今週のジャンプ、凄かった。
そんなわけで初投稿です。
某所。先のヴィランによる同時多発襲撃事件を経て、件のヴィランである敵連合に関する重要な情報を獲得した警察は、その情報を元にとある作戦を立案し実行する為にヒーロー達を集めることにした。
今、雄英側は合宿先の拠点が襲われた事に関して世論からの追及を受け止める為、急遽謝罪会見を開いており、テレビには引率者であり担任の相澤と赤慈郎の二人が頭を下げる形で映し出されている。
ヒーローとしてヴィランと戦い、生徒を守るために尽力していた二人が糾弾の矢面に立たされている。丁寧に事情を説明するも、メディア側は雄英の不誠実な発言と視聴率の為にあの手この手を使って挑発紛いの質問をしてくる。
此処でも目撃される個性社会の歪み、守られて当然と思い込む人々の醜悪さに目を瞑りながら、後藤甚田ことゴジータは作戦指揮を任されている塚内の言葉に耳を傾ける。
「───それでは、改めて説明させて貰うぞ。現在敵連合の潜伏先と思われる場所は二つ、一つは神野にある今は使われていない廃工場、もう一つは正反対に位置するバー。この二つの何れかが敵連合の拠点だと思われる」
彼から告げられる作戦は至ってシンプル。明らかにされている二つの潜伏先の同時奇襲、これ迄先手を打たれていたのに、今回は此方から打って出ることが出来る。
春から続くヴィラン組織との決着を前に、集められたヒーロー達はそれぞれ気合いを入れているが、約一名程この作戦に懐疑的であった。
「それで? そのヴィラン連合を潰す為に、何故我々まで出向く必要が? 噂の連中を叩くだけなら、そこのNo.1とNo.2に任せればいいのではないか?」
異議を唱えるのはNo.3ヒーロー、エンデヴァー。その問いには僅かな敵意が滲んでいるものの、確かな意図が含まれている。
確かに、敵連合の脅威と厄介さは日に日に増している。今回の作戦は電撃戦、相手に反撃の余地も許さない劇的なモノになり、その為に秘密裏且つ可能な限り多くのヒーローをかき集めたいのも納得がいく。
だが、それでもNo.1とNo.2がいて更に戦力を欲する意味がエンデヴァーには分からなかった。
ゴジータとオールマイト、二人の実力はヒーロー飽和社会と揶揄される現代の中でも頂点に位置する実力者。業腹ではあるものの、その事についてはエンデヴァー自身も認めており、認めているからこそ純粋に疑問に思う。
この二人が参加しているのなら、果たして自分達の必要性はあるのかと。
「────今回の同時多発襲撃、既に何名かのヒーローには察しが付いているかもしれないが、この件には裏社会の闇が大きく関わっている可能性がある」
多少の誤魔化しはあるものの、言葉を選んだ塚内の説得の言葉はエンデヴァー達へすんなりと入っていく。
「ヴィラン自体が裏社会の象徴……という意味ではない。我々警察側は調査の末、今回の騒動は敵連合だけによる犯行ではないと断定している」
「………そういうことか」
塚内の説明に納得した様子のエンデヴァーは、顎に手を添えて頷く。今回の事件は、敵連合という一つの組織だけでなく、多くの裏の組織が暗躍して起きた出来事である。
今回の作戦は謂わば敵連合以外の組織の情報を得る為のモノ、裏で繋がっている組織の規模と内容、それを一度で把握できる絶好の好機。
そのチャンスを掴み取るには、可能な限りヒーロー達の手を借りたい。そう締め括る塚内の言葉に誰も異論を挟むことはなく、作戦の説明は恙無く終了した。
「さて、肝心な組分けだが、“バー”の方にはオールマイトを筆頭にエンデヴァー、シンリンカムイ、グラントリノ、エッジショットを向かわせ」
「廃工場にはゴジータを筆頭にベストジーニスト、ギャングオルカ、虎、そしてMt.レディを宛がわせて貰う。此方には例の脳無が多数潜んでいるだけでなく、囚われたラグドールもいる可能性が高い。充分に気を付けてくれ。────それじゃあ頼むぞヒーロー達! 作戦開始ッ!」
遂に始まった敵連合一網打尽への作戦。塚内の号令を皮切りに、ヒーロー達は急ぎ現場へ急行する。
その最中。
「オールマイト、そっちは任せたぜ」
「あぁ、後輩達に尻拭いをさせてしまっている以上、私も本気でやらせて貰うよ」
現場へ向かうオールマイトに、ゴジータは一言激励を飛ばす。今回のヴィラン襲撃の際、生徒達の無事を確保する為に敢えてヴィランとの戦闘を促したオールマイト。
本来なら糾弾されるべきは自分にあるというのに、もし自分でも同じ判断をしたと、後輩である相澤達に押し切られる形でこの場にきてしまった。
画面の向こうで未だ深々と頭を下げている
速攻でカタを付ける。
「……さて、それじゃあ俺達も行くとしよう。ベストジーニスト、宜しく頼むぜ」
「面制圧なら任せて欲しい。」
エンデヴァーからの軽口も受け流し、ゴジータ達も現場へ向かう。今回で雄英襲撃から続くヴィランによる騒動も終わりにする。身内に手を出され、内心怒り心頭のゴジータに別の意味で心配の視線を向ける塚内。
彼が見つめるNo.1ヒーローの背中はいつも以上に大きく見えた。
◇
「クソッ! なんでこうも思い通りに事が運ばない!」
閑散とした“バー”に苛ついた様子の男の怒号が響く。男の名は死柄木弔、件の騒ぎになっている敵連合の中枢を担い、事実上のリーダーとなっている。
そんな彼の背後に立つのは同じ敵連合に属する面々、義爛という裏社会のブローカーである彼の紹介で集ったアウトロー集団。そんな彼等も癇癪を起こすリーダーの様子にゲンナリとしていた。
「スピナーとマグネは捕まり、生徒達は誰一人捕まえられず、成果は雑魚ヒーロー1人だけ。責めるつもりはねぇが、この結果は少々拍子抜けだぜ」
「嘘吐け! 絶対責めてるだろ! ごめんな、俺達頑張ったんだけどさ……」
「轟焦凍は、もう少し煽れれば上手くいってたと思うんだけどな」
「いや仕方ねぇよ。事前の話ではオールマイトがいるなんて情報はなかったんだ。スピナーとマグネには申し訳無いが、一先ず俺達の無事を喜ぼうぜ」
思いどおりにいかず、企みの悉くが潰されている。何一つ思い通りに行かない現実に業を煮やす死柄木だが、同時に上手く行っていない現実への冷静な分析をする理性が残されていた。
一体何故、此処まで上手く物事が運ばないのか。オールマイトがいたという原因は兎も角、其処に至る経緯に思考を巡らせる。
「………そう言えば黒霧、今雄英には先生が送ったっつースパイがいた筈だよな?」
「はい。話を聞く限りでは……」
「マジで!? そんなのいんの!?」
「じゃあ理由は明白じゃねぇか。ソイツが仕事をしなかった所為で俺達は危うく嵌められ掛けたんじゃねぇか」
黒霧の肯定の一言に、覆面のヴィラン───トゥワイスはシンプルに驚き、荼毘はソイツが今回の失敗の原因だと嘆息を溢す。
今回の襲撃失敗の原因は、そのスパイが事前報告を怠った為。明確な原因が明らかになった事で憤慨する面々に対し、死柄木もまた怒りで震えていた。
「オールマイトといい、ゴジータといい、トップヒーロー様達はつくづく俺の神経を逆撫でしやがる。あぁマジで殺してやりてぇ。粉々にして犬の餌にしてやりてぇよ」
「ねぇねぇ弔君、なんか異能なんちゃらって人達が抗議したいってめっちゃ電話掛けてくるんですけど? オール何とかって人と連絡させろってうるさいんですけど?」
「知るか、切って放置しろ」
同じ敵連合の一人であるトガヒミコの言葉を乱雑に一蹴するが、ヒミコ自身は特に気にすることもなく「はーいわかりましたぁ」とガチャ切りする。
「……ですが死柄木弔、再三に渡る雄英への襲撃によって雄英は嘗てない程に信用を落としています。ヒーロー社会に猜疑心を抱かせるには上々と判断してもいいのでは?」
「────あぁ、そうだな。悪かったよ黒霧、お前らも」
「おっ、珍しく素直、おじさん若者の成長にちょっとウルッて来ちゃった」
「私も絶賛成長期ですよー! この間もバスト測ったら以前よりも………」
「ストォーップ!! トガちゃんダメだから! そういうのは言葉にしちゃダメだから! 後で俺にだけ教えてくれ!」
「────なんか、アイツだけテンション可笑しくね?」
「何でも愛しのデク様に会って感激したんだとよ」
「はぁ?」
相変わらず騒騒しい連中に辟易とする弔だが、実際にそれなりに使えるし、話していて楽しい時もある。
さぁ、次はどんな手でヒーロー社会を追い詰めようか。社会を憎み、ヒーローを憎む男は今日も世界を崩す企みを練ろうとした時……。
「――私がッ!―来たぁぁァ!!」
そのヒーローは、呆気なく訪れた。
◇
神野区、某所。廃工場だったそこは跡形もなく消し飛び、周囲の建物は崩れ大勢の脳無が蔓延っている。
夥しい数の脳無に囲まれ、傷だらけのヒーロー達は身構える。数は劣勢、更にはラグドールと気絶したMt.レディを守りながらの防衛戦というハンデを背負わされたベストジーニストは、それでも怯むことなく悪の軍勢と対峙する。
しかし、そんな逆境の中、彼は微塵も不安を抱くことはない。何故なら………。
「やぁ、初めましてゴジータ。君の事は色々と知っているよ。親無しの孤児、何処の馬の骨とも分からない怪物君」
「そういうお前は、オールマイトから逃げた腰抜けか。尻尾巻いてみっともねぇなぁ、間抜け」
トップヒーローですら尻込みする殺気を放つ悪を前に、最強に頼もしいヒーローが立っているのだから。
短くてすみません。
次回から戦闘開始。果たして神野の運命は!?
今週のジャンプで唐突に思い付いたアンケート。
尚、原作時空の為にゴジータの事は誰も知らないモノとする。
何らかの形でゴジータを原作時空の第二次決戦編に参加させたい?
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参加して諸々ひっくり返すんだよオラァン!
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参加は出来ない。現実は非常である