超なオイラのヒーロー記録【完結】   作:アゴン

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今年ももうすぐ終わりですね。

そんな訳で初投稿です。


記録78

 

 

 

 ヒーローを目指す少年少女達が挑んだ仮免試験から数日。現在日本中の人々は一つのイベントに注目していた。

 

 ヒーロービルボードチャートJP。先日のオールマイトの実質的な引退から初となる今期のヒーローランキング、日本中が今回のランキングを注目する中、その男は不気味に嗤う。

 

「あーあ、今回もダメだったか。やっぱもう不動の二位は揺るぎようがねーな」

 

 テレビの向こうで口を開かないヒーロー、エンデヴァーを見て、ツギハギの男は呆れと蔑み、そして僅ばかりの同情を滲ませながら口元を笑みで歪ませる。

 

「まぁ、それも仕方ねーか。不世出と謳われたオールマイトを超えちまう本物の化け物が出てきたんだから」

 

 身体のアチコチから焦げ臭い匂いを漂わせ、ソファーに寝転ぶ男の名は荼毘。ヴィラン連合の一人であり、青い炎を操るその男はエンデヴァーの次に映し出されるNo.1の姿を見て、忌々しそうに舌を打つ。

 

「全く、本当にムカつく野郎だぜ。コイツのお陰で此方の目論見がほぼご破算になっちまってる。………やっぱ、最高傑作を直接殺す方針の方が合ってるかなぁ」

 

 エンデヴァーや自分とは違う、黄金に輝く炎を身に纏うその姿は、荼毘から見て忌々しい事この上無く、可能ならばエンデヴァーよりも先に始末したい程に荼毘は常日頃からNo.1ヒーロー───即ちゴジータに殺意を抱いていた。

 

「………荼毘、ここにいたのか」

 

「あぁ? ……なんだテメェか。何の用だよ、死柄木」

 

 そんな荼毘の下へ、顔に手を嵌めたヴィランが一人。ヴィラン連合の一人である死柄木弔が佇んでいた。

 

「ドクターが呼んでる。例のサンプルが漸く形になりそうなんだってよ」

 

「例の? ………あぁ、あの何とかって細胞か」

 

「G細胞、あのでたらめ野郎の細胞が漸く実用可能段階まで漕ぎ着けたらしい。お前も来い」

 

「────ま、今暇だったし、別にいいか」

 

 先の神野での一件で、少なくない仲間がヒーローどもによって捕まってしまっている。コンプレス、トゥワイス、トガヒミコ、中々に愉快で見ていて面白かった連中も、今頃は揃って檻の中。

 

 現在のヴィラン連合は、自分と目の前の死柄木を含めてたった二名しか残されていない。組織瓦解も秒読みかと思われた所への呼び出し、せめて自分の目的達成の為の薪になってくれよ。と、荼毘はほくそ笑む。

 

 先行く死柄木の後を歩きながら、荼毘は惰性的に付き従うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 仮免試験、ヒーロービルボード。続けて行われる大きなイベントは無事に消化され、人々は現在表向きは平和な日々を享受していた。

 

 オールマイトの引退という大きな穴、それはゴジータという存在が補ってくれているから表面上目立った混乱はない。が、それでもほんの僅ではあるけれど、ヴィランによる犯罪件数が増加傾向にあるのもまた事実。

 

 このまま、一人の英雄に頼りきりではいけない。オールマイト引退以降、明確に突き付けられた問題に、警察やヒーロー公安は頭を悩ませながら向き合い続けなければいけない。

 

そんな中。

 

「─────マジか」

 

 ゴジータこと後藤甚田は、自宅の玄関にて目の前の人物に驚きを顕にしていた。

 

「確かにインターンの話は聞いていたし、俺も受け入れるつもりだったけど………マジで来たのか焦凍君」

 

「君はいらねぇ。これからインターンとしてお世話になります。宜しくお願いします」

 

 丁寧な挨拶と共に頭を下げてくるのは、紅白という独特な髪色をした雄英のヒーロー科の一年生、轟焦凍。仮免試験を乗り越え、無事にインターン生として活躍していく筈だったヒーローの卵は、ゴジータの自宅へとやって来ていた。

 

「………因みに、爆豪は?」

 

「昨日緑谷と喧嘩して、今は謹慎中」

 

「何やってンのアイツ」

 

 本当なら二人で来る筈だったのに、今は轟一人しかいない。気になって訊ねてみたら色々とアレな理由に流石のゴジータも手で顔を覆った。

 

「でも、緑谷が言うには尋常な勝負って話だったらしい。元々相澤先生も承知していたみたいで、爆豪の謹慎自体も今日までで、明日以降は此方にくるみたいだ」

 

「……ふーん?」

 

 緑谷と喧嘩したという話の裏には爆豪なりに考え、行動したモノがあるらしい。事前に担任である相澤に話を通していた辺り、どうやら爆豪は色々と自分の気持ちを整理するための準備をしていたようだ。

 

「ま、取り敢えず上がれよ。先ずはお前達の近況を知りたい。茶でも出すから、今日くらいはゆっくりしようぜ」

 

「あ、はい。お邪魔します」

 

 初めてやって来たNo.1ヒーローの自宅。緊張しながらも誘いに応じた焦凍はゴジータの後を追う。

 

 大きな背中。父とは違った逞しさを感じさせるその背に、焦凍は自身でも知らない内に笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、ゴジータとの雑談を終えた焦凍はNo.1ヒーローの案内の下、地下のトレーニング室へと赴いていた。綺麗に整備された一室、地下でありながら充分な広さを確保されているその空間に、焦凍は戸惑いながら踏み込んだ。

 

「此処が、ゴジータの特訓部屋………なんか、スゲーな」

 

「何に圧倒されてんだよ。……さて、今日は爆豪もいないからお前を重点的に鍛える方向性で行くが、取り敢えず焦凍、お前どこまで“アレ”を維持できるようになった?」

 

 ゴジータが地下の特訓室に焦凍を招き入れたのは、先日必殺技の指導を行った時、ゴジータがもたらしたアドバイス、その成果を確認するためのモノ。

 

確認する為だけならジェントルの試験の時に使った所もあるが、今回は人目を避ける為に敢えて自身の敷地内にある地下を選んだ。

 

「……取り敢えず、なにもしなければ30分程は維持できるようになった」

 

「実戦に換算するとせいぜい10分弱か………よし、ならもうちっと延ばせるように頑張ってみようか。その後はうちのジェントルとの組手な」

 

「オッフ、もしかしなくても私を呼んだのはその為であったか」

 

 ゴジータの後ろで肩を落とすジェントル、彼も先日の仮免試験で合格を果たし、晴れてヒーロー見習いまで漕ぎ着ける事が出来た。夢への一歩を進めた彼は現在ヒーロー名を考案中である。

 

「ジェントル、お前もヒーローを目指す今の雛鳥達の勢いをよく見ておけ」

 

「ウム、しっかり拝見させていただくとも」

 

「……それじゃあ、始めます」

 

 そうして、轟焦凍は自身の力を解放すべく意識を集中させていく。ゴジータから教わった個性の使い方、半冷半燃という個性の新たな拡張と解釈。

 

『轟、お前の個性は半冷半燃、相反する個性を持つ扱いの難しいモノとされているが……実は結構違うんじゃないかと俺は思う』

 

『………というと?』

 

『燃やす炎も凍らせる氷も、全ては熱を操る所から始まる。炎と氷、つまりは+と-の関係性だ』

 

『つまり、熱を主軸にした必殺技が俺の目指すモノだと?』

 

『その通り。だから先ずは、お前が得意としている-……つまりは凍らせる力の応用から始めたいと思う』

 

『────』

 

『+と-、熱という力を操るお前は矛盾という自然法則から逸脱した力を操れるようになる………かもしれない。だから、先ずはその力を完全にモノにして見せろ』

 

『───あぁ、分かった。やって見せるよ、ゴジータ』

 

『楽しみにしてるぜ』

 

 炎と氷、相反するエネルギーを持つとされる轟は、今後更なる飛躍を求められている。エンデヴァーの息子ではなく、轟家の最高傑作としてではなく、純粋に自分という存在を見てくれる人。学校の皆や担任である相澤に支えられた焦凍はこの日ある完成形を見せる事になる。

 

「────よし」

 

「へぇ、上手く扱えてるじゃん」

 

「なんと流麗な」

 

  胸元からX状に伸びる青白い光、ユラユラと揺らめきながらそれでいて美しい輝きに、ジェントルは勿論ゴジータすらも素直に称賛している。

 

「“赫灼熱拳・燐” 取り敢えず、今はそう名付けている」

 

「赫灼熱拳……ね、いいんじゃん。カッコいいぜ轟」

 

 轟家の根の深い家族事情は、ゴジータも何となくではあるが察している。それでもその上でエンデヴァーの技の名称を使っている内に焦凍も心境の変化はあったらしい。

 

必殺技だけでなく、轟の内面の成長を鑑みたゴジータは、それ以上何かを言う事はなかった。

 

「さて、それじゃあその状態で戦ってみようか。ジェントル、お前の今の課題は分かっているな?」

 

「ウム、衝撃や物質の衝突による干渉だけでなく、熱や概念的な現象への干渉を可能にすること、であったな」

 

「そうだ。災害救助の現場で熱による干渉は決して無視して良いモノではない。お前の個性は物理的干渉には滅法強いが、自然現象に関する影響はまだ把握し切れていないからな。今回の轟のインターン中に可能な限り対策を取れるようになれ」

 

「相変わらず無茶振りが激しい。………だが、やって見せましょう」

 

 ゴジータに言われ、肩を竦めながらジェントルは轟へ歩み寄る。そのやる気に満ちた瞳に轟もまた不敵な笑みを浮かべる。

 

「……それじゃあ、宜しくお願いします。ジェントルさん」

 

「敬語は無用。我等は共にヒーローを志す同期、であれば当然遠慮も無用だよ」

 

 ゴジータに鍛えられ、既に実力は並みのプロヒーローを凌駕しているジェントル、独特な構えをする彼に倣い、轟も不格好ながら構えを取り………地面を蹴る。

 

 不可思議な軌道を描きながら間合いを詰めてくるジェントルに対し、轟もまた絶対零度の力で応戦するのだった。

 

「─────ところで焦凍君、君が此方に来ることをお父様はご了承しているので?」

 

「? なんで俺のインターンに親父が出てくるんだ?」

 

「おっふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───その日、緑谷出久はとあるヴィラン収容施設へと赴いていた。

 

仮免試験を乗り越え、幼馴染みである爆豪との因縁も一先ずの決着を迎え、オールマイトから紹介されたヒーローは、嘗てオールマイトのサイドキックも務めていたとされるサー・ナイトアイ。

 

自分にも他人にも色んな意味で厳しいとされる彼の下でインターンとして活動していく。そんな環境に気を引き締めていた緑谷が最初に待っていたのは、とあるヴィランとの面会だった。

 

曰く、「ここに収容されているヴィランが、お前との面会を強く求めている」そう説明され、ナイトアイと先輩である通形ミリオと共に緑谷はそのヴィラン収容施設へと赴いていた。

 

「───私達の同行は此処までだ。デク、此処から先はお前が一人で行くんだ」

 

 通路の先にある扉、その先にヴィランが自分を待っている。犯罪者と二人きりになることを余儀なくされた緑谷は、不安を表情に出すまいとしているが、目の前のベテランヒーローには通じなかった。

 

「……あちら側の強い要望でな。自分の持つ情報と引き換えにお前との一対一の面会を望んでいる。………安心しろ、既に武器の類いは全て此方が回収している。何があっても、お前の安全は我々が保証する」

 

「は、はい!」

 

「頑張れデク! 俺達は監視カメラで見守っているから、何かあったらすぐに駆け付けるからね!」

 

 ナイトアイとミリオからの励ましを受け、意を決した緑谷は扉の向こうへと足を進めていく。

 

生まれて初めてのヴィランとの面会、緊迫した面持ちで扉を開き、部屋へと入る。

 

 そこは、頑丈な素材で作られた特殊なガラス張りで仕切られた部屋。仕切りの向こうには嘗て相対したヴィランの少女がいて、その目には暗い底無しの闇を抱えていた。

 

 そして………。

 

緑谷君、好き!!(緑谷君、今日も素敵ですね!結婚しよ!!)

 

「うぅーん圧縮言語ッ!!」

 

自分を見るなり目を輝かせるトガヒミコに早くも心が挫けそうになる緑谷だった。

 

 

 

 

 





IFオールスター世界での後藤甚田のクラス。

一年A組
担任ガープ

黒崎一護
うずまきナルト
モンキー・D・ルフィ
五条悟
トリコ
空条承太郎
後藤甚田
緋村剣心
浦飯幽助
麻倉葉
黒神めだか
出雲風子
薙切えりな
神楽
甘露寺蜜璃

多分こんな感じ。このメンツだと男子枠では一護。女子枠ではえりなが苦労人枠に収まりそう(笑)

尚、B組には継国縁壱やマキマなどヤバい連中がいらっしゃる予定。

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