超なオイラのヒーロー記録【完結】   作:アゴン

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FGO八周年、おめでとうございます!

ブルアカ2.5周年、おめでとうございます!

              

そんな訳で初投稿です


記録63

 

 

 

 

 それから少しして、仮免試験における二次試験は無事に開催された。内容は災害時に於ける救助とその際に起きる二次災害、及び対ヴィランへの対処を想定した試験。

 

プロですら対応に悩むその試験内容に、観戦していたイレイザーヘッドやMs.ジョークが唸る中、ゴジータは懐かしそうに試験の様子を眺めていた。

 

「うわぁ~、ヴィラン役にギャングオルカを起用するのかよ。こりゃあ今年の試験はキツいぞぉ~」

 

「プロですら二の足を踏む内容だ。ヒヨッコ共、動揺してなきゃいいが………」

 

(───まさか、当時の俺の試験をそのまま使うとはなぁ)

 

 当時、色々と自分を追い込んでいた頃、仮免試験を暇潰し程度にしか捉えていなかった自分には、この試験には少々考えさせられた。

 

人を守り、助ける事。ヴィランを倒し、被害を抑える事。一人の人間に求められる許容量を遥かに超えたそのマルチタスクには流石のゴジータも肝が冷えた。

 

 災害時という限られた時間の中、リアルタイムで同時進行にこなさなければならない状況で、ヴィランを優先して叩くのは悪手である事であり、災害時の状況は時間こそが最大のヴィランであるという事も学んだ。

 

 人を助けて救うのはヴィランを倒す事よりも難しい。目の前で起きている試験内容を一人で(・・・)対応させられたゴジータにとって、今も記憶に色濃く残る内容となっている。

 

時間と共に悪化していく災害時の状況、統率の取れたヴィランへの対応、大きく二つに分けて求められる行動への最適解。これを当時学生だったゴジータは半ば自棄糞気味に答えを出した。

 

 災害とヴィラン、その二つに対しての答えは────速さ。何て事ない、純粋な速さであった。

 

災害への対処も、ヴィランへの対応も、全てパワー&スピードを以てしてのゴリ押しである。まぁ、其処には当然それなりの技術も求められるから、ゴリ押しと言うのは少し違うかもしれないが………。

 

(て言うか、これだけの難易度を要求するって事は、公安達もオールマイト不在の危機感を感じているって事か)

 

 或いは今回の試験を今後のヒーロー社会に対する布石の一つとするか。何れにせよ、ただヒーローに縋るだけでなく、社会全体で見直すという試みはゴジータとしても文句はなかった。

 

「お、噂のジェントル君、ヴィラン役のギャングオルカの攻撃を防ぎながら市民を守ってる」

 

 そんな中、Ms.ジョークの一言でゴジータの意識は試験会場へ向けられる。既に試験は中盤を超えて終盤に差し掛かり、ヴィラン役のギャングオルカの迫真な演技も重なり、試験会場は中々ハードな展開を見せている。

 

単独ではなく群を用いてのヴィランの侵攻、当然ヒーロー側である生徒達には動揺の波紋が広がっているが、ジェントルや雄英の緑谷達が即座に対応してから、徐々に状況は建て直されつつあった。

 

「限られた足場の中、音波を防ぎながらあの立ち回り………合理的だな」

 

「それでも流石に数では───と、成る程其処で緑谷が来るかぁ、目の前の救助だけじゃなく、周囲にもちゃんとアンテナ張ってる。いい傾向だ」

 

 顔を合わせたのも今日が初めてなのに、それでも互いに背中を預けながら状況に対応している。数多の困難に対してヒーローもまた数で対応する。其処には公安や今のヒーローが目指す、新たな社会の仕組み………その理想が試験会場限定とは言え、出来上がっていた。

 

平和の象徴の不在。その問いに対する答えが、限定的であるが示されつつある。その事を確信できたゴジータはこれ以上観戦する必要はないと、自ら席を立った。

 

「あれ? ゴジータ、もういいの?」

 

「あぁ、まだまだ荒く拙い点は多々あるが、アイツ等は一つの答えを示した。俺も納得できたし、今日はもういいや。試験が終わるまでのんびり辺りを見て回っているよ」

 

「…………」

 

 観客席から立ち上がり、その場を後にするゴジータを、相澤は何も言うことなく静かに見送る。嘗て問題児だった男、自分の事にだけ目を向けそれ以外に気を遣う余裕の無かった男が、随分と広く視野を持つようになった。

 

恐らくゴジータ───後藤甚田も薄々気付いているのだろう、今後の社会に求められるヒーローの在り方、示されるべき新しい平和の守護の形は個人に寄り掛かるモノではないと。

 

 きっと近い将来、その時は訪れる。職業として扱われてきたヒーローが、全く別物の存在として………。

 

そしてその社会(世界)の中にはゴジータという存在はきっと………過剰に過ぎるのだろう。

 

「────合理的、か。お前の場合は結論を急ぎすぎだ。馬鹿者め」

 

 ヒーローとして一人立ち、オールマイト(先代No.1)と活動を共にした事で、ゴジータもまた己の役割を理解した。そして、その役割がもうじき終わりを迎えることも………。

 

一抹の寂しさを覚えながら通路を行く元教え子に、元担任の呆れの混じった小言は届くことはなく。

 

『すまん夜嵐! 力を貸してくれ!!』

 

『っ、あぁ、分かってるっスよぉっ!』

 

 炎と風の檻が試験会場に立ち上ぼり、ギャングオルカとそのサイドキック達を封殺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────ヒーロー。それは強きを挫き弱きを助ける者。己が信ずる信念の為に奮起する者。

 

そして、どれだけ血と涙と泥にまみれ倒れようと、何度だって立ち上がる。それが、後藤甚田の語るヒーローとしての在り方だ。

 

それらの在り方が何故、後藤甚田にとってヒーロー像足り得るのか。答えは簡単だ。

 

 後藤甚田は、そのいずれにも該当しない破綻者。そもそも、彼の根底に在るのはヒーローとしての矜持でもなければ、奉仕の精神でもない。

 

ただの自分勝手な────自己保身。

 

ただ、それだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その昔、一人の子供がいた。

 

出生不明、出身不明、何時からいて、何処から来たのか。誰も、本人すらも分からなかった。

 

気付いたら両親も親族もいない天涯孤独の身の上で、自分が星の都最初の子供だったという事。

 

そして───。

 

「─────俺、ゴジータになってるじゃん」

 

 自身の身に宿る力が、天下無敵の合体戦士である事。

 

それだけで完結した。鏡に映る自分の姿を見て、その事実だけがその子供を満たしていた。

 

 圧倒的充足感、充実感、全能感ですら足り得ない超越的な幸福感。力、絶対的な力を幼い子供が持つにはあまりにも劇物で………故に、子供は決めた。

 

「────もしかして、これって鍛えなければアカンやつ?」

 

 充足感も充実感も、ましてや幸福感も消え失せて、最後に胸中に残るのは………焦燥感。

 

言葉にできない焦りと、しなくてはならない使命感。圧迫感すら感じる重責を一人背負い、その幼子は決めた。

 

 強くなる。この先、現れるかもしれない脅威と、自分が最強のゴジータで在る為に、この日、後藤甚田という少年は自らに呪いを掛けた。

 

 憧れという感情は、理解から最も遠い感情。故に、少年に残された選択肢は突き進むこと以外道がなかった。

 

 ────これが始まり、後藤甚田ことゴジータが最初に抱いた原典(オリジン)

 

それは情景には程遠い、強迫観念に近い使命感だった。

 

 

 





時間を掛けた上にクソ短い。

しかも此処から誰得な主人公過去編。

暑さで熱中症になってしまって碌に書けませんでした。

次回からはもう少し頑張りますので、宜しくお願いいたします。





オマケ


オールスター渋谷事変


「───ん、んん?」

「お、悠仁。やっと起きたか、寝坊助め」

「あれ? 五条せんせ? なんでここに───」

 薄ぼやけた視界から、見慣れた白髪の担任の顔が映る。

なんで自分が寝ていたのか、回らない思考を加速させると、それどこらじゃなかったと虎杖悠仁はガバリと起き上がる。

「せ、先生! 俺、あの! 宿儺の奴に身体乗っ取られちゃって────」

「あぁ大丈夫大丈夫。その辺りの諸々の件はもう片付いたから。てゆーか、悠仁は気付いていないの?」

酷く焦っている教え子に対して、何処までもフランクな悟。相変わらず能天気な人だなと呆れる一方、虎杖は自身の身体にある違和感に気付く。

「───あれ? 俺の中にいた宿儺が………いない?」

「本当は宿儺の術式位は残して欲しかったんだけどねぇ~、この脳筋デタラメゴリラ、もうちっと手加減しろっての」

「理不尽すぎる」

 自身の内側に寄生していた呪いの王である宿儺が、影も形も失くなっていた。術式も、残穢も、ありとあらゆる痕跡が虎杖の裡から消え去っていた。

文字通り憑き物が落ちた感覚。しかし虎杖は分からない、何故あれだけの呪いの暴君が消えてしまったのか、相変わらず分からない事ばかりだが……。

(この人が、やったのか)

 五条からの文句の篭った小突きを受けながらビクともしていない金髪碧眼の男。その立ち振舞いからタダ者ではない事を何となく理解するが……それだけだ。

「五条、織姫の方から連絡届いた。怪我人全員無事に全快出来たってよ」

「マジ? さっすが織姫ちゃん! 手際いい!」

「なぁサトル~、俺腹減ったよ。ジュレイ何体かぶっ飛ばしたんだし、そろそろメシ食わせてくれよ~」

「俺もいい加減腹減ったってばよ。チャクラも結構使ったし、久しぶりにラーメンガッツリ食いたいってばよ」

「うんうん、ならこのルっキングガイの五条悟先生に任せなさーい! ほら、悠仁もいい加減たって、飯食いにいくよ」

「えっ!? この流れで!?」

「事後処理なら伊地知辺りに任せるさ。ナナミンや皆も呼ぼうか! 勿論、織姫ちゃんにもね! 今回は僕が全奢りだ! たくさん食えよ野郎共!!」

「「おぉ~!!」」

「あーあ、俺知らねぇぞ」

 立ち上がる虎杖と肩を組み、やんややんやと夜の渋谷を歩く。何が何やら分からない虎杖は、困惑しながらも一つの確信を得た。

呪いの王は祓われた。自分が生きる目的であり、死ぬ意味でもあったモノが、根刮ぎ消えてなくなっている。

それが良いことなのかどうか、今の自分には分からない。

ただ一つ言えることは………この日、虎杖悠仁は一つの出会いを果たし


「───あの、どうでもいいけどさ、俺の服何とかなんない? あの宿儺って奴に切り刻まれてさ、下も割りとギリギリなんだよ。ねぇ、聞いてる?」

「いーじゃんフルチン戦士、格好いいかもよ?」

「ひっぱたくぞテメェ」

 自分の恩人とも言える人は、五条悟のお気に入りという事だ。
 





追記

五条悟

この世界線の五条悟は呪術界では最強であっても、上にはもっとヤバい奴らがいる事を知り、世界の広さを知った。

特に後藤甚田との出会いは色んな意味で忘れらず、当時は一方的であるがかなり後藤甚田を敵視しており、その都度夏油に宥められた。

現在は呪術高専にて親友と共に教師を勤め、人を育てながら呪術界の革新を目指す。

尚、封印に掛かりそうになったのはところてんの呪霊とトゲボールの呪霊による精神汚染により、獄門疆に封じられかけた。

「皆、僕の大事な仲間(親友)さ。頼りになる、ね」




伏黒甚爾
今回のオマケには一切出てこなかったが、実は今回の渋谷事変で他の雑魚呪霊を狩っていた人。

本当は息子の窮地に駆け付けたかったが、既に先に来ていた当代の火影に先を越されてグヌヌしてる。

現在は国際グルメ機構IOCの会長に(強制的に)弟子入りさせられ、任務と称してこき使われている。

呪力が全くない天与呪縛のフィジカルギフテッドだが、気の習得やグルメ細胞の適応によってかなりの化け物になっている。

 その為、一時はかなり増長していたが、その日日本に現れた本物の暴力(ブロリー)と遭遇してしまい、身の程を知る。



「なんだ小僧、腹減ってるのか?」

「なんだクソジジイ」







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