たぬきの里の相談役   作:ゆっくりカワウソ

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 爽やかな季節からジメジメする季節へと変わりました。
昨今の電気料の値上げでエアコンもかけづらい世の中ではありますが、ドライをかけて部屋をカラッと涼しく快適に過ごしたい、そんな毎日を過ごしております。

 今回はたぬきの里役場に初出勤回です^o^
 久々の投稿で時間が空いてしまいましたが楽しく読んでいただければ幸いです´д` ;


たぬきの里での初勤務〜ジタバタジタバタ

 

 たぬきの里に転生(?)なのか幻想入りなのかわからないが、約1週間ほどが経過したある日。

「今日は里の役場に相談役のお仕事の打ち合わせだし。」

「…初めて聞いたが?」

「初めて言ったし。」

「…。」

「な、なにをするし…。」

ションボリのプニプニした頬をブニブニと弄る。

「や、やめるし…。」

「…ふぅ。これで勘弁してやる。なかなか良い手触りだった。」

「…や、やっと解放されたし…。昼までに役場に着けばいいから私が案内するし……、その…何か奢るから許して欲しいし…。」

「もう許してるよ…、でもまぁコーヒーは奢ってくれ。」

「わかったし。」

 

 

〜里役場前、喫茶「マンハッタンコーヒー本店」〜

 

「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ。」

出てきたのはマンハッタンカフェのたぬきであった。

「マンハッタン…カフェ…?」

「?どうして私の名を…、どこかでお会いしましたか?」

「…失礼、俺が一方的に君の名前を知っているだけだ。気分を害したのなら申し訳ない。」

「いいえ。…ウマ娘の方の私は有名人ですので、似た見た目の私たちの名前を知っていてもおかしくはありません。それに…オトモダチも怒っているどころか歓迎しているようです。」

「…それはありがたい。オトモダチにも礼を…。」

「…そろそろ座ってもいいし?」

ションボリの提案により、席へと案内される。

「ご注文は?」

「私はソイラテ、黒糖でお願いするし。」

「俺はブラックコーヒーで。どんな種類のものを置いてるんだい?」

「うちはオリジナルブレンドの他に甘味とコクのあるモカ、ブルーマウンテン、ハワイのコナ、インドネシアのジャワなど各地のコーヒーがあります。」

「今日のおすすめは?」

「そう…ですね。初めてのお客様、何か軽食を食べるのであればお好みのブレンドをお作りします。」

メニューにあるチョコケーキを選ぶ

「ならチョコケーキに合う苦味の強めのブレンドにいたしますね。ルドルフさんはいつも通りビターな味でよろしいでしょうか?」

「よろしくだし。」

 

 

 「美味かった…。」

「ここのコーヒーは最高だし。ブラックも美味しいけど濃厚な豆乳と優しい甘さの黒糖が香るソイラテは格別だし。」

「ありがとうございます。ケーキの方はお口に合いましたか?」

「もちろんだ。コーヒーに合うようにあえて甘めなチョコケーキだったな。」

「ありがとうございます。コーヒーを飲まない方や甘いものが苦手な方も食べれるビターチョコレートケーキもあります。お菓子作りの得意なフラッシュさんから教わっているので味の方は保証します。」

「なるほど…。でもそれに合うメニューを出すあたり、気遣いがあって最高だ。」

「恐れ入ります。」

静かに優しく微笑むカフェに見送られながら、喫茶店を後にする。

 

 

「さて、ついたし!ここがたぬきの里役場だし。」

 目の前にあるのは蔦の生えたモダンな建物であった。驚くことにたぬきたちの建築技術は高いように見える。中に入ると市役所のように事務作業をするたぬきたちでいっぱいだ。

 ションボリたぬきだけでなく、エアシャカール、エアグルーヴ、ためきなどと多くの種類のたぬきたちがパソコンや手書きの作業を行っている。

「みんな、紹介するし。里の相談役に就任するユウだし。相談室担当のたぬきはいるし?」

 もっちもっちと歩いてきたのはためきであった。見た目はションボリに似ているが、目の位置や服の装飾が違うようだ。

「ためき君、彼が相談役になるユウだし。」

「よろしくし…。」

ションボリよりも物静かで口数は少ないようだ。

「よろしく。俺はユウマ、ユウって呼んでくれ。ためき…は個体名はないのか?」

「…ない。ためき…それが名前し。」

「そっか。よろしくな、ためき。」

「それとションボリさん、ちゃんと連絡するし。ふざけていると飲みきれないほどの里の濁酒送りまくるし。」

「…それは……少し困るし。」

「…濁酒?」

「ここのたぬきたちはよくお酒を飲むし。…テイオーのような子たぬきには飲ませないし…。」

「流石にそれはダメだな。…じゃあ、仕事に入ろう。色々と教えてくれよ。」

「…了解。ションボリさんはとりあえずかえるし。」

「世知辛いし。」

しょんぼりジタバタしながらションボリは相談室から追い出された。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 ためきから書類の提出方法や仕事内容についてのことをある程度聞き終わった。概ねションボリが言っていた通りの内容で、完全週休2日(プラス夏休みが10日、ハロウィン休み3日、年末正月休み8日に春休み10日)の朝8時半から17時半の残業自由(やっても1時間ほどで終わる)ということだ。なんだこのホワイト企業は…。

 なんでもこの休みは全たぬきの里共通の休みとのことだ。つまり、固定休みに加えて休みを増やすことができる…、何度も言おう、なんだこのry。

「…ここはたぬきたちの里、人間と同じは息苦しいし。」

表情にはないが人間社会に対して思うところがあるようだ。

「なるほど。確かにな。……さて、相談内容の確認だけどー。」

「それは私が説明するし!」

相談室の窓からションボリが笑顔で入ってくる。

「…ションボリさん、書類の提出ー。」

間髪入れずに説明を始めるションボリ。どうやらションボリもここで働いているようだ。

「細かいことは置いといて、基本はこのノーパソにくるメールを確認することが多いし。時々手紙もくるからそれも確認して欲しいし。」

「…ションボリ里長、早く提出するし…。」

 

衝撃の事実、ションボリはここの里長だったみたいだ。通りで色々とやっている訳だ。

 

「書類は秘書室に提出したし。」

「…ならいいし。」

「それじゃー。」

「まだ溜まりに溜まった有給休暇を消化しに帰るし。あと1ヶ月もあるし。」

「消化するには生姜がなければしょうがー。」

またしょうもない駄洒落と韻を踏んだので今は亡き国民的屍落語家っぽく対処する。

「山田くん、全部持って行って。」

「…流石に辛辣すぎるし…。」

ジタバタしながら落ち込むションボリであった。

 

 

 あれから時は過ぎ、時刻は17時。館内の終了の放送が流れる。

「明日は8時半ごろから来て欲しいし…。」

「わかった。ためきはこのまま帰るのか?」

「そうだし…。テイオーためきが待ってるし…。」

「そうか。…お疲れ様、また明日も頼むよ。」

「こちらこそ。お疲れ様し…。」

 打刻システムに打刻をし、里役場から出る。時間は黄昏時、たぬきたちは各々帰り支度をしている。

 自販機から買ったサイダーをちまちま飲みながらションボリたちのいる家へとむかう。

「アッ、ユウダ!オーイ!」

「あれ?テイオー?なんでここに?」

「カイチョーニユウヲムカエニイッテクレッテタノマレタモンニ!」

「そっか。なぁ、テイオーは普段は何してるんだ?」

「ボクハイツモガッコウニイクヨ!マックイーンャモンチャンモカヨッテルヨ!」

「そっか。ハチミー奢れないがこれあげるよ。」

自販機で見つけたハチミーもどきの缶ジュースをテイオーに渡す。

「ワァイ!イタダキマァス!アマァイ!」

 嬉しそうに笑うテイオー、それを見て親と出かけるときにジュースを買ってもらっていた少年時代を思い出す。

「うまいか?」

「ハチミーヨリオトルケドオイシー!」

「ははっ、そうかい。」

 ああ、ここの里は俺の心を癒してくれる。…そう思えたのだ。

 

 

 

〜ションボリ宅〜

 

「「ただいまー」」

「おかえりだし。夕飯もできているから手を洗ってくるし!」

「ハーイ!」

「ションボリ、ためきから伝言。来月出勤する前に秘書室に寄ってくれだってさ。メールで詳しいこと送るみたいだから確認しとけだって。」

「わ、わかったし。」

ダラダラと汗をかくションボリ、きっと秘書室でお説教コースなのだろう。勝手に仕事をしようとして怒られる…、社畜であった私には考えられない世界だ。

「ちなみに秘書室ってどんなたぬきがいるんだ?」

「いろんなたぬきが所属してるが、筆頭秘書官はエアグルーヴにナリタブライアンだし。」

「……生徒会メンバーだな。…ブライアンはそんなキャラじゃなそうだが…。」

「前まではフラッシュがいたけど洋菓子店開くために辞めたし。代わりにブライアンが筆頭秘書官に抜擢されたし。ああ見えてやる時はやるたぬきだし。」

「…それは知ってるよ。」

「ユウ、夕食が冷めるぞ。会長も早く食卓に来てください。」

 エアグルーヴがいつまで経っても来ない俺たちを呼びに来たのだろう。せっかくだ、お言葉に甘えて夕飯を食べるとしよう。

「今日のご飯はなんだし?」

「今日は生姜焼きと小煮物、キャベツの胡桃和えです。生姜がなかったのでスーパーで買ってきました。」

「…それは生姜ないー。」

「それ以上言うのは芸がないぞ、ションボリ?座布団はあげられないな。」

 

「…世知辛いし。」

 

 ジタバタしながら落ち込むションボリ。エアグルーヴは調子を下がり、俺はそんなションボリを眺めるだけだった。

 けれども、…こんなに緩い日々は自分が欲しかった日常。そう思えてならない俺であった。

 

 程よい労働と美味しいご飯、あったかいお風呂で満たされた体は次第に眠気を誘う。

「俺、もう寝るわ。おやすみ。」

「オヤスミ!」

「ダァッ!」

テイオーとツルちゃんが元気に応え、

「おやすみ。明日はゴミ捨ての日だから朝イチに自分のゴミはもってこい、ユウ。」

エアグルーヴは明日の予定を事務的に言いながらも微笑み、

「もう寝るのか、早いな?せっかくギムレットからもらったラムを開けようとしたのに。全く良い子ちゃんだな。」

「そう言いながらわけてくれるの、優しいな。」

「…うるさい、早く寝ろ。」

シリウスは捻くれた言い方をしながらも自分のもらったラムを自分に分けようとしてくれる。優しさが滲み出てる。

「おやすみだし。また明日もよろしくだし。」

ションボリは優しく声を掛ける。

 「おやすみ、また明日。」

 

 いつぶりだろうか。明日が早く来てほしい、そう思えたのは…。

 ここは、本当に優しい場所だ。

そう思いながら微睡む中、目を閉じたのでだった。

 

あぁ、明日もきっといい日になる

 

 

 




〜たぬきのあとがき〜
ショ「そろそろ梅酒を漬ける時期だし。」
シリ「全くだ。前回の投稿から季節を越すとは思ってなかったぞ、作者。」
ゲシッゲシッ(蹴る音)
作「ユルシテ…ユルシテ…´д` ;」
ショ「まあまあ、シリウス。…それ抜きにしても去年漬けておいた梅酒が飲み頃でもあるし。みんなで梅酒梅ジュースパーティをするし。もちろん作者も一緒だし!」
シリ「それもそうだな。おい作者、皇帝様に感謝するんだな!参加するなら炭酸水とロックの氷を買ってこい!」
作「ハ、ハヒ!!」
ピュー!(走り去る音)
シリ「たく…。」
ターボ「おじゃまするもん!テイオーはどこだもん?」
ショ「いらっしゃいし。ダブルジェットも梅ジュース飲んでいくし。」
ターボ「ターボはツインターボだもん!」
テイオー「アッ、モンチャン!」
ユウ「…カオスだな。」

ショ「次回、

  夜更かしのすゝめ〜大人と子供の時間

  タイトルに深い意味はないし。
  …うん、良い味だし」

シリ「ブランデーか。なかなかの出来だな」
エア「今年は白酒だそうだ。」
ユウ「うまいな。」
ターボ「ターボも飲むもぉぉぉん!」
テイオー「オイシィー!ジカイモミルモンニ!」
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