超なオイラのヒーロー記録【完結】   作:アゴン

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呼符や単発で☆5サーヴァントが来てくれると、「コイツ、自分の事好きなのでは?」と思う童貞臭いマスターは自分だけではない筈。

そんな訳で初投稿です。


記録59

 

 

 

 仮免試験。それはヒーローを志す有精卵達にとって避けては通れない登竜門。毎年、全国にある学校のヒーロー科に属する生徒達が挙って挑むヒーロー試験。

 

これに合格すれば条件下での個性使用が許可され、誰もが憧れるヒーローという業界に一歩踏み込む事が出来る。そんな、誰しもが意気込みを露にしている中、とある試験会場はこれ迄とは違う空気を醸し出していた。

 

「お、おいアイツって確か……」

 

「あぁ、間違いねぇ。ジェントルだ。ジェントル=クリミナル」

 

「本当に仮免試験に参加するんだ」

 

 試験会場の前に降り立った人物。嘗ては自らを義賊と称し、自らの行いをネットを通じて世間に問い掛けていた者。No.1ヒーローであるゴジータに目を付けられ、今ではすっかりドンマイコールが似合うようになった伊達男。

 

飛田弾柔郞、またの名をジェントル=クリミナル。今日の為に飛びっきりの紅茶をキメてきた男は、集まる視線を前に若干及び腰になっていた。

 

「───遂にこの日が来たか。私が飛躍する時が」

 

「きゃー! 待ってたわよジェントル! あの鬼畜ヒーローに苛められること数ヶ月、遂に報われる時が来たのよ!」

 

 念入りに整えた髭を弄りながら会場を見上げる。ヒーローを目指しておきながら、一度は挫折した自分が、遂にこの日を迎えた。複雑な様で、同時に何処か満たされている感覚。色々と不思議な気持ちで胸が一杯なのに、嫌ではない。そんな不思議な気持ちで浸っていると、後ろから声が掛けられる。

 

「よー飛田、なにこんな所でノスタルジックに浸ってんだよ、まだ試験は始まってもいないんだぞ」

 

呆れながらも、親しげに話し掛けてくるのは今日まで自分を鍛えてくれたNo.1ヒーロー。世間に後ろ指を指されている自分を、公安と取引を持ち掛けながら押し倒し、時には他のトップヒーロー達を巻き込んで世間に証明するのを手伝ってくれた恩人。

 

 自身のヒーローとしての仕事をこなしながら、それでも自分の指導を止めなかったゴジータに、ジェントルは改めて礼を口にした。

 

「……ありがとう、私が此処までこれたのも偏に貴方のお陰だ」

 

「だぁーかぁーらぁー、礼を言うのはまだ早いっての。それとも、もう受かった気でいんのか?」

 

頭を下げてくるジェントルに真面目なやつだと思いながらも、決してそれは口にせず、敢えてゴジータは周囲に挑発する形を取った。

 

「え? ………そりゃあ、ゴジータの指導を今日まで受けてきたのだから、合格するのは当然なのでは?」

 

「ジェントル?」

 

 瞬間、周囲の空気は凍り付く。ゴジータの意味深な言葉を、バカ正直に応えてしまったジェントルは自身の失言に気付かずに口にしてしまう。

 

 流石のゴジータもこの言葉には予想していなかったのか、あっけらかんとした様子のジェントルについ噴き出してしまった。

 

「プッククク……そうか。当然か。そいつは失礼したな。なら、俺の指導を受けたジェントル君はたかが学生程度に遅れはとらないと、そう言うんだな?」

 

「まぁ、先日は色々あったし。私もそれなりに修羅場を潜っている。教科書通りでしか動けない学生達と比べるのは………少々酷なのではないか?」

 

「ジェントルー!?」

 

 ジェントルは、何も適当に言葉を口にしている訳ではない。仮免試験が始まる今日までジェントルという男は死ぬ気でゴジータの扱きに付いていった。朝から晩まで常に汗と泥にまみれ、個性と自己研鑽の鍛練に明け暮れ、ゴジータとの組手の時はそれ以上の覚悟で望んでいった。

 

 倒され、倒され、倒され続けてきた日々。常に向こう側へ至る事を強制されてきたジェントルは第三者から見ても色々とアレに見えただろう。

 

そんな地獄を潜り抜けてきたジェントルはさも当然の様にそう口にする。彼の口から出るのは嫌味の類いではない、正真正銘客観的な真実なのだ。

 

そんなジェントルを見て、彼の肩に腕を回しながらゴジータは言う。

 

「さて、そんなジェントル君の鼻っ柱を是非へし折ってやりたい人は試験中いつでも掛かってくるといい。コイツは曲がりなりにも俺の扱きを耐えてきた人間だ。多少の無茶は対応できる………だから」

 

“思う存分、仕掛けるといい”

 

 そう笑い、会場へ足を向ける。途端に突き刺さる視線に気付いたジェントルは、此処に来て漸く己の失言を理解した。

 

青ざめ、脚が震えるも今更言葉を覆す訳にもいかず、この日ジェントルは虚勢を張ったまま試験に挑む事になった。

 

「────どうでもいいけどなゴジータ、お前ちゃんと後で金返せよ」

 

「あ、はいすみません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『─────えー、それでは試験を始める前に辺り、幾つか皆さんに話して置きたい事があります』

 

 仮免試験会場。各々のヒーロースーツに着替え、試験開始を待つ生徒達の顔には不安と自信で入り混じった感情が張り付いていた。

 

これから始まる生徒の試練。それを前に緊張感を増している彼等を、観客席から見守る三つの影があった。

 

一人はMs.ジョーク、もう一人はイレイザーヘッド、そして最後がゴジータである。

 

「───さてジョークさん、アンタの所の生徒さん達はあれから元気にしていたか?」

 

「あはは! お陰様でピンピンしてるよ! 特に真堂なんかはアンタから薫陶を受けてからバリバリに気合い入っててさ、何気に今日を楽しみにしてたんだよ」

 

「そりゃあよかった。アイツの個性の使い方には気になっていたからな、その分だとある程度矯正出来たみたいだな」

 

「そうそう! んで、そんな真堂に触発されてうちの子はみんなやる気に満ちているって訳! イレイザー、そうなるとアンタの所の子でも危ないんじゃない?」

 

「それは良かった。何の障害もなく合格したんでは張り合いが足りん。是非とも健闘して欲しい」

 

 笑みを浮かべながらのジョークからの煽りに、イレイザーは皮肉三割ましで返していく。相変わらずな奴だなと、ジョークは大して気にした様子もなく笑って流していた。

 

「でも、アンタも無茶振りされたなぁゴジータ。仮免試験受ける生徒全員って、普通に百人単位だろ? 良く全国回れたもんだな」

 

「いや、割かし楽しかったぞ。色んな個性を持つ奴が見られて」

 

「その中で特に気になる奴とかいるのかい?」

 

「───おい、試験開始前だぞ」

 

 仮にもNo.1ヒーローが、特定の生徒一人を贔屓にするのは褒められた行為ではない。イレイザーはジョークを諌めるが、ジョーク本人もその事は理解している。

 

あくまで雑談程度、これ迄多くの個性を持つヒーローの卵達を見てきたゴジータの見解を聞きたいと言うジョークの興味。

 

別に其処までマジの考察が聞きたい訳じゃない。そんなジョークの思惑とは別に、ゴジータは真面目に語り出す。

 

「そうだな。みんな極めたり他者との組み合わせ次第では一線級のヒーローに至れる可能性の塊ばかりだが、それでも目立つ奴がいるとすれば………」

 

 視線を送るのは帽子を被った少年、目付きは鋭くてガタイも大きくて顔付きも厳ついが、ヒーローに相応しい暑っ苦しい気持ちを持った気持ちのよい奴。

 

その生徒の名は夜嵐イナサ。【旋風】という個性を持つ風を操る少年。彼もまたゴジータの薫陶を受け、個性の扱いに磨きを掛ける成長途中の段階。あの風小僧がどんな成長を遂げたのか、それも楽しみの一つにしながら、ゴジータは今回見学に徹するのだった。

 

「───て言うか、アイツさっきから震えすぎじゃね? バイブレーションかっての」

 

「あぁ? まだ試験始まっていないのにそんなブルってる奴いんの? おいおい勘弁してくれよ、どこのどいつだ? そんな緊張感丸出しな小心者は」

 

「お前の弟子だけどな…震えてるの」

 

 青ざめ、プルプル震えているジェントルにゴジータはズルルと席から滑り落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────負けないっスよ」

 

 少年の目の奥で火が燃え滾る。今回この会場にて、No.1ヒーローが直に見に来ている。短期間とは言え自分達と真摯に向き合い、鍛練に付き合って貰った生徒達は下手な所は見せられないと、闘争心に火を灯す。

 

けれど少年……夜嵐イナサが燃える理由はそれだけじゃない。彼の視線の先にいるのは白と赤に分かたれた一人の少年。

 

アイツにだけは負けない。その気持ちを胸に抱き、夜嵐イナサは戦場と化した会場を個性で駆ける。

 

 今回の仮免の第一試験は勝ち抜き制、自分の持つ六つのボールを相手の体に取り付けられた三つのターゲットに当てる。三つ当てられた者は脱落となり、二人倒した者は勝ち抜くというシンプルなモノ。

 

自分の個性を駆使すれば、負ける事はない。そうたかを括って一目散に空へと掛けた次の瞬間………。

 

「なっ!?」

 

 突如、イナサは見えない壁に阻まれる。弾力性のある見えない壁に弾かれながら地に落下すると、同時に自身の耳に嫌な音が鳴り響く。

 

即ち、ターゲットの発光音。自分にボールが当てられたのだと、驚愕しながら理解するイナサは慌てて辺りを見渡して……。

 

「───やれやれ、まさか此処へ来てヒーローになること以外で闘志を燃やす少年がいるとはね」

 

「………アンタは」

 

 愛用の櫛で髪を整えながら、悠々と目の前に現れるその男にイナサの視線は釘付けになる。

 

『───えー、まずは一名脱落』

 

「うそだろ、速すぎだろ!?」

 

「何だよ今のジグザクな動き!?」

 

 開始からまだ10分も経っていない時間、既に一名の脱落者を出した男は周囲の目の色を変えさせる。

 

開始早々から会場の視線を集めるその男は………。

 

「私はジェントル。若きヒーローの目を醒まさせる、ただのお節介な紳士さ」

 

何処までも、紳士的(ジェントル)だった。

 

 

 










オマケ。


オールスター編。




それはハロウィンの日。渋谷にてそれは起きた。


とある勢力による日本への攻撃。呪いという力を以て、人々に仇なす呪霊と、それに与する者達による無差別な殺戮行為。

ヒーローという一般人から毛の生えた程度の者では、到底太刀打ちできない災害を前に、呪術師達がその身を犠牲にしながら立ち向かおうとした時……。


「よっと、大丈夫かお前、危なかったなー」

「あ、アンタは?」

「俺か? 俺はモンキー・D・ルフィ、No.1ヒーローになる男だ」

「も、もしかして五条が言ってた援軍って……」

「ん? お前、サトルの事知ってんのか? なら連れてってくれよ。アイツ渋谷に来いって言ってそれっきりだからよー。えっと………」

「パンダッス」

「分かった。パンダスだな!」

「パンダだよ!! 見た目で分かれよ!!」

太陽の神の力を宿した青年が、笑いながら呪いを祓い。

「へー、コイツが領域って奴か。五条のモノ以外で見るのは初めてだってばよ」

「お、おいアンタ! 其処にいたら危ないぞ!」

「お、お前が五条の教え子の伏黒って奴だな。ちっと待ってろ。先ずはコイツを片付けるのが先だってばよ」

 火影の意志を持つ忍が君臨し。


「───ったく、ボーっとしてんじゃねぇよ五条」

「おー、来てくれたんだ一護。相変わらず早い早い」

「るせー、嫌味かっての。んで、アイツが黒幕か?」

「────多分ね」

「………おいおい、何でこんな呪いの場にトップヒーロー達がいるんだよ」

「そりゃ僕の友達だもん。僕の呼び掛けに来てくれるのは当然さ」

「良く言うぜ、人の待ち合わせにはいつも遅刻してくる癖に」

「でも、それでも一護は来てくれた。ルフィも、ナルトも。いやぁ、僕ってば愛されてるなぁ」

「うっぜぇ」

「んで? アイツは?」

「あぁ?」

「アイツだよ、僕達のリーダー、天下無敵の番外ヒーロー様はどうしたの?」

「あぁ、アイツは………」

死神の青年は、最強の呪術師と共に元凶と相対し。








渋谷、地下。

「やれやれ、五条がいきなり渋谷に来いなんて言うから、どんなサプライズが待ってるのかと思えば、なんかギャル二人が危ない目に遭ってるとか、昨今のハロウィンは怖いな」

「………なんだお前は?」

「お前こそ誰だよ」

 誰もが認める最強(ゴジータ)が、呪いの王(宿儺)と対峙していた。
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