超なオイラのヒーロー記録【完結】   作:アゴン

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今回は色々と詰め合わせ。

詰め合わせ過ぎてゴチャゴチャしてるかも。


そんな訳で初投稿です。


記録100 後編

 

 

 

 死柄木(A.F.O )が吐き出す吐瀉物は、その体躯とは釣り合わない程の量を吐き出し、今も吐き出し続けている。

 

「………う、ん? ワシは、一体?」

 

 其処へ最悪な事(・・・・)に目を覚ましてしまった殻木が、徐々に自分が沈んでいく事に気付き………我が目を疑った。

 

 喰われている(・・・・・・)。周囲の胃液とは異なり、異臭を放つA.F.O の吐瀉物がまるでマキアを餌のように貪り、溶かし、吸収されていく。

 

 その様子を間近で見せ付けられた殻木は言葉を失い腰を抜かす。本日二度目の失禁をぶちまきながら、恐怖に駆られるがままに逃げ惑う殻木だが───既に逃げ場など無かった。

 

 マキアが沈んでいく。ゴジータに気絶させられ、幸いなことに意識を失ったまま喰われるマキアは、断末魔をあげること無く溶けていく。

 

 吐瀉物はA.F.O の意思とは異なり、ただ無作為に増殖し、拡大していく。有機物、無機物問わず、ハイエンドの亡骸すら捕食し、増殖していく。

 

 此処へ来て、殻木は漸く悟った。【G細胞】等という劇物に触れるべきではなかった。奴の存在は細胞の一片すら自分の手に余る代物だった。

 

 腰を抜かした殻木の脚に、液体が纏わり付く。喰われ、溶けていく自身の四肢、その痛みと絶望に凍り付いた殻木は………。

 

「これが、こんなのがワシの終わりか。死柄木、A.F.O 、ワシは────」

 

 怨み節の一言すら、殻木球大は細胞はおろか遺伝子の一つすら残せず、食い潰されて消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『予想よりも侵食速度が速いな。こりゃあ、本格的にやばいか?』」

 

 A.F.O の異変を察知し、いち早くその場からの離脱を選択したゴジータは、習得した瞬間移動を駆使してヒーロー達や気を失っている荼毘を回収。

 

 偶々近くにいた黒焦げのカメラマンや現地アナウンサーといったメディア等の所へ避難させ、ゴジータは自身の瞬間移動の完成度に一先ず納得する。

 

 ついでにA.F.O に次ぐ黒幕とされている殻木の身柄を確保しようとしたが………A.F.O が吐き出す吐瀉物の勢いは更に増していき、周囲の大地ごとマキアや死骸となったハイエンドを、そして殻木すら呑み込んでいく。

 

 人が溶け、絶叫を上げながら喰われていく様はおぞましく、同時に恐ろしかった。仕事柄か、咄嗟にカメラを向けてしまったカメラマンが、顔を青くするには劇物な光景。

 

 それをゴジータの手がやんわりと防ぐ。ハッとしたカメラマンがゴジータを見上げるが、ゴジータの顔には先程までの笑みはなく、険しい目付きでその様子を観察していた。

 

「ゴジータお前、アレが何なのか解るのか?」

 

 誰もがその光景に唖然とする中、唯一ゴジータだけが訳知り顔で見据えている。疑問に思った相澤が問い掛けると、ゴジータは「『もしかしたら、だが』」と言葉を濁して続けた。

 

「『連中、俺の細胞やら遺伝子を改造して個性のブースト薬にしたって言ってたよな』」

 

「あ、あぁ……」

 

 【G細胞】。ゴジータの血液を元に殻木が改造したとされる新たな違法薬物。

 

 使用者に凄まじい身体能力の向上を齎し、個性にすら多大な影響が及ぶとされる劇薬。しかし使えば最後、副作用で心身が急激に衰え、老化が著しく進行し、使用者を衰弱させる。

 

 希釈が薄く、原液で近い濃度でG細胞を服用されたモノがA.F.O やマキアに投与されたのなら。

 

「『恐らく、暴走したんだろうよ。幾ら優れた技術で模倣し、抑え込もうとしても、俺の細胞を御する事が出来なかった』」

 

 事実、ゴジータの個性は本人すら勘違いしたままだった。空を飛び、気功波を放ち、瞬間移動という技を身に付けても、それはゴジータの蓄積した努力によるもので個性による恩恵ではない。

 

 個性という遺伝子を操作して自分の意のままに改良した所で、戦闘民族サイヤ人であるゴジータの細胞はこれ迄と勝手が違う。

 

 それに気付けず、これ迄と似通ったやり方で安易なドーピング薬を作った事、それが殻木とA.F.O の最大の誤算だった。

 

「『後はまぁ、奴は他にも様々な個性を取り込んで来たって言うし、そこら辺と妙な化学反応でも起こしたんじゃないか?』」

 

「な、なぁこれ、モロに無修正のまま垂れ流しなんだけど………いいのか?」

 

「さ、さぁ………」

 

 後ろで唖然とした様子のマスコミが青い顔をしているが………今は無視。

 

 あくまで素人目線での推察と溢しながら、ゴジータは改めてA.F.O を見る。相変わらず吐瀉物の量は増える一方で、あらゆるモノを食らいつくしていく。

 

 A.F.O は白目を剥いて気絶し、無意識に溶かしたものを手足と言った肉体で吸収している。溶かすだけの敵ならゴジータにも覚えがあったが、吸収までするものには記憶がない。

 

 このままいけば地底すら溶かしマントルやその先まで溶かしかねない。全てを溶かしながら喰らい尽くすA.F.O を目の当たりにしたゴジータが、いい加減観察を止めて対処に動こうとした時。

 

「おい、ゴジータ」

 

 すっかり自分の弟子扱いとなった爆豪が自分を呼び止め。

 

「俺等に、なんか出来ることはあるか?」

 

「『──────』」

 

 その言葉に、目を見開いた。

 

 身体は満身創痍で、精神も疲弊しきっている癖に、相変わらずその瞳は澱んでいない。ギラギラで、何処までも【完全勝利】に拘る爆豪勝己。

 

 この少年は、ゴジータという規格外のヒーローを目の前にして、決してその全てを押し付けようとは思わなかった。

 

 何故なら、自分達はヒーロー。誰かに全てを押し付けて解決するのではなく、自分達で解決する【最強を越えた最高】を目指す者だからだ。

 

 そんな愛弟子(・・・)を見て、ゴジータは笑う。

 

「『おぉ、あるぞ』」

 

「っ! 本当か?」

 

「『あぁ、お前……皆には、この後の後始末を任せたいからな。荒れ果てた土地の再生、瓦礫の撤去、住居を失った市民への対応。やることが盛り沢山だ』」

 

 戦いに参加出来ない事を、暗に足手まといと言われた気がして、爆豪は俯く。そんな、彼を元気づかせるようにして。

 

「『言ったろ格好つけさせろって。だから今は俺の番』」

 

「…………」

 

「『次は、お前だ』」

 

 ただ一言、その言葉を送る。顔を上げ、何やら泣きそうになっている爆豪、乗せられた手をはね除け、涙を乱暴に拭うと。

 

「ぜってー勝てや」

 

 突き出された拳に。

 

「『当然』」

 

 コツンと合わせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『どうやら、準備は整ったらしいな』」

 

 その後、A.F.O の急激な気の変動を察知したゴジータは、後の事を皆に任せることにし、その場から飛翔。

 

 垂れ流していた吐瀉物を全て吸収し、巨大なクレーターとなった大地の中心で繭の様に変異したそれを見てゴジータは言う。

 

「『これが俺の細胞を使った末路か。なんだかショックだぜ、オイ』」

 

 自分の細胞をドーピング薬物にしておきながら、結局は制御できずにじまい。殻木の拙い技術力もそうだが、安易に奪う事しかしてこなかったA.F.O にゴジータは呆れるしかなかった。

 

 けれど、その集大成は少々様子が違うらしい。膨れ上がる気、それに伴い繭に亀裂が入り、中から光と共に現れる巨大な影。

 

「⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛ッ!!」

 

 それは、巨大化した肉の塊。あらゆる物質を呑み込み、あらゆる因子を取り込んできた怪物。

 

 見上げる程に巨大な体躯。背中から巨大な触腕が2本生え、脚部もまた歪に歪み肥大化している。

 

 膨れ上がる胴体にはマキアと思われる貌が浮かび、その先端には死柄木とA.F.Oと思われる胴体が左右其々に分かれている。

 

 それは、個性を人為的に取り込み、奪い続けてきた者の末路。全てを奪い、踏みにじる事で悦を獲得してきた悪意の果て。

 

 その姿は何処までもおぞましく、何処までも醜悪。

 

 誰もがその異形に言葉を失う中。

 

「『いやデビル○ンダムかよ』」

 

 ゴジータは此方を見上げ、グルルと唸り声を漏らすA.F.Oを見下ろして呆れた様子で一人呟く。

 

「⬛⬛⬛⬛⬛⬛ッ!!」

 

 もはや自己意識があるのか定かではないソレはゴジータという敵を認識した瞬間、全身から孔を開き、エネルギーの弾幕を放つ。

 

 夥しい数、その一つ一つが街を消し飛ばす威力を秘め、その全てがゴジータ目掛けて追尾していく。

 

 空に、幾つもの光の軌跡が描かれる。

 

 良し、とゴジータは笑った。追い詰めに追い詰められ、とうとう細胞すら御せなくなったA.F.Oは、ゴジータという敵を倒すことだけに執着している。

 

 思考を失い、目の前の敵を倒すことだけに注視したA.F.Oには周囲を巻き込むという悪巧みすら失ってしまったらしい。

 

 それなら却ってやりやすいと、迫る光の束を両の拳で軽く弾き飛ばす。

 

 

 何れも地上ではなく空へ向けて弾かれたそれは、大気圏を突き抜けて爆発。曇り空越しでも解る程の光を撒き散らし、大気を揺るがす程の衝撃が地上に叩き付けられる。

 

 何という戦いだ。ゴジータもそうだが、もはやヴィランの枠組みすら当てはまらない化物になったA.F.Oを見て、デクは人知れず息を呑んだ。

 

「『考える頭もなくなって、却って攻撃に迷いが無くなったな………けど』」

 

 瞬間、飛び上がったA.F.Oが巨大な触腕でゴジータに殴り付ける。初めて当たるヴィランの一撃、衝撃が周囲を吹き飛ばし、地上の瓦礫すら吹き飛ばすその一撃は、正しく必殺の一撃であった。

 

 しかし。

 

「『どうした、こんなものか?』」

 

 マトモに受けたというのに、ゴジータの笑みは崩れる事はなかった。大気が震えるほどのパワー、それを直接受けても平然としている耐久力(タフネス)

 

 既にこの戦いは全てのヒーローを置いてけぼりにしていた。

 

「⬛⬛⬛⬛⬛ッ!!」

 

 吠える。自身の一撃を受けておきながら、全く堪えた様子の無いゴジータ。そんな彼の煽りを受け、A.F.O (死柄木)は雄叫びを上げながらゴジータへ殴り続けた。

 

 巨大な触腕、背中に生える二つの巨大な拳。その一撃一撃が大地を割り、その一振の衝撃が周囲を凪払う。

 

 その悉くがゴジータへ向けて集中砲火。見上げる事しか出来ない者、見守ることを決めた者はそれでも冷や汗を流す中。

 

「『やれやれ、これじゃあ肩凝りも解れないぜ』」

 

 当の本人であるゴジータは、全く堪えた様子はなかった。それに気付かず、A.F.Oは更なる一撃を放とうとして。

 

「『今度は、こっちの番だ』」

 

 その渾身の一撃は、ゴジータの手によって軽く弾かれてしまう。

 

 恐れと驚きで死柄木の顔が染まり、恐怖と絶望でA.F.Oの顔が歪む。

 

 そんな彼等にゴジータはやはり不敵な笑みを浮かべたまま、瞬時に懐に潜り込み。

 

「『ダリャッ!』」

 

 拳を強く握り締めてその一撃を叩き込む。衝撃が全身を駆け巡り、粉々になりそうな痛みを瞬時に回復させ、それでも悶えるA.F.Oを蹴り上げ、その巨体を吹っ飛ばす。

 

 山より大きく、空にまで届きそうな肉の塊が宙に舞う。その光景は何処までも非現実(コミック)的だった。

 

 だが、ゴジータの猛追は止まらない。

 

 蹴り上げられ、吹き飛んでいくA.F.Oだった肉の塊を追尾、追い越し、タイミングを見計らって肘打ちを叩き込む。

 

 顔面にめり込ませた死柄木は、苦悶の声すら上げられず、次に放たれる回し蹴りはA.F.Oの体躯を横へブッ飛ばす。

 

 肉が弾け、骨が砕ける。それでもその異常な回復力は痛覚すら置き去りにしてA.F.O(死柄木)の戦意を引き上げる。

 

 口元から赤い泡を滲み出し、正気を失った目でゴジータを見る。怨嗟と憎悪に満ちた双眼で睨まれて尚、ゴジータの笑みは崩れない。

 

 ───既に、彼に理性など無かった。正気は()うに失われ、プライドもゴジータによって打ち砕かれた。

 

 故に、彼に残されたのは徹底的な報復と………破壊のみ。

 

「『?』」

 

 両腕を、天に向ける。巨大な触腕も、死柄木、A.F.O 二人の腕もまるで赦しを乞う様に突き上げる。

 

 ここへ来てまさかの降参? いや、違う。

 

 ビリビリと震える大気の揺れ、同時に現れる赤黒い光が顕れる。

 

 肥大化と圧縮、繰り返されるエネルギーの変化。それは軈て日本全土を覆い、その光はアメリカ───ホワイトハウスにまで届く。

 

 天体にすら思える力の具現。アレが地上に落とされたら、被害甚大────なんてレベルじゃない。

 

 地球が終わる。粉々に、跡形もなく消し飛びそうなエネルギーの奔流を前に、デクも爆豪も、他の面々も逃げようと─────

 

─────なんて、しなかった。

 

「アレが、奴の奥の手かよ」

 

「スゲェな、まるでSFだ」

 

「いや、どちらかと言えばオカルトかファンタジーだろ」

 

 それは諦めか、それとも現実逃避か。口々に出てくる軽口には彼等の一片の恐怖も感じられず、その裏には絶対的な信頼が乗せられていた。

 

「やっちまえ! ゴジータ!!」

 

「お前がやらなきゃ、誰がやるってんだ!!」

 

 相澤が、デステゴロが、声を張り上げる。

 

「本気のお前を見せてくれ!!」

 

「此処まで来て、出し惜しんでンじゃねぇーよ!!」

 

 炎獄が、ミルコが、今まで気を遣わせていたゴジータの枷を外す。

 

 誰もが、ゴジータを信じていた。

 

 誰もが、ゴジータが負けると思わなかった。

 

 仮令(たとえ)星を砕く厄災が押し寄せても、ゴジータなら何とかする。誰もが、そう信じて揺るがなかった。

 

 何故なら、後藤甚田(ゴジータ)こそが自分達の先を往くヒーローだから。

 

 ───全身に力が漲る。知り合いが、級友が、仲間が、友が、恩師が、自分を信じてくれている。

 

だから。

 

「『いっちょ、やるかぁッ!!』」

 

 その期待に応えたくて、その想いが嬉しくて。

 

 ゴジータもまた全霊を引き出す。

 

「『ハァァァァッ!!』」

 

 舞い上がるは黄金の焔、光の嵐が吹き荒れ、周囲の暗雲を吹き飛ばしていく。

 

 力が高まり、想いが溢れる。テレビの向こうで誰もが息を呑んで見守る中、ゴジータの力は天井知らずに高まっていく。

 

 軈て、その全てを全身へ巡らせていき。

 

 ゴジータはその両手を突き出した。

 

「『これであの世に送ってやるッ!!』」

 

 狙い定めるは遥か巨大な赤黒いエネルギーの塊。

 

「『───100倍ッ!』」

 

 光が収束する。集まり、高まり、光が圧縮されていく。

 

「『200倍ッ!』」

 

 より高密度に、より強く、そのエネルギーは純粋な輝きへと昇華されていき。

 

「『1000倍ッ!!』」

 

「⬛⬛⬛⬛⬛⬛ッ!!」

 

 そうはさせんと、A.F.O(死柄木)は先手とばかりに極大の赤黒い光の玉を放つ。

 

 天変地異を引き起こしながら、迫り来る破壊の星。それを前にして────ゴジータは、不敵の笑みを浮かべ。

 

「『ビッグバン────かめはめ波ァァァッ!!』」

 

 放たれた光は、破壊の星すら呑み込み砕き、

 

 

「『Plus──Ultraァァァッ!!』」

 

 

 遥か宇宙の彼方まで照らしていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (嫌だ。いや………だぁぁぁ………)

 

 悶え苦しむ意識の中、A.F.O ───否、死柄木⬛⬛⬛は、迫り来る死の恐怖に心が砕けそうになっていた。

 

 嘗て、魔王になるべく駆け抜けた日々。超常黎明期より暗躍し、多くの手駒を従えてきた。

 

 全ての未来を踏みにじり、己のみが世界の頂点に立つ。

 

 それを隣で⬛⬛に見ていて欲しくて……。

 

(あ、あれ? ⬛⬛って………だれだ?)

 

 それは、大切なモノだった……筈。

 

 それは、自分にとって初めて与えられた───。

 

 

 遥か眼下の地上にて、虹色の光が集約していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『俺がやらなきゃ誰がやる』」

 

 それは、嘗て自分にかけた呪い。

 

「『俺がやらなきゃ、誰がやる』」

 

 それは、強迫観念からくる固定観念。

 

 誰にも理解は得られず、誰からも理解はされない。

 

 それでもいいと、少年は思った。どうでもいいと、少年は自棄になった。

 

 この身に授かった力、それに随分悩まされたし、迷い、沢山の人に迷惑を掛けた。

 

 恩師(姫野)を泣かし、恩師(相澤)に八つ当たりをしてきた。

 

 けれど、恩人(冬実)と出会って、自分のこれ迄が無駄でない事と………自分を、許しても良い事に気が付いた。

 

 多くの人に教えられ、支えられ、今の自分がある。

 

 過去の自分の事を含めて、前に進んでもいいのだと、気付かされた。

 

 だから、もう迷わない。

 

「『俺がやらなきゃ────』」

 

 これは、その決意。これ迄の自分と共にこれから先もゴジータとして生きていく事への………後藤甚田の決意。

 

「『誰がやる!!』」

 

 その手に虹の光を握り締め、地を蹴り、空へ飛ぶ。

 

 狙うのは巨大な怪物、あらゆる悪意を煮詰め、あらゆるモノを奪ってきた魔王へ向けて拳を振り抜く。

 

「『龍拳ッ!!』」

 

 瞬間、ゴジータが纏う黄金の焔が、龍となってA.F.O を貫いた。渦を描き、巨大な体躯となったA.F.Oに絡み付き、締め付ける。

 

 軈て黄金の龍はA.F.Oの全身へと巻き付き、諸とも光となって消えていった。

 

 残されたのは、ただ一人。

 

 天に向かって拳を突き上げる、ゴジータだけがそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、良かった」

 

 近所から、怒号の歓声が聞こえてくる。恐らくは世界中が似た感想を吐露しているのだろう。

 

 誰もが喜びの雄叫びを上げ、拍手喝采をテレビの向こうに映るヒーローに送られる。

 

 その一方で、星の都の施設長の姫野葵は静かに涙を流す。

 

「やっと、見付けたのね。貴方の、なりたかった自分が」

 

 自分を傷付け、自分を追い詰め、そんな彼を一度は気持ち悪いと遠ざけてきた。

 

 身寄りのない子供達の味方になりたいと嘯きながら、誰よりも彼を忌避してきた。そんな罪深い自分を、姫野はこの日、漸く自分を許せた気がした。

 

 テレビの向こうで、風に紅い鬣の如く髪を揺らし、天に向けて拳を突き出す彼。

 

「おめでとう、甚田」

 

 不敵に、けれど何処か嬉しそうに笑う彼に、姫野葵もまた嬉しそうに微笑むのだった。

 

 

 

 






Q.オールマイトとステインは間に合ったの?

A.

オールマイト「HAHAHA! 駆け付けたら既に後の祭さ! 全く、相変わらず生意気な後輩だぜ!」

ステイン「」(感動し過ぎて失禁&気絶)


Q.この戦いを目にした世界中のゴジータファンは?

A.もれなく全員脳が焼かれました。(笑)



アイ「」(感動のあまり失禁&気絶)



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