「雲の上を飛ぶってのも悪くないでしょ」
「・・あぁ・・これからマリージョアに向かわなければ気分は良かったがな」
「なるほど‼︎10億超えの四皇幹部、実はビビりのクソ雑魚豆腐メンタルをクールなキャラ作りで誤魔化していた‼︎これは私もビックリ‼︎世間もビックマム海賊団もビックリ‼︎」
「お前何を書いてるんだ」
「え?航海日記だけど?あっ!大丈夫だよ?モッチーが実はこっそりと寝転びながらオヤツを食べ私の盗撮写真を眺めてムラムラしてるなんて書いてないから‼︎」
「・・お前・・それは絶対書くなよ?」
「私言う事は聞かないけど約束は守る人って有名なんだよ?」
「もういい‼︎・・行くならさっさと行って速攻で帰るぞ」
「と言うと思って既に時間加速の能力を使っているのですよ。1000倍速で進んでるからもう少ししたらマリージョアだよ?」
「・・・幾らなんでも速すぎだろ⁈心の準備をしたばかりだぞ‼︎」
「こ・・・心の準備・・・乙女か⁈え?何?女子力高めのスイーツ男子ってアピってるの?え?誰に?・・私か‼︎私が女子力低い野蛮な奇人だと!そう言いたいのかぁぁぁぁ‼︎」
「いや・・何も言っていないが否定はしない」
「そこは否定しよ?」
「急にしおらしくして女子力をアピールしても意味はないと思うが」
「何で⁈私毎日プリン食べてるよ?スイーツ女子だよ?」
「・・・いや・・毎日毎日プリンプリンと喚くキチガイの間違いじゃないのか?」
「なるほど‼︎じゃあ、毎日毎日お菓子がないと喚くババアもキチガイだね‼︎」
「ママは関係ないだろ‼︎」
「何で?同じ理屈でしょ?ババアは良くて私は駄目だという根拠は?」
「ママは家族‼︎お前は家族じゃない‼︎」
「なるほど‼︎ババアがキチガイだという点は否定しない訳だね‼︎」
「なっ⁈俺を謀ったのか‼︎」
「未来視の見聞色使えば良かっただけじゃん!」
「お前の動向を気にして会話しないといけないならお前とは今後一切話さない」
「今まさに話してるじゃん‼︎」
「屁理屈を言うな‼︎」
「だって海賊だもん‼︎仕方ないよね?」
「お前海賊なら何しても許されると思ってるのか?」
「え?海賊が何しても許されるなら海軍なんていらないよね?何言ってるの?」
「お前の理不尽さを説いてるんだが?」
「理不尽の極みを素でやってる豚共よりマシじゃない?だえ〜!とか?アマス‼︎とか?ニャンパスソード‼︎とか意味不明な語尾を使う奴等は皆んな理不尽だよ」
「言ってる事は分かるが・・ニャンパスソードってなんだ⁈」
「ニャンパスソード?・・ちょっと待ってね!確か何年か前の航海日記に・・・あっ⁈コレかな?・・・・ってコレは・・・・」
「その日記がどうかしたのか?」
「ううん‼︎何でもないよ?・・・って日記だったね!どの日記だったかなぁ?」
「俺は今ニャンパスソードよりその日記の方が気になっている!」
「あっ⁈読んじゃ駄目‼︎」
「俺は駄目だと言われて引くような男ではない」
そんな会話をしながらカタクリはルミナの日記を読み進めると
「・・・・お前・・・これは本当なのか⁉︎・・・だとしたらお前は‼︎」
「ホントだよ?でもこれで合点が合うんじゃない?なんで私みたいな小娘が白ひげ海賊団の副船長でビックマムやカイドウと旧知の仲なのか」
「いや・・むしろ四皇とはいえ副船長で収まる器ではない気もするが」
「だから私はモッチーを誘ったんだよ?あとは自称男のデカブツと紅白饅頭を誘う予定だよ」
「いや!誰だよ‼︎」
「そのうち分かる‼︎」
何やら意味深な会話をしながらマリージョアへ向かうルミナ達、ドットさんの航行速度が馬鹿みたいに速すぎるのかマリージョアはもう目の前だ
「はい‼︎マリージョアが見えてきました‼︎現在ドットさんはマリージョア近海遥か上空を飛んでいます」
「どうした急に?」
「飛び降りるよ‼︎」
まさか遥か上空から飛び降りるなんて言われるとは思いもしなかっただろう
『お前・・馬鹿か?」
「もう着くから話してる暇なんてないよ?じゃあ行って来る‼︎」
カタクリの最もな疑問に応える暇はないとルミナはドットさんから飛び降りた
「アイツ!マジか⁈」
四皇ビックマムの最高幹部として猛威を奮っているカタクリでも遥か上空を飛ぶ船から飛び降りる馬鹿な真似をする奴は見たことがないだろう
そんなルミナは
「気持ちいいぃぃぃ‼︎今度空島からダイブしてみようかな」
と呑気なものだった
「今日は偉大なるアチキが生誕した有難い日だえ‼︎」
と自画自賛する偉大なる男チャルロス聖
今日は彼の誕生日らしく無駄に豪華なパレードを開き悦に浸っていた
「虫ケラ共、とっとと歩くえ!」
割と体重の重い彼を運ぶ奴隷達、満足な食料も休息も与えられていないのだろう
奴隷達の表情はすでに満身創痍である
そんなチャルロス聖はマリージョアの一角、彼の家が用意した豪華なパーティー会場に到着すると
「今日は偉大なるアチキの生誕祭だえ‼︎皆の者アチキを讃えるえ‼︎」
と言いながらパーティー会場の上座へと歩き出したチャルロス聖
このパーティーの主役のおかげか随分と上機嫌である
「偉大なるアチキの生誕祭パーティーの場に薄汚い虫ケラ共は目障りえ‼︎さっさと殺すえ!」
先程まで必死に彼を運んできた奴隷達を殺せと命じた非情な男チャルロス聖
彼にとって奴隷達の命などとるに足らない存在なのだろう
このパーティー会場にいた世界政府の役人達は奴隷達に銃を向け
『あぁぁぁぁぁ‼︎プリンの匂いがするぅぅぅぅぅ‼︎」
と今の状況下で的外れな声が聞こえて
『ん?』
皆がふと空を見上げると
「おぉ⁈丁度いい所に丁度いい豚のクッションが!はい!ドーン‼︎」
「ほげらぁ⁈」
空から落ちて来たのは勿論ルミナ‼︎
丁度良い所にチャルロス聖がいて着地のクッションになったようだ‼︎
まぁクッションが無くてもルミナは平気なのだが‼︎
「あ・・あ・・あぁぁぁぁぁ⁈天竜人に手を上げやがったぁぁぁぁ‼︎」
まさか天竜人に手を上げるなんて思いもよらない世界政府の役人達は騒ぎ出し
「え?手は上げてないよ?寧ろ足を下ろしたんだけど」
ルミナ曰く手は上げてないと言ってるが最早屁理屈‼︎
天竜人がやられたという事実が大問題なのだ‼︎
そして他の天竜人達は思いもよらない出来事に唖然とし固まっている中
「貴様ァァ‼︎天竜人に手を上げよって‼︎それも儂の目の前で‼︎」
とマジギレして怒り心頭の海兵、“赤犬“
彼は海軍本部の最高戦力と言われる大将の地位に就く男であり今回の天竜人生誕祭の護衛を兼ねたパーティーの参加者でもあった
「は?私手は上げてないって言ったよね?もしかして世界政府お得意の捏造?まぁ豚がどうなろうとどうでもいいけどお前豚の護衛ならしっかりと任務遂行しろよバーカ‼︎」
ルミナ相手にレスバは悪手、短気な赤犬なら尚更だ‼︎
「おんどれぇぇぇ‼︎」
「海軍本部最高戦力の大将が?世界貴族という最重要護衛対象を守れなくて?私みたいな子供相手に顔真っ赤にしてブチ切れる?これニュースになったら海軍の威厳も大将の格もあったもんじゃないよね?」
キレる赤犬相手に煽るルミナ
ルミナが言ってる事は確かに事実ではあるので否定しようにも出来ない
現状ではあるが
「でも私のやった事って世界政府が揉み消すからそこの豚を踏み潰した事実も無かった事になるよね?つまり私は何もやってない‼︎良かったね?私のおかげでお前の失態もなかった事になるかもよ?お礼にプリンくれてもいいんだよ?」
ルミナがやった事は世界政府が揉み消す!
つまりルミナが天竜人に手を出したという事実は無かった事にされる!
それを利用して赤犬にプリンを強請るルミナ
まぁ揉み消しても世間に公表されないだけでルミナが天竜人に手を出したという事実と赤犬が天竜人を守れなかったという事実が消える訳ではないので
「なんで儂が貴様にプリンをくれてやらねばならんのじゃあぁぁ‼︎」
違う!そうじゃない‼︎
怒るポイントはそこじゃない‼︎
怒るのはルミナが天竜人に手を出したという事実でありプリンを強請った事じゃない
「赤犬‼︎何やっているアマス‼︎この薄汚いゴミ屑は世界貴族である天竜人に手を出したアマス‼︎さっさと殺すアマス‼︎」
天竜人としてはこの反応の方が普通だ!
今この場においては赤犬よりこの天竜人の方がまともであるだろう
奇形だけど!
「アマスアマス煩いザマス‼︎お前みたいな顔面偏差値だけは逆に神レベルの超絶不細工に薄汚いゴミ屑とか言われる筋合いはないザマス‼︎お前等豚共って世界貴族とか神とかほざいて近親婚しかしないから見ただけで将来絶望的な不細工や奇形しか生まれないザマスよ?」
「きぃぃぃぃっ‼︎赤犬何をボーッと見ているアマス‼︎愚かにも天竜人の真似をするこの憎たらしいゴミを殺すアマス‼︎」
不細工やら奇形と言われ逆鱗に触れたのだろう
先程以上に怒り心頭で赤犬にルミナを殺せと命じるが
「ねぇ?知ってる?いかに海軍大将とはいえ世界政府の許可なく私に攻撃をしちゃ駄目なんだよ?まぁ中にはそんな事お構いなしに攻撃してくる煎餅とかドスコイとかいたりするけど、基本的には世界政府の許可がいるんだ!だからそこにいるのは役立たずの駄犬だよ?」
世界三大勢力の一角である四皇には世界政府の許可なく攻撃してはいけないというルールがある
下手に手を出して均衡が崩れた場合、世界は混乱し荒れるのだから当然といえば当然ではあるがルミナの場合はまた別だ!
「何言ってるアマス?ゴミ掃除如きわざわざ許可を取る必要ないアマス‼︎仮に許可がいるとしても天竜人の権限で後からどうにでもなるアマス‼︎」
ルミナが何者なのか知る由もないのだからこの発言は天竜人としては当然の反応なのだろう
「ふぅ〜ん・・じゃあ攻撃していいよ?後からどうにでもなるんでしょ?五老星相手にちゃんと許可取れるなんて凄いね?神の騎士団に処刑されないよう気を付けてね?」
ルミナとしては攻撃されようがされまいがどっちでもいい
ただ大層な事をほざく天竜人の反応が見たくて自分の取り引き先を零してみると
「ご、五老星?神の騎士団?処刑?」
天竜人から見れば目から鱗、いかに世界貴族であろうと天竜人の中にも序列のようなものはある
世界政府最高権力である五老星は天竜人達の頂点、そして天竜人さえも処刑出来る権限を持つ神の騎士団
ルミナの口からまさかその言葉が出てくるとは思わず狼狽る天竜人
「あれ?語尾にアマスがないザマスよ?動揺してキャラ作りする余裕もなかったニャンパスソード‼︎」
確かに天竜人はアマスと言っていない!
流石にキャラ作りはないだろうが
(お前のキャラ作りの方がブレとるわい‼︎)
赤犬が心の中でツッコミを入れるようにルミナの天竜人キャラの設定はブレている
「はっ・・はったりアマス‼︎私達天竜人を脅すとはなんと罪深い下々民なのかしら?それに私の美貌を不細工呼ばわり‼︎お前は謝っても許さないアマス‼︎殺される方がマシだと思う位の生き地獄を味合わせてやるアマス‼︎」
「え?さっきは殺せとか今度は生き地獄とか主張がブレブレだよ?あっ!でも‼︎死ぬくらいプリンを味わえるプリン地獄なら喜んで受け入れるよ?」
まぁこの天竜人、シャルリア宮は兄のチャルロス聖みたいに不細工でもなければ奇形でもない
せいぜい髪型が火山の噴火のようなマッシュルームヘアーといったところか?
それはともかくルミナの発言をはったりだと言い聞かせるシャルリア宮の処刑宣告に意を返さないルミナ
「まぁ、それはそうと誰が私に生き地獄を味合わせるの?まぁ別に誰でもいいけど・・やるなら私も手加減しないからね?だって私マリージョアがこの世界から消滅しようと豚共が全滅しようがどうでもいいし!」
ルミナはそう言いながら剃でシャルリア宮に近付き防護服のヘルメットを握力で握り潰すと
「がっ⁈」
そのままシャルリア宮の首を絞め
「私ね?天竜人が大嫌いなんだ‼︎だからお前を絞め殺す事に抵抗もないし良心も痛まない‼︎だってお前等神なんだし私達人間とは違うんだよね?」
そう言いながら徐々に握力を強くしていくルミナ
「あがっ⁈・・・や・・辞めて・・た・・助け」
必死に声を絞り出し助けを求めるシャルリア宮と
「辞めて?助けて?何で私がお前等の言う事聞かないといけないの?お前等豚共は私達の懇願を聞いてくれた事あった?ないよね?」
そんなシャルリア宮の懇願に耳を貸さないルミナ
ガチャ
「薄汚い下々民如きが天竜人に手をかけよって‼︎貴様のやっている事は世界政府への反逆‼︎今その手を離せば私の寛大な心で私の手で撃ち殺す事で許してやるえ‼︎今すぐその手を離すえ‼︎」
銃をルミナに向けて威嚇する天竜人、“ロズワード聖“
彼はルミナに踏み潰された豚“チャルロス聖“とシャルリア宮の父親であり娘を助けようとルミナに銃を向け引き金に手を掛けると
「寛大な心?許してやる?は?どの口がほざいてんだ‼︎」
元々天竜人が大嫌いなルミナ、ロズワード聖の尊大な態度にキレるルミナ
あまりにも強大な、暴虐無比な覇王色を周囲に撒き散らすルミナによって赤犬を除くその場全員が気を失い
「チッ!この程度の覇気で気絶しやがって糞雑魚共が!おい!小刻みに震える馬鹿犬‼︎お前のその震えは怒り?恐怖?どっちにしろいい歳こいた凶悪面のおっさんがプルプル震えるのキモいから」
覇王色の覇気で気絶した天竜人や政府役人達の愚痴を吐き、赤犬を煽るルミナ
「おんどりゃぁぁぁ‼︎下手に出りゃつけ上がりよって‼︎もう我慢ならん‼︎儂が絶対正義っちゅうもんを叩き込んでやる!」
ここまでコケにされて黙っている訳にはいかない赤犬、たとえ五老星から処罰を受けようと今ルミナを成敗しないで何が正義といえようか?
怒りに震える赤犬の体から灼熱のマグマが吹き出し
「本気でやるけぇの‼︎骨一つ残らんと思え‼︎」
「出来るもんならやってみろ‼︎私はお前の存在をこの世から完全消滅してやるから覚悟しろ‼︎」
割と口調が荒くなるルミナ、ルミナもルミナで怒り心頭なので口が凄く悪くなる
『そこまでだ‼︎』
まさに一触即発といった空気に待ったを掛ける声が響き渡る
「三日月ヘッド」
「ガーリング聖」
ルミナの侮蔑はともかく赤犬がガーリング聖と呼ぶ天竜人が二人の激突を止め間に割って入ってきた
「天竜人がやられたか・・確かに海軍大将の案件ではあるが奴が相手であるならば我々の管轄だろう・・赤犬」
「どっちでもいい‼︎ごちゃごちゃ言ってないでさっさと来い‼︎なんなら二人纏めて消してやるから有り難く思え‼︎」
ルミナにとってはどちらも敵である以上どっちが相手するかなんて関係ない
故に挑発するルミナだが
「・・・口が悪いな!やはり血は争えないと言うべきか?世界の忌み子よ!」
「挑発のつもり?別にいいんだけど世界の忌み子とかいうなら世間に公表すればいいのに‼︎」
「どうするかは五老星の判断‼︎今やるべきは我々“神の騎士団“の権限で貴様を処刑する事だ!ルイン・D・ルミナ・・いや・・この場においてはこう呼ばせてもらうか!世界最凶の悪魔!ロックス・D・ルミナ‼︎
忌まわしきジーベックの娘よ‼︎」
ルミナの父親はかつて世界最強にして最恐の海賊“ロックス・D・ジーベック“
ガーリング聖が放った言葉はあまりにも衝撃的なのだが今この場にいるのはルミナ、ガーリング聖、赤犬の3人
ルミナの覇王色で全員気絶したので問題ないと判断したのだろう
「なっ⁈・・白ひげの小娘がロックスの娘・・・信じられん」
「サカヅキ貴様が知らんのも無理はない!当時の事件の記録は海軍にも公表されておらん!知っているのはあの場にいたガープや元帥のセンゴクくらいだろう‼︎無論貴様も口は割るな!大将とてその限りではないのでな」
ルミナの素性を明かせば赤犬だろうと処刑対象になる
ガーリング聖は赤犬にそう忠告すると
「おい!三日月ヘッド‼︎お前何言ってんの?誰も頼んでないのにお前が勝手に私の素性をベラベラと喋って、口を割ると処刑とかお前頭おかしいんじゃないの?あれから歳をとったから耄碌してるんだね三日月ヘッド」
確かに誰も頼んでないのにガーリング聖がルミナの素性を話し赤犬に忠告したのは間違いない
(確かに)
海賊ではあるが密かに赤犬もルミナの意見には同意だ
「まぁルインもロックスも私の性だしどっちも本名ではあるけど・・ロックスを引き合いに出すという事はお前の中でゴットバレーの戦いは終わってないという事でいいんだよね?」
「当然だ!ジーベックの血は絶やさねばならん‼︎」
「分かった・・だったら私も本気の本気でお前を殺す‼︎お前達世界政府が歴史から抹消した悪魔の実モデル“クロノス“の力とくと思い知れ」
最早衝突は避けられないのだろう
「貴様‼︎その名は口にするなと五老星から言われてるだろう‼︎」
「お前らが直接私に敵対しない限りは黙ってやる!と取り引きしたけど?お前私に直接敵対してるじゃん?なら取り引き無効だし私が喋るのも仕方ないよね」
「貴様」
「五老星も可哀想だね!色んな手を尽くして歴史も空白の100年もひた隠しにしてきたのに天竜人の裏切りで台無しになるんだから‼︎」
「貴様‼︎まさか全てを知っているというのか?」
「そうだよ?私が食べた悪魔の実、ヒトヒトの実幻獣種モデル“クロノス“は本来時間を支配する能力‼︎歴史も空白の100年も過去という時間
なら能力者である私が把握しても可笑しくはないでしょ?」
「・・・何故だ・・何故五老星はこんな奴を野放しにしているんだ」
「手が付けられないからだよ‼︎だから歴史から抹消して闇に葬ったんだよ‼︎だって覚醒してこの世界全ての時間を支配したら歴史さえ改変出来るんだもん‼︎過去も未来も私が認識さえ出来れば全て無かった事に出来る‼︎だからこそ世界最凶‼︎」
ルミナが食べた悪魔の実は恐ろしい能力を持つ実だ
時間という概念を支配する能力はある意味世界の全てを支配する能力といってもいいだろう
例え未来という不確定な時間でも未来視の見聞色で認識さえすれば改変出来るのだから見聞色の覇気もこの実を前にしては役に立たない
唯一の救いはルミナがまだ覚醒に至っていない事だろう
彼女が現在支配出来る範囲は半径50メートル
ワールド・オブ・ルミナが彼女の支配出来る世界なのだ
それでも充分過ぎる能力ではあるが
「さてと・・お喋りはもういいよね?さっさと消えろ」
ルミナの発言と同時に指を鳴らし
「ワールド・オブ・ルミナ」
ルミナが支配する時間領域を展開すると
「くっ⁉︎体が・・動けん‼︎」
「実に厄介な能力じゃ‼︎」
ガーリング聖だけじゃなく半径50メートル内にいた赤犬もルミナの支配する領域に呑まれ
「あぁ、馬鹿犬もいたんだっけ!まぁいいや‼︎だって私海賊だし海軍大将殺しても何の問題もないし」
何も問題がないというか全く興味が湧かない目で赤犬を見たルミナ
「ワールドエンド」
ルミナの能力の中でも大技中の大技を発動して2人を消滅しようとするルミナ
ドクン!
「うぐっ⁈」
だが発動した直後にルミナが苦しみ始め能力が解除してしまった
「な、何が起きたんですかいのう?」
「強大な力には相応のリスクがある!奴の能力は凶悪過ぎるが多用すれば反動が必ずくる‼︎唯一の弱点といってもいい!まぁ儂等は命拾いしたがな」
ガーリング聖の指摘の通りルミナの能力は凶悪な性能を誇るがそれ相応のリスクもある
時間の流れを川の流れに例えるなら時の加速は流れに乗って加速するだけなので負担は少ないが時を止めたり逆行すれば流れに逆らう事になるのでその負担は激しくなる
ましてや時という概念を捻じ曲げるのだからルミナの負担は計り知れない
そしてルミナは今に至るまでに能力を多用している
その上で大技を使おうとしたのだから限界を迎えたのだ
「やばっ⁈身体中の力が抜ける‼︎」
立っているのさえ困難な状況のルミナは倒れ、最大のピンチを迎えていた
「まともに動かないだけではなく能力も使えない‼︎今の貴様は何の力もない哀れな存在だな‼︎そう、まるで我々天竜人の奴隷だった時のように」
ルミナは天竜人の元奴隷
衝撃の事実がガーリング聖によって明かされ
「・・・・・・」
怒りに触れたり何かしらの反応があるはずだがルミナは完全なる沈黙
何が起きたのかというと
「仮死状態か」
「奴は死んでるっちゅうわけですかい」
「あの能力の反動は死!一時的な仮死状態に過ぎんが・・・当分は目を醒ます事はないだろう」
非常に強力な能力を持つ悪魔の実だが何のリスクもなく無制限に使える筈もない
いくらルミナが強くても人間である以上限界はある
「サカヅキ!コイツを拘束して連行しろ‼︎」
「は⁈」
「コイツは世界政府にとって最悪の悪魔ではあるが、こちら側の駒として利用出来るならこれ以上の戦力はない」
「海賊を世界政府の戦力に」
「王下七武海と似たようなもんだろう!まぁコイツは生物兵器・・新型パシフィスタといったところか」
ルミナが食べた悪魔の実は世界政府が管理していた最重要機密の国宝
ルミナが食べた事は世界政府最大の誤算ではあるが、世界政府の戦力として組み込めるのならこれ以上の戦力はない
だがルミナの出自は世界政府の忌みする海賊の娘
故に王下七武海のような協力的立場ではなく意志を持たない生物兵器に改造し利用しようとガーリング聖は考えているのだ
人権も道徳もない扱いだがルミナは天竜人の元奴隷、そんなもの最初からありはしない
使い勝手の良い世界政府にとって都合の良い道具になってくれたらそれでいいのだ
「じゃが、奴を利用するとしても五老星が納得するんじゃろうか?」
「失った国宝が能力者という形で戻ってくるんだ!何も問題はない」
そこまで言い切る程ガーリング聖は世界政府の中でも権力があるのだろう
五老星としても敵対関係かつ手が付けられないから取り引きという形で事態の悪化を防いでいたので手駒になるというならばこれ以上の朗報はない
今の状況を知れば黙認する事は間違いないだろう
そしてガーリング聖の指示でサカヅキはルミナに能力が発揮出来なくなる海楼石の錠を手に掛け拘束しようと近付いていくと
「流れ餅」
突如地面が餅になり地面が大きく隆起すると
「なんじゃ⁈地面が餅に」
ルミナとサカヅキを隔てるように隆起した地面のせいでサカヅキはルミナに近付けないでいたが
ゴロゴロゴロゴロ‼︎
隆起した地面のせいで転がり落ちていくルミナ
そしてその隆起は次々とせり上がりルミナも転がる事に留まることを知らずあっという間にサカヅキとの距離が空いていった
「ルミナ‼︎」
そう呼んだのはこの餅の張本人、モチモチの実を食べたモッチーことカタクリだ
「俺に掛けられていた能力が急に解けたから慌てて来たが・・骨が折れそうだな」
ルミナの気絶と共にカタクリに掛けられていた退行化の能力が解除され元の姿に戻ったカタクリ、只事じゃないと慌ててドットさんから飛び降り間一髪でルミナを助けたのだが目の前にいるのは海軍大将の赤犬
覇気という対抗手段はあるがカタクリの能力は赤犬とは相性が悪いと考えてるようで楽に勝てる相手ではないようだ
加えて絶賛気絶中のルミナという邪魔者がいるせいで分はこちらが悪い
「貴様は⁈ビッグマム海賊団のカタクリが何故ここにいるんじゃ‼︎まさか白ひげ達と同盟を結んだんじゃないだろうのぅ‼︎」
「さあな!どう思うかはお前達次第だ!」
カタクリはサカヅキの問にあえて答えない
実際には同盟など組んでいない、だが否定するにしてもここにいる理由
がないので説明が非常に面倒なのだ
ならば向こうが勝手に勘違いしてろと切り捨てるカタクリは
「ドットさん‼︎」
ルミナの相棒、空飛ぶスワンボードドットさんを呼ぶ
どうやらカタクリの中でもドットさん呼びが定着してるようだ
『クェ〜‼︎』
ルミナの一大事だからだろうか、凄い勢いで滑空して来たドットさんは
『クェッ‼︎クェッ‼︎クェクェクェ〜‼︎クェクェクェクェクェクェッ‼︎』
ドットさん曰く、人相の悪い顔面犯罪者共!死に晒せぇ‼︎と言っているらしいのだが当然理解出来るはずもなく
まぁそれはそれとしてドットさん、凄く口が悪い‼︎
そんなドットさんは口を大きく開けると
「クェッ‼︎」
口の中から大砲が出て来て
ドッガァァァァァァァン‼︎
なんかもの凄い威力の砲撃をサカヅキ達にぶちかまし
「クェッ‼︎クェクェクェ〜‼︎クェクェクェクェクェ〜クェクェッ‼︎」
ドットさん曰くロボ好き憧れの浪漫砲“ダイナ
付け加えるならドットさんはロボではない、空飛ぶスワンボートである
因みにドットさんの浪漫砲、エネルギー源はダイナ岩という空気に触れ衝撃を与えると大爆発を起こす特殊な石を利用している
扱いを間違えればドットさん諸共木っ端微塵になる大変危険極まりない代物ではあるが開発者が凄い科学者なのでそういった事故は起こる事はないのだろう・・・ルミナがヘマをしなければ
それはともかくそんな砲撃を受けたサカヅキ達
「ぐぅぅ⁈なんじゃ⁈この馬鹿げた威力の砲撃は‼︎」
あまりの威力に思わず狼狽るサカヅキ、咄嗟に彼の能力"マグマグの実“
で溶岩を固め防御壁を作ったがドットさん自慢の浪漫砲を凌げる事は出来ず石塊と化してしまった
だが幸いにもそのおかげか広場で気絶していた天竜人達が消し飛ばされる事は防げたので海軍大将としての面子は保たれたのかもしれない
「・・マジか」
これにはカタクリもビックリ‼︎
悪魔の実を食べたスワンボート、空飛ぶスワンボート程度の認識しかなかったドットさんが馬鹿げた威力の砲撃を撃つとは思わなかったので呆然としている
海軍の軍艦が艦隊を組んで砲撃を行う''バスターコール“
島を地図から消す程の圧倒的な火力と制圧力のバスターコールに匹敵するかもしれないドットさんの底力に
「敵に回すと恐ろしいのはルミナだけじゃなかったか」
と戦慄するが・・・エネルギー源のダイナ岩は実は手動で装填しなければならない
つまりダイナ岩を装填する奴、ルミナがいないのでドットさん自慢の浪漫砲は一発限りなのだ‼︎
「クェ〜‼︎」
ドットさん曰く誰か装填して‼︎と懇願しているのだが理解される筈もなく
「クェ」
曰く使えねぇ無能共が‼︎と愚痴を吐きながら再び砲身を出し
「クェ〜‼︎クェクェクェ〜ッ‼︎」
曰くハッタリだが馬鹿共は騙される‼︎と捨て台詞を吐くと
「あの馬鹿げた砲撃をもう一度撃つっちゅうわけか‼︎ふざけよって‼︎」
先程の防御壁より頑丈かつ巨大な壁を作り砲撃に備えていると
『クェ〜‼︎クェクェクェ〜‼︎」
ドットさん曰く馬鹿で良かった‼︎さようなら‼︎と言っているらしい
そしていつまで砲撃がこないので警戒しながら防御壁を解くと
「なっ⁈」
そこにはカタクリはおろか仮死状態のルミナすらいなかった
ふと空を見上げると2人を乗せたドットさんが既に飛び去っていて捕まえる事はおろか追撃さえも届かない
「あのスワンボート‼︎舐め腐りよって‼︎」
海軍大将スワンボートに騙され世界的大犯罪者を取り逃がす‼︎
海軍史上初のスワンボートに騙された海軍大将がここに誕生した‼︎
「サカヅキ・・始末書と頭を丸めて猛省しろ」
そして自力で無事だったガーリング聖から始末書の提出と頭を丸めるという懲罰を受けたサカヅキ、だが彼は最初から頭を丸めてるので髪を全剃りしたツルッツルのハゲにせざるを得なかった
まぁこれでもルミナを取り逃がした懲罰ならかなりの温情だろう
天竜人を守ったという点もあるが、ガーリング聖本人もドットさんのハッタリに騙されたのだから厳しく出来なかったのだ
そしてそのドットさんはというと
「姉御⁈一体何があったんです⁈」
「俺がルミナと合流した時点で既にこの状態だった!そしてルミナの前には海軍大将の赤犬がいた‼︎服がボロボロになっている事から恐らく赤犬の仕業だろう‼︎つまりルミナは赤犬に負けた‼︎と見ていいだろう」
「か、海軍大将⁉︎そんな・・姉御でも海軍大将には敵わないというのか」
ルミナの状態を冷静に推察するカタクリとどっかのタイミングで目が覚めたギンが狼狽ながらルミナを見つめていた
だがカタクリの推察は外れている
まともにやり合っていないがルミナが自滅した時点で戦いはルミナの負けでいいのだろう
だが服がボロボロになっているのは赤犬の仕業ではなくカタクリの能力でルミナが転げ回った所為である!
加えてドットさんの放った浪漫砲の余波がルミナにまで及んでいてルミナの服はボロボロになっているのである
フレンドリーファイアもいいところだ‼︎
そんな若干勘違いも含まれた推察で空気が重いドットさんの中
「姉御‼︎何いつまで寝てんすか?ほら‼︎姉御の大好きなプリンっす‼︎早く起きて食べて下さい‼︎」
三度の飯よりプリンが好き‼︎
これならばルミナも目が覚めるだろうとプリンを口に近づけるギン
だがルミナは一向に起きるどころか何の反応も見せず
「ほら‼︎早く食べて下さい‼︎・・ほら‼︎」
ギンも必死なのだろう‼︎
なり振り構わずプリンをルミナの口に押し込み
「ギン・・・よせ‼︎なんかこう・・如何わしい」
カタクリが待ったを掛ける‼︎
そう‼︎今のルミナは服がボロボロ‼︎
つまり破れた服の隙間から肌がかなり露出しているのだ‼︎
そして口から溢れたグチャグチャのプリン‼︎
カタクリが何を想像したかは定かではないが碌な事ではないだろう
「如何わしいとかそんな悠長な事言ってる場合じゃないっすよ!姉御が目を覚まさないんすよ⁈このプリン馬鹿がプリンを前に反応ないとかあり得ないんすよ⁉︎」
その点ギンはルミナの姿にそのような反応は見せておらず純粋に心配しているようだ・・若干口は悪いが‼︎
そんな時だった
プルプルプルプル プルプルプルプル プルプルプルプル ガチャ
ルミナの電伝虫が喧しく鳴き
「こんな時に誰っすか!こっちはそれどころじゃないんすよ‼︎」
相手が誰だか知らないがこっちはそれどころじゃない‼︎とルミナの事で必死なギン
『どこのどいつか知らねぇが誰にモノ言ってやがる‼︎ソイツはルミナに与えた電伝虫だが・・あぁ‼︎テメーは誰だ」
「俺は白ひげ海賊団のギンだ‼︎アンタこそどこのどいつだ‼︎」
「おい‼︎・・ギン待て‼︎」
「俺は白ひげだ‼︎何か文句があるのか?小僧」
「・・・え・・・は⁈・・・・し、白ひげ?」
「ギン変われ‼︎俺はシャーロット・リンリンの息子、カタクリだ!こうして話すのは初めてだな!白ひげ“エドワード・ニューゲート“」
「あぁ⁈リンリンの息子だと?なんでリンリンの息子がルミナと一緒にいやがる‼︎ルミナに変われ鼻ッタレ小僧‼︎」
「ルミナは今目が覚めない‼︎ずっと眠ったまま何も反応がない」
「どうゆう事だ?小僧‼︎テメーがルミナに何かしやがったならそれはビックマム海賊団が俺に喧嘩を売ったって事だ‼︎落とし前はキッチリと付けて貰うぞ小僧‼︎」
「待て‼︎事のあらましを話す‼︎」
電伝虫の先はルミナの船長、世界最強の男‼︎四皇の1人である白ひげことエドワード・ニューゲート
大物中の大物がまさか電伝虫でルミナに連絡を寄越してくるとは思っていなかったので思考が停止したギンと事情を話しながらも内心焦っているカタクリ
まぁ副船長が本船を離れていつまでも帰ってこないので連絡を入れるのは当たり前だろう
白ひげにとってルミナは娘も同然‼︎
本船に男以外の戦闘員がいない中ルミナだけが副船長として戦闘に参加している時点でルミナは白ひげ海賊団の中で特別扱いなのだ‼︎
そんなこんなでここまでので流れを白ひげに説明したカタクリ
彼が説明の中で最も注意した点は自分が半強制にルミナに連行されたという事だろう
余計なトラブルを未然に防ぐにはルミナの所為だと言えば問題ないのだ
まぁ事実なのだからカタクリは何も悪くない
「・・・リンリンの息子!ルミナを連れて船に来い‼︎お前は特別に客人として迎えてやる」
白ひげはそう伝えて電伝虫を切ると
「クェ‼︎クェクェクェ‼︎」
ドットさん曰く、爺さんに言われなくても帰ってるよ‼︎
と言っているらしいが、ただ鳴いているようにしか聞こえないので理解はされない
「・・・・」
「・・・・」
そしてそんなドットさんの中ではギンとカタクリが沈黙して雰囲気が重い
カタクリはこれから白ひげ本船に行くのだから多少なりとも緊張しているのだろう
ギンは知らなかったとはいえ白ひげに失礼な事を言ったので廃人になっていた
ギンの胃は大丈夫か?
ともあれドットさんは白ひげ本船“モビーディック号“を目指し空を飛ぶ
「オヤジ‼︎お嬢は帰って来るのか?」
「オヤジ‼︎俺はお嬢が心配だ‼︎」
ルミナを心配する2人の白ひげ海賊団の幹部
6番隊隊長のラクヨウと9番隊隊長のブレンハイムの2人だ‼︎
「リンリンの息子がルミナを連れて戻って来る‼︎」
そう告げた白ひげの一言に
「は⁈ビックマムの息子⁈一体どうゆう事だよオヤジ‼︎」
まさかビックマムの息子がルミナを連れて戻ってくるとは思いもしないラクヨウが白ひげに問い詰めると
「お嬢が考える事は常識がない‼︎オヤジもお嬢に振り回されてるのだから恐らく初耳だろう」
「マルコは何をやってる」
そう話に加わってきた2人の白ひげ海賊団員幹部
5番隊隊長のビスタ、3番隊隊長のジョズの2人である
「マルコから連絡を貰ったが、マルコの野郎ルミナに置いてけぼりをくらったそうだ‼︎」
「「「「うわぁ・・可哀想」」」」
白ひげからマルコがルミナに置いてけぼりをくらったと聞かされた幹部一同、これにはマルコに同情してしまう
そうしているうちに他の隊長達も集結していく
今はこの場にいない1番隊隊長のマルコ、2番隊隊長のエース、空白の4番隊隊長を除く16番隊までの幹部13人が白ひげの元に集い
「ルミナ‼︎あの馬鹿娘はマリージョアに乗り込み赤犬の小僧と一悶着起こしたそうだ‼︎」
『何やってんだ‼︎あの馬鹿娘‼︎』
白ひげからの更なる報告に幹部一同口を揃えてルミナの行動を咎める
普通に考えればマリージョアに乗り込むなんて余程の馬鹿じゃないと考えないだろう
まぁルミナは普通じゃないし底抜けの馬鹿なのでその枠組みには入らないのだ
カタクリからの報告では赤犬の他にも三日月みたいな頭をしたサングラスの爺さんがいて途轍もない強者の風格があったと報告を受けていたがルミナとその三日月ヘッドの因縁を知らない団員もいるので白ひげはあえてその報告はしなかった
「船長・・アンタの娘は手がつけられない底抜けの馬鹿だ‼︎だが世界の頂点に立つのはそんな馬鹿なのかも知れねぇな」
とかつて白ひげが属していた海賊団の船長に思いを馳せながら独り言を呟いていた
その翌日、イーストブルーから直で帰って来たマルコが本船に辿り着き
「あのクソ馬鹿プリン嬢‼︎もうオヤツにプリン出してやらねぇからな‼︎」
とルミナにたいする愚痴を零す
普通の海賊相手にオヤツにプリンを出さないとかホントにどうでもいいし何の問題もないのだがルミナ相手にはそれが致命的に通用する
「マルコ‼︎戻って来たか」
「すまねぇ‼︎オヤジ‼︎俺が着いていながらお嬢を逃がしちまったよい」
「マルコ‼︎この世界で最も自由なのは何か分かるか?」
「最も自由?それはロジャーの事を言っているのか?」
「奴は確かに自由な男ではあった・・だが本当の意味での自由とは違うな」
「じゃあ本当の意味での自由とは何なんだよい」
「それは支配だ‼︎この海だけじゃねぇ‼︎この世界の全てを支配した奴こそ本当の意味での自由だ‼︎なんせ世界の全てを自由に出来るんだからな‼︎」
「それは四皇だけじゃなく世界政府も支配して世界の王になるって言う意味か?」
「グララララ‼︎そうだ‼︎かつてその世界の王を目指した海賊がいた‼︎名をロックス・D・ジーベック‼︎お前も知ってるだろうがルミナの親父だ‼︎」
「それは知ってるがロックスについては俺も詳しくは知らねぇよい」
「グララララ‼︎ロックスは世界の禁忌に触れ過ぎた‼︎ロックスが起こした事件は全て政府が揉み消したから知らねぇのも無理はねぇ」
「それがお嬢と何の関係が?」
「ルミナが何をやろうとしているかお前には分かるか?」
「さぁな!馬鹿の考える事が分かれば苦労はしねぇよい」
「グララララ‼︎グララララ‼︎なら俺は大馬鹿野郎だ‼︎ルミナが本格的に動き出す時、世界は大きく動き出す‼︎四皇の均衡なんざ簡単に崩れ去る‼︎マルコ・・その時が来ればお前達がルミナを支えてやってくれ‼︎
俺の愛する馬鹿息子達が娘を守ってやってくれ」
「なっ⁈オヤジはどうすんだよい‼︎その言い方!まるでオヤジがいねぇみたいじゃねぇか‼︎」
「新時代に老害がいつまでもしがみ付くもんじゃねぇ‼︎そん時がくりゃ俺の全てをルミナにくれてやる‼︎まぁそれまでは俺が世界最強だ‼︎」
「オヤジ」
帰って来たマルコにそう話す白ひげだがマルコとてそう簡単に納得は出来ないだろう
別にルミナを認めていない訳ではない
四皇に匹敵する実力はあるし、能力を含めればルミナに分があるだろう
人の命令は絶対聞かないし自分勝手で我儘だし馬鹿だし名前も碌に覚えようともしないしプリン大好き過ぎるしその上短いスカートで蹴りを放ち仲間にブーイングを出す困った奴ではあるが・・・長所が全くねぇよい‼︎
と思い返してもルミナの良い所が見つからないマルコだが
口は悪いが仲間は絶対大切にするし・・(置いてけぼりくらったけど)
一般人には絶対手は出さないし(まぁ手を貸す事もしないが)
馬鹿だが妙に博識な所もあるし(ちょっと何言ってるか分からないが)
なんだかんだ言いながらも放って置けない愛されキャラではあるんだよなぁと思うマルコ
単純に馬鹿過ぎて庇護欲を唆られるだけかもしれないがそれでもルミナは白ひげ海賊団に愛されているのは間違いない
絶対的なカリスマを持つ船長が率いる海賊団もいれば仲間と対等な船長が率いる海賊団もいる
海賊は自由であるべきならそんな船長が率いる海賊団がいてもいいのではないだろうか?
まぁいざという時に船長の器がなければその海賊団は瓦解するだけだが
それはともかくマルコ達はルミナではなく白ひげを慕い集まった男達だ
その男が来るべき時は引退するような発言をしたら、はいそうですかと納得等出来ないだろう‼︎
彼等には白ひげを海賊王にするという野望があるのだ‼︎
「オヤジ!俺は、俺達はお嬢を認めていない訳じゃねぇ‼︎だけどな‼︎俺達はオヤジを海賊王にしてぇんだ‼︎お嬢に全てを譲るのはそれからでも遅くはねぇだろうよい‼︎」
「グララララ‼︎俺は良い息子を持って幸せ者だ‼︎グララララ‼︎グララララ‼︎」
マルコ達の想いは白ひげにとって嬉しかったのだろう
豪快に笑い飛ばす白ひげは
「だったら尚更ルミナを守れ‼︎特にティーチの野郎からはな‼︎」
そう白ひげに言われ殺気立つマルコ、ティーチという男と深い因縁があるのだろう
「言われなくてもお嬢は絶対守るよい‼︎」
そう白ひげに返していると
「クェ〜」
ドットさんが船に向かって飛んで来るのが見えた
勿論雲の上高高度を飛んで来たので世界政府や海軍の追手もいない
安全面もバッチリなスワンボートなのだ‼︎
そんなドットさんがモビーディック号の甲板に着陸すると
『お嬢‼︎』
団員が一斉にドットさんに群がり
「し、白ひげ海賊団達が一斉に‼︎」
世界最強の海賊団の団員が一斉に集まるもんだからドットさんの中にいたギンは当然ビビる
その中で悠然と出てきたカタクリ、流石四皇の幹部
白ひげ海賊団に囲まれても動じる事はない‼︎
『お嬢は無事か⁈』
『お嬢‼︎』
『うっわ‼︎お嬢なんかエロい‼︎』
『戦闘の際、普通にパンツ見えてるから何も思わなくなったがこれはこれで」
「そんな事言ってる場合か‼︎早くお嬢を医務室へ‼︎」
だがルミナ大好き団員達はルミナが心配なあまりカタクリに目もくれず普通に存在を無視された
「苦労をかけたよい‼︎カタクリ」
そんな中カタクリを労うマルコ、敵船の中で唯一安心出来るのはマルコ
そのマルコに労いの言葉をかけられたのでカタクリの中でマルコの好感度が少し上がった
白ひげからルミナの事情を聞いていたマルコは
「念の為診察はするが心配する事ないよい‼︎お嬢の能力は強力な反面使い過ぎると反動でああなるんだよい‼︎」
ルミナと長年の付き合いであるマルコもルミナの能力の反動は熟知しているのでカタクリにそう告げルミナが運ばれた医務室へと向かうと
「グララララ‼︎よく来たな‼︎リンリンの息子‼︎」
豪快に笑い飛ばす白ひげがカタクリの眼前に立ち塞がり
「エドワード・ニューゲート」
体躯も威圧感もカタクリ以上、四皇幹部とはいえ四皇そのものに睨まれると多少の物怖じはするらしい
その様子は白ひげだけでなく他の幹部達も見ており一応の警戒はしていたが
「俺を試しているのか・・下らない」
相手は四皇だが敵船に乗り込みビビっているようじゃ四皇幹部は務まらない
白ひげの威圧に張り合うようにカタクリも覇王色の覇気で周囲を威圧すると
「グララララ‼︎小僧‼︎テメェも覇王色持ちか‼︎面白れぇじゃねぇか‼︎」
気を良くした白ひげは豪快に笑い飛ばすと
「息子達よ‼︎コイツはルミナを連れてきた恩人だ‼︎もてなしてやれ‼︎」
白ひげにそう言われては幹部達や団員もカタクリをもてなさい訳にはいかない
颯爽と宴の準備に取り掛かり、いざ宴が始まると
「おい‼︎そこの死にかけの小僧‼︎いつまで隠れてやがる‼︎さっさと出てきやがれ‼︎」
そう白ひげ海賊言われたのは勿論ギンだ‼︎
凄い誇張表現だがルミナがゾンビと言ったようにギンは顔色があまり宜しくはない
そんなギンが世界最強の海賊団、四皇の本船に乗っているのだからその緊張感は半端ないだろう
もう今にも死にそうだ‼︎
甲板で寛ぐドットさんの中でビクビクしながら蹲るギンは白ひげにそう言われて出てこない訳にもいかず
「あの・・すいません‼︎ホントすいません‼︎」
産まれたての子鹿のように足をプルプルさせてドットさんから出てきたギン
これは流石に可哀想だなと幹部一同は思う中
「マルコから聞いたがテメェ‼︎ルミナに誘われたみてぇだな?」
「は・・はい‼︎姉御の慈悲深い寛大なる御心に救われて不肖ながらこの船の一員となる事になりました‼︎すいません‼︎」
白ひげからの問いかけになんか凄く丁寧な返事を返したギン
「世辞はいい‼︎小僧‼︎テメェの本音を言え‼︎」
「やり直す機会をくれた事には感謝してます・・が‼︎あのプリン馬鹿に付き合うとなると凄く胃が痛いっす‼︎少しくらい常識を憶えて少しでもいいからまともになって欲しいっす‼︎」
それはギンが切実に思う本音‼︎
長い付き合いではないがもう既に胃が痛い‼︎
そんな本音を白ひげに話したギン
対する白ひげ達の反応は?
「小僧・・諦めろ」
何かもう諦めたような目で返事をした白ひげを見てギンは、あぁこの人も苦労してんだなぁと痛感してしまうのだった
そしてルミナの所為で胃を痛めたギンはもう既に立派な白ひげ海賊団の仲間
白ひげ海賊団に正式に認められるのがルミナに胃をやられるという全く嬉しくない条件だがそれでもギンは白ひげ海賊団として正式に認められれたのだ‼︎
「良かったなギン」
未だ緊張感でぎこちないが宴に参加したギンはカタクリにそう労いの言葉をかけられ
「まぁ・・そうっすね‼︎理由がなんかこう・・悲しいっすけど」
哀愁漂う雰囲気のギンと全く食事や酒に手をつけないカタクリ
宴の席で全く手を付けないのは失礼だがカタクリにはカタクリの事情があるのだ
「よう‼︎さっきはありがとよい‼︎オヤジから聞いたがマリージョアでは大変だったみてぇだな‼︎お前がいなかったらお嬢は政府に捕まって殺されるか政府の道具の2択だったからな‼︎マジで感謝してるよい」
白ひげ海賊団で現在唯一親交のあるマルコが2人の隣に座って話しかけてくると
「マルコ・・ルミナはどうだった」
「姉御‼︎大丈夫なんですか?」
「あぁ‼︎能力の反動だから何も問題ないよい‼︎一週間もしたら目が醒めると思うよい」
逆に言えばルミナは一週間も目が醒めない、普通に考えたら問題なのかもしれないが
「一週間平和だと思うと気が楽だよい‼︎」
それは時と場合による‼︎
心身共に外傷もなく一週間経てば目が醒めるルミナ、その一週間ルミナによる気苦労がないと思えば問題があるのか?と言われたら
何も問題はない‼︎と言えるだろう
「白ひげ海賊団・・大変だな」
ルミナに振り回されたカタクリだからこそ白ひげ海賊団の気苦労が理解出来る
こればかりは同情を禁じ得ないようで哀れみの眼差しをマルコに向けると
「そうだな・・ところでカタクリ、お前あの場にいた時お嬢の話とか聞こえてたか?」
「いや、俺が降りた時にはルミナはもう倒れていたからな!奴等とルミナが何を話していたかは俺には分からん」
「そうかい」
カタクリの返事に少し安堵の表情を見せたマルコ
もしかするとルミナの過去を知られたのではないかと心配していたがそれは杞憂だったようだ
「だがルミナの日記を読んで父親が誰だったのかは分かった」
「あぁ・・・まぁそれはビックマムも知ってる事だしお前が知ってても問題はないか」
「・・・何か知られると不味い事があるのか?」
「あまり探りを入れない方がいいよい‼︎戦争が起きちまう」
ルミナの過去はルミナ自身が禁忌として触れられたくないので白ひげ海賊団の中でもエドワード以外に古参の幹部しか知らないのだ
カタクリとしては単純な興味本位だったが、それを探るなら白ひげ海賊団としてはルミナを守る為に戦うだろう
だからこそ、そうならないようにカタクリに釘を刺し牽制したのだ
「そうか」
カタクリもこれ以上追求する気はないので話を切り上げようとすると
「アイツは当分の間起きねぇし起きても船から出す気はねぇ‼︎お嬢の我儘に付き合わせて悪かったな」
その言葉が意味するのはルミナの冒険はもう終わり、カタクリもこれ以上ルミナに付き合う事はない
いつでもビックマム海賊団に戻ってもいいという意味だった
「・・・・ありがたい」
ルミナ達と共に行動した時間は短い
だがその短い時間の中で体験した出来事はカタクリにとって
非常に胃が痛くなるような体験だった
別にルミナが嫌いな訳ではない、だがルミナといると無駄に疲れるのだ
だからこそマルコの提案は凄く有難い‼︎
もう今すぐにでも帰ってメリエンダしたい
顔にこそ出ないが声で、あぁコイツマジで早く帰りたいんだなと察したマルコは
「まぁなんだかんだ一緒に行動した仲だ!帰りはドットさんに送らせるよい‼︎」
「クェ⁈クェクェ?」
曰く、え⁈マジで⁈と言っているらしいが残念な事に白ひげ海賊団達にも理解されていないようだ
そんな事がありながらも宴は進み、宴が終わるとカタクリはドットさんに乗ってホールケーキアイランドに帰っていったのだった
因みに強面のカタクリがスワンボートに乗る姿はとてもシュールだったらしく
『絵面の違和感が半端ない』
と白ひげ海賊団一同に言われたそうだ
それから一週間後〜
「ここに来るのも久しぶりだなぁ」
「てかルミナ船にいるの?お土産にプリン沢山持って来たんだけど」
「あぁ、気配を感じるから居るのは間違いない」
「そっかぁ‼︎なら久しぶりにデュエット出来るね‼︎」
「それは良いな‼︎酒のアテにピッタリだ‼︎」
「もう‼︎どうせ次の日は二日酔いで頭痛てぇとか言うんでしょ?」
「それが海賊ってもんだ!仕方ないだろ」
「いや!海賊関係ないし‼︎ただの飲兵衛じゃん‼︎」
そんな会話をする2人組
どうやら海賊らしくルミナとは旧知の仲のようだ
そんな2人は白ひげ海賊団の本船モビーディック号に船を近づけ乗り込むと
「久しぶりだな白ひげ!」
「また遊びに来やがったのか?赤髪‼︎」
『皆ぁぁぁぁ‼︎元気にしてたぁぁぁぁ‼︎ウタだよ‼︎』
『うぅおぉぉぉぉ‼︎ウタちゃゃゃゃゃん‼︎』
四皇の1人“赤髪のシャンクス“
シャンクスの娘“ウタ“
白ひげ海賊団に来船‼︎
ヒトヒトの実幻獣種 モデル”クロノス“
ルミナが食べた悪魔の実で時間を操る能力を持つ
世界政府が歴史の闇に葬った最重要機密であり国宝
覚醒すれば世界規模での時間を支配出来るらしいが能力が強力過ぎる為
現在のところ未覚醒
ドットさん
意外に口が悪い空飛ぶスワンボート
自慢の浪漫砲は強力な反面、手作業で装填かつエネルギー源の入手が面倒なのでコスパが悪い
泳ぐ時キコキコと音が鳴る