超なオイラのヒーロー記録【完結】   作:アゴン

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今回、短い上に話が進みません。

そんな訳で初投稿です。


記録7

 

 

 

 ゴジータこと後藤甚田には、一年と言う短い期間ではあるものの、他のヒーローのサイドキックを務めていた経験の日々が存在した。

 

プロのヒーローとして一人立ちする前に、先ずは一年と言う期間で独立したヒーローの活動を覚えようとして、中身陰キャの後藤が考えを巡らせて思い付いた妥協案。

 

当然、連絡を入れれば大抵のヒーローは快く受け入れてくれるだろう。それこそ、インターン時代で密かに顔見知りとなったヒーローの中には、トップヒーローの名前がちらほら存在している。

 

そんな中でも後藤が選んだ人物は、同じ接近戦を得意としているとある女性ヒーロー。インターン先でも一番即興で組んだ事のある人物だし、現場で一番息が合った行動が出来ると思っていた故の選択だった。

 

だが、後藤甚田はこの選択を色んな意味で後悔する事となる。女性ヒーローの中でも屈指の強さを有するラビットヒーロー“ミルコ”、後藤甚田ことゴジータは彼女に対して苦手意識を持つこととなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見てたぜぇ、テメェとオールマイトの活躍はよぉ。私と組んでた時より随分と楽しそうじゃねぇか。アタシが相手じゃ不服だったか? あぁ?」

 

「─────」

 

 倒れ伏す大男のヴィランを踏みつけて、凶悪な笑みを浮かべて見下ろしてくるのは、女性のトップヒーローであるミルコ。嘗てゴジータがサイドキックとして、一年程組んでいた相手。

 

そう言えば、ここの地区は彼女が担当していたな。既視感のある街並みに気付くのが遅れたと、内心でゴジータは己の迂闊さを呪う。

 

しかし、まだ巻き返しは出来る筈。未だ笑みを浮かべてくる凶悪な兎を前に、ゴジータは抱えていた女子を親御さんの所まで連れていく。

 

「悪いな、救助が遅れた。一応怪我のない範囲で終わらせたから大丈夫だと思うが、念の為に病院へ行って看て貰うといい」

 

「あ、ありがとうございます! ありがとうございます!」

 

無事救助となった我が子が助けられた事に喜ぶ母親、泣きながら感謝してくる彼女に助けられて良かったと内心で安堵したゴジータは、踵を返してその場を去ろうとする。

 

そんな彼の背中を、幼さの残る少女が呼び止める。

 

「ゴジータ! あの、私! ヒーローになる! 雄英に入って絶対にヒーローになるから! だから!」

 

一度だけ立ち止まる。少女の必死な言葉に何か思う所があったのか、振り返るゴジータは……。

 

「あぁ、お前がヒーローになる日を楽しみにしている」

 

少女がヒーローを目指し、そこに至る道のりは決して簡単ではない。しかし、そんな彼女の夢をゴジータは不敵な笑みで応援する。そこには侮蔑的意味合いはなく、新たなヒーロー(ライバル)誕生を楽しむ戦士の顔がそこにはあった。

 

少女───拳藤一佳は、その笑みに高揚した。自分の様な夢見がちの子供の言葉を本気で信じてくれている。現No.1から届いた誰でもない自分だけのメッセージ、ヒーローを志す者ならば震わずにはいられない一言だった。

 

 そんな喜ぶ少女にゴジータもまた満足し、その場を去ろうとした所を………。

 

「何勝手に終わらせようとしてんだ。無視すんなゴラァーッ!!

 

 自分を無視して終わらせようとするゴジータの背中に、兎の跳び蹴りが炸裂した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────で、そのまま逃げて来ちゃったと?」

 

「逃げたんじゃないッス。次の助けを求める人の所へ駆け付けた。ただそれだけッス」

 

 その後、無事に凶悪兎から逃げおおせたゴジータは、本日のヒーロー活動を切り上げ、オールマイトこと八木俊典と共に夜の食卓を囲んでいた。

 

今夜の夕食は鍋。最近寒くなってきたし、本日も八百屋のおじさんから新鮮な野菜を提供された事で、温かく胃にも優しい野菜主軸の鍋を振る舞うことにした。

 

「いやいや、助けを求める人々を修羅場からの逃げ道にするのはヒーローとして良くないよ? 特に相手は女性なんだ。下手に引き伸ばさず、キチンと話し合った方が良いって、ドラマでも言ってたよ」

 

「いやドラマなんかい。………でも、流石に一言も言葉を交わさなかったのは不味かったか。今度顔を合わせたら謝っておきます」

 

「と言うか、どうしてミルコが苦手なんだい? 一年もサイドキックとして組んでたんだろ?」

 

「そうなんですけど………その、ミルコ先輩って結構圧の強い人なんですよ。しかも覚悟ガンギマリのやベー人。一生懸命なのはいいんですけど、“死ぬ気で”息をしてるんだと断言しちゃう人なんで、次第に彼女の言動に付いて行けなくなっちゃって」

 

「それで離れたと……?」

 

「いや、それだけじゃなくて………」

 

「?」

 

 珍しく歯切れの悪い言い方をする相棒に、俊典も不思議に思い首を傾げる。甚田は良くも悪くも人の良い人間、そんな他人の覚悟を聞いただけで付いていけないとその人から離れるとは思えなかった。

 

が、その疑問は次の彼の言葉で納得に変わる。

 

「その、ミルコさんって結構距離感の近い人で、すぐ人に抱き付いてくるんですよ。別に蹴ってくるのは良いんですよ、痛くない様に加減してくれるし。単なるスキンシップで済ませられるし、けれど急に抱き付いてくるのは……その」

 

「心臓に悪いと? ………あー、まぁ確かに彼女は女性ヒーローの中でもトップに座る人だからねぇ。下手に騒がれると経歴に傷が付くからとか、そんな感じ?」

 

「あの人が他人の評価に左右される人じゃないのは分かっているんです。ただ、彼女いない歴=年齢な自分としては、少し刺激が強すぎて………」

 

「逃げるようにサイドキックを解消したと? なんてピュアピュアだよ純情ボーイ!」

 

要するに、この男はミルコというトップヒーローからの絡みに堪えかねてしまい、彼女の事務所から逃げ出したのだ。俊典はそんな彼をピュアだと揶揄するが、中身陰キャである後藤甚田としては、割とキツイ話だったりする。

 

実力も容姿も、トップに相応しい女性ヒーロー。そんな女性に急に抱き付かれると、誰だって困惑し、緊張してしまう事だろう。

 

そんな訳で、ミルコからの過剰なスキンシップに堪えられなくなった結果、同じ先輩ヒーローであるホークスに相談し、諸々の経過を経て無事に彼女の事務所から逃げ出す事に成功したのだ。

 

「ですので、今度会った時は必ず謝るようにしますよ。俊典さんと組んだ事も含めて」

 

「あれ? もしかして私も巻き込もうとしてる?」

 

 自分を盾にして説得を試みようとしている甚田に苦笑いしつつも、ふと八木俊典は思う。果たしてあのミルコがなんの意味もなしに突然異性に抱き付くのだろうか? 仮にも後輩相手に。

 

一体、彼のサイドキック時代でどんな日々を過ごしてきたのか………正直、色々と気になりすぎて出歯亀根性が出そうになるが、そこは元No.1ヒーローの矜持として堪えきる。

 

 二人の事は彼ら自身に任せる事にして、今はこの鍋の味を存分に楽しもう。胃に優しい白菜を頬張り、シャキシャキとした食感を楽しみながら呑み込むと、じんわりとした暖かさが胃の奥から巡ってくるのがわかる。

 

自分の体調を配慮してくれた相棒に感謝しながら、八木俊典が次の具に箸を伸ばそうとした所で、呼び鈴がなった。 

 

「あれ、この時間に誰だろ?」

 

「甚田君、何かネットショップで買ったりした?」

 

「俺、基本的に現地買いなんですよ」

 

「じゃあ、もしかしてミルコ?」

 

「ホント止めてそれ」

 

 笑いながら揶揄してくる俊典に辟易としながらリビングを出て玄関に向かう。外はそろそろ肌寒い時期に差し掛かり、夜は冷える。

 

あまり客人は待たせてはならないと早足で玄関の戸を開けると……。

 

「ハイハーイ。どちら様です………か」

 

「久し振りだなゴジータ。いや後藤甚田、貴様の活躍は良く耳にしている」

 

「さ、サー・ナイトアイ? 何故、貴方が此処に?」

 

「それは、僕が連れてきたのさ!」

 

扉の前に立っていたのは細身で眼鏡を掛けたスーツ姿の男性と、彼の肩からニョキッと顔を覗かせるクマかネズミか分からない未知の小動物だった。

 

「根津校長まで!? え、マジで一体何があったんです? 何かヤバイ案件でも起きました?」

 

「現在、日本の犯罪件数は貴様とオールマイトの活躍のお陰で例年より大きく下回っている」

 

「今回僕達が来たのは、君達にある話があってきたのさ!」

 

「話、ですか?」

 

 目の前に立つゴジータが見上げる程の長身な男の名は佐々木未来。ヒーロー名をサー・ナイトアイで登録されている………嘗て、インターン先でゴジータが世話になった人物でもあった。

 

「あ、じゃあ取り敢えず中で話しましょうか? 丁度今、同居人と鍋をつついていたので」

 

「同居人?」

 

「本当かい? じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」

 

「甚田くーん、お客さん誰だった~?」

 

先に述べた通り、時期的に外の空気は冷え込んできており、玄関口で立ち話をするのは色々と気が引けた。学生時代に世話になった人達という事もあり、甚田は取り敢えず彼等を家の中へ通そうとする。

 

そこへ現れたオールマイトこと八木俊典。鍋の具材を頬張りながらやって来た彼は、ナイトアイの事を見るや否やその場で凍り付く。

 

「な、ナイトアイ……!? 何故、君がここに!?」

 

「オールマイト………!」

 

「ん? ん?」

 

 何やら愕然としている二人に甚田は訳が分からず二人を見る。何やら不穏な空気になりつつある後藤宅に白い獣の小動物だけが癒しとなっていた。

 

固まる二人、そろそろ鍋を見たいんだけどなんて考えていると……。

 

「ゴジータ……」

 

「ん?」

 

「この瞬間、貴様には色々と聞きたいことと言いたいことが出来た。先のヒーロービルボードでのNo.1ヒーローとしての在り方、他にも色々とあったが、今の私は貴様にどうしても言いたいことがある!」

 

「な、ナイトアイ?」

 

「オールマイトと一緒に住んでいるとか、聞いてない上に羨ましいぞ貴様ァッ!!」

 

「なんか面倒くさい事を言い始めた!?」

 

 取り敢えず、目の前の眼鏡の男が重度のオールマイトオタクであることを思い出したゴジータは、適当にあしらう事に決めた。

 

 

 

 





「次回から、いよいよ原作の足音が聞こえ始めるぞ!」


Q,結局、どうしてゴジータはミルコの事が苦手なの?

A,
「おーいゴジータ! いい加減私と正式に組めよー!」

「あまり過剰なスキンシップは控えた方がいい。好きになるぞ?

「お、おう、なんか悪ぃ……」

見たいな感じになりそうだったから。


Q,なんでミルコはゴジータによく抱き付くの?

A,
「はいはいーい! オイラ知ってるぜ! ミルコは“兎”の個性ヒーロー! 兎は年中発情している! つまり! 女性ヒーローミルコは発じ───」

「言わせないわよ峰田ちゃん」









今後、このゴジータとの絡みを見たい原作キャラは誰?

  • 1.先輩ヒロインミルコ
  • 2.ステイン
  • 3.後輩ヒロインMtレディ
  • 4.死柄木弔
  • 5.エンデヴァー
  • 6.他のトップヒーロー
  • 7.原作キャラ全員だオラァッ!
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