この悪魔の戦士に祝福を   作:仮面大佐

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第9話 幽霊屋敷の獲得

 宿屋で目が覚めると、寒かった。

 

結斗「寒っ…………。」

バイス(うっわ!凄い寒いんですけど!)

 

 そう、現在、冬真っ只中だ。

 流石に、拠点が欲しくなるな。

 カズマも、家を手に入れる為に節制して、馬小屋にしているらしい。

 カズマからは、その手の愚痴は結構聞いていて、朝起きた時たまに『まつ毛が凍っていたことがある』と言っていた。

 やはり、日本と比べて、ここは寒い。

 不幸中の幸いで、アクセル近辺は豪雪地帯じゃないのは助かる。

 

結斗「さて。今日も頑張りますか。」

 

 俺はそう呟く。

 顔を洗い、服を外での服装に変えて、宿を出る。

 途中、カズマとアクアと出会い、ウィズ魔道具店に二人が行くらしいので、俺も同行する。

 暇だからだ。

 

結斗「カズマもウィズと知り合いだったんだな。」

カズマ「まぁな。」

 

 なんでも以前、『ゾンビメーカー討伐』のクエストを受けたときに墓地で知り合ったとか。

 なんでそんなところにウィズがいたんだろうか?

 そんなことを考えていると、店についた。

 

カズマ「着いたな。アクア、一応言っておくが絶対に暴れるなよ。」

アクア「ちょっと!カズマは私をなんだと思ってるの!私、チンピラや無法者じゃないのよ!女神よ私は!」

結斗「どういう事?」

バイス(分かんね。)

 

 アクアが暴れるって、どういう事だ?

 そんな事を考えながら、店内に入る。

 中には店の商品を磨いているウィズがいた。

 

ウィズ「いらっしゃ………ああっ!?」

アクア「あああっ!?出たわねこのクソアンデッド!アンタ、こんな所で店なんて出してたの!?女神であるこの私が馬小屋で寝泊まりしてるってのに、アンタはお店の経営者ってわけ!?リッチーの癖に生意気よ!こんな店、神の名の下に燃やしていだいっ!?」

結斗「リッチー?」

バイス(ウィズって、リッチなの!?)

 

 アクアは、ウィズに掴みかかるが、カズマがガンデフォンでアクアの頭を叩く。

 リッチーって、確か、高位のアンデッドだった筈だ。

 まさか、そんな者と遭遇するとはな。

 あと、バイス、そういう意味じゃない。

 

ウィズ「ハッ?!」

カズマ「よっ、ウィズ。久しぶり。」

結斗「やあ、ウィズ。」

ウィズ「カズマさん、結斗さん。」

バイス(やっほ〜!俺っち、バイスです!)

 

 しばらくして、アクアも多少は落ち着いたのか、今は大人しくしている。

 ウィズの店のテーブルと椅子に腰掛け、不貞腐れているが。

 

アクア「…………お茶も出ないのかしら、この店。」

ウィズ「はっ!す、すみません!今お持ちしますので!」

結斗「やめなさいよ。」

 

 カズマ曰く、ウィズは、ゾンビメーカー討伐のクエストで出会い、知り合ったそうだ。

 まあ、俺は知らなかったが。

 そのクエストは、俺が居なかった時に受けたらしい。

 ゾンビメーカー討伐の際に知り合った理由は、定期的に彷徨える魂を天に還してあげていたようだ。

 カズマ達は彼女を見逃す代わりに、定期的にウィズの代わりに除霊を行う事になったのだ。

 ていうか、この街の聖職者は、碌な仕事をしないのか?

 しばらくすると、ウィズがやって来る。

 

アクア「………アンデッドの癖に店なんて出して、アンデッドの癖に温かいお茶なんて出して………。」

ウィズ「すみませんすみません!私ばかりがこんな贅沢して!」

結斗「嫌味をやめなさいよ。」

ウィズ「それで、今日はどの様な要件でしょうか?」

結斗「ああ。暇だから来たんだ。」

ウィズ「なるほど。ところで、カズマさんの方は?」

カズマ「ああ。スキルポイントに余裕ができたから、何かスキルを教えてくれないか?」

アクア「ブーーーーーーーー!!!」

カズマ「おわ!!」

 

 アクアが思いっきり噴いた。

 カズマは避ける事ができず、噴き出たお茶を顔面から受けた。

 

アクア「ちょっとカズマ!女神の従者がアンデットのスキルを覚えるとか見過ごせないわよ!!ていうか、女神の従者2号も、何でアンデッドと普通に話してんのよ!」

カズマ「誰が従者だ!」

結斗「従者じゃないから。」

バイス(俺っちは、お前の従者じゃないやい!)

 

 そんな風に思われてたの?

 地味にショックだな。

 

アクア「いいカズマ、結斗。リッチーはね、暗くてジメジメした所が大好きな、言ってみれば『ナメクジの親戚』みたいな連中なのよ。」

ウィズ「酷い!!」

 

 それはいくらなんでも酷すぎるだろ。

 まあ、女神故の感覚だろうけど。

 

カズマ「いや、リッチーのスキルなんて普通覚えられないだろ。そんなスキルが使えれば、うちのパーティの戦力アップになると思ってな。」

結斗「確かにな。」

ウィズ「あ、あの………。女神の従者とは?」

アクア「まあね。私はアクア。そう、アクシズ教団で崇められている女神、アクアよ。控えなさいリッチー!」

ウィズ「ヒィッ!?」

 

 相性が悪いんだな。

 まあ、ある意味で天敵だしな。

 

結斗「おい、ウィズ。そんなに怯えなくても良いだろ?」

カズマ「確かに、アンデッドと女神なんて、水と油みたいな関係なんだろうけどさ。」

ウィズ「い、いえその………。アクシズ教団の人は頭がおかしい人が多く、関わり合いにならない方が良いというのが世間の常識なので、アクシズ教団の元締めの女神様と聞いて………。」

アクア「何ですってぇっ!?」

ウィズ「ごごごご、ごめんなさいっ!」

「「話が進まねぇ………。」」

バイス(アクアって、頭おかしいもんね!)

 

 アクアを、商品が置いてある場所に追いやって、話を進める事に。

 そんな中、ウィズが思い出したかの様に言い出す。

 

ウィズ「そう言えば皆さん、あのベルディアさんを倒したんですよね。あの方は、幹部の中でも剣の腕だけはトップクラスの実力でしたのに、凄いですね。」

カズマ「…………なんか、ベルディアのことを知っているような口ぶりだけど?」

結斗「…………まさか。」

バイス(え?どういう事?)

ウィズ「はい。私、魔王軍の八人いる幹部のうちの一人なので。」

アクア「確保おおおおおおお!!!」

ウィズ「きゃああ!!」

 

 ウィズが魔王軍の幹部だと分かるとアクアがウィズに覆い被さり、背中から押さえつけた。

 ただでさえアンデットを毛嫌いしているのに、目の前にいる相手が魔王軍の幹部なら尚更だろう。

 

ウィズ「待ってーっ!アクア様、お願いします、話を聞いて下さい!」

アクア「やったわねカズマ、結斗!これでまた一人幹部を倒せるわね!」

結斗「ちょっと待て。」

カズマ「え〜っと、流石に魔王軍の幹部というなら、冒険者として見過ごせないんだけど?」

ウィズ「違うんです!魔王城の結界の維持にのために頼まれたんです!もちろん今まで人に危害を加えていませんし、私を倒してもそもそも懸賞金もかかっていませんから!」

 

 その言葉に、俺、カズマ、アクアは顔を見合わせる。

 

アクア「………よく分かんないけど、念の為に退治しておくわね。」

ウィズ「ヒイイィィィィィィ!!!」

「「やめんか!!」」

 

 俺とカズマは、アクアを取り押さえ、ウィズの話を聞く事に。

 ウィズ曰く、魔王城の結界を維持しているだけの、『なんちゃって幹部』で人里で店を出すのは構わないから、せめて結界の維持は協力して欲しいと頼まれたらしい。

 条件として、お互いの行うことには干渉しないし敵対もしない、ただ戦闘に携わる者以外の人間を殺した場合は干渉するし場合によっては敵対行為もする。

 これを条件に魔王の頼みを受けたらしい。

 ちなみに、アクア曰く、幹部2、3人ぐらいなら、破れるそうだ。

 

結斗「という事は、残りの幹部を倒さないと、魔王城には入れないって事か?」

ウィズ「そ、そうです。」

アクア「なら、討伐しましょう。」

ウィズ「待って!待って下さい!せめて、アクア様が結界を破れる程度に幹部が減るまで、生かしておいて下さい………!私には、まだやるべき事があるんです………。」

 

 ウィズの言葉に、アクアも微妙な表情をして、こちらをチラチラ見てくる。

 

結斗「まあ、良いんじゃないのか?現状の戦力じゃあ、返り討ちに遭うのが目に見えてるしな。それに、人に危害を加える気がないのなら、放っておいても無害だし。」

ウィズ「ありがとうございます!!」

カズマ「でもいいのか?」

ウィズ「はい?」

カズマ「ベルディアを倒した俺達に恨みとか………。」

ウィズ「………ベルディアさんとは、それほど仲が良かったわけではありませんし、それに………。」

結斗「それに?」

ウィズ「………いつも自分の頭を私の足元に転がしてきて………。スカートの中を覗こうとするような人でしたから…………。」

「「「……………。」」」

バイス(うっわ〜!ベルディアって、実は変態じゃん!)

 

 アイツ、そんな事してたのか。

 それって、まごう事なきセクハラじゃないか。

 まさか、ダクネスに変態呼ばわりされて、焦っていたのは、図星を突かれたからか?

 ウィズは、プロトバイスタンプは持っていないそうだ。

 その後、カズマは改めてウィズに、ドレインタッチというスキルを教えてもらった。

 魔力や体力を吸い取ったり、逆に分け与えたりする事ができるスキルだ。

 ちなみに、アクアは嫌がったので、俺が代わりにウィズに魔力を吸わせて、カズマに習得させた。

 ちゃんと魔力は返して貰った。

 すると、突然、男の人が入ってくる。

 

男性「ごめん下さい!ウィズさんは、いらっしゃいますか?」

「「「ん?」」」

バイス(誰この人?)

 

 その人が言うには、幽霊屋敷の除霊とのこと。

 ウィズは、俺の発明品の材料を仕入れる用事があるので、代わりにアクアが引き受けた。

 俺たちは、各々の荷物を持って、その件の幽霊屋敷に来る。

 その際、狩崎親子も呼んだ。

 

カズマ「ここか。」

アクア「悪くない、えぇ、悪くないわ!この私が住むのに相応しい屋敷じゃない!」

めぐみん「本当は貴族の隠れ別荘だったみたいです。」

結斗「そうなんだな。」

ダクネス「しかし、除霊の報酬としてここに住んでいいとは。」

ジョージ「随分と、太っ腹な大家さんだね。」

カズマ「なんでも、ウィズは聡明な魔法使いで、この手の案件が持ち込まれるそうだ。」

真澄「その様だな。」

 

 これで、拠点が手に入る。

 つまり、寒さに震えることは無くなったと言えるだろうな。

 皆で暮らすなんて、施設以来だけど、楽しく暮らせそうだな。

 

アクア「これで冬の問題は解決ね!災い転じて福となるとはこの事ね!流石私!」

カズマ「でも、大家さんが言うには祓っても祓ってもまた新たな霊が湧くらしい。」

アクア「任せてよ!私はアークプリーストにして女神!謂わば対アンデットのエキスパートよ!」

 

 そう言って、アクアは屋敷に両手を向けて何やら手を動かし始めた。

 

「「「「「「おぉぉぉ。」」」」」」

アクア「見える。見えるわ。この屋敷には貴族が遊び半分に手を出したメイドの子供、その子供が幽閉されてたみたいね。……。」

「「「「「「……………。」」」」」」

 

 なんか、インチキ霊媒師が言いそうな事を言い出したアクアに当初は期待を込めた目で見ていたが、次第に全員ジト目になった。

 その変な事を言っているアクアを俺達は放っておいて、屋敷へと入る。その時に俺とカズマはとある事を呟いた。

 

カズマ「……なんでそんな余計な事まで分かるんだって突っ込みたいんだが。」

結斗「……………俺もだよ。」

バイス(アクア、頭おかしいじゃん!)

 

 俺達は屋敷へと入り、部屋の割り当てと埃が被っていた部屋を掃除した。

 

めぐみん「ふぅ〜。こんなもんですかね。」

ダクネス「部屋の割り当ても決めたしな。」

結斗「後は夜を待つだけだな。」

ジョージ「ラボも作れたから、発明品を作りやすくなったしね。」

カズマ「流石に埃っぽいな……。」

 

 カズマが窓を開けた途端に言葉を止める。

 何事かと見てみれば、アクアがまだ、外にいて未だに鑑定を行っていた。

 

アクア「名前はアンナ・フィランテ・エステロイド。好きな物はぬいぐるみや人形、冒険者達の冒険話……!でも安心して、悪い霊ではないから。おっと……、子供ながらに大人びた事が好きみたいね。……。」

「「………………。」」

 

 俺とカズマは何も見なかった事にして窓を閉めた。

 

達也「じゃあ、これから自由時間だ。」

カズマ「悪霊が出たら、すぐに報告する事!」

「「解散!!」」

「「「………。」」」

真澄「放っておいて良いのかい?」

 

 そうして、俺はすぐに部屋へと向かう。

 

結斗「ハァァ…………皆と一緒に暮らすなんてな。」

バイス(良かったな、結斗。)

結斗「ああ。」

 

 ここなら、きっと楽しく暮らせるよな。

 そんな風に考えていると、アクアの悲鳴が聞こえてくる。

 

アクア「あぁァァァ!!ァァァ!!」

結斗「!?何だ!?」

 

 俺は、アクアの部屋に向かうと、カズマと合流する。

 

カズマ「おい結斗、アクアの叫び声が聞こえたよな!?」

結斗「あぁ!アクアの部屋に行くぞ!」

 

 俺とカズマはアクアの部屋に向かって、状況を確認する。

 

結斗「おいアクア!大丈夫か!?」

カズマ「何があった!?」

 

 そこには地べたに座っていたアクアがいた。

 クソ!やられたか!?

 アクアが振り返ると酒瓶を持って泣いていた。

 

アクア「カズマ〜。結斗〜。」

「「……………おい。」」

 

 ………まさか。

 

アクア「これは大事に取っておいた高いお酒なのよ。お風呂から上がったらちびちび飲もうと大事にしてたの!それが!お風呂から上がったら、見ての通り空だったのよ!」

カズマ「そうか。おやすみ。また明日な。」

結斗「静かに眠れよ。」

バイス(ったく!人騒がせだよな!)

 

 俺達は下らない理由で泣いていたアクアを見てすぐさま、自分の部屋へと戻ろうとすると。

 

アクア「これは悪霊の仕業よ!ちょっと私、屋敷に見える霊をしばいてくるわ!おらーー!!出てこいやー!!」

 

 そう言って飛び出していった。

 他の面子が何事かと廊下に出てきたが、問題はないと言って戻らせて俺達も部屋に戻った。

 その後、アクアのターンアンデットの発動の声が周囲に響いていた。

 時折、花鳥風月と言う宴会芸スキルを使った声も聞こえたが。

 しばらくして、目が覚めた。

 その理由は。

 

結斗「なんか、変な気配がするな…………。」

 

 そんな感じの気配を感じた。

 その時、トサッと何かが落ちる音がした。

 少し怖くなって音の鳴った方を見ると、そこには謎の人形があった。

 

結斗(コワッ!!えっ?あんな人形この部屋に置いてないよね!?て言うか体が動かないんだけど!?バイス、助けて!)

バイス(くか〜……………。)

結斗(寝てるーーーっ!?)

 

 俺は恐怖かまたは金縛りにあったかのように身体が動かなくなった。

 バイスは、呑気に寝ていたので、俺は絶句する。

 暫くカサカサと言う何が動いているような音がしたと思ったら、ベットに何かが乗っかった様な音がして音がしなくなった。

 目を開けてはいけない。

 だが、確認しなければならない。

 そう思って、目を開けると、そこには、大量の人形がまるで俺を取り囲む様に置いてあった。

 

結斗「あぁぁ!!ギャアアアァァァ!!」

バイス(ふわぁぁ…………何…………って、ギャアアアアアア!)

 

 俺は、そんな風に叫びながら外に出て、迫ってくる人形に対しては、ガンデフォンを撃ちまくって、落とす。

 バイスは、絶叫を上げていた。

 

結斗「なんなんだよ!一体どうなってんだよ!!」

バイス(いやぁぁぁ!!悪霊!悪魔!………って、悪魔は俺っちだな!)

結斗「言ってる場合か!」

 

 バイスのボケに、俺はそう突っ込む。

 その後、俺は屋敷を走り回った。

 カズマ達の方に向かうと、アクアが倒れ、カズマ、めぐみん、ダクネスが呆然としているのを目撃した。

 翌朝、衝撃の事実を知る。

 それは、この屋敷に悪霊が住み着いていた原因が、アクアが墓地に結界を張った事が原因でこの空き屋敷に悪霊が住み着いたと言う。

 つまり、俺達は盛大なマッチポンプを行っていたと言う事だ。

 ギルドから出た臨時報酬もカズマの判断で受け取らなかった。

 その後、カズマとアクアは大家さんに謝罪したが、屋敷に住んで良いと言われたらしい。

 なんて懐の深い大家さんだ。

 その後、ウィズがやってきて、カズマと少し話をして帰った。

 安定した拠点を手に入れた。

 どうにか、頑張るか。




今回はここまでです。
結斗達は、屋敷を手に入れました。
バイスも、相変わらずです。
カズマの悪魔は、ムラマサですが、どういう扱いにするのかは、リバイスのVシネマを見た後で判断します。
リアが変身する仮面ライダーで、こういうのが良いというのがあれば、リクエストを活動報告にお願いします。
アイリスも、変身させますが、オリジナルの仮面ライダーになる予定です。
次回辺りで、ダクネスとめぐみんに、ギフの遺伝子を入れる予定です。
ビヨンド・ジェネレーションズのアンケートは、続けます。
どういう感じにやるべきなのか、意見がある人はお願いします。
あとは、どのタイミングでやるのかというのも。

ビヨンド・ジェネレーションズに相当する話はやるべきか

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