超なオイラのヒーロー記録【完結】   作:アゴン

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今回のヒロアカ、良かったッス。

そんな訳で初投稿です。


記録55

 

 

 

 ヒーロー委員会の上層部から、正式な依頼を受けたゴジータはヒーローの卵である生徒達の必殺技開発の協力をする事になった。

 

これからの社会、世論への対策に備えて今から行うのは若い世代のヒーローに対する戦力の底上げ。今のヒーロー飽和社会に微かな疑念を抱いていたゴジータこと後藤甚田は、公安からの依頼の意図を何となく理解し、二つ返事で了承した。

 

 そして現在、今のところ一番勢いのある母校の雄英に訪れたゴジータは、そこでヒーロー科の生徒達にそれぞれ必殺技を伝授した。

 

それぞれの個性にあったやり方、或いはその補助や延長。意識の拡張など、様々な手法で生徒達の必殺技を編み出した。

 

そうして時間はあっという間に過ぎ、一年A組の時間が終わりを迎える頃、喰い気味にやって来たのはB組のクラス担任、ブラドキング先生だった。

 

「さぁ! 次は我々B組の出番だ。A組は大人しく場所を明け渡すが良い!!」

 

「……なんかブラド先生、気合い入ってね? あんなに入れ込む人だったか?」

 

「今年のB組も中々見込みのある奴が多いからな。そいつらの為にも、色々と考えているんだろうよ」

 

「へー、相澤先生も何だかんだ優しい所あるし、やっぱ教師もある程度やってると似てくるモノかな」

 

「余計な事は言わんでいい。……んじゃ、俺達は撤収するから、引き続き頼むな」

 

「へーい」

 

 生徒達を連れて、施設を後にするA組。入れ替わるようにやって来たブラドキングとB組の生徒達に目配りすると、ブラドキングは大きな声をかける。

 

「いいか! 此処でお前達には自分独自の必殺技を編み出して貰う事になる。此処で生み出した必殺技は何れお前達の支えになり、ひいてはそれが社会を支える一因になる!」

 

「今回、特別ゲストとしてNo.1ヒーローに来て貰っている。ドシドシ質問して、自分の可能性を磨き出せ! 目指すは全員仮免試験合格! 気を引き締めろよ!」

 

「「「はい! ブラド先生!!」」」

 

 担任の激励に応え、溌剌とした返事で返すB組一同。思っていたより熱くなっていた彼等に若干戸惑うも、やる気がないよりは遥かにマシ。

 

 それぞれ自分の個性を把握、認識する為に散開する生徒達。そんな彼等を見守るゴジータの下へ早速一人目の生徒がやって来た。

 

「ゴジータ、先ずは自分から宜しくお願いします」

 

「お前は……あぁ、名前の響きが面白いから覚えているぞ。庄田二連撃だったよな?」

 

「は、はい! 覚えててくれて恐縮です」

 

 最初の一人は庄田二連撃という妙に耳に残った名前の生徒だった。他の生徒よりふくよかな少年は、しかして中々に動ける事をゴジータは知っていた。

 

「体育祭前の時、尾白並みに動けていた事もあったからな。それで、お前は自分の個性で何を成し遂げたい?」

 

「僕の個性は“ツインインパクト”。一度触れた対象に解放(ファイア)と掛け声を発すれば、二度目に数倍の威力の衝撃が襲ってきます」

 

「ほう、普通に応用性の高そうな個性だな」

 

「はい。でも、それだけじゃダメなんだと思うんです」

 

 庄田の個性はその性質から、多種多様な状況に対応できる可能性を秘めている。地力が上がればそれだけ二度目の威力も底上げされるし、使い方次第では救助活動にだって重宝されるかもしれない。

 

けれど、それだけではダメだと彼は言う。人を助けるのも大事、それは庄田も理解しているし、ヒーローの本質的にはそちらの方があっている。

 

それでも、庄田は力を求めた。誰かを助ける力としてだけでなく、時には脅威を打ち倒す力も必要なのだと。拳を握り締め、見上げてくる庄田にゴジータはやれやれと肩を竦めて……。

 

「やれやれ、真面目と言うかなんというか………良いだろ。それなら俺からお前に一つ面白い技を教えてやる。セメントス先生!」

 

「今度はなにー?」

 

「もう一個コンクリの塊を出してくれ。丸くて大きめのを幾つか!」

 

「はいよー」

 

 ゴジータからの要請に応え、セメントスがコンクリートを操る。うねりを上げて出来上がった複数のそれは、ゴジータの注文通り綺麗な球体になっていた。

 

「よし、先ずは俺が手本と例題をみせてやる。先ずはコイツを普通に殴ってみるぞ」

 

 見てろよ。そう言いながらゴジータは拳を振るうと、一個目のコンクリが砕かれた。相変わらず凄い力だと、コンクリートの塊を簡単に破壊するゴジータの腕力に改めて庄田を含めた周囲の生徒達は息を呑んだ。

 

「そんで、次がこれ」

 

 だが、庄田が真に驚いたのは次の瞬間だった。振り抜かれるゴジータの動作は同じ、端から見ればさっきの焼き増しだと言うのに、砕かれて出来た筈の破片が砂になっていた。

 

先の時とは明らかに違う。さらさらと地面に落ちるコンクリだったモノの残骸に言葉を失っていると……。

 

「庄田、お前も聞いたことはあるだろ? 物質ってのは分子同士の繋がりで出来ているって」

 

「は、はい」

 

「モノを砕くってのは、その外から加えられる衝撃で物体を分解するって事だ。今のはそれを更に先へ突き詰めた状態、分解された分子を続く第二の衝撃でより細かく分解した現象だ」

 

「こ、こんな芸当が僕に出来るのでしょうか?」

 

「寧ろお前の個性だから出来る。いや、出来なきゃお話にならない。難易度はお察しの通り高めだが、これを使いこなしたら、お前は対ヴィラン戦に於いて一つのキーマンに成り得る」

 

 ゴジータの教える技、それは理論上で言えば如何なる硬い物質も砕けるという優れもの。どんなに硬く、柔らかく、剛毛の毛皮で覆われていようとも、二度目の衝撃が相手を粉砕する。

 

 難易度は高め、ゴジータが言う通りかなり難しそうではあるが、自分の個性なら短期間の習得も可能。目の前で起きた現象が如何に非常識なのかは、理解力のある庄田自身が承知している。

 

それでも、これを極めて使いこなせば、自分はヒーローとして一段上のステージへ立てる。なら、後は実践あるのみ。

 

「だが、生憎とこれには既にちゃんとした技名があってな、お前も使う時はそれで通しておけ」

 

「は、はい! それで、その技の名称は?」

 

 柄にもなくワクワクしている。目を輝かせて訊ねてくる庄田にゴジータは不敵な笑みを浮かべ……。

 

「【二重の極み】」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、つっかれたぁ!」

 

「お疲れ、甚兄ぃ」

 

 母校の生徒達を相手に数時間、幾度となく必殺技に関するアドバイスを続け、漸く解放された頃には既に辺りは暗くなり始めていた。

 

そろそろ秋も終わり、冬も本格化し始める季節、外気の気温もあって久々に精神的に疲れた様子で帰ってきた兄貴分を御幸が出迎えた。

 

「はいこれ、ココア」

 

「お、悪いな。ちょうど甘いものが欲しかったんだ」

 

 気の利いた弟分に感謝しながら受け取ると、一口だけ口に含む。ほんのりとした甘さが口の中に広がっていき、疲れた体に浸透していく。

 

「そろそろ、二人の学校も再開するんだよな?」

 

「あぁ、授業自体はモニター越しで参加していたから大丈夫だけど、やっぱり学校に愛着がある生徒も多くてさ、来週から再開するってさ」

 

「御幸、言うまでもないだろうが……」

 

「分かってる。万が一があれば、甚兄ぃから貰ったこれを使わせて貰うさ」

 

 来週から学園が再開されると知り、ゴジータの頭に過るのは御幸と恵の学園生活の事。今やゴジータは存在そのものが対ヴィランの抑止力になりつつなっている。

 

先の一件で御幸と恵がゴジータの身内である事が露見され、No.1ヒーローの身内の安全面を考慮した公安から口外しないように強く言い含められているものの、好奇の視線までは止まる事はない。

 

 更にはバカな事を考える過激な奴が、いつまた二人を狙ってくるか分からない。学園の再開に伴って二人の学園生活を心配したゴジータこと甚田は、二人ないし星の都の全員にあるものを手渡した。

 

見た目はただのバッジ。それは雄英のサポート科、その主任であるパワーローダーに頼んで作って貰った作品。端的に言えば防犯ブザーであり、発信器である。サイズは制服のボタン並みで、身に付けたモノの状態をホストに伝える優れものである。

 

 一度身に付けた持ち主を登録し、それを外した状態で10m以上離れたら、ゴジータの携帯に連絡が届くように細工されており、使用時には握り締めるだけで作動する優れもの。

 

近い将来、ヒーローの身内に対する安全対策として委員会に提出し、正式な防犯グッズとして世に出す予定である。

 

 しかし、それでも懸念に思う所はあるわけで……。

 

「本当なら、俺が二人の送迎をしても良かったんだがな」

 

「流石にそれは悪いし、何より悪目立ちが過ぎるってもう何回も言ってるだろ?」

 

 自分の身内にゴジータ(No.1ヒーロー)がいる。既にその噂は学園中に浸透しており、同時に二人が施設の人間であることも知られてしまっている。

 

そこに万が一二人の実父がヴィランに改造されてゴジータと戦わされたと知られてしまえば、世間の追及はより激しくなる事だろう。それが悪意のあるものならば、二人の心労は計り知れない。

 

だから甚田は二人の送迎を言い出したのだ。そうすればゴジータが二人の身内であることを証明していると同時に、御幸と恵が自身にとって大事な存在であることを示す事にも繋がる。

 

これからの二人の学園生活、何れにせよこれ迄通りには行かないと言うのは明らかだと思えたから。

 

 しかし、それでも御幸は固辞する。

 

「大丈夫さ。いざって時は本当に呼ぶし、何より俺は学園の生徒の長。自分の居場所くらい自分で守るさ」

 

「───そうか、強くなったな。御幸」

 

「No.1ヒーローに言われてもな」

 

 甚田からの心からの称賛を、御幸は苦笑いを浮かべて受け止める。

 

 もうすぐ甚田の家での共同生活も終わる。それぞれ元の生活に戻る為、自分達のやるべき事を見つめなおし、新たに明日を迎える。

 

そんな一回り逞しくなった弟分に甚田も気持ちを入れ換える。

 

「なら、俺は自分のやることを進めておくかな。明日は士傑の方へ行かなきゃ行けないし」

 

「なら、もう休んだ方がいいな。お休み甚兄」

 

「おぉ、お休み………と、誰だ? オールマイト?」

 

 用意された寝室へ戻る御幸を尻目に、甚田も就寝しようとソファーから立ち上がると、ふとテーブルの上に置いた携帯が震え出した。

 

こんな夜更けに誰からだ? 手にした携帯画面を見ると、映し出されている名前はオールマイトだった。

 

「もしもし、どうしたオールマイト? こんな夜更けに」

 

『夜分遅く済まないゴジータ、実は君に頼みたいことがあって』

 

「おう、俺に出来ることなら協力するぞ」

 

『───実は、近い内に君にタルタロスへの同行を頼みたい。奴に、AFOに可能な限り情報を吐かせたいんだ』

 

 どうやら、この因縁はもう少し続くようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 眩しい。その景色に、その光景に、その情景に、エンデヴァーは心が燃えた。

 

燃えて、燃えて、燃え尽き掛けて、それでも焦がれて止まない情景。

 

一体、自分は何をしてきたのか。伴侶を追い詰め、家族を追い詰め、息子を殺し(・・・・・)、その果てに一体何を掴もうと言うのか。

 

「俺は……俺は………」

 

 No.3、フレイムヒーロー“エンデヴァー”。

 

後にNo.2に返り咲くその男は、あの日目の当たりにした光景に、遂に膝を折ってしまっていた。

 

 あの日から、逃げるようにヒーロー活動を続け、休みの日は現実から背けるように自室に籠る。そんな日々を続けていたある日、閉ざされた扉は一人の息子の手によって開かれる。

 

「親父! おい、くそ親父!!」

 

「夏雄?」

 

「いつまで打ちのめされてんだクソ野郎! 姉ちゃんが、冬美姉ちゃんがヴィランに襲われてんだよ!」

 

「ッ!?」

 

 見れば、テレビの向こうにヴィランらしき男の腕の中で踠いている娘が映し出されていた。何をやっているんだと自身を罵倒し、非番でも関係ないと、個性をフル活用させて飛び出していく。

 

 ここからならそう時間は掛からない。急ぎ現場まで急行しようとした時。

 

頭上を奔る黄金の炎がエンデヴァーを抜き去っていた。

 

 瞬間、ヴィランは殴り飛ばされ、人質にされていた女性の体が宙に放り出されるが。

 

それを黄金の炎───超と化したゴジータが受け止める。

 

「ったく、最近ヴィランどもが大人しくなったかと思ったら、油断も隙もねぇな」

 

「あ、あの───」

 

「っと、悪いな。年頃の女性をいつまでも抱えて、すぐに下ろして────アンタは」

 

「あ、あはは。ど、どうも……」

 

 どうやら、娘とゴジータは知り合いだったらしい。ゴジータの腕の中で、照れ臭そうに頬を赤くしている娘に、エンデヴァーは顔から滑り落ちた。

 

 

 

 

 





次回、突撃! 隣の轟さん!




オマケ。

こそこそヒロアカ裏話。

実はヒーローランキングには公式のモノとは別に非公式のランキングが存在している模様。

その名もセンシティブランキング。最もエッッッッなヒーローのランキングである。

一位は脇見せエンデヴァー。

二位は太腿ムチムチオールマイト。

三位は胸元ガン開きゴジータ。

奇しくも、公式のランキングとは逆転しており、投票者(主に女性、女性ヒーローも含む)達の間で壮絶なレスバ合戦を繰り広げている模様。


※尚、このランキングの存在は男性陣には知られていないものとする。

 因みに、四位以下はホークス、エッジショット、ベストジーニストで熾烈な争いが繰り広げられていたが、そこへ新たにシンリンカムイが加わっている。





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