞こえて、ばっと振り返ったら…エアグルーヴが俺の身体を押しつぶす勢いで抱き着いてきたんだよ。どうやら、ハチが出たらしくてそれに驚いた見たいなんだ。でも……あの時のエアグルーヴの少し怯えた顔とそこからダイレクトに伝わってきたナイスなバストが心地よかったです」
あの時の感触は今でも忘れないな…本人は全く気づいてないみたいだけど…あの後はハチを追っ払って、花壇の水やりを手伝っけ?
「………ふーん、そうなんダ。じゃあ、次はこの写真ね…。これ、なんかダイヤちゃんに近くない?ねぇ?しかも、これ…トレーナーさんに見える位置で強調してるよ…それに鼻の下を伸ばしてるトレーナーさん…説明を」
「これは…確か、ネイチャのトレーニングが終わって別れたあと後輩のトレーナーがやっと担当ウマ娘をゲットしたって聞いて、気になって見に行ったんだ。その時に後輩トレーナーに声を掛けてもらって、自己紹介をして、少し話をしていたんだよ。あっ、そいつの担当ウマ娘はキタサンブラックとサトノダイヤモンドって…あれ?ネイチャはダイヤちゃんのこと知ってるのか?なら、話は早いな。ちょうど、2人ともトレーニングを終えた所だったから後輩にアドバイスとトレーニングのことでキタサンとダイヤにもアドバイスしたんだ。その時にダイヤがジャージのファスナーを少し開けんだよ。そしたら……汗で透け透けの体操服にそこから見えるダイヤの大人っぽいブラが見えてな…あれはやばかった。もし、あの状態で抱きつかれたら俺の理性は崩壊していたな」
いやー、あれはやばいわ。破壊力やばい。色気むんむんに撒き散らしてるし、後輩トレーナーも言っていたけど…「キタサンとダイヤのスキンシップがなんか積極的なんですよ……」とか言っていたな。頑張れよ、後輩。
「………そうなンダ…じゃあ、この…マチタンの頭を優しく撫でて、撫でられてるマチタンの顔が赤いのはどうしてかな?」
「ああ、中庭を散歩している時に何やら落ち込んでいるウマ娘を見つけたんだ。近づいて声を掛けたら、マチカネタンホイザだったから、悩み事の相談に乗ったんだよ。彼女にありのままのことを話して、元気になったみたいだから、頭を撫でたんだ。そしたら、もっと撫でてくださいっていうから沢山撫でたっというわけだ。あと、撫で心地は最高だった」
タンホイザの悩みはごくごく在り来りではないけど…俺の精一杯の言葉と気持ちを伝えたから頑張っているマチカネタンホイザに応援という気持ちで頭を撫でてたら予想以上に気に入られてそれから撫で続けていたんだよね。あの撫で心地は最高だった。
「…そうナンダ…へぇー…じゃあ、これ…中庭でスカイと一緒に寝てる写真はどう説明するの?」
「ああ、これは、確か…いつものように中庭を歩いていた時だった」
「トレーナーさん、さっきから中庭多いんだけど、なに?散歩好きなの?」
「ん?ああ、散歩は大好きだぞ?なんなら、今度一緒に行くか?」
「…………お供します…」
「ああ、って話がそれたな…中庭を散歩中にぐっすりと眠っているスカイを見つけたんだよ。芝生の上はふかふかのベットって感じで気持ちいいんだろうなって思って俺もスカイの隣に寝転んで偶には昼寝するのも悪くないなってそしたら、急に眠くなってきて、眠ちまったって訳だ。その後はスカイに起こされて、事情を説明してから2人で釣りに行って、大物を釣ったんだけど、スカイが誤って川に落ちちまってな…その後のスカイの制服がやばかった…うん」
あの後、寝て分かったけど…結構芝生もいいなってなった。
スカイがいつも眠っているの理由が分かった気がしたよ。
川に落ちた時は肝を冷やしたけど…何となく自力で上がってきたけど…結構、やばかったから…目のやり場に困った。
「…そウナンダ……じゃあ、最後はこれ……水着のスカーレットがトレーナーさんの背中に抱き着いてるのは………ドウイウコトナノカナ?カナ?」
ネイチャはここぞとばかりに俺の方に詰め寄ってきた。俺は慌てて逃げようとするも自白剤の効果で喋ってしまう。
「…妹たちを連れて近くの市民プールに遊びに行った時だったんだ。妹たちが楽しそう流れプールではしゃいでいるのを俺は荷物番をしながら見ていたんだ。そしたら、見知った顔のウマ娘が何やら慌てた様子でこっちに来たんだ。それがスカーレットだった。俺の後輩トレーナーと一緒にプールに遊びに来たそうなんだ。そしたら、はぐれちゃったらしくてそれと同時にどうやら、ファンのみんなに追われてたらしくて逃げていたそうだ。だけど、ここにいるのも時間の問題だから、俺はスカーレットの手を引いて、流れプールに入ったんだ。そして、スカーレットに何分息止め出来る?って聞いたら、10分くらいはっていうから…じゃあ、その間だけ潜ってやり過ごしてろ。その間に俺はお前のファンの相手をしておくからって言って、スカーレットはすぐに潜ったんだ。まあ、そこからファンの人たちもスカーレットを探すのを諦めた見たいだったからなんとかなったんだ。でも、一つだけ問題があった。スカーレットが潜ったまま上がって来ないんだよ。もう10分はゆうに超えていて、多分、まだいると思ってるだろうけど…早く上がってこないと溺れるぞ?ってなって潜っているスカーレットの頭を少し叩こうとした時、ザバッーン!ってようやく顔を出したんだよ。物凄い息を吸っていたけどな笑 まあ、その甲斐あってか少し休憩がてらに俺の背中で息を整えていたんだよ。まあ、そこから伝わるスカーレットの息遣いとか胸の感触とかは今でも忘れないね…ほんとにあれで中学生かよ」
その後は後輩トレーナーとも合流して、2人にお礼を言われたってことだな。
でも、まあ…スカーレットの息止めタイムは20分だった。流石はウマ娘って思ったな…。
「ソウナンダー、ヘェー」
な、なんかネイチャの様子が物凄くおかしいんだけど…雰囲気が怖い…なに、なんだ。ネイチャがいつの間にか身につけたデバフスキルの《八方にらみ》や《鋭い眼光》でもない…もっとおぞましい何かだ….。
「やっぱり大きいのがいいの?…そうだよね…あたしなんて他の子達に比べたら貧相な身体してるもんね……ごめんね、いつも…あたしみたいなキラキラしたウマ娘の方がいいよね…うん…ワカッテル…アタシナンテ、ショセンワキヤクナンダネ……トレーナーサンノイチバンニハナレナインダネ…」
ネイチャは突然、ブツブツと何か言い出した。
俺はネイチャに駆け寄り、手を握ろうとしたらネイチャに拒絶された。
「……コナイデ…ドウセ、アタシナンテ……トレーナーサン、イチバンジャナインダヨ…アタシハ、トレーナーサンノコトガ……スキナノ二…ナンデホカノコニメウツリシチャウノ…」
ま、まずい!これはほんとにまずい!!
ネイチャがどんどん病んできてる!?
ネ、ネイチャを正気に取り戻すには…!!!
「ネイチャ!!俺はお前のことが好きだ!!!」
「………ふぇ?」
「好きなんだよ、ネイチャ!お前のことが!!自白剤のせいとか思ってるだろうけど、違う…俺はお前のことが好きだ!!愛してる!!俺の最高の愛馬はお前だ、ネイチャ!!だから、学園を卒業したら結婚しよう!!!」
「……っっっっ〜〜〜〜〜〜〜////////」
こうして、色んなことがあったが……俺はネイチャに愛を伝え、学園を卒業したと同時に結婚したのであった。
「って言う夢を見たんだよね……あたしとトレーナーがなんか物凄い険悪な感じで…特にあたしが…」
「なんだ、その夢?俺がほかのウマ娘に目移りしてネイチャが病んだって…そんなことまず有り得ないな、うん」
「まあ、夢の話だし、あんまり気にしないでね、トレーナーさん〜」
「当たり前だ。俺とネイチャの絆は伊達ではないからな!!!」
「っ、も、もぅ…なんでそんなこと平気で言えるかな////////」
「それはネイチャのことを愛し……「んあぁー!!!ちょ、辞めてよ!!なんで言うかな!!!」いや、だって…」
「だってじゃないよ〜今日の夕飯無しにするよ?」
「ごめんなさい、私が悪かったです。許してくださいナイスネイチャ様」
「うむ、許してやろう〜。…ふふっ、じゃあ…今度の週末どこかに出かけよう?あんまり2人で行けなかったしさ?久しぶりにトレーナーさんとゆっくり2人で過ごしたい」
「ああ、お易い御用だよネイチャ。何処に行きたい?」
「うーん、トレーナーさんとはどこに行っても楽しいし、あたしはどこでもいいんだけど…トレーナーさんはある?」
「俺もネイチャと一緒だったら、何処に行っても楽しいよ?」
「ふふっ、なら…あとでトレーナー室でゆっくり決めよ?」
「ああ、いいぞ」
お昼時のトレセン学園の中庭でナイスネイチャとトレーナーがお昼を食べていたのだが…あまりにも2人の雰囲気が甘くて、その場にいたウマ娘やトレーナーたちはこぞって食堂や自販機にブラックコーヒーを飲みに行ったそうだ。
そして、トレーナーの同期である女性トレーナーはこう呟いた。
「なんで…あんなに甘々とした空間醸し出してるのに………2人とも付き合ってないんだ?不思議なんだけど?」