GWも仕事三昧……。
そんな訳で初投稿です。
「その個性因子は、まるで輝きを失わない宝石の様だった」
仮面を被った脳無の振るう一撃、これ迄の脳無とは明らかに異なる空気を纏う怪物の一撃は、単純な膂力でゴジータを吹き飛ばしてみせた。
相棒のゴジータが吹き飛ばされた事実に目を剥くオールマイトだが、悔しいことに手助けに行くことは出来ない。何故なら、あの脳無を生み出したとされる元凶が、目の前で嗤いながら其処にいるのだから。
「経年劣化しようとも、決して色褪せることのない輝き。しかし、その輝き故か、どれだけ希釈されようとも、決して僕の思う通りにはならなかった。まるで嘗ての君を見ている様だよ、オールマイト」
「AFO、貴様は!」
「憤るなよ、僕だって君のしてきた事には腹を立てているんだぜ? 僕の友人達を悉く潰し、僕の顔だって潰したんだから」
「よく言う! 貴様にとって単なる捨て駒に過ぎない癖に」
猛るオールマイトを前に、余裕を崩さないAFO。オールマイトには分かっていた、どれだけ分厚い鉄の仮面を被ろうとも、目の前の悪意の塊はその下にある笑みを崩さない。
そう、この男は全てに対して嗤っている。人々を悪意で従え、なぶり、己の思いのままに操り、使い潰す。全てが自分の掌の上であり、何もかもが自分の為にあるのだと。
「私は許せない。全てを利用し、壊し、踏みにじる貴様を! 命は、貴様の玩具ではないんだぞ!!」
吼える。拳を握り締め、憤りを隠さないオールマイトは笑う悪意に拳を振り抜く。
「貴様の目論みは此処で断ち切る! 覚悟しろ、AFO!!」
「また僕を殺すかい? オールマイト!!」
斯くして、両者は激突する。
◇
「──────親父?」
テレビに映し出される光景、ヘリから伝えられる神野の惨状に言葉を失う一方、城鐘御幸は一瞬だけ映った映像に思考が停止していた。
見間違いかもしれない。実際に画面は粗かったし、メディア側の安全を配慮して距離もあった事から、城鐘御幸は今目にした人物の顔がただの見間違いだと信じたかった。
だって、あの男が彼処にいるわけがないのだ。母に騙され、自分達を捨て、自暴自棄に姿を消したあの男が、今さら自分達の前に現れる訳がない。
しかし、どんなに否定したくても一瞬だけ目にしたあの人の顔が頭から離れなくて………チラリと横を見れば、顔色を真っ青にした妹が震えながらテレビを見詰めていた。
「………お父さん、なの?」
「っ、レディ、今なんと?」
ボソリと呟いた恵の言葉、偶然耳にしたジェントルが尋ねた事で、事態は明らかになっていく。
今、ゴジータを殴り飛ばして戦っているのは自分達を捨てた実の父親だ。憎くて、嫌いで、関わりたくない。何処か自分達の知らない所で野垂れ死んでいて欲しいとすら思った。
そんな父親が、どういうわけかNo.1ヒーローと戦って─────いや、殺し合いをしている。
ゴジータ………後藤甚田が父に負けるとは思えない。けど、それはつまり、父がゴジータに殺され─────。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ………」
呼吸が浅くなり、心臓の鼓動が早くなる。
『────ごめんな』
(なんで、なんで今こんなこと思い出してるの!? アイツは、あの男は! 私とお兄を捨てたのに!)
────本当に?
脳裏にふと浮かんだ疑問。捨てられた事実ばかりに意識が向いて、大事なモノを見落としている気がする。
果たしてあの時の父は自分達を捨てたのか。もしかしたら、自分達を
待って、待って、待って、待って!!
逸る心臓の鼓動、これ迄の認識が崩れ、足下が崩れる様な感覚。もしかしたら、自分はとんでもない勘違いをしていたのかもしれない。
けれど、それを訂正する事も否定する事も出来ない。堂々巡りの思考に呼吸が出来なくなった所で………。
「大丈夫だよ」
「………先、生?」
そんな時、二人を正気に戻すように普段より強い口調の葵の言葉が二人の耳を叩く。手を握り、意識を此方に引っ張るように手繰り寄せながら、姫野葵は二人にいう。
「大丈夫。大丈夫だよ、貴方達のお父さんは絶対に二人の所に帰ってくる」
「で、でも先生、お父さんが、ゴジータとた、戦って………」
変わり果てた姿。肉体は不自然に膨れ上がって最後に見た時とは明らかに異質。人の手が加えられた怪物と成り果てた父が、ゴジータに襲い掛かっている。
噂の脳無という怪物に改造された父が、No.1ヒーローと戦っている。それは、覆らない事実であり、それは決して避けられない未来。訪れる現実を前に押し潰されそうになる恵だが、そんな彼女を支える様に姫野葵はその手を優しく握り締めた。
「大丈夫、大丈夫よ恵ちゃん。きっと、二人のお父さんは戻ってくるわ。だって………貴方達のお兄ちゃんは、最強のヒーローなんだから」
「先……生ぇ……」
それは、根拠のない自信。しかし、この場にいる誰よりも姫野葵は信じていた。ゴジータ────後藤甚田という男を。
何故なら、彼こそが天下無敵の最強ヒーローなのだから。映し出される画面に映るゴジータ、ヴィランに成り果てた二人の父を相手に防戦一方の彼に、それでも葵は信じて見守り続けていた。
◇
「あ、あぁぁぁ、あぁぁぁァッ!!」
「チッ、本当に見境が失くなってきたな」
既に自我と意識は混濁し、力加減など一切顧みずに彼は暴れ続けた。
眼下に広がる街並、其処に住む人々を巻き込まないように立ち回りながら相手をするゴジータだが、端からみればその様子は防戦一方の様に映った事だろう。
現に、下を見れば此方を心配した面持ちで見上げてくる市民達がいる。ゴジータは大丈夫なのか、No.1ヒーローは負けたりしないよな? 確信から疑惑に変わりつつある市民達の反応にゴジータは内心憤りを感じていた。
けれど、彼等が不安に思うのも無理はない。現に自分は目の前のヴィランが改造された城鐘兄妹の父だと知ってから、一度たりとも此方から手を出してはいないのだから。
果たして自分から手を出して良いものか、
可愛い城鐘兄妹達の父親を助け出すには躊躇してしまう割合。意気揚々と繰り出してダメでしたーなんて、目も当てられない。
だが、このまま防いだり避けたりするのも限界がある。何故なら………。
「◼️◼️◼️◼️◼️ッ!!」
「ッ!?」
このヴィランは学習している。本人の自我や意識とは別に、注ぎ込まれたゴジータの
光がヴィランの手から放たれる。其処に込められたエネルギーの密度は、同系統の技を扱えるゴジータだけが理解できたそれを、躊躇なく下の街に向けて放つ。
数は三つ、加速する光の玉を瞬時に追い付いたゴジータは、それぞれを別方向の空へと打ち返す。
瞬間、夜だった街の空が突然日中に変わる。そう錯覚するほどの光が神野の街を覆い尽くし、人々を混乱の底へ叩き落とした。
やはり、箍が外れている。いや、外されている。本能の赴くままに破壊活動を行うヴィラン、人々の不安を除く為にも、早急にこの暴れまわる怪物を何とかしなくてはならない。
けれど、目の前のヴィランは御幸や恵の父親。改造され、意識も自我も奪われてしまっている彼を、果たして倒す事は出来るのか?
そして、それは二人の唯一の血縁を自分の手で踏みにじるのと同じ。出来るのか? 今の自分に?
その思考の淀みが、ヴィランの付け入る隙となる。ゴジータの個性因子を埋め込まれ、暴走状態となった目の前のヴィランは本能の赴くままに戦う。
振り抜かれた蹴り、咄嗟に受け止めるが今のゴジータに受けきる余裕はなかった。吹き飛び、地に落ちる。
落ちた先で待っていたのは、さっきの廃工場跡地だった。
どうやら戻ってきたらしい。瓦礫を押し退けて立ち上がるゴジータは周囲を見渡すと、事態が既に動きつつある事に気付く。
目を覚ましたらしいMt.レディは、既にボロボロになっているベストジーニストとギャングオルカを庇う様に覆い被さっている。どうやら、偉そうに自分を見下ろしているのっぺらぼうにやられたらしい。
察するに、自分があのヴィランに吹き飛ばされている間、相当事態は進んでしまったらしい。それも、大分悪い方向へ。
気を感じられる事から、まだ二人は生きてはいる。しかし、ゴジータが気に掛けた事はそれだけじゃない。
「………オールマイト?」
更地となった大地に、膝を屈し掛けている男がいた。普段自分達を前にしていた時のようなマッスルフォームではなく、少しばかり縮み、小さくなった八木俊典としての姿。
自慢の二本の触角は垂れ下がり、その顔には絶望が張り付いていた。自分が離れていた間に何があった? 困惑しているゴジータを、今度は空中で佇んでいたのっぺらぼうが嗤いながら声を掛けてくる。
「やぁ、随分と遅かったねぇゴジータ。その様子だと、僕の自慢の傀儡の相手は中々に有意義だったみたいだね」
「────お前、さっきの鉄仮面か。工場地帯みたいな仮面の下はそんな風になってたのか、仮面を被る意味が無いんじゃねぇか?」
「ハハハ、流石は次代のNo.1だ。そこのボロ雑巾よりよほどユーモアに溢れている。でも、強がりは感心しないな、見ていて醜いから」
口元を笑みで歪める黒幕の後ろに、例のヴィランが降り立つ。先程よりも筋肉が膨れ上がり、異形というより怪物のそれに近くなっていた。
「────オールマイトがお前なんぞに遅れを取るとは思えねぇ、何をした?」
「なに、少しばかり真実を語っただけだよ。後で聞いてみるといい、それまでに君が生きていればの話だけどね」
瞬間、側に控えていたヴィランが駆ける。狙いはゴジータではなくオールマイト、虚ろの瞳で命令に従うその姿は、脳無よりも遥かに怪物だった。
迫り来るヴィランの突進をゴジータが受け止める。余波も、衝撃も、何もかもを受け止めるが、ゴジータの纏う服はボロボロに吹き飛んでいく。
軈て上半身が露になり、先の救助活動で傷だらけの姿が世間に見られる。嘗て無いNo.1の姿にテレビを通して目の当たりにしていたすべての人々は息を呑む。
「オールマイト、おい、しっかりしろ!!」
「ゴジータ、私は………私は………」
背後のオールマイトに声を掛けるが、オールマイトは既に折れ掛けていた。肉体ではなく、心が。
嘗ての相棒が見たことがない程に弱っている。当然、この姿の彼も全国に中継されており、人々には大きな衝撃を与えていることだろう。
ふと、ゴジータは空を見た。自分達の上空から少し離れた所からメディアのヘリが飛んでいる。恐らくは彼処から全国に映像が流れているのだろう。
きっと、多くの人々が見ている事だろう。お茶の間で、自分の部屋で、家族と一緒に、あるいは一人で、事の顛末を見守っているのだろう。
ヒーローの卵達も、彼等を見守る教師達も、そして………自分を見守る家族も。
嗚呼、情けない事に、この期に及んで自分は未だ勘違いをしていたらしい。
自分の愚かさに気付いた後藤甚田は、やれやれと笑みを浮かべる。それがのっぺらぼう────AFOには不敵に笑っているように見えた。
「………君、笑っているのかい?」
「あぁ、なんだか今の自分が酷く滑稽に思えて、つい、な」
そう、弟妹達の父親を奪う覚悟やら、秩序を守る為の決断とか、見当違いの事を考えていた。
自分は誰だ? ゴジータだ。天下無敵の最強のヒーローが、突き付けられた選択肢に従うだけか?
答えは────否。
「俺がやるべき事は変わらねぇ。たとえそれがどんな奴が相手で、どんなにその壁が高くとも!」
炎が舞い、稲妻が迸る。湧き上がる力の発露に肉薄していたヴィランは弾き飛ばされ、その迫力にAFOが後退る。
「俺が掴み取るのは、何時だって最高最善の未来だ」
笑う。不敵に、快活に、ゴジータは笑う。
「だから、オールマイト」
「──────」
「俺に────刮目しろ」
歩く。膨れ上がり、既に醜い化け物になりつつあるヴィランを前に、ゴジータは悠然と歩み寄る。無防備とすら思えるゴジータの佇まいに、本能に従う怪物は、振り上げた巨大な拳をゴジータに向けて振り下ろし……。
「遅ぇよ」
しかし、その一撃はゴジータが振り抜かれる拳によって容易く弾かれる。今まで防戦一方だった筈、なのにまるで対抗できていない怪物に、AFOは初めて息を呑んだ。
「さぁ、ガツンといくぜ!」
打つ。拳を、蹴りを、肘を、膝を、ありとあらゆる打撃を目の前のヴィランに叩き込む。目にも映らない連打、軌跡だけを描き、衝撃が夜の暗闇を照らしていく。
ボロボロに破壊される肉体、しかし素体となった人物の個性の影響か、ヴィランの破損された肉体は瞬く間に修復されていく。
「無駄だよ、彼の個性は【修復】。そのヴィランには最早自我など無い。彼を止めるには君の取っておきで完全に消すしかない。さぁ、消してみなよ、その力で! その個性で、君の大事な家族の父親を殺してしまえばいい!!」
高らかに謳うAFO、そんな黒幕の男に対して、ゴジータは何処までも平静だった。
何故なら、ゴジータが見ている未来のヴィジョンは既に違うものを映しているから。
「────仕上げだ」
瞬間、ゴジータは消える。超スピードでヴィランの認識範囲から逸脱したゴジータは、背後からヴィランの後頭部に膝蹴りを叩き込む。
ついで、宙返りをしながらの回し蹴り。振り向き様に顔面に受けてしまったヴィランは物理的にゴジータとの距離を空けてしまう。
地に降りる。その姿はいっそ優雅で、その佇まいは強者の貫禄。そんなゴジータを見てAFOは漸く気付く。怪我を負い、追い詰めたと思っていたNo.1ヒーローは、その実、まるで本気を出していなかったのだと。
ゴジータが左手を、天に掲げる。開き、なにかを求める様に伸ばすゴジータの手にヒーローやヴィラン、画面向こうの市民を問わず全員の視線が集まり……。
それは現れる。
「あれは………なんだ?」
「虹色の、光?」
「────綺麗」
それは、小さな光だった。淡くて小さい、微かな希望の光。虹色に輝くそれを確かに握り締めたゴジータは、改造されたヴィラン────御幸と恵の父へ向き直る。
―ぞわりと、ある筈の無い恐怖に身震いする。怖い、負ける。既に自我など消失しているのに、まるで体が動かない。ゴジータの眼差しに射ぬかれたヴィランは、蛇に睨まれた蛙の如く硬直する。
しかし、それも一瞬。ゴジータの個性因子による闘争本能が、ヴィランを闘争へ誘う。駆ける怪物、腕を引き上げ、渾身の力を込めて拳を振り抜く怪物に、ゴジータは静かに握り締めた光を放り投げる。
直撃。しかし止まらないヴィランの一撃はゴジータの額を確かに捉えた。しかし、ゴジータは揺るがない。
そして………。
「なにッ!?」
ゴジータの放った光を受けたヴィランは、内側から弾け飛んでいく。それは何処か幻想的で、衝撃的だった。
光が収まり、ヴィランは光と共に崩壊していく。あとに残されたのは、一般の男性。草臥れていて、けれど努力家の
力尽き、倒れるその男をゴジータは優しく受け止め……。
「───少しは、近付けたかな」
確かに感じられる鼓動に、ゴジータは笑みが溢れた。
◇
「─────」
その光景に、言葉を失う。正気を失い、自我を失っていた筈のヴィランに改造された男性は、まるで何事も無いように眠っている。
意識を失っている男性―彼をMt.レディに預けると、ゴジータは改めてAFOに向き直る。傷だらけで、血を流し、それでも尚立ち続けているゴジータにオールマイトは確かなヒーロー像を目の当たりにした。
それに引き換え、自分はどうだ? AFOの戯言に踊らされ、先代の孫がヴィランに仕立て上げられていた事実に心が折れ、無惨に
これが、平和の象徴の末路か。なんと滑稽、なんと無様。AFOが自分の事を侮蔑するのも、オールマイトには否定できなかった。
けれど………。
(こんな私を応援してくれる人がいる。勝ってくれと叫んでいる人がいる)
遠くから聞こえてくる声、それが遠くから現状を見ている人々の言葉なのだと、オールマイトは知った。
勝てと、立ってくれと、自分の勝利を願い、祈り、声援を送ってくれる人達がいる。
─────情けない。この期に及んで、自分はまた忘れてしまっていた。
『────どうしても辛い時があったら、お前の
大事なこと。当たり前で、だけど難しい師の言葉。
立たなければ。たとえOFAが使えなくとも此処にいる以上――自分はオールマイトなのだ。
力の入らない膝を叩き、立ち上がろうとする。そんな彼の前に、一羽の小鳥が落ちた。
恐らく、自分とAFOによる戦いの余波で被害を受けた動物なのだろう。小さく痙攣し、ただ死を待つだけとなったその小鳥を、オールマイトは両手で包み込んだ。
「済まない。ゴジータ、グラントリノ、ナイトアイ」
自分は、多くの人達に支えられてきた。支えられ、助けられ、四苦八苦としながらそれでも平和の象徴は戦ってこられた。
今の自分は、もう無個性の人間と何ら変わり無い。しかし―それでも………!
『無個性でも、貴方のようなヒーローになれますか!?』
その答えに報いる為に────。
「うぉぉぉあぁぁぁぁっ!!」
オールマイトは立ち上がる。吼えて、叫んで、雄叫びをあげるオールマイトに人々はギョッと目を見開いた。
「………へぇ」
初めて見せるオールマイトの奇行にAFOすら戸惑うなか、ゴジータは感心したように笑みを浮かべた。
「オールマイト、このタイミングでモノにしやがったか。流石はナチュラルボーンヒーロー」
相変わらず、オールマイトの体躯は縮んだまま。以前のような筋骨粒々とした姿はなく、その姿は中肉中背の一般市民そのもの。
しかし、その触角は逆立っていた。強く、逞しく、天に向かって突き立つ二本の触角。
手にしていた小鳥を空へ翳す。すると鳥は一瞬光に包まれると、元気に空へと羽ばたいていく。
「───なんだ、その変わり様は?」
唖然とするAFO。何もかもを知り、何もかもを知っているつもりでいた怪物は、オールマイトの翡翠の眼光に射ぬかれて、無意識に後退る。
しかし、そんな黒幕の言葉に耳を貸さず、オールマイトはゴジータの隣まで歩み寄る。白い炎を身に纏い、力強い足取りで平和の象徴は大地に立つ。
「もういいのか? 俺が片付けるまで、休んでても良かったんだぜ?」
「そうはいかないさ、奴との因縁は私が断つ。こればかりはゴジータ、君にも譲れないよ」
「上等、なら早い者勝ちだな」
大胆に、不敵に、二人のヒーローは笑い合う。
「────何者だ」
AFOは知らない。ゴジータしか持ち得ない筈の炎、彼の個性でしか知り得ない力が―何故かオールマイトにも伝播している。
目の前にいるのは、本当にオールマイトなのか? 咄嗟に口から出てきた言葉に対して───。
「とっくにご存知なんだろ?」
「私達はヒーロー、人々の確かな祈りを聞き、絶望を前に尚足掻く者─────そして!」
「「貴様を倒す者だ!!」」
おぞましき悪意を前に、二人のヒーローが並び立つ。
次回、SMASH
神野「い、今からでも入れる保険は!?」
保険屋さん「ないです」
Q,見た目はボロボロになりながらも、精神的に追い詰められようとも、それでも不敵に笑って立ち上がる二人のヒーローを目の当たりにしたNo.3の心境を述べよ。
A,「」