この悪魔の戦士に祝福を   作:仮面大佐

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第5話 魔剣の勇者VSデモンズ

 魔王軍幹部のデュラハンが襲来した日の翌日、俺たちは、ギルドに集まっていた。

 

結斗「よし。デュラハンに備えるぞ。」

「「「「!?」」」」

 

 俺がそう言うと、狩崎親子を除いた全員が、驚いた表情を浮かべてくる。

 

結斗「ん?何で驚くんだ?」

めぐみん「結斗、今すぐあのデュラハンの所に行かなくていいんですか?」

カズマ「あいつ、今なら油断しているはずだからな。」

 

 ああ、そう言う事か。

 だが、今はダメだ。

 

結斗「いや、あいつはかなり高いステータスを有しているだろう。今の俺とバイスじゃあ、とても変身しないと勝てない。」

ダクネス「それでいいじゃないか?」

結斗「いや、あいつと同じくらい強くならないとダメだと思う。それにあいつは奥の手を隠してそうだしな。」

真澄「確かに、備えあれば憂いなしと言うしな。」

 

 俺と真澄さんの言葉に、全員が納得してくれた。

 めぐみんが質問してくる。

 

めぐみん「それで、実際、何をしますか?」

結斗「あいつは、一週間の猶予をくれた。」

カズマ「一週間?何でだよ。」

 

 あいつは、ダクネスに一週間後に死ぬ呪いをかけた。

 だがまあ、実際には解呪された訳だが。

 あいつは、解呪された場面は見ていない。

 あの真面目なデュラハンが、少なくとも一週間は待ってくれる。

 それを伝えると。

 

めぐみん「なるほど。一週間の間に強くなってしまおうという事ですね。」

結斗「あぁ。多分、一週間も来なかったら、あっちから来るだろうし。」

バイス(俺っちが、倒しちゃうもんね〜!)

 

 会議を終えて、デュラハン…………ベルディアを倒す為に動く。

 まずは、ギルドに報告して、王都からの救援をお願いした。

 戦法も、ベルディアには俺とバイス、仮面ライダーが相手をし、その他の相手を後の冒険者に任せるという事にした。

 狩崎さんは、カズマを呼び出していた。

 

カズマ「えっと…………どうしたんですか?」

ジョージ「カズマ。君には、これを渡しておこうと思ってね。」

 

 そう言って、狩崎さんは、アタッシュケースをカズマに渡す。

 

カズマ「開けて良いんですか?」

ジョージ「勿論さ!」

 

 その言葉と共に、カズマがアタッシュケースを開けると、そこには、デモンズドライバーとスパイダーバイスタンプが入っていた。

 

結斗「デモンズドライバー!?」

バイス(ええっ!?カズマも変身すんの!?)

カズマ「えっ!?良いんですか………?」

ジョージ「of course!君は冒険者だから、デモンズとの相性が良いと思ってね。」

 

 確かに。

 ゲノミクスチェンジで、様々な武装を使えるデモンズと、全ての職業のスキルを使う事が出来る冒険者のカズマとは、相性が良い。

 でも……………。

 

結斗「そのデモンズドライバーって、悪魔を幽閉するタイプなんですか?それとも、O.V.E.R.を使うタイプなんですか?」

ジョージ「このデモンズドライバーは、悪魔を幽閉するタイプさ。」

カズマ「悪魔って…………バイスみたいなのをですか?」

バイス(俺っちの他に、悪魔が増えるの!?)

ジョージ「That's right!その通りさ。」

 

 つまり、カズマにもギフの遺伝子を埋め込む必要がある。

 それを聞くような視線を狩崎さんに向けると、狩崎さんは真面目な表情になる。

 

ジョージ「……………その為には、君に、ギフの遺伝子を埋め込む必要がある。」

カズマ「その……………ギフって何だよ?」

ジョージ「まずは、そこから話そう。」

 

 そうして、狩崎さんは語った。

 ギフが、狩崎さんが元々いた世界に居た悪魔の始祖で、五十嵐三兄妹によって撃破された後、この世界に送られた事。

 俺の中にバイスが居る理由が、ギフの遺伝子が入った事。

 デモンズドライバーは、ギフの遺伝子が無ければ、寿命を悪魔に奪われる事。

 ギフに対抗するには、同じギフの力が必要で、カズマは、適合率が高い事が分かった事。

 それを聞いたカズマは、複雑そうな表情を浮かべる。

 それもそうだ。

 

ジョージ「…………無論、どうするのかは、君自身が決めたまえ。」

カズマ「俺は……………なります。そのデモンズドライバーを使って、仮面ライダーに。」

結斗「カズマ……………。」

ジョージ「…………本当に、良いのかい?」

カズマ「ああ。」

ジョージ「…………分かった。少し、準備があるから、待っててくれ。」

 

 そう言って、狩崎さんは、移動する。

 

ジョージside

 

 まさか、承諾するとはね。

 私は、そう思いながら、ダディーの研究室に向かう。

 すると、ダディーが話しかけてくる。

 

真澄「カズマ君は、何だって?」

ジョージ「……………彼は、ギフの遺伝子を埋め込む事を了承してくれたよ。」

真澄「そうか……………。」

ジョージ「……………ダディー。今なら、あんたの気持ちが分かるよ。」

真澄「……………そうか。早速、準備をしよう。」

ジョージ「ああ。」

 

 本当に、ダディーの気持ちが分かる。

 少し、後悔している。

 それでも、カズマの為にも、やるとしよう。

 そう思うのだった。

 

結斗side

 

 あの後、カズマは狩崎さんに呼び出され、真澄さんの研究室に向かった。

 そこで、ギフの遺伝子を埋め込まれた。

 これで、カズマも変身出来るようになった訳だな。

 

ジョージ「これで、君も変身出来る様になった訳だ。」

カズマ「ありがとうございます!」

ジョージ「ただ、君は戦闘に関しては、かなり未熟と言えるだろう。」

カズマ「それは、まあ…………。」

ジョージ「そこで、この私が直々に、特訓をしようと思ってね。良いかい?」

カズマ「良いんですか!?」

ジョージ「構わないさ。ただ、時間がないから、少し荒く行くよ。」

結斗「…………俺たちも特訓するぞ。」

バイス(ハァァ…………あいよ!)

 

 そうして、俺とカズマ、バイスは、狩崎さんの特訓を受ける事にした。

 ベルディアに対抗する為に。

 カズマはデモンズに変身して、狩崎さんはジュウガに変身する。

 その際に、ゲノミクスチェンジも行った。

 まあ、一個ずつだが。

 無論、ただ狩崎さんと戦うだけでなく、高難易度クエストも受けたり、体を鍛えたりしている。

 そんな生活を6日続けたある日。

 

アクア「クエストを受けましょう!」

結斗「どうしたんだ、薮から棒に。」

バイス(急すぎない?)

カズマ「多分、金が欲しいんだろ。」

アクア「お願いよおおおおお!もうバイトばかりするのは嫌なのよお!コロッケが売れ残ると店長が怒るの!頑張るから!今回は、私、全力で頑張るからあぁっ!」

バイス(うっわ〜!凄い泣いてるじゃん!)

 

 そう言って、カズマに泣きつく。

 そう、アクアを除いた全員は、懐は潤っているのだ。

 現状、ベルディアのせいで高難易度クエストしか残っていないので、無理して受ける必要はない。

 その後、アクアが掲示板に行き、カズマが見に行った。

 すると、めぐみんが話しかける。

 

めぐみん「結斗。」

結斗「どうした?」

めぐみん「カズマ、ここ最近、狩崎さんと一緒にいる事が多いですが、何をしてるのですか?」

ダクネス「確かに。何をしているんだ?」

結斗「まあ、色々とね。」

真澄「そうだな。」

ジョージ「…………どうやら、クエストが決まったみたいだね。」

 

 そんな風に話す中、カズマとアクアが戻ってくる。

 クエストが決まった様で、湖の浄化クエストを受ける事に。

 その際、アクアをモンスター捕獲用の檻に入れて湖に放り込むらしい。

 まあ、リバイス関連で、浄化をする能力がある物は無いからな。

 その際、アクアは。

 

アクア「………私、今から売られる希少モンスターか、出汁を取られる紅茶のティーパックの気分なんだけど。」

 

 そう語る。

 俺たちは、目的の湖へと向かい、檻に入ったアクアを湖に放り込む。

 その際に、めぐみん、ダクネス、真澄さんは見守り係で、俺とカズマ、狩崎さんは特訓をしていた。

 カズマも、デモンズの力をかなり使いこなしていた。

 

ジョージ「カズマもやるじゃないか。」

結斗「確かに。」

カズマ「いや…………狩崎さんと比べると、まだまだですよ。」

ジョージ「まあ、それもそうだけどね。君の成長は、著しいよ。」

バイス(まあ、俺っち達の次にな!)

 

 特訓を終え、カズマは狩崎さんに話しかける。

 

カズマ「狩崎さん。」

ジョージ「何だい?」

カズマ「俺…………夢の中で、門田ヒロミって人に会ったんです。」

結斗「えっ…………?」

ジョージ「ヒロミに…………?」

 

 門田ヒロミ。

 それは、仮面ライダーデモンズに変身していた人だ。

 それを聞いた狩崎さんは、驚いていた。

 

ジョージ「…………どんな事を話したんだい?」

カズマ「そうですね…………。仮面ライダーになったのなら、全身全霊を尽くして戦えって言われました。」

ジョージ「そうかい…………。彼らしいね。」

カズマ「だから…………俺、デモンズとして、頑張りたいです。ヒロミさんの為にも………。」

ジョージ「カズマ。それは違う。別に、私は君にヒロミになれとは言わないよ。」

カズマ「え…………?」

 

 カズマの言葉に、狩崎さんはそう言う。

 狩崎さんの言いたい事は、分かった気がする。

 カズマとヒロミさんは違う。

 ヒロミさんの真似をするだけでは、ダメなのだと。

 無論、それは、俺にも言える。

 五十嵐一輝になるのではなく、俺らしいリバイスを目指すべきなのだと。

 

ジョージ「君は、君らしいデモンズになりたまえ。誰かにそう言われたからではなく、自分の意思で、君らしいデモンズになって欲しい。」

カズマ「狩崎さん…………。分かりました!」

結斗「俺も、俺なりのリバイスになってみせるよ。バイスと共にな。」

バイス(へへっ!おうよ!)

 

 狩崎さんの言葉に、カズマはそう頷いて、俺は、バイスに話しかける。

 すると、アクアの悲鳴が聞こえてくる。

 

アクア「アアアアアアァァァァ!!!」

「「「!?」」」

 

 アクアの悲鳴に俺たちは反応して、見てみると、アクアの周囲に大量のブルータルアリゲーターが湧いてきていた。

 

アクア「なんか出た!なんか出てきたァァァァァァァ!!助けて!皆助けてェェェェ!!」

バイス(うわっ!ワニに取り囲まれてる!)

 

 浄化開始から、4時間が経過した。

 出てきたワニはアクアが入っている檻を破壊しようとしている。

 アクアはそれはもう一心不乱に自前の浄化能力と浄化魔法を使ったとな。

 

アクア「ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

 

 だがそんな事をすれば、ワニは更に怒る訳であって。

 次第に檻からヤバい音がし始めてきた。

 

アクア「ヒイィィィィィ!!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

結斗「………ギブアップなら、言ってくれ。すぐ引き揚げるからな!」

 

 流石に助け舟を出しておく。

 なんか、可哀想に思えてきた。

 だが、アクアの返事は。

 

アクア「い……嫌よ!ここで諦めたら、報酬が貰えない!」

 

 アクアってビビりなのに変な所で意地を張るよな。

 だが現実は甘くはなく、ワニが力を込めて顎を閉じると、鉄格子が音を立てて、曲がり始めた。

 

アクア「イヤァァァァァァァ!!メキッって言った!今、檻から鳴っちゃいけない音がしたァァァァァ!!」

結斗「…………仕方ないな。」

 

 俺は、オーインバスターを持って立ち上がる。

 

カズマ「おい!?結斗、何するんだ?」

結斗「流石に可哀想だから、ワニを討伐しておく。」

カズマ「いや、アクアが頑張れば、ワニはどっか行くだろ。だから、悪いけどアクアにもうちょい頑張ってもらおうぜ。」

 

 確かにな。

 

結斗「あいつらの討伐金も出るからいいだろ。それに。」

カズマ「それに?」

結斗「見てて、良心が痛む。」

カズマ「はぁ、しょうがねぇーな。」

 

 俺とカズマで、ある程度ブルータルアリゲーターを倒す。

 適度にオーインバスターで銃撃して威嚇しておく。

 この戦闘でレベルが上がる。

 威嚇の効果もあってか、ブルータルアリゲーターが中々近寄らなくなった。

 それをやってて、浄化を開始してから7時間が経過した。

 残っていたアリゲーターも何処かへ気配が散っていく。

 アクアは、檻の中で体育座りをしていた。

 

結斗「アクア。アリゲーターは居なくなったぞ。」

アクア「ハァァァァ………。終わった……。」

ジョージ「まあ、この後、何か奢ろう。」

アクア「そうね!………ていうか、出れないんですけど。」

カズマ「何でだ?」

真澄「ああ………。恐らく、アリゲーターに齧られて、鍵穴が変形したんだろう。」

アクア「えええ!?」

 

 他の隙間も試してみたが、無理だった。

 仕方ないので、ギルドまで中に居てもらう事にしよう。

 ただ、アクアを檻に入れたままにする、この判断を、俺は後悔した。

 

???side

 

 僕の名前は御剣響夜(ミツルギキョウヤ)

 どこにでもいる普通の高校生だった。

 だがある日、自分でも訳が分からない内に命を落としてしまった。

 そんな時、美しい女神と出会い『魔剣グラム』を与えられ、この世界に転生した。

 今は上級者クエストの『エンシェントドラゴンの討伐』を終えて、ギルドに報告に行っている。

 

フィオ「流石、私のキョウヤよね。エンシェントドラゴンを一撃で倒すんだから。」

 

 彼女はフィオ。盗賊に就いている。

 

クレメオ「な!!ちょっと、誰が貴女の物よ!キョウヤは私の物なんだから!」

 

 彼女はクレメオ。戦士の女の子だ。

 慕ってくれるのはありがたいんだけど、事あるごとに喧嘩しないでほしいな。

 そんな2人と一緒に日々冒険者として頑張っている。

 必ずこの世界を救って見せる。

 女神様との約束だから。

 

ミツルギ「………うん?」

 

 その時、僕の耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

アクア「ねぇ、まだ着かないの?」

ミツルギ「この声って?」

 

 声のする方向に向かうと、そこには荷車に檻を乗せた冒険者の一団がいた。

 檻には、女性が1人いた。

 その女性は、僕が知っている人だった。

 

ミツルギ「め………女神様!!」

 

結斗side

 

 俺たちは、アクアを檻に入れたまま、アクセルへと戻っていった。

 

アクア「ねぇ、まだ着かないの?」

真澄「もう少しだ。」

ジョージ「君はもう少し、落ち着きを持ちたまえよ。」

 

 アクアと狩崎親子は、そんな風に話していた。

 すると、後ろから。

 

???「女神様!女神様じゃないですか!」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

 そう言って1人の男が檻を素手で強引に広げてしまった。

 

カズマ「な!?」

ダクネス「おい!これは鋼鉄製の檻だぞ!」

バイス(檻をねじ曲げちゃったよ!?)

 

 俺では少し厳しいかな。

 まぁ、コイツには檻の弁償をしてもらおう。

 

結斗「おい、君の事を女神様って呼んでるから、君の関係者だろ。」

アクア「え〜っと。………とりあえず話を聞いてみるわ。」

 

 え、まさか覚えてないのか!?

 コイツ100%転生者だろ!

 流石に覚えておこうぜ。

 アクアは、その男が広げた隙間から外に出る。

 

アクア「それで、私に何の用かしら?………て言うかあんた誰?」

ミツルギ「な!僕ですよ。御剣響夜です。貴女にこの魔剣グラムを頂き、この世界に転生した御剣響夜です!」

アクア「え?」

ミツルギ「え!?」

「「え?」」

 

 まさか本当に覚えてないのか?

 

アクア「………ちょっと待ってね。」

 

 アクアは何処からともなく手帳を取り出してめくっていく。

 

アクア「ミツルギ……ミツルギ……あ!あったわ。ごめんなさい、沢山この世界に転生させたから、すっかり忘れてたわ。」

ミツルギ「あ〜、はい、そうですか。お久しぶりです女神様。ところで、女神様はどうして檻の中に居たんですか?」

 

 そう言って、俺とカズマを睨む。

 これは、説明しないといけなさそうだな。

 俺とカズマは、経緯を説明する。

 すると。

 

ミツルギ「はぁ!?女神様をこの世界に連れて来ただけでなく、檻に閉じ込めて湖につけた!?君は一体何を考えているんだ!!そして、君も君だ!何故、そんな事を許すんだ!」

 

 そう言って、俺とカズマの胸ぐらを掴む。

 ていうか、お前に文句を言われる筋合いは無い。

 

アクア「ちょっ、私としてはこの世界に連れてこられたのはもうそんなに気にしてないし、毎日楽しい日々を過ごしてるし、今回のクエストだって私が言い出しっぺなんだから。」

ミツルギ「女神様、この2人にどう唆されたのか知りませんが、貴女は女神様なんですよ。こんな扱いで良いんですか?」

 

 言いたい放題だな。

 この男、俺達が黙ってるのを良い事に言いまくるじゃないか。

 俺達の事を知らないだろ。

 年下にこんなに言われるのはムカつくな。

 

ミツルギ「ちなみに女神様は何処で寝泊まりしているんですか?」

アクア「え〜っと、馬小屋で……。」

ミツルギ「はぁ!?」

 

 と、更にキツく締めて来た。

 

アクア「ちょっと!」

ダクネス「おい貴様、いい加減にしろ。」

ジョージ「君、初対面の人に対して、失礼じゃないのかい?」

 

 流石に無視できなくなったのか、ダクネスと狩崎さんがミツルギの腕を掴んで止める。

 ダクネス達の方を見たミツルギは。

 

ミツルギ「君達は……クルセイダーにアークウィザード、超錬金術師が2人……成程。パーティメンバーには恵まれているようだね。君達は、こんな優秀な人達がいるのに、女神様を馬小屋に泊らせるなんて、恥ずかしく思わないかい?」

バイス(うっわ!こいつ、上から目線で言ってくるぜ!)

 

 ええ………。

 そんな事言われても………。

 ミツルギの言う事は、説得力が全くないな。

 まあ、俺もリバイスの力を貰った事で、お金にはあまり苦労していないから、人の事を言えないけどな。

 つまり、五十歩百歩だ。

 だが、俺は文句の一つも言ってやらないと気が済まない。

 

結斗「お前さ、説得力が無いんだよ。まあ、俺もお前の事はとやかくは言えないけどさ。だからって、冒険者全員が、お前みたいに宿に泊まれると思うなよ?大体、アクアが馬小屋なのは、アクアの金遣いが荒いからだ。」

ミツルギ「…………そんな言い訳をするんじゃない。それに、そうやって責任を女神様に擦りつけるのか?」

バイス(おいこら〜!結斗の服から手を離せ!)

 

 ダメだ、人の話を聞きやしない。

 思い込みが激しいタイプか?

 アクアの事を知っている俺からしたら、アクアの自業自得だとしか言えないのだが、それを言ったら、火に油を注ぐような真似になるだろうな。

 すると、アクア達に同情の視線を向ける。

 

ミツルギ「君達。今まで苦労したね。今日から、ソードマスターである僕の所に来ないかい?高級な装備を買い揃えてあげるよ。」

 

 剰え、こちらのパーティーから、狩崎さん達を抜き取ろうとしていた。

 ていうか、言い方が援助交際を求める中年親父じゃねぇか。

 アイツからしたら、悪者である俺とカズマから、アクア達を救う感じなんだろうな。

 

「「「「「…………。」」」」」

アクア「ねぇ、あの人ヤバくない?あの人本気でひくぐらいヤバいんですけど。て言うか勝手に話進めるしナルシストも入ってる系で、怖いんですけど。」

ダクネス「どうしよう、あの男は何だか生理的に受けつけない。攻めるよりも受けるのが好きな私だが、あいつだけは何だか、無性に殴りたいのだが。」

めぐみん「撃っていいですか?あの苦労知らずのスカしたエリート顔に、爆裂魔法を撃っても良いですか?」

ジョージ「あんな上から目線で言ってくるやつに、着いていく義理はないね。」

真澄「同感だな。」

 

 すごい不評だな。

 まあ、援助交際を求める中年親父みたいな言い方だったからな。

 悪印象なのは間違いない。

 俺も、ミツルギの印象は最悪だ。

 こちらの事情を考えずに言ってくる奴など、仲良くなれないな。

 

バイス(結斗、もうそろそろ帰ろうぜ。俺っち、お腹空いちゃったよ!)

結斗「そうだな。…………まあ、そんな事で、仲間達は、お前のパーティーには入りたくないそうだ。」

カズマ「じゃあ、俺たち、ギルドに報告があるから。」

 

 そう言って、俺たちは移動しようとする。

 だが。

 

ミツルギ「待て!」

結斗「うん?」

 

 ミツルギが、俺たちの前へと回り込み、通せん坊する。

 

結斗「何の用だ?」

ミツルギ「悪いが、女神様をこんな境遇に置いてはおけない。」

 

 こいつ、しつこくないか?

 そして、こう言った後には大体………。

 

ミツルギ「僕と勝負だ!」

 

 やっぱり。

 

ミツルギ「僕が勝ったら、女神様はこちらに引き渡してもらおう。君が勝ったら、言う事をなんでも聞こうじゃないか。」

 

 勝手に話を進めやがって。

 しかも、こっちは負けたらアクアが奪われるのに、そっちが負けても、大した損害じゃない。

 完全に不公平その物じゃないか。

 すると。

 

カズマ「結斗。こんな奴、お前が相手をするまでもないぜ。」

結斗「カズマ?」

カズマ「俺にやらせてくれ。」

 

 カズマは、そう言った。

 ここは、カズマにやらせるか。

 

結斗「そうだな…………頼む。」

カズマ「ああ。」

ジョージ「カズマ。良かったらこれを使いたまえ。」

 

 狩崎さんがそう言って渡したのは、モグラバイスタンプだった。

 

バイス(カズマに任せて良いのかよ?)

結斗「あいつは強くなった。信じよう。」

バイス(お前がそう言うのなら、良いけどよ…………。)

 

 俺の言葉に、バイスはそう言う。

 

カズマ「おい。お前の相手は俺だ。」

ミツルギ「構わないさ。冒険者である君に、ソードマスターである僕が負ける筈が無いからね。」

カズマ「後悔すんなよ?」

 

 そう言って、デモンズドライバーを取り出す。

 

デモンズドライバー!

 

 その起動音が鳴って、腰に装着される。

 

ミツルギ「何だ?」

カズマ「見せてやるよ。俺の全身全霊を!」

 

 そう言って、スパイダーバイスタンプを構えて、起動する。

 

スパイダー!

Deal……!

 

 カズマは、デモンズレッドパッドに、スパイダーバイスタンプを押印する。

 すると、カズマの横に蜘蛛が現れる。

 カズマは、バイスタンプを構えて、叫ぶ。

 

カズマ「変身!」

 

 そう言って、オーインジェクターに、バイスタンプを押印する。

 

Decide up!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

 

 その横に現れた蜘蛛が、カズマの周囲を糸を出しながら旋回して、カズマに糸を巻いていく。

 その糸がデモンズのアンダースーツになり、蜘蛛が右肩に付いて、蜘蛛の巣を生成して、アーマーになる。

 これが、仮面ライダーデモンズ・スパイダーゲノムだ。

 それを見た他の人たちは。

 

ダクネス「カズマが…………変身した?」

めぐみん「かっこいいですよ!その見た目は、紅魔族の琴線に激しく触れます!」

アクア「何よ、それ…………。」

ジョージ「フォウ!仮面ライダーデモンズだ!」

真澄「さて、どう立ち回るかな?」

ミツルギ「へ、変身………?」

カズマ「行くぞ。」

 

 ミツルギは、カズマの姿が変わった事に戸惑ったが、すぐに魔剣グラムで攻撃する。

 だが、デモンズには、蜘蛛の特性が反映されていて、八つの目からは、ほぼ全周囲を見る事が出来る。

 それに、全身に張り巡らせた人工筋肉「ゲノマッスル」によって、人間が持てる身体能力の可能性を極限まで拡張している。

 その為、カズマは、ミツルギの攻撃を余裕で躱す。

 ミツルギは、攻撃が当たらない事に焦っていた。

 

ミツルギ「あ、当たらない………!」

カズマ「オラっ!」

 

 カズマは、ミツルギの攻撃を躱して、カウンターにパンチを叩き込む。

 ミツルギが怯む中、カズマはデモンズドライバーのデモンズノックを押し、モグラバイスタンプを構える。

 

add……!

モグラ!

Dominate up!

モグラ!ゲノミクス!

 

 カズマの右腕に、モグラを模した武装、デモンディグゾンが装着される。

 カズマは、デモンディグゾンを使って、ミツルギに攻撃していく。

 

カズマ「ハアッ!」

ミツルギ「くっ………!」

 

 カズマの攻撃に、ミツルギは防戦一方となっていた。

 カズマは、一度、デモンディグゾンを分解して、モグラバイスタンプをオーインジェクターに押印する。

 

モグラ!

charge!

デモンズフィニッシュ!

 

 押印した後、デモンズノックを押す。

 再び合体した右腕のデモンディグゾンに、緑色のエネルギーを纏わせ、ミツルギに向かっていく。

 

カズマ「ハァァァァ!!」

ミツルギ「グゥゥゥゥ…………!」

 

 デモンディグゾンのドリル攻撃に、ミツルギは、咄嗟にグラムを盾にして、何とか堪える。

 カズマは追撃と言わんがばかりに、デモンズノックを2回押す。

 

More!

 

 待機音が流れ、カズマはもう一度、デモンズノックを押す。

 

モグラ!デモンズレクイエム!

 

カズマ「ハァァァァ!!」

ミツルギ「ぐわァァァァァ!!」

 

 カズマは、デモンディグゾンのエネルギーを右足に纏わせ、ライダーキックを放つ。

 ミツルギは、再びグラムを盾にするが、堪えきれずに吹っ飛ぶ。

 

ジョージ「勝負ありだね。」

カズマ「ふぅ…………。」

 

 狩崎さんはそう言って、カズマは変身解除する。

 すると。

 

取り巻き「ひ………卑怯者!!」

「「「「「「うん?」」」」」」

取り巻き「卑怯者!卑怯者!卑怯者!」

結斗「はい?」

バイス(なんか騒いでるよ?)

 

 なんか、カズマがミツルギの取り巻きに非難されてる。

 

ミツルギ「クレメオ、フィオ!何を!?」

カズマ「あんた達、コイツの仲間か?」

クレメオ「そうよ!この卑怯者!」

真澄「………一応聞くが、どうしてだい?」

 

 いや、卑怯呼ばわりされる様な事はしてないだろ、カズマは。

 

フィオ「そんなのを使うなんて、卑怯よ!」

クレメオ「そうよ!無効よ!無効!」

カズマ「あのな。魔剣使いのソードマスターが、巷では最弱職と呼ばれてる冒険者に勝負を挑む方が卑怯だろ。」

ジョージ「大体、其処の彼は、決着方法を碌に説明していなかった。そして、カズマは持てる力を使って、勝負に挑んだんだ。卑怯どころか、正々堂々としてるじゃないか。」

ダクネス「それに関しては、どうなんだ?」

ミツルギ「………いや、彼は正々堂々と戦って勝った。………僕の負けだ。」

クレメオ、フィオ「キョウヤ!!」

 

 意外と潔いな。

 どうやら、頭に登ってた血が下がったみたいだな。

 

カズマ「さて、と。取り敢えず、その魔剣でも頂こうかな。」

ミツルギ「え!?」

カズマ「うん?」

ミツルギ「ま、待ってくれ!出来れば、この魔剣以外で………。」

 

 ミツルギは、焦りながらそう言う。

 さっき、何でも言う事聞くって、言ってただろ。

 

カズマ「いや、お前、さっき、負けたら何でも言う事を聞くって、言ってただろ。」

ミツルギ「そ、それは………。」

カズマ「都合が良すぎるんじゃ無いか?」

ミツルギ「うっ…………。」

 

 ぐうの音も出ない正論だな。

 まあ、助け舟を出すか。

 

結斗「カズマ。魔剣は諦めて、檻の修理費を払ってもらおうぜ。」

カズマ「何でだよ?」

結斗「明日、ベルディアが来る。一応、こいつも戦力として参加させるぞ。それに、こいつから魔剣を取ったら、一気に弱くなるからな。」

ミツルギ「なっ!?」

カズマ「どういう事だよ?」

 

 首を傾げるカズマに、俺は説明した。

 恐らく、魔剣グラム頼りの戦闘スタイルなのが分かった。

 レベル自体は、カズマより先に来ている事もあって、高いだろうけどな。

 

ミツルギ「な、何故、最弱職の冒険者に、この僕が!?」

ジョージ「現に君、負けたじゃないか。それに、この私が直々に鍛えたから、君よりも強い事は、分かるよ。魔剣頼りの君では、カズマには勝てない。」

ミツルギ「………………。」

 

 その後、ギルドに共に向かい、ミツルギに檻の弁償代20万エリスを払わせた。

 ミツルギは、俺の言葉を聞いてから、妙に思い詰めていた。

 取り巻きの女の子2人が話しかけるが、ほとんど上の空だ。

 一応、明日魔王軍幹部が来るから、街には居るように伝えたが、ミツルギは、ギルドを出て行った。

 後はあいつ次第だ。

 俺は、明日に備えて寝た。

 

ー翌日ー

 

 俺達は早くに合流して、その時を待っていた。

 その時。

 

ルナ「緊急!緊急!冒険者の皆さんは直ちに武装して正門前に集まって下さい!特に、サトウカズマさんと前田結斗さんのパーティメンバーは絶対に来て下さい!」

 

 遂に来たか。

 俺たちは、街の正門へと向かう。

 そこにはやはり、ベルディアが居た。

 ベルディアはプルプルと震えていて遂には。

 

ベルディア「何故城に来ないのだ、この人でなしどもがああああああっ!!」

 

 と、絶叫した。




今回はここまでです。
カズマがデモンズに変身しました。
カズマの悪魔は、いずれ出します。
名前は、リバイスのVシネマで出る、ヒロミさんの悪魔と同様に、ムラマサです。
ただ、ムラマサに関しては、リバイスのVシネマを見てから出す感じです。
現状、変身を考えているのは、ダクネスはライブ、めぐみんはジャンヌ、ミツルギはオーバーデモンズ、クリスはアギレラ、ゆんゆんはキマイラ、真澄さんはベイル及びデストリーム、アイリス、リアはオリジナルライダーの予定です。
ダクネスの悪魔は、勿論カゲロウです。
雰囲気としては、ドSのダクネスで、攻撃は普通に命中します。
カゲロウは、ダクネスの性癖のストッパーの役割を果たします。
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。
ちなみに、赤石長官も登場します。
どこかのタイミングで。
ミツルギ、リアの悪魔も出ますよ。
リア達アクセルハーツが、どのタイミングで出るのか意見がある場合は、よろしくお願いします。

ビヨンド・ジェネレーションズに相当する話はやるべきか

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