超なオイラのヒーロー記録【完結】   作:アゴン

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何の話題もないので初投稿です。


記録14

 

 

 

 ヴィラン連合なる組織が雄英に襲撃を仕掛けたという事実は日本全国に瞬く間に広がり、多くの人々に衝撃を与え、同時にオールマイトが撃退したという話題で持ちきりとなっていた。

 

No.2のヒーローであるオールマイトが雄英に教師として赴任し、更にはヴィランの襲撃に巻き込まれながら無事に生還を果たした一年A組という生徒達に話題と注目が集まった。

 

そんな、期待と不安が募る雄英生徒に新たな試練が降り掛かる。【雄英体育祭】。年に一度開催される新たなオリンピックと揶揄される雄英生徒達による“個性”ありの大会が開催される事が決定された。

 

ヴィランの襲撃を受けて………否、だからこそ開催されるべきだという雄英側の強い要望を受け、例年より警備を強化する事を条件に大会の開催を決行。強気な雄英の姿勢に人々は安堵と不安を抱きつつも、期待せずにはいられなかった。

 

 体育祭まで残り一週間、多くの生徒達が大会に備えて自身の体と個性を鍛える中、ヒーロー科一年A組である緑谷出久は自身に与えられた個性に四苦八苦していた。

 

「どうしよう、もう大会まで1週間しかないのに個性の制御が全然出来ていない、これじゃあ……!」

 

オールマイトに見初められ、与えられた緑谷出久の個性である【ワン・フォー・オール(O・F・A)】。代々受け継がれてきた個性の力をオールマイトから受け取ったと言うのに、未だ全く使いこなせていない現状に緑谷出久は焦りを募らせていた。

 

入学試験では手足を潰し、除籍を賭けた個性把握テストも指を壊す事で何とか踏みとどまる事になった。戦闘訓練では因縁ある幼馴染みに辛勝するが、両腕を使い潰す羽目になり、雄英の施設であるU.S.J.の施設にてヴィランから襲撃を受けた際に、一度だけ壊すことなく100%の力を引き出すことに成功したが、それ以降は特に進展する事なく、今日まで碌な結果を残せないまま時間を経過させてしまっていた。

 

 雄英体育祭は全国区で生放送される。その視聴者の中には母も含まれており、個性を使いこなせなければ手足をへし折る我が子を見せる事になってしまう。

 

唯でさえ、母には自分の肉体改造に協力させて心配させたと言うのに、大会で自ら手足を使い潰す息子を見せてしまったら、心労で倒れてしまうかもしれない。

 

流石にそれは不味いと、緑谷は雄英の敷地内である森林エリアで一人個性の訓練に励んでいるが、成果は今一つ処か進展なし。大会まで1週間しかないという現実に打ちのめされかけていた………その時だ。

 

「よぉ、やっているな緑谷。その様子だと、個性(OFA)に振り回されているみたいだな」

 

「ッ!?」

 

 自信に満ちた、聞き覚えのある声。その人物に心当たりのある緑谷が恐る恐る振り返ると………。

 

「オッス、俺が来た。なんつってな」

 

「ご、ごごごごゴジータァァッ!!??」

 

オールマイトをも超えるNo.1ヒーロー、ゴジータが其処にいた。日本の最強のヒーローの突然の登場に、既に思考が追い付いていない緑谷。そんな相変わらずな少年にゴジータは笑いながら話し掛ける。

 

「相変わらず面白い反応をするなぁお前、体がバイヴレーションみたいに震えてるぞ?」

 

「い、いやそれはだって……いやそれよりも! ど、どうしてゴジータが此処に!?」

 

「いやさ、この間雄英がヴィランに襲撃されたって報せを聞いてさ、そのほぼ直後に根津校長から依頼があったんだよ。体育祭の間だけで良いから、雄英の警備主任を勤めてくれって。母校の危機だし、なにより恩師の頼みとあっては断れないからな。雄英体育祭の間だけ警備を任される事になったって訳よ。今日はその下見だ」

 

慌てふためく緑谷に、ゴジータは快活に笑いながら腰に手を当てる。自身が雄英にいる理由を簡単に説明すると、緑谷自身も徐々に気持ちが落ち着くようになっていた。

 

「それに、約束したろ? お前が雄英に合格したら1日マンツーマンで指導してやるって」

 

「あ………」

 

「既にオールマイトから了承も得ている。生憎と警備の打ち合わせとかでちょくちょく抜ける事はあるが……それでも、今日1日はお前に付きっきりでいてやれるぜ?」

 

 どうする? 試すような物言いで訊ねてくるゴジータに対して、緑谷出久が出せる答えは一つしかなかった。

 

「宜しく────お願いしまァす!」

 

「即答か、いいね。判断が早い奴は嫌いじゃない」

 

No.1ヒーローが直々に自分の特訓に付き合ってくれる。こんなチャンスを逃したくはないと、緑谷出久は即答し、そんな判断の早い少年にゴジータも自然と笑みが溢れた。

 

「んじゃあ、早速情報を整理するが……その前に緑谷、お前今日まで個性を使うにあたって何回手足を壊した?」

 

「っ、その………四回です」

 

 入学試験、個性把握テスト、戦闘訓練、そしてヴィラン襲撃。これ迄立ち塞がる多くの壁に緑谷は文字通り体を張って乗り越えてきた。オールマイト並みの超パワーを引き出す度に手足や指を何度も壊してきた。

 

その事を伝えると、ゴジータは腕を組んで思考を巡らせ一つの答えを導き出す………が、その前に幾つか緑谷に言いたいことが出来た。

 

「成る程な。色々と言いたいことは出来たが………先ず緑谷」

 

「は、はいっ!」

 

「自分でも分かっていると思うが、ヒーローはただ力を振るえば良いってモノじゃない。お前の腕の一振りでヴィラン一人倒した所で、二人目のヴィランに勝てる保証は何処にもない。況してや、災害救助の時に腕の一振りで状況を変えた所で、次々に変化する状況に対応できず被災者達と一緒にお陀仏だ。そのくらいの事は分かっているな?」

 

「っ!─────はい……」

 

 その忠告は思っていた以上に鋭く、重かった。如何にオールマイトの様な超パワーが出せても、それを代償に手足を犠牲にして動けなくなってしまったら、元の木阿弥。複数のヴィラン相手には動けなくなった所で袋叩きにされ、災害救助の場では腕の一振りで使い物にならなくなる最悪のお荷物が誕生してしまう事だろう。

 

そして、既に多くの人々が忘れかけているが、本来ゴジータは災害救助を専門としているヒーローだ。命を救うという事は、助ける相手以上に自分が万全で在らねばならない。傷だらけのヒーローを見て、一体誰が安心し、明るい未来を夢想できる事だろうか。

 

「相澤先生にも同じ事を言われました。一人助けたら木偶の坊になるのかって……」

 

「相澤先生かぁ、まぁあの人なら言うだろうな」

 

 ゴジータの口から相澤教諭の名前が出てきた事に戸惑うが、今は横に置いておく。

 

「でも、どうやっても個性が上手く使えないんです。発動する時は0か100しか出せなくて………オールマイトが言うには10%の力を引き出せる筈らしいんですけど」

 

「あのな緑谷、お前一つ勘違いしているぞ?」

 

「─────え?」

 

「“個性”というのはな、特別じゃないんだ。生まれた時から当たり前の様に在るモノ、最初から自分の一部であり自分そのものだ」

 

「え、えっと………」

 

元々が無個性だったが故に、個性と言うものを特別視している緑谷にゴジータは先ずその意識を取っ払う事から始める事にした。現在の超常社会の根底に根差す“個性”、それは人に生まれた時から備わっているモノで、特別に扱ったり必殺技として重宝するモノではない。

 

そんな、禅問答にも近い言葉に今一つ理解出来ていない緑谷に、ゴジータはもう一歩踏み込んで教える事にした。

 

「お前の個性は俺の個性と似ているからな……んじゃあ、ちょっと例題を見せてやる。───ハァッ!」

 

ウンウンと頭を唸らせて考えを巡らせている緑谷に苦笑いを浮かべながら、ゴジータは少し距離を置く。ここなら大丈夫だろと見計らうと、ゴジータは全身に力を込めてその身に黄金のオーラを纏い始める。

 

髪と眉は金色に染め上がり、瞳は翡翠色に変化していく。それはヒーローランキング以来見せることのなかったゴジータの本気形態、彼の個性である【超】となった姿だ。

 

 

間近で目にする変身したゴジータにヒーローオタクとしての本能が擽られるが、今は特訓中だという事もあり自重する。

 

「さて、お前からは今の俺が個性をどのように使った様に見えた?」

 

「─────」

 

 笑みを浮かべながら訊ねてくるゴジータに、緑谷は思案する。今のゴジータは個性を使っている……使っているのだが、まるで息をするかのように、当たり前の事をするかのように個性を発動していた。

 

オーラを纏って底上げしているのか、それとも頭髪が金色に輝くから共通点があるだけなのか、気になることは多い………と、其処まで考えを巡らせていると、一つの答えが緑谷の頭に浮かび上がってきた。

 

オールマイト、OFA、10%、そして………ゴジータが見せたオーラを纏う(・・)姿。其処まで考えて自分の目指すべき姿を明確にイメージした緑谷は、両手を握り絞めて力を引き出し始める。

 

「ワン・フォー・オールは、個性は、使うものじゃない。それは………つまり!」

 

 すると、赤い血管のようなものが緑谷の全身に浮かび上がり、ゴジータの瞳と同じ翡翠色の電気のようなエネルギーが迸る。それに伴い力が高まっているのを感じる。

 

「個性とは自分そのもの! これが、今の僕の答えです!」

 

“ワン・フォー・オール・フルカウル”

 

全身に力を行き渡らせ、滾らせている今の緑谷出久は明らかにこれ迄とは一線を画している。最大出力の100%の十分の一しかない力だが、それでも現時点での緑谷の力は………破格に過ぎた。

 

そんな、自分の答えに行き着いた緑谷に。

 

「─────正解だぜ、緑谷」

 

ゴジータは纏っていた黄金の炎を解き、黒目黒髪に戻りながら………やはり笑みを浮かべる。

 

「さて緑谷、その状態で動けそうか?」

 

「わか、りません! 何分今が初めての状態なので……!」

 

「なら、慣らし運転で少し動いておこうか。さ、好きに打ち込んでこい」

 

「ッ!?」

 

 なんて事のないように殴ってこいと言われた事に、緑谷は少なからず衝撃を受けた。今の自分はオールマイトの十分の一とは言え、尋常ならざる力を持った全身凶器人間。僅かでも加減を誤れば大怪我を負わせかねない。

 

と、其処まで思考を巡らせた事でそれは杞憂であると緑谷は思い直す。今、自分の目の前にいるのはNo.1ヒーロー、あのオールマイトすら認めた【超ヒーロー】だ。

 

そんな最強のヒーローを自分が心配するのは驕りが過ぎる。失礼すぎる考えを首を振って頭の中から追い払い、緑谷出久は我流の構えを見せた。

 

「お願い……します!」

 

「おう。何処からでも掛かってこい」

 

地を蹴り、駆ける。これ迄の走りとは明らかに違う速度に困惑しながらも、緑谷出久はゴジータに向けて拳を握り締め………振り抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、取り敢えずはこんな所か」

 

「あ、ありがとうございましゅ………」

 

 日が傾き、空が夕焼ける時間帯。仰向けに倒れて疲労困憊となった緑谷を見下ろしながら、ゴジータは満足そうに頷いた。

 

「一先ず、お前は本当の意味で自らの個性を扱えるようになった。上限10%、それが今のお前に許された力だという事を覚えておけ」

 

「は、はい!」

 

今日一日ゴジータというNo.1ヒーローに鍛えられた緑谷は、改めてその圧倒的さに度肝を抜かされていた。向こうは終始手を抜いていたのに一度たりとも攻撃が当てられず、流れるような体捌きに翻弄され続けていた。

 

(体捌きだけでも尾白君より遥かに上! 分かっていたけど、流石はNo.1ヒーロー。格が違う!!)

 

クラス内で唯一武術に明るい尾白と比べても、ゴジータの動きはモノが違う。尾白本人もNo.1ヒーローの動きはスタイリッシュ過ぎると絶賛していた。

 

これが極めた武術という事か。動きが速いのではなく、遅いわけでもなく、巧い。尾白という武術を()る者がいたからこそ分かる視点。しかもこれで今の自分に合わせて手を抜いた状態だから余計に恐ろしい。

 

あのオールマイトが認め、影響を与えたヒーロー。改めて自分は凄い人達と出会えていると、緑谷出久は自身の恵まれた環境を嬉しく思い、涙ぐむ。

 

「さて、そんじゃあ今日は此処まで。明日からは放課後はじゃんじゃんキツくしていくから、覚悟しておけよ」

 

「────えっ!? で、でもゴジータ! 約束は一日だけって………」

 

「おいおい、何を言ってるんだ緑谷。今日はまだ三時間程度しかやってないだろ? 一日面倒見るって言うことは、つまりはそういう事だろ。じゃ、俺はまだ用事があるからこれで」

 

 「気を付けて帰れよー」そう言葉を残して去っていくNo.1ヒーローの背中を、呆然とする緑谷はただ見送る事だけしか出来ず……。

 

「え、えええぇぇぇっ!?」

 

ゴジータの言葉の意味を理解した緑谷の叫びは、森林エリア一帯に響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。じゃあ替えの包帯を巻いていくよ。痛かったら、ちゃんと言うんだからね」

 

「いや、だから過保護過ぎますって修善寺先生」

 

 保健室。それはヒーローになるための訓練活動が多く、怪我の多い雄英生徒達にとっての命綱。個性“治癒”を持つリカバリーガールが根城にしている癒しの城。

 

個性だけでなく、自身の医療技術も卓越しているリカバリーガールこと修善寺治与は、先のUSJ襲撃の際に怪我をした相澤消太の治療に専念している所だった。

 

個性の治癒を施し、包帯を巻いていく。その過程で怪我人に負担が及ばないように処置を施していくその手腕は、まさに圧巻の一言だった。稀有な個性だけでなく、医療従事者としても一流の腕前を持つ彼女は、医療業界でも重宝されている。

 

そんな彼女は、全身包帯だらけのミイラ男になる事を嫌う嘗ての生徒に、プンスカと怒りながら説教を始める。

 

「何を言ってるんだい。先のヴィラン襲撃で、一番重傷だったのはアンタでしょうが! 生徒の前だからカッコつけたいのも分かるけども」

 

「いや、この有り様じゃあどのみち格好なんて付かんでしょうよ」

 

 既に両腕に包帯が巻かれ、マトモに抵抗できなくなった相澤だが、そんな事はお構いなしにリカバリーガールのお叱りは続く。

 

「口答えするんじゃないよ。全く、男のヒーローはこれだから………意地の張り所を間違えるんじゃないよ!」

 

「………はい、すみません」

 

リカバリーガールはオールマイトやエンデヴァー、そしてイレイザーヘッドである自分の学生時代を知る雄英の重鎮だ。彼女にとっては殆どの雄英出身のヒーローは教え子であり、手間の掛かる子供達の様なもの。常日頃から問題児を多く見てきた彼女には強く反発できるものなどおらず、学生現役のプロヒーロー問わず、彼女には頭が上がらなかった。

 

故に、相澤も抵抗するのを止めて為すがままにされることにした………その時だ。

 

「オッス、おらゴジータ。呼ばれなくても即参上」

 

 保健室の扉が勢いよく開かれ、No.1ヒーローが現れる。雄英設立以降最大の問題児に、相澤教諭は露骨に表情をしかめた。

 

「────おい後藤、お前は体育祭に備えて警備の下見に来ていた筈だろ。何を油売っている」

 

「勿論、下見の続きさ。幾ら懐かしの母校と言えど、ちゃんと隅々まで見て回らなきゃいけないからな。と、はいリカバリーガール、頼まれていたお菓子ッス」

 

「はい。ありがとうね。アンタもヒーロー活動ばっかりで大変なのに悪いね」

 

「気にするなよ、アンタには昔から世話になっているんだ。これくらいの恩返しはさせてくれよ」

 

「全く、アンタもすっかり丸くなったねぇ。入学したての頃は切羽詰まってたのに……成長するもんだね」

 

「それは違いますよリカバリーガール、コイツの場合は成長というより開き直っただけですから」

 

「やれやれ、相変わらず手厳しいなぁ相澤先生は。そんなんじゃあクラスの子達から懐かれませんよ?」

 

「懐かれなくて結構、俺はそんなもの求めちゃいない。アイツ等が立派なヒーローになってくれるなら、それだけで十分だ」

 

「俺みたいに?」

 

「はっ倒すぞ」

 

ゴジータが保健室に来てから、露骨に不機嫌になる相澤だが、それは愛情の裏返し。嘗ての教え子に対する歪な愛情表現なのだと、リカバリーガールはそう思うことにした。

 

 設立から数々のヒーローを輩出してきた雄英、数々の問題児をプロヒーローとして育成、世に送り出してきた雄英だが、中でも現No.1ヒーローのゴジータは歴代の問題児の中でも頂点に君臨した逸材だった。

 

特に個性を一時的に打ち消せる個性を持つ相澤にとってゴジータは色んな意味で天敵であり、問題児だった。

 

何せ、ゴジータは【超】という個性を用いずとも凄まじい怪力を有しており、個性で打ち消して捕縛布で拘束しようとした相澤を物理的に振り回していた。その様は大型犬に振り回される幼児の如く、決して制御できない怪物に相澤は何度も泣きそうになっていた。

 

そして、そんな彼を何だかんだと面倒見のよい教師だと認識したゴジータは、良く相澤教諭に絡むようになった。同じ陰キャ同士(ゴジータ視点)仲良くしようや。というのが、ゴジータの主張である。

 

「しっかし、派手にやられたなー。確か右目に障害が残るんだったか? 大丈夫なのか?」

 

「お前が気にする話じゃない。て言うか、そろそろ出ていけ。お前に課せられた責任は此処で駄弁っていられる程軽いものじゃ────」

 

「ほい」

 

「ングッ!? カ、ハ……! お前、いきなり何を、飲ませ……!?」

 

 いい加減自身のやるべき事をやらせようと、半ば苛立ちながら説教しようとした相澤の口にゴジータは指で弾いた何かを捩じ込み、強制的に呑ませる。突然の出来事に咳き込み悶える相澤だが、張本人足るゴジータは悪びれなく言ってのける。

 

「今のは俺からの見舞い。じゃあな相澤先生、あんま無理すんなよー」

 

「ま、待て……!」

 

相澤の制止も聞かずに保健室から飛び出していくゴジータ、相変わらず破天荒な元雄英生徒にリカバリーガールはニコニコしながら見送っていた。

 

 因みに、ゴジータが相澤教諭に何を呑ませたのかはリカバリーガールには事前に知らされていた模様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、本日も警備の打ち合わせ兼緑谷の指導にやってきたゴジータだが、目の前に広がる光景に唖然としていた。

 

「………これは、どういう事だ?」「す、すげぇっ!本物のゴジータだ!!」「私、生で観るのは初めて……!」

 

やってきたのは山岳エリア。今回はこの開けた場所で緑谷の個性の扱いを指導していくつもりだったのだが………其処で待ち受ける生徒の人数にゴジータは目を見開いて驚愕する。

 

「す、すみませんゴジータ! 実は昨日の帰りに切島君達に見つかっちゃって、質問の勢いに負けてついうっかり……!」

 

横の緑谷から告げられる事情の内容に、ゴジータはそう言えばと自分の不手際を思い出す。あの時の自分は久し振りに思い切り個性を出した事もあって、結構派手にオーラとか出しちゃってたっけ。そりゃあ、目撃した生徒とかいる筈だよね。

 

で、その見かけたオーラのあった場所から緑谷が現れたとなれば、そりゃあ質問責めに遭うわ。と、ゴジータは内心で納得。平謝りしてくる緑谷に気にするなと宥めた。

 

……見た感じ、此処にいるのは一年の生徒達だけ。午後には他の学年の生徒達が来るかもしれないが、この程度なら多分対応可能。

 

期待に眼を輝かせる生徒達、一部の生徒は睨み付けてくるが……それを気にする余裕はゴジータにはない。

 

「────い、良いぜ。上等だ。お前達まとめて面倒見てやるよ!」

 

 自棄糞気味に応じるゴジータに、一年の生徒達は沸き立った。

 

「わ、私の事、覚えてくれているかな……?」

 

「─────あれが、今のNo.1ヒーロー、か」

 

「超えてやる。ぜってェに、超えてやる……!!」

 

その身に様々な感情を受け止めながら、ゴジータによる一日指導が始まった。

 

 

 

 

 

 

 






雄英㊙️ノート。

その一。

歴代きっての問題児として知られるゴジータだが、そんな彼でもリカバリーガールには頭が上がらないぞ!

彼女もゴジータの内心の相談を受けたりしているので、ある意味でゴジータの一番の理解者でもある!

ゴジータの事は他の生徒と同様に孫の様に思っているが、彼の活躍を誰よりも楽しみにしているぞ!

「程々に頑張るのが一番だよ。また暇な時に来なさい」









オマケ。

何かを呑まされて数分後の相澤先生。

「──────は?」

この後メチャクチャゴジータ探した。
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