「貴方あの化け物が見えたんっスね」
えっ……
うじうじ考えて下を向いていた頭を上げると帽子の影から目が合う
「えっと、化け物っていうか見間違えなのかも知れないですけど、変なのが居て……それから助けてくれたのは貴方ですか?
いや、私も何言ってんだ?ってなるんですけど、本当に化け物見たいのがいて」
ちゃんと聞きたかったがやっぱり頭おかしいって思われないかという羞恥心が襲ってきて
文脈があやふやになる
ぷはっと空気を吐き出す音が聞こえ
浦原さんをみると
プルプルと震えていて笑ってるのがみうけられる
や、やっぱり笑われた
「いや、違うんです!多分夢だと思うんですけど……」
「いやぁー笑った笑った、大丈夫っスよそれは夢じゃなく現実、
突然現れた膨大な霊圧に引き寄せられたんでしょうね」
「ぼうだいな……れいあつ」
霊力なら馴染みある言葉だけど、れいあつって……
「自覚無しっすか?結構こちらの身もキツかったんですけどねぇ、その話ついでにソレ、外しちゃダメですから」
畳まれたセンスで指された場所は首元
「これ……ネックレス?」
シルバーの先に丸い石が着いているネックレスだった
「とりあえず……わかりました」
「それ外すと、またあの化け物みたいのが来るんで、まぁ何かあったらここに来てくれればいいんで」
「はい……」
「黒崎さーン!この子送って行ってくれません?」
「あぁ?起きたのか」
あぁ?とイカつい声を出して
襖を開いたのはオレンジ髪の青年
こちらと目が合うと、まるで自分のことかのようにほっとした顔をして笑った
「よかった、俺もあの場にいたから気になってたんだ」
襖に入ると赤髪の黒装束を着た男性と一瞬目が会い目を見開かれる
「い、いえ、こちらこそ助けていただきありがとうございます」
「黒崎さンこの子送ってってくれません?アタシちょっと調べ物がありまして」
「へーへー、じゃ帰るわ」
ほら、と手を招かれ慌てて立ち上がる
________
帰り際に紙袋を渡されると私の衣服や荷物だった
外に出るともう夕方だった
「お前も災難だな、よくその霊圧でいままで……」
と話始めるが私はなにがなんだかわからない
「あの、貴方はえっと黒崎さん?黒崎さんもあの化け物にあったことが?」
「ん?あぁ、俺は黒崎一護。あの化け物は虚ってな、元はまぁ人間なんだ」
その言葉にピタッと足が止まる
「にん……げん?」
「あっ、いやちげぇよ?人間の霊があーゆう化け物になっちまって、言わゆる、そう、そう!悪霊的な!?」
何故か必死になる黒崎さんに笑いが込み上げてふふっと笑ってしまう
黒崎さんは顔を赤くして顔を背けて頬をかく
「説明してくれてありがとうございます。」
今何時だろうとスマホを取り出して電源をつけようとする
「あれ、つかないな……」
壊れたのかな。電源マークも出ないから充電切れでもないだろうし
「んだ、それ?」
黒崎さんは不思議そうにスマホを除く
「なんだ、ってスマホだよ?」
高校生か大学生かわからないけど、そのぐらいの歳なら持っててもいいはずだし、知らないわけないと思うけど
「あー買い換えたばっかなのにな……iPhone……」
買い換えた……?いつ……?そもそもこれ私のだっけ
スマホという言葉も知ってるし使い方もわかるけど
私が使ってたという思い出がない……
思い出が……思い浮かばない……
「あいふぉん……いや、知らねぇな」
「え?」
ピタッと足が止まると黒崎さんも止まりこちらを見てくる
「あ、まぁ俺がハイテクなもん知らないだけだ、それよりお前の名前は?」
「私?私は……わたし……は」