超なオイラのヒーロー記録【完結】   作:アゴン

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オールマイトと握手する夢を見た。

そんな訳で初投稿です。




記録2

 

 

 

 諸君、私はゴジータが好きだ。

 

 諸君、私はゴジータが好きだ。

 

 諸君、私はゴジータが大好きだ。

 

 ジャネンバ戦が好きだ。フリーザ戦が好きだ。

 

 ブロリー戦が好きだ。セル戦が好きだ。

 

 魔人ブウ戦が好きだ。超一星龍戦が好きだ。

 

 地上で。海底で。空の上で。宇宙空間で。

 

 ゲーム、劇場版、アニメの中で活躍するあらゆるゴジータが大好きだ。

 

 悟空とベジータ二人がかりでも倒せないジャネンバを、登場から数秒でフルボッコにした時は心が踊る。

 

 宇宙そのものを終わらせる超一星龍の攻撃を、肩凝りを解す程度にしか感じていないゴジータには感動すら覚える。

 

 さて、そんな大のゴジータスキーである自分こと今世の後藤甚田は、“個性”なんて能力を当たり前に持っている世界にゴジータとして転生した。

 

───いや、この言い方は正しくはない。正確にはゴジータにそっくりな顔と体つきをした自分が、超サイヤ人になれるようになった“個性”という方が正しい………と、思う。

 

正直な所は不明。本当はサイヤ人の生まれなのではと、自分が施設暮らしのことも重なって風呂に入る時とか密かに調べたりしたのだが、臀部にはサイヤ人の証である筈の尻尾はなく、生えていた痕すら見当たらなかった。

 

故に自分はサイヤ人ではない。そう判断したいのだが、個性を使わない素の状態も中々に強く、並みの衝撃ではビクともしない。腕力や脚力といった身体能力も総じて高く、施設では良く荷物運びとして重宝された。

 

そして、これが一番の理由だが、自分にはサイヤ人特有の大食いの気質が無いのだ。確かに人よりは食べるかも知れないが、ただそれだけ。店の食料を食べ尽くしたりなんか出来ないし、あくまで多少人より胃袋が強く大きいだけ。

 

 そんな、サイヤ人だか何だか良く分からない出自の自分は取り敢えず横に置いて、施設の子供として第二の人生をスタートした。幸いにも施設の大人達は皆いい人で、何かと手間のかかる俺達子供を嫌な顔を一つしないで面倒を見てくれた。

 

個性を発現した際も素直に喜んでくれたし、将来はヒーローだと持て囃してくれた。

 

そう、【ヒーロー】。この世界にはヒーローという存在が職業として人々に認知されている。個性という力を以て悪行を成すヴィラン()に対して、過去の人々がそれに対抗するべく立ち上がった事をきっかけに始まった………警察や自衛隊、各国の軍とも違う全く新しい正義の味方。

 

正義の味方という職業に興味はないが、自分の個性を最大限に活用できる場は其処しかない。そう子供ながらに確信した自分はその日を境に個性と肉体を鍛え、有名ヒーローを多数輩出しているとされている【国立雄英高等学校】へ入学した。

 

個性豊かな学友達と先輩達に揉まれ、一年の内にヒーロー活動の仮免を取得。その後もインターン先で某猫な四人組の人達から災害救助のノウハウを叩き込まれ、また別のインターン先では対人戦闘について眼鏡のヒーローに教え込まれた。

 

結果、お陰様で自分は雄英高校を主席で卒業。学生という身分もあってあまり世間に公表されていないが、この頃から結構な事件や事故に遭遇し、他の学友達より少しばかり経験豊富だったりする。

 

 ただ、そんな巻き込まれ体質のお陰か一年の体育祭の時、自然災害に巻き込まれた為に出場出来なかったんだよね。主に当時まだ慣れていない救助作業に追われていたからね、仕方ないね!

 

尚、この時の出来事であの四人の猫ヒーローと出会えたのだから、人生とは分からないモノである。

 

 さて、そんな色々な経験を味わった自分は卒業後、ある先輩ヒーローの事務所でサイドキックとして一年ほど世話になった後に独立。都心から離れ、ヒーローのいない地方の田舎へ赴く事になった。

 

この際、先輩ヒーローからしつこく私と組めとせがまれたが、もう一人の先輩ヒーローの口添えもあって無事に事務所から脱出できた。

 

いやーホント、あの時は世話になったよな。今度羽繕いの薬とか聞いてみよ。

 

閑話休題。

 

 さて、そんな自分の半生を振り返ってきた所で今日も【ゴジータ】としてのヒーロー活動に、励むと致しましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なーなー、もう一回アレやってくれよゴジータ! ゴウゴウってなってシュインシュインってなるヤツ!」

 

「なりません」

 

 町にヴィランが襲ってきたという話は、田舎故に瞬く間に広がり、更にその敵が非常に狂暴にて凶悪、そしてトドメにそれを倒したのがこの町にやって来たヒーローだという事で、町はちょっとしたお祭り騒ぎと化していた。

 

今日も、そんなヒーローを一目見ようと町中から人が集まってきている。

 

「ほー、あれが例のヒーローかー。確かに強そうだ」

 

「体も鍛えてるっぽいし、頼りになりそう」

 

「でも、そんなヒーローがどうしてこんな田舎に?」

 

「本当にアイツが倒したの? 襲ってきた敵、メチャクチャヤバイ奴だって聞いたんだけど?」

 

 賛否両論。ワイワイと騒いでいる人々の反応は、やや賛の方が多い模様。やはりヒーローは第一印象も大事、前世も含めてそれなりの人生経験を経て辿り着いた一つの真実である。

 

「ホーラ、そろそろ学校も始まる時間でしょ? この間の件で君のお母様も大分心配されていたし、あまりご家族を心配させるんじゃないよ」

 

「うぐぐ、分かったよ。でも今度ちゃんと見せてよね! 友達と約束してるんだから!」

 

 ヴィランと遭遇し、危機に直面した少年。幸いなことに彼の心は傷を負った様子はなく、今日も元気に学校へ向かう。

 

以前とは打って変わって懐いてくる少年に若干呆れるゴジータだが、一人の少年の平穏を守れたと思えば安いもの。勝手に約束とやらをしている事も子供特有の我が儘と思えば………まぁ、仕方がないといえる。

 

さて、問題は残った野次馬達だが……。

 

「はいはーい! 散って散ってー! 交通ルールを守って!」

 

 やって来たのは一台のパトカー、ヴィラン騒動以降巡回をいつもより多くしていた警察の介入によって、集まっていた野次馬達は文句を垂れながらその場を後にする。人散らしをしてくれた警官に会釈すると、気付いた警官が帽子を上げて会釈を返してくれる。

 

昨今。個性社会が浸透し、ヒーローという職業が台頭し始め、基本的に個性の使用を禁じられている警察はヒーローとの戦いで負傷し、動けなくなったヴィランを輸送するヴィラン運送と揶揄される事もある。

 

しかし、ヒーローとヴィランの戦いを舞台の一つとして見られている今の時代に、彼等の存在はヒーローにとってなくてはならないモノとなっている。

 

ヴィランと戦う時は命懸け。ヒーローと同様にヴィランもまた個性を振りかざしてくる以上、現場は常に巻き込まれる危険性を孕んでいる。

 

その可能性から人々を守るために尽力してくれる警察の存在は、ゴジータにとっても有り難かった。インターン時代からお世話になっている警察に感謝の念を抱いていると………。

 

「────なんだ?」

 

 ふと、違和感を覚えた。向けられる視線の先は遥か空の彼方、警官達も釣られてそこへ目線を向けると────。

 

巨大な隕石が、顔を覗かせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故この事態に気付けなかった!?」

 

 海面上を高速で飛翔する猛き炎、脚から炎をジェット噴射の様に放出し、空を飛ぶのはNo.2のヒーロー“エンデヴァー”。

 

その猛き炎と同様に怒りを昂らせる男の耳に、イヤホン越しでヒーロー委員会からの淡々とした声が響く。

 

『恐らく、長年宇宙開発を進めなかった影響でしょう。今回の隕石は完全な自然災害、悪意の無い意図せぬ災厄に、我々人類に打てる手立てはあまりに少ない』

 

「泣き言はいい! 応援はどうなっている!?」

 

『既に各国のヒーロー委員会に打診を送っています。それまでにどうか───頼みます。ヒーロー!』

 

「分かっている! その為に─────」

 

「私が─────行くッ!!」

 

 飛行するエンデヴァーの横を、別の何かが追い抜いていく。彼こそが最高にして最強のヒーロー、No.1“オールマイト”。全能という名を冠し、全ての脅威から全てを救うという意思を込めたヒーローが、隕石破壊の為に海面を駆けていく。

 

「オールマイト!」

 

「済まないが文句は後だエンデヴァー! 時間がない!」

 

「そんな事は分かっている! 状況は何処まで把握している!」

 

「もうじきアメリカから応援の第一弾が来る頃合いだ! その間は我々が………」

 

「この隕石を、どうにかしなくてはならないという訳かッ!」

 

隕石の落下予想地点へ辿り着いた二人、そこで目の当たりにした光景に長年前線を張り続けてきた二人の顔が歪む。

 

巨大。ただただ大きな石の塊が二人の……否、周囲の海面を覆っている。目測で見ても数キロ弱、このまま海面に激突したら有史以来の大災害が引き起こされる。

 

恐竜絶滅と同じ規模の災厄が、今自分達の目の前にある。何故この危機を見過ごした。何故この危機を予見出来なかった。計り知れない未曾有の災害を前に、二人のヒーローの意識は即座に切り替わる。

 

出来る出来ないじゃない、やるしかないのだ。

 

「俺の炎で僅かでも速度を落とす! その間に貴様が砕け!」

 

「しかし、それでは君がッ!」

 

「言ってる場合か!」

 

 エンデヴァーはその個性ゆえに火力は大きく、強力。しかし同時に体内に熱を溜めてしまうというデメリットも存在し、長時間の炎の放出はエンデヴァー自身の肉体をも燃やしてしまう。

 

それを危惧して一瞬躊躇するオールマイトだが、エンデヴァーのいう通り時間がない。この災害をどうにかするにはこの場にいる自分達が死力を尽くすしかないのだ。

 

 炎が燃える。大海原の真上で、赤く大きな焔が燃え盛る。しかし、落ち行く隕石は更に巨大。

 

けれど、だとしても、それでも………!

 

「やるしか、ないだろぉぉがぁっ!!」

 

“プロミネンスバーン”

 

エンデヴァーの自爆覚悟による最大火力。空高く吹き荒ぶ炎は巨大な隕石と激突し……。

 

「ッッッッッッ!!??」

 

その衝撃に、意識が一瞬飛びかける。なんだこの重みは、これが、宇宙から飛来してきた隕石の重さか。初めて体験する感覚にエンデヴァーは一周回って感心していた。

 

だが、このままでは炎の柱が持たない。オールマイトが隕石を壊すまでの時間が稼げない。せめて、せめて後一人誰かいないか、自分がヒーローであることを自覚しながら、それでも藁にも縋る思いを抱いていると。

 

「間に合ったァァッ!!」

 

 空から声がする。朦朧としかけた意識の中、エンデヴァーが目にしたのは星条旗のマーク。

 

『キャスリン! 大統領からの指令(オーダー)だ! 機密もクソもない。あの隕石を何としてでも止めて、人類を守れってさ!』

 

「オッケイ! (マスター)もいるんだ! 上げていくよ!」

 

数機の高速飛行物体。そこから誰かが飛び降りると、隕石に向けて声を張り上げる。

 

「『大気は、私の100倍の大きさで固まる!』」

 

 瞬間、新たな秩序によって、ヒーローらしき女性を中心に大気が唸りを上げて形を変えていく。軈て現れるのは一つの人の形、巨大な人の形を成した何かが、隕石に向けて拳を向ける。

 

「フィスト・バンプ・トゥ・ジ・アース!!」

 

振り抜かれた大気の拳は隕石と激突し、周囲の空間を軋ませる。そして、エンデヴァーの炎と融合したその一撃は隕石の落下速度を僅かに緩ませ……。

 

「ありがとうエンデヴァー、キャスリン! 行くぞォォォォッ!!」

 

未曾有の災厄、大災害の前に最高のヒーローが吼える。

 

「DETROIT SMASHッ!!」

 

繰り出されるは最強の一撃。如何なるヴィランをも打ち砕き、平和の象徴と謳われた男による────最大の一振り。

 

おおよそ、人の出せる出力を大きく凌駕した超破壊の一撃は………しかして。

 

「なん………だと………!?」

 

巨大な隕石を完全に砕くには至らなかった。

 

 想定していた事態の中でも最悪の事態。最高最強のヒーローによる一撃が通じなかった事実に、観測していた人間達は勿論、エンデヴァーもキャスリンなるアメリカNo.1ヒーローも驚きを隠せなかった。

 

しかし、それでもNo.1ヒーローは挫けない。此処で自分が折れてしまったら、この世界に生きる人々はどうなる。明日がまた必ず来ると信じている人々の希望はどうなる。

 

この身は平和の象徴。折れることも、曲げることも己自身が許さない。故に、オールマイトは砕けた拳をもう一度振りかざす。

 

「エンデヴァー、頼む! 今のをもう一度!」

 

「軽く言うなァッ! 今やっている!」

 

 既に、エンデヴァーは限界を迎えている。その身に溜めた熱量は周囲の空間を歪める程に発熱し、エンデヴァーの体を焼いていく。

 

だが、それでも止めるわけには行かない。ヒーローである以上、彼の心情に逃げるという選択肢はないのだ。

 

それに、どのみち逃げた所で何もかもを失うだけ。ならば………。

 

「全く、嫌な校風だよ!」

 

 “更に向こうへ”。かつて己が在籍していた高校、そこに掲げられた理念がエンデヴァーは嫌いだった。

 

けれど、だけど、それでも! やるしかないのなら、やるしかないのだ!

 

「プロミネンス────」

 

 命を燃やし尽くす。その覚悟を以て今一度最大火力を放とうとした時。

 

それは聞こえた。

 

『かぁ───』

 

「!」

 

「な、なに!?」

 

『めぇ───』

 

声が響く。このざわつく海で、荒れた大気の中で、その声は不思議な程に透き通っている。

 

『はぁ───』

 

「誰だ、一体この場に我々以外のヒーローがいるのか!?」

 

 今、この場に駆け付けられるヒーローは世界中を見ても限られてくる。最速のヒーローしかり、火力の出せないヒーローも手が出せない今、一体どんなヒーローが駆け付けるというのだ。

 

そんな、疑念のエンデヴァーの耳朶にヒーロー委員会からの声が届く。

 

『い、今! そちらに新たに一名のヒーローが本州から飛び立ちました!』

 

「本州からだとっ!? どれだけ離れていると思っている!」

 

現在、エンデヴァー達がいるのは太平洋のど真ん中。オールマイトは兎も角、エンデヴァーは先にも述べた最速のヒーローの手を借りて漸く現地へ辿り着いたもの。アメリカの様な高速飛行を可能とした代物が用意出来ない以上、日本からこれ以上の増援は見込めない筈。

 

しかし、インカムから聞こえてくる委員会からの通信に誤りは考えられない。一体、誰が来るというのか。と、そんな時だ。黄金の炎が、エンデヴァーの横を横切った。

 

「ッ!?」

 

 エンデヴァーの脳裏に焼き付く。それは、自身のような相手を燃やす炎ではなく、誰かを照らす導きの光。

 

『────めぇ』

 

黄金の炎がエンデヴァーの横を素通りすると、直角に上昇し、瞬く間に隕石に向けて接近する。馬鹿げた速さ、瞬間移動だと思える程の速さにエンデヴァーの目は大きく見開く。

 

 炎を纏った何かはオールマイトの前に辿り着くことでその姿を顕にする。

 

「君は───ッ!?」

 

オールマイトが驚いているのを余所に、黄金の炎を纏うヒーロー────ゴジータは。

 

「波ァァァァァッ!!」

 

その両手に溜めたエネルギーを、隕石に向けて解き放つ。極光、空を埋め尽くす程の大きなエネルギーの奔流は、オールマイトの一撃によって入った亀裂へ浸透し、拡大。

 

止め処なく溢れる力の奔流は、軈て巨大隕石をも呑み込みそして─────粉々に打ち砕き、蒼白い巨大な光は空の彼方へと消えていった。

 

 砕かれた隕石の破片はより細かく砕かれ、海面へと落ちていく。その光景に誰もが唖然とするなかで………。

 

「ふぃー、危なかったァ。けど、まぁこれで………一件落着だな」

 

ヒーローゴジータは、一仕事をやりきった感を出しながら、帰路に就くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒーロー“ゴジータ”は、ヒーローで在ることよりも、個性を使って強くなることを望んでいた。

 

自分がゴジータを名乗る以上、敗北は許されない。強くなることに貪欲である為、鍛練や修行に集中したいが為に人目に付く対ヴィランのヒーローではなく、対災害のヒーローを目指していた。

 

穏やかで、それでいて満ち足りたゴジータライフを満喫する為に、自分がゴジータの名を語るのに恥ずかしくない戦士でいる為に、後藤甚田は名声よりも強さを選んだ。

 

なのに、それなのに………。

 

「さぁ、皆に答えてやれよヒーロー! 今日から君が、No.1(・・・)だ!」

 

 何故、自分は此処にいるのだろう? どうしてオールマイトが隣に立ち、満面の笑みで自分の腕を掴んで掲げさせているのか。

 

どうして、ヒーロービルボードの一番上に、自分の名前があるのぉ?

 

(もう、訳が分からないよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、新たなNo.1ヒーローが誕生した。平和の象徴を超えた新たなヒーローの登場に、人々が歓声を上げるなかで。

 

当の本人たる新たなNo.1ヒーローは─────白目を剥いていた。

 

 

 

 






初めてアンケートなる機能を使って見たで候。

今回の話で曇るのは次の内の誰?

  • 1.緑谷出久
  • 2.爆豪勝己
  • 3.轟焦凍
  • 4.轟炎司
  • 5.全員
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