「それではテイオー、準備はいいですか?」
「もっちろん〜!いつでもいいよ!」
トレセン学園の寮の玄関でトウカイテイオーとメジロマックイーンが朝練の為にストレッチをしていた。
あたしはそんな2人を見つめながら、玄関を開けた。すると2人があたしに気づいた。
「あれ、ネイチャ?」
「およ?テイオーにマックイーンじゃん、おはよう〜」
「おはようございます、ナイスネイチャ。これから自主練ですか?」
「うーん、まあ…そういう感じに見えるけど…ちょっとね」
マックイーンに質問されたあたしは頬を少し掻いた。
「あっ、分かった!!トレーナーの所に行くんだ!!」
「あははっ、流石は主人公のテイオー、まあ、そんな所だよ。アタシのトレーナー、朝が物凄く弱くてね。これからトレーナー寮に向かう所なんだけど…2人ともこれから自主練でしょ?」
こういう時にテイオーは物凄く勘が鋭い時がある。流石は主人公様だ。
「ええ、まあ…ですが、あなたのトレーナーさんが朝に弱いなんて意外でしたわね」
「伊達に3年間、一緒にいませんて〜」
あたしは笑っていうとマックイーンはテイオーを引き連れて走りに行こうとした時テイオーに止められていた、
「待って、マックイーン」
「なんですの、テイオー?」
「ネイチャ、ボクたちもネイチャのトレーナーを家に行っていい?」
「えっ?」
「はぁ!?ちょ、あなた何を言ってますの!?」
「だって、気になるんだもん!!!マックイーンは気にならないの!!」
「そ、それは……す、少し気になりますわね…」
テイオーとマックイーンがあたしのトレーナーの家に?うーん、まあ…何ともないけど…おそらく、この2人、学園で噂されていることを確かめたいのかな?
あたしとあたしのトレーナーは学内でも噂になるほどの人物なのだとか?
曰く、2人は付き合ってるのでは?
曰く、よく2人で出かけてるのを見る。
曰く、あれはもうトレーナーと担当じゃなくて、普通にごく一般家庭を持ってる夫婦。
曰く、2人の会話内容やスキンシップなどを見てると甘たらしくて口から砂糖が出るなど、様々な言葉がウマ娘やトレーナーの間で飛び交っており、生徒会にもこの手の悩み相談が来たほどとか?
テイオーもよく生徒会に出入りしているのでそういった噂話が気になっていたので興味が湧いたのだろうけど……一つだけ言わせてね?
あたしとトレーナーさんは付き合ってないからね?
なんでみんな、付き合ってるんでしょ?とかもう結婚の話とかしたの?とか聞いてくるんだろうか?
ただのウマ娘とトレーナーだよ?
うーん、よく分からないなぁ〜。
「うーん……いいよ」
「えっ!?」
「いいんですの!?」
「う、うん…起こす次いでに朝食も作るから、人数多い方が作りがいがあるからさ〜」
「「っ!?」」
あたしの発言に2人は驚いた。何故、驚いたのか?よく分からないけど…うちのトレーナーさんはさっきも言ったけど…朝に物凄く弱いんだよね。だから、よく朝食なんかも食べ忘れてだらしない格好になってるからあたしが身の回りのお世話を少しだけ手伝っているんだけなんだけど?
「あのー、2人ともどうしたの?固まっちゃって?」
「えっ、あっ、な、なんでもありませんわ!!!」
「そ、そうだよ!!なんでもないよ〜!あははっ…」
「ん?そう?それじゃあ、行こっか」
あたしが歩き出すと2人もその後に続くのであった。
「ここがトレーナーさんの部屋だよ…って、2人もトレーナーがいるからこの寮には来たことあるか…」
「ううん、ボク達のトレーナーは寮に住んでないんだ…」
「私のトレーナーは高校生なのでご家族とマンションに住んでるんですわ。あんまり私たちチームメンバーも行ったことがありませんのよ」
「あっ、でも……!カイチョーはいつも出入りしてるよ!!!」
トレーナーさんの住む部屋に到着するや否や、あたしたちはそれぞれのトレーナーの家について話した。
あたしはポケットから鍵を取り出して、ロックを解除する。
「「え?」」
「ん?どしたの、2人とも?」
「い、いや…ネイチャ、その鍵は?」
「トレーナーさんの部屋の鍵だよ?」
「な、何故、持っていますの?」
「あたし、よくここに来てるからトレーナーさんがくれたんだよ」
2人が気になったからあたしが答えると2人は後ろを向いた。
「ねぇ、アレもしかして…そういうことだよね?」
「ま、まだ分かりませんわよ!し、しかし…合鍵を渡す仲だったとは…これは、噂を信じなくては行けないのではありませんの?」
ヒソヒソと話していて、何を言っているか聞こえないけどあたしはドアを開ける。
「おーい、2人とも…早く入りなよ」
「あ、うん!お邪魔するね!」
「お邪魔致しますわ」
「2人とも靴脱いだら、リビングで待っててくれる?多分、トレーナーさんまだ寝てるだろうから、起こしてくるね」
あたしは2人に言うと寝室へ向かう。
「やっぱりまだ寝てる…」
案の定、トレーナーさんはいびきを欠きながら寝ていた。
もぅ、お腹なんか出して寝ちゃって…子供みたい、ふふふっ。
さてと、早く起こさないとテイオーたちが待ってるんだから。
あたしはトレーナーの掛け布団を掴み、引っ張る。
「トレーナーさーん、起きてー!!」
「あと…5分…むみゃむみゃ…」
これ、起きる気配ないなぁ〜?
はぁ…仕方ない……荒療治だけどごめんねトレーナーさん。
あたしは寝ているトレーナーの耳元にそっと唇を寄せて囁いた。
「…早く起きないと…ちゅー、しちゃうよ?」
「っ…んんっ!!!?だああああ!!!!」
そう言った瞬間にトレーナーさんはばっと起き上がった。その慌てっぷりに思わず笑ってしまった。
「あははははっ!!!トレーナーさん、ふふっ…慌てすぎ」
「お、お前な!!毎度毎度、囁くのやめろって言ってるだろう!!!!」
「それはトレーナーさんが起きないからでしょ?ほら、早く顔洗って。あたし、その間に朝食作ってるから」
「わ、分かった。あっ、今日の朝食は?」
「出来てからのお楽しみだよ♪」
あたしはトレーナーさんにウインクをしてキッチンへ向かった。
台所に立ち、エコバックから持ってきた食材と冷蔵庫の中にある余った材料で今朝の朝食を作っていく。
「えっと、醤油と味醂と…」
「…………」
「…塩は…と…」
「…………」
「……うん!ばっちし…えっとお皿お皿」
「「……………」」
「そろそろご飯も炊けるかな?」
もくもくとあたしは料理を進めていくんだけど…その、視線が…。
「……あのー、そんなに見つめられるとやりにくいんだけど…」
「え、あ、ごめんネイチャ」
「失礼いたしましたわ。その…手馴れてるなと思いまして」
「ん?まあ、調味料とか各種料理具の場所は分かるしね〜」
「……殆ど通い妻じゃん…」
「やはり、噂はほんとなのでは…」
なんか2人からひそひそ話が聞こえるけど…気にしないでおこう。
……よし、出来た!あとは盛り付けだけだね。そろそろ、トレーナーさんも来る頃だし…えっと牛乳っと。
「ふぁ〜、寝みぃ…」
コップに牛乳を入れているとトレーナーさんが欠伸をしながらキッチンまでやってきた。
「はい、トレーナーさん。牛乳」
「ああ、サンキュ。それより…なんで俺の家にテイオーとマックイーンがいるんだ?」
「ああ、それはね…」
あたしはトレーナーさんにテイオーとマックイーンのことを話した。
「なるほどな……まあ、2人ともゆっくりして行ってくれ。ネイチャ、棚の方に茶菓子があるからそれをテイオーとマックイーンに…」
「こーらー。これから朝ご飯なのになんで茶菓子なんて出させるの…」
「えっ?…あっ、ほんとだ…すまん」
「もぅ全く、ほらトレーナーさん、これ運んで」
「あいよ」
こうして、朝食が出来たのであたし達は食べることにした。
「………」
「………」
「はい、トレーナーさん…あーん」
「あーむっ…うん、美味いな。やっぱりネイチャの料理は最高だな〜。ほれ、ネイチャもあーん」
「あーむっ……ふふっ、ありがとう。あっ、ご飯のお代わりいる?」
「ああ、頼む。あと…」
「はいはい、納豆でしょ?ご飯装ったら、冷蔵庫から出すね」
「ああ」
「はい、トレーナーさん。お代わりのご飯と納豆ね」
「サンキュ」
トレーナーさんのご飯を置いて席に着いた瞬間にテイオーとマックイーンがあたしたちにツッコんできた。
「「夫婦か/ですか!!!!」」
「…どうしたテイオーにマックイーン?」
「急に机を叩かないでよ?びっくりするんじゃん」
「いやだってさ!見てるこっちの身にもなってよ!!!いきなりあーん♪を見せられてるんだよ!!」
「しかもお互いにあーん♪をし合っているなんて…」
「ボクたちだってまだ…トレーナーとした事ないのに……」
「何故、そのように平然とやれるんですの?」
「いや、そんなこと言われても…」
「うーん…絆の力?」
「それっ絶対違うよね!!」
マックイーンとテイオーはぎゃあぎゃあ!と朝から騒いでいたけど…あたしとトレーナーさんはこれが普通なんだけどなぁ。
それからして、朝食を食べ終えて食器を洗おうとしたら、トレーナーさんが「俺がするよ、ネイチャは洗濯物頼めるかい?」と頼んで来たのであたしはくすりと笑って、「うん、いいよ」と返事をする。
「…ねぇ、あれも夫婦だよ、夫婦」
「ええ、これは間違いなく夫婦ですわ…あとでライアン達にも報告しなくては…!」
「ボクも会長に報告するよ」
テイオーとマックイーンはなんかブツブツと言ってるけどまあいいかな〜。
「そろそろ、ボクたちも帰ろうかマックイーン?」
「そうですわね。トレーニングの続きをしなくてはいけませんから」
「なんだもう行くのか?もうちょっと居てもいいぞ?」
「それはありがたいんだけど……」
「ここにいると…胸焼けが物凄くするので帰らせていただきますわ」
テイオーとマックイーンはそういうとアタシとトレーナーさんを交互に見てきた。
「それじゃあ、玄関までアタシが送るよ」
テイオーとマックイーンを玄関まで送り、2人は靴を履き、ドアを開けた。
「それじゃあね、ネイチャ!ご飯美味しかったよ!!」
「お邪魔しましたわ、ネイチャさん。朝ご飯までご馳走になって、ありがとうございます」
「いいっていいって、2人もトレーニング頑張ってね?」
「うん!」
「ええ、それでは」
テイオーとマックイーンに別れを告げてアタシはドアを閉めた。
「帰ったのか?」
「ん?うん。それより、トレーナーさん」
「ん?なんだ、ネイチャ?」
「今日はトレーニングもお休みだから、どこか出かけない?」
「そうだな……偶に外にでも出るか」
「ふふっ、いつも家の中で過ごしてるもんね。ねぇ、プールなんてどう?」
「プール?学園のプールは今、使えないだろ?学園の許可もいるし」
「ううん、アタシの商店街の近くに市民プールがあるんだよ。子供の時、よく泳ぎに行ったからさ、久しぶりに行きたないなぁ〜って」
「そういうことか。でも、水着はどうする?ネイチャ、この前の合宿の水着にするのか?」
「うーん、アタシもそれにしようと思ったけど…学園指定の水着でいいかなって。軽めの運動もしたいしさ」
「折角の休みなのにトレーニングするのか?…なら、一緒に水着を買いに行こうネイチャ」
「えっ?それ、マジ?」
「マジのマジだ。市民プールに来ている多くの人達に俺の愛バは凄いんだって自慢したいんだ」
「うえー、なんか…それやだ」
「やだってなんだ、やだって。いいだろ少しくらい?」
「ふふっ、どこが…まあ、いいよ。トレーナーさん、そうと決まれば早く行こう!」
「そうだな。少し着替えてくるから待っててくれ」
「はーい」
こうして、アタシとトレーナーさんは2人で市民プールに行くことになり、2人で思いっきり遊びましたとさ。めでたしめでたし。