超なオイラのヒーロー記録   作:アゴン

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最近話題のSEEDFREEDOM、見てきました。

いやー、デスティニーなったシン君がイサミというナチュラルを乗せて敵艦隊相手に無双する様は圧巻でしたね(存在しない記憶)


記録82

 

 

 

 死穢八斎會。裏社会に通じ、闇の中で一人の少女に非人道的な行いをしてきた嘗ての侠客組織は若頭である治崎廻を始め、幹部、構成員達含めヒーロー達の活躍により拘束された事により日本の古くから続くヴィラン組織は解体された。

 

 ゴジータを筆頭に活躍したヒーロー達のお陰で、一つのヴィラン組織が崩壊した。その報せはマスコミによって大々的に報じられ事で人々は流石と感心し、ゴジータ以外のヒーローにも称賛を送った。

 

 これでまたヴィラン組織が減った。しかし、一方で懸念するべき材料もまた増えていた。

 

「────ブースト薬とは異なる新たな違法薬物、か。相変わらず、悩みの種を増やすのが得意な男だ」

 

 ヒーロー公安委員、その中枢。個性という異能社会を表裏問わず支え、時には監視している公安。

 

その幹部職員の一人である強面の男性は苦虫を噛み潰したような表情を晒しながら、新たに浮上する問題に直視していた。

 

「服用したとされている玄野針は、薬の副作用とも呼べる効果により、身体に異常な迄の老化現象が起きているとのことです」

 

 映写機によって会議室の壁一面に映し出される光映像。ベッドの上で横たわるのは身体中が萎びれ、頭髪は白髪となり、顔は皺と弛みで80代と見間違うほどに老化した玄野針だった者が映し出されている。

 

その衝撃的な映像に公安委員達の表情が引き吊る。

 

「───この劇薬、今後も使用してくる奴は」

 

「出てくるだろうな、間違いなく。個性の強化ではなく身体能力の強化、それをあんなに分かりやすく効果が現れたとあっては、欲しい奴は必ず手を出してくる」

 

 資料に載せられている情報、其処には白い炎を身に纏い超人染みた身体を披露する玄野針。超常社会である現代において、尚超人と称されるその力は幹部達に否応なくあのNo.1ヒーローの姿と最悪の未来を予見させた。

 

もし、もし万が一この劇物が量産されれば間違いなく現在の社会は崩壊する。個性、無個性問わず、必ず欲しがる輩は出てくる。

 

何せ、この薬の原材料となっているのは現No.1ヒーローの血液から作られているのだから。

 

「………ゴジータは、なんと?」

 

「自分の不始末は自分でケリを着ける。と、珍しく殊勝に言ってきた時は別人かと見間違えたな」

 

 この事実を知るのは、ゴジータ本人とこの場にいる一部の幹部のみ。秘匿情報の中でもトップクラスに扱いを考慮しなくてはならない機密事項に、公安の幹部職員達は揃って頭を悩ませている。

 

「ゴジータにも言ったが、今回のこの薬物についてはブースト薬以上に機密として処理しなくてはならない。一般の市場にも出回らないよう、常に見張る必要性がある」

 

「当然だな。間違って一般家庭に流入してしまったら、服用した瞬間悲劇が待っている。No.1ヒーローの力、その謳い文句は人々にとって猛毒の一言になる」

 

 数多の犠牲の果てにNo.1ヒーローと同じ力を得られると知ったら、果たして人々は手を出さずにいられるだろうか。最悪の未来を予見しながら、その対策と方針を打ち立てようと彼等の長い話し合いは続く。

 

一刻も早く、薬物の処理と敵連合の対処に当たらなくては。長丁場になる事を覚悟しつつ、彼等の会議は今日も続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────その頃、某市街では。

 

「ほれ、お前さんのワンちゃんだ。ちゃんと手綱を確り握っとけよ? ワンちゃんも、あまりご主人を振り回してやるなよ」

 

「ありがとう、ゴジータ!」

 

「ワフン!」

 

 インターン生である爆豪と轟を引き連れて、街中のパトロールへとやってきていた。現在は事故になりかけた案件への対処、大型犬に引きずられ、猛スピードで交差点に入ってくる大型トラックに激突寸前の所をゴジータによって防がれていた。

 

 片手でトラックを持ち上げ、もう片方の手で大型犬を抱き抱え、飼い主の少女に手渡す。いつぞやの日に体験した出来事を重ねつつ、トラックの運転手に厳重な注意を終えたゴジータは、後からやって来た三人(・・)へと向き直る。

 

「よぉ、やっときたな」

 

「「「─────」」」

 

 挑発の籠った煽りに爆豪、轟、そして緑谷の三人は答えない。そんな余裕なんて微塵もなく、汗を大量に流しながら息を整えるので精一杯だった。

 

「こ、これが、次世代No.1ヒーローの実力、分かっていたけど………ゼェ」

 

「はぁ、はぁ、レベルが、違いすぎる」

 

(クソが、前の時よりもずっと速ェ………!)

 

雄英に入学し、ヒーローの卵として成長し続けてきた緑谷達。以前の自分とは違うと自負する彼等でも、目の前の聳え立つ壁(No.1ヒーロー)は余りにも巨大だった。

 

「とまぁ、こんな感じで世の中の理不尽ってのは日常の中でも割りとゴロゴロしているもんだ。そう言った一つ一つの危機に対しても、俺達ヒーローには迅速な対応ってのが求められている。中でも重要な要素は………緑谷、分かるか?」

 

「は、はいぃ。スピード、つまりは速さかと思います」

 

 呼吸が整ってきた所を見計らって問いを投げる。そんなゴジータに緑谷は肩で息をしながら答えると、ゴジータは満足そうに頷く。

 

「より正確に言えば速さと判断力、だな。目の前で変化する状況に対して瞬時に最適な手段と方法を判断し実行する。それまでの実行過程(プロセス)を一瞬とも呼べる時間の中で自分の中で構築しなければならない」

 

 加えて、その構築される過程の中で自分に出来る事を把握しなければならない。ヒーローに求められる事の多さ、その責任の重さに改めて若きヒーローの卵達は戦慄する。

 

 それでも、誰一人屈してはいない。No.1ヒーローに振り回され、心身ともに疲弊していながらもそれでも三人には怖じ気づいた様子はなかった。

 

そんな三人を見て笑みを浮かべながら、ゴジータは続ける。

 

「ま、要するに行動あるのみって事だ。インターンの間は俺が確りケツ持ちしてやるから、午後からはお前達三人が前に出てパトロールをしてみろ」

 

「は、はい! 頑張ります!!」

 

「No.1にそこまで言われちゃ、退くわけにはいかねぇよな」

 

「当然だ」

 

 気力も申し分なく、やる気に満ちている三人。青くも力強い彼等に、ゴジータはその前にと腕に付けた時計を見て続きを促す。

 

「その前に、腹拵えだな。時間も良い頃合いだし、どっか近くの飯屋で済ませるぞ」

 

「あ、もうそんな時間なんですね」

 

「チッ、流れをブッた切るなよ、萎えンだろうが」

 

「悪い悪い。けど、実際腹減ると普段より動きが鈍くなるだろ?」

 

「確かに腹が減ると動きが悪くなるよな」

 

「だろ? そんな訳で何処か飯が食える場所を探すぞ」

 

 やる気に満々な三人に水を差してしまった事に軽く謝罪しながら、四人は気ままに街を練り歩く。そんな時、ふとゴジータからある話題が持ち掛けられてきた。

 

「そう言えば緑谷、お前ナイトアイからあれから何か言われたりしてんの? 一応今は俺の預かりって事になってるけど……」

 

「あ、はい。何でも先の死穢八斎會の後始末が残っているみたいでして、その辺のゴタゴタが終わるまでゴジータの厄介になれ………とだけ」

 

 死穢八斎會。その組織の調査と摘発、並びに問題の少女である壊理の確保兼保護。これ等の段取りと準備に追われていたナイトアイだが、意図もなくゴジータがゴリ押しで解決してしまった為、ナイトアイは諸々残された問題を解決するために弟子であるルミリオンと共に後始末に奔走している。

 

それ以外にも色々と忙しいナイトアイは緑谷の面倒を見る程の余裕もなく、本人も酷く申し訳なさそうにしながら、緑谷のインターンの一時拒否を提示した。

 

あくまで一時的な処置であり、流石にそれでは緑谷が気の毒だと思ったナイトアイは、色んな意味で元凶であるゴジータに緑谷の面倒を依頼。ゴジータ本人も半ば仕方がないと諦めながら、緑谷のインターンを受け入れる事にした。

 

「ま、俺も似たような事を言われたから別に良いけど………オールマイトが何て言うかなぁ」

 

 あの人、何気に嫉妬深い所があるからなぁと、電話越しでハンカチを噛み締めてくる相棒兼友人を思い出してゲンナリとなる。

 

「あの、それよりもゴジータ。エリちゃんの事なんですけど……」

 

 恐る恐ると言った様子で緑谷が訊ねてくるのは、件の死穢八斎會………否、治崎廻の被害者となっていた少女。

 

彼女の持つ特異な異能の所為で、壊理───エリは、文字通りその体を幾度も切り裂かれてきた。そんな彼女の体の一部を使って造られたのが、例の個性消失弾である。

 

 エリの個性は【巻き戻し】その力を悪用すれば今の個性社会を根底から破壊しかねない威力を秘めている。当然この事は決して人に知られてはならないトップシークレットだし、今回の件に関わったヒーロー、警察には絶対的な箝口令が敷かれている。

 

もし万が一外部にその事を知られれば、公安は徹底的に情報の出所を探り、その者に厳重な処罰を下す事になっている。

 

 だが、そんな特異な個性を持つエリは、だからこそ慎重な対応が求められており、現在彼女は某病院にて隔離されている。

 

 悪意に晒され続けてきた彼女が今後どうなるのか、不安に思って訊ねる緑谷だが、ゴジータの方は意外と声音は軽かった。

 

「そうだなぁ、訳を説明すれば姫野さん辺りが引き取ってくれるだろうけど……持っている個性が個性だからなぁ。暫くは個性を暴走させないように訓練させるのが目的になりそうだな」

 

「じゃ、じゃあ、個性を使いこなせるようになったら!」

 

「そりゃ自由の身だろうよ。これ迄あの子はずっと辛い目にあっていたんだ。だったらその後は幸せにならなきゃ、釣り合いが取れないだろ?」

 

 恐らく、彼女が自分の個性を制御をするには多大な労力が必要となるだろう。その為には少なくない時間を必要とするだろうし、その苦労は彼女をより苦しめるかもしれない。

 

 けれど、彼女を気に掛ける人は今回で多く出てくるだろうし、ファットガムやリューキュウ、二人のインターン生も時折面会に行くと言っている。対個性最強である相澤も、今回の件には非常に協力的で、エリの個性掌握に一役買ってくれる事を了承している。

 

 きっと、この後の彼女の未来は明るいだろう。そう思える程の安心感が、ゴジータの不敵な笑みにはあった。

 

なら、きっと大丈夫なのだろう。自分にも出来る事を探そうと、緑谷が意気込みを新たに一歩踏み出した時。

 

「相変わらず、呑気な面をしているな。ゴジータ」

 

 ふと、威圧的な声が聞こえてきた。

 

振り返ると、ゲッと表情を歪めるゴジータと、若干不機嫌になる轟。明らかに嫌悪感を示す二人の視線の先には………。

 

「ちょうど良い、貴様には聞きたいことがある。少し顔を貸せ」

 

 なにやら、炎を纏って此方を睨むNo.2ヒーローの姿があった。

 

「───どうしよう轟君、普通に嫌なんだけど」

 

「断ってくれていいですよ」

 

「何故だ焦凍ォォォッ!!」

 

 どうしよう。ちょっと不安になってきた緑谷だった。

 

 







オマケ。

オールスター、復活の宿儺篇


渋谷で事変から少しして、なんやかんやあって完全復活を遂げた両面宿儺。滾り、迸る呪力を身に纏い、新宿にてゴジータと相対する。

「ケヒ、こうして貴様と相対するのは久し振りだな。ゴジータ、いや……後藤甚田」

(────誰?)

「ケヒャヒャ、相変わらず不遜な奴だ。だが良いぞ、そんなお前の顔を歪ませ、後悔の海へと沈めてやろう」

「あ、うん。そうなんだ」

「………ふん、今一つノリの悪い奴だ。そうだ。ならばお前を殺した後、次は姫野葵を殺してやろう」

「───あ?」

「その次は姫野葵の庇護下にいるガキどもだ。どうだ? 少しはやる気になったか?」

「────あぁ、良いぜ。ただし此方からも一つ条件を追加な」

「あ?」

「俺が勝ったら、お前の名前────今日からカイリキーな」

「っ!!」

 その時、両面宿儺に嘗てない緊張が走る。




 その後、カイリキーはお友達のけんじゃくんと、相方の高羽と共にお笑い界に旋風を巻き起こすのだが……それはまた別のお話。


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