年末年始も仕事………クソがっ
そんな訳で初投稿です。
※1月9日、御指摘部分が多く、私自身流石にふざけすぎたと思い、前半部分を大幅に修正しました。
保須市襲撃。脳無という凶悪なヴィランによる日本の平和を脅かす脅威は、No.1ヒーローを筆頭に数多くのヒーロー達の活躍によって制圧、鎮静化された。
一つの街が機能不全間際にまで追い詰められた今回の事件で、人々は強い不安を抱くことになったが、先にも述べたNo.1ヒーローの活躍によってその不安は大部分が解消される事になった。
金色の炎を纏い、金髪碧眼の姿へ変身したゴジータは多くの人々の希望となっていた。久方振りに目の当たりにした人々は歓喜し、同業のヒーロー達ですらゴジータの活躍に目を奪われていた。
そして、そんなゴジータを筆頭にヒーロー達が活躍した翌日、現在No.1ヒーローのゴジータは同市内にある大手の病院へ駆け付けていた。
「いやー、しかし振り返ってみればダセーなお前ら。揃いも揃ってヒーロー殺しにヤられるとか、チョーっとカッコ悪いんじゃねぇの?」
「うるっせぇぇぇ!! ンなの分かってンだよこっちはよぉぉぉ!!」
「か、かっちゃんここ病院! 落ち着いて!」
主に、入院している二人の雄英生徒をおちょくる為に。
ベッドに寝かせられている二人の少年、爆豪と緑谷は傷の見た目こそ派手ではあるが、傷口の深さは大した事はなく、後日訪れるだろうリカバリーガールの力を借りれば即座に完治、退院するだろうとのこと。
リカバリーガールがやって来るのは凡そ二日後、その間二人は大人しく病院生活を余儀なくされた。
「つーか、何で俺がクソデクと同室なんだよ!? 部屋変えろや!!」
「だってお前ら同じ学校の生徒じゃん。学生がヴィランの襲撃で怪我を負ったと知られれば、ヒーロー社会に対する不安を煽る材料になりかねない。これは、必要な秘匿処置である───だとさ」
「それって、もしかして公安からの指示ですか?」
「お、流石に分かるか。そういう訳でお前らは反省も込みで二日間入院な」
本来ならゴジータ特製の仙豆擬きで一日と待たずに退院まで二人を回復させる事が出来るが、今回二人の負った怪我は生徒の身分であるにも関わらず、独断で動いた結果によるもの。
最初はゴジータも仙豆擬きを使おうかと迷い、リカバリーガールへ相談した所、即座に駄目だと却下された。今回二人の怪我は自業自得。怪我自体大した事ではないのなら、自分の行いを反省させる意味も含めて、仙豆擬きによる回復は止めておけと忠告された。
「ま、そういう俺もお前達同様に暫くの間は活動自粛の身だから、あまり強気には言えんがな」
「あ、その………本当に、ごめんなさい」
「──────」
ハハハと笑いながら自らの境遇を語るゴジータ。如何にNo.1ヒーローと言えど、職場体験に来ているだけの学生に独断を許す権利はないし、怪我を負わせてしまった以上相応のペナルティが課せられるのは当然の帰結だった。
爆豪の受け入れ先だったゴジータ、緑谷の受け入れ先であるグラントリノ、そして飯田の受け入れ先であるマニュアル。3人のヒーローは今回の件の罰として、揃って一週間の活動自粛を言い渡される事になった。
「ま、俺は元々どっかで休みを入れるつもりだったし、今回の自粛期間を有給の代わりとして受け取るさ。グラントリノ………あのじいさんも似たような事を言ってたし、それについてはお前らが気にする事じゃない」
「そ、そうは言っても………」
「なら、今回の件を教訓にこれからは自分の行動を顧みる様にしような。………俺はしなかったけど」
No.1ヒーローの活動自粛。それ自体はオールマイトとチームを組んでいた時に体験していたし、他のヒーロー達の成長を促す意味を含めて、今回の自粛のペナルティは広い視野でみれば日本のヒーロー界を盛り立てる必要処置とも言えた。
その辺りの大人の事情は暈しながら説明し、緑谷を納得させたゴジータは、いつの間にか大人しくなっている爆豪へ向き直る。
「────実はな、ヒーロー殺しを見つける際に決め手となったのは光る爆発のお陰だったんだ」
「!」
「幾らこの俺でも、街一つをくまなく探し回るのは骨が折れるし、それが夜の時間帯なら尚更時間が掛かる。そんな時さ、街の一角でド派手な花火みてぇな爆発を目にしたのは」
「─────」
「爆豪、今回のお前等の行いは独断専行による自業自得。警察の人達から説教はあるし、俺が庇うことはほぼない」
「…………分かってる」
「だが、あの爆発のお陰でお前らを見つけることが出来た。だから………良くやったな、爆豪。宣言通り、新しいお前の姿、見せてもらったぞ」
今回の二人の行いは決して褒められる事ではないし、公にされたら大問題になる一件だが、それとは別に爆豪が自力で個性の新たな領域に到達した事をゴジータは心から喜んだ。
そんな笑いながら爆豪の頭を撫で回すゴジータだが、やがて恥ずかしくなったのか、爆豪はゴジータの手を乱暴に振り払うと、不貞寝を決め込みベッドの毛布へと潜っていった。
「さて、そんな頑張ったお前にご褒美をくれてやりたいが………生憎と今はこれくらいしかなくてな」
くるまった毛布の隙間に一枚のカードを差し出す。何かと思い爆豪は何となく受け取ると、次の瞬間ガバリと起き上がった。
輝き煌めく一枚のカード。それは巷でトップクラスの稀少さと価値を示す某カード、オールマイトの衣装を着たゴジータが描かれていたモノだった。しかも、直筆のサイン入り。
目を大きく見開かせる爆豪。そんな少年の如くの反応を示す彼にゴジータは喜んでくれたと認識し、ハッハッハと笑う。
「気に入ってくれたなら幸いだ。………んじゃ、俺は一旦帰るから、お前達は大人しくしておけよー」
そう言いながら病室を後にする。部屋に残された二人、特に緑谷の方はカードをジッと見て動かない幼馴染みに軽く困惑していた。
果たして声を掛けて良いのか迷う緑谷だが……。
「──────シッ」
小さく、ガッツポーズをする爆豪に何だかホッコリした気持ちになった。
「………あぁ? なに人の顔見てニヤニヤしてンだクソデク! ブッ殺すぞ!!」
「理不尽すぎるよかっちゃん!!」
爆発する病室、直後に聞こえてくるナース達の叱責の声が轟くのを聴きながら、ゴジータは出来た時間の潰し方を模索する。
二人が退院し、無事に職場体験を終えても数日は暇な時間が出来てしまう。その間に何をするべきか、少しの間考え込んだゴジータは久し振りに実家への帰省を思い付く。
思い付いたのなら即行動。携帯を取り出しゴジータは登録されている番号に連絡を入れると、数秒足らずに応答があった。
『久し振り甚田。活躍、いつも見てるわよ』
通話越しに聞こえてくる懐かしい声。穏やかで、優しい声音の女性。聞いていて落ち着くその声に耳を傾けながら、ゴジータも自然と笑みが零れた。
「久し振りだ先生。急で悪いんだが………次の週末、そっちに行っても良いか?」
懐かしい
◇
「クソッ! 結局はNo.1の一人勝ちかよ………!」
人気の無い酒場、カウンターテーブルに座る一人の青年は首を掻きむしりながらテレビに映る
先の保須市で暴れた脳無達は軒並み倒され、青年すら知り得なかった喋る黒い脳無達もゴジータによって無力化された。
本当なら
「ステインのクソ野郎、ゴジータを殺す話をしたらいきなり斬りかかって来やがって……次に会ったら必ず殺す。先生も先生だ、あの喋る脳無も結局はゴジータに一蹴されてんじゃねぇか………!」
「死柄木弔、気持ちは分かりますがどうか落ち着いて。そろそろ、志願者の方達が来る時間です」
「あぁ?」
ステインに斬られ、今もまだ治らない事も合わさり更に不機嫌さを増していくが、弔と呼ばれる全身ハンドマンは扉の向こうからやってくる顔ぶれに視線と殺気を向ける。
「おいおい、初対面の人間に向けて良い顔付きじゃねぇだろ」
「あ? 誰だお前。喧嘩を売りに来たのなら良いぜ、買ってやるよ。誰でも良いから殺したい気分なんだ」
「怖いです。本当にこの人が私達のボスなんですか?」
体の半分近くの皮膚が焼け爛れた青年、彼の皮肉混じりの煽りに弔の苛立ちが最高点に達し掛けた時、仲介人らしき一人の男性が笑いながら仲裁に入る。
「おいおいお前ら、折角同じ組織に属するんだからもうちっと愛想よくしてやれよ。そんなんじゃ、No.1ヒーローに勝つことは出来ねぇぞ」
「義爛、この二人が貴方の勧める人材なので?」
「おうよ、男の方は荼毘、女の方は渡我被身子。どちらもイカれたお前らに相応しい人材さ」
「て言うか、お前今No.1ヒーローを倒すっつったか? あのゴジータを?」
「正確には倒すしかねぇって話だ。奴は強い、遠巻きでしか見たことがねぇが………ありゃオールマイト以上のバケモンだ。何せ自由に空を飛べる。あんなのが常に目を光らせていたんじゃ、俺達日陰者はそのうち息をすることすら儘ならなくなる」
義爛と呼ばれた男は語る。オールマイトという規格外のヒーローにより裏社会は縮小し、今ではゴジータというトンチキヒーローがトドメを刺そうとしている。
「俺達にはもう後がねぇ。全てを変える【革命】を行うにしろ、全てをぶっ壊す【崩壊】を起こすにしろ、それを成し遂げるには今まで以上に【力】が必要だ」
「……………」
これは、生存のための戦略、全ての裏を集めて光り輝く平和と希望の象徴を叩くために。
「やるなら、徹底的にだ。頼むぜ敵連合」
一人の闇のブローカーは頼み込む。全ては裏社会でしか生きられない自分達を守るために。
「ゴジータを………殺してくれ」
希望の象徴の抹殺を依頼するのだった。
今回は短めプラス話が進まない。
済まない。本当に済まない。
Q.今回の件で飯田君は入院してないの?
A.入院したのは爆豪君と緑谷君だけ、飯田君はほとんど掠り傷程度だったので入院には至りませんでした。
Q.轟君は結局合流出来なかったの?
A.轟君が駆け付ける頃には全てが終わってたので、今回は省かれた形になりました。でも、ゴジータには会えたので炎を扱うようになった轟君と少し話をしたようです。
「ん? お前、炎を使うようになったのか?」
「あ、えぇ……はい。色々と考えた結果、こうなりました。結局親父の言う通りになってますけど」
「違うだろ。お前が自分の炎を扱うようになったのは、他ならぬお前の意思だ。自分で悩み、自分で出した答えなら、それは間違いなくお前の自身の答えだ」
「────はい」
「ま、でもこれで本当の意味でお前は自分の道を進んだ事になるな。気張れよ、此処からがお前の本当の実力が試される時だ」
「────はい!」
みたいな会話があったり無かったり。
因みに、そんな二人のやり取りを影ながらハンカチ噛みながら嫉妬するファイヤー親父がいたそうな。
※今回の改編での変更点。
1.二人の入院期間。仙豆擬きを食べなかった。
2.かっちゃん、レアカードGET!!
大体こんな感じです。
次回は、ちょっぴりゴジータの過去に触れる予定。