超なオイラのヒーロー記録【完結】   作:アゴン

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更新が遅くなり申し訳ありません。

グラブル10周年! おめでとうございます!!

そんな訳で初投稿です。


記録83

 

 

 

 ゴジータの下でのインターン。それは緑谷、爆豪、轟にとって色濃い体験の連続であり、同時にNo.1ヒーローの実力を直に体験出来る貴重な時間でもあった。

 

 特に轟は現在はNo.2へ返り咲いた実父であるエンデヴァーの下での経験もあって、No.1ヒーローであるゴジータとの差異に色々と考える事が増えていた。

 

爆豪と緑谷、共に自分と同等以上の個性と力を持つ学友達と共にヒーローになる為の切磋琢磨できる時間は、轟焦凍にとって掛け替えのない時間となっている。

 

圧倒的実力者であるゴジータの下でのインターン実習。帰ればゴジータ直々の鍛練等、汗水処か反吐すら吐き出している激動の日々は、焦凍含めた三人に濃密な経験値を与えていた。

 

 そんな大変ながらも充実した毎日に、今日も頑張ろうと今朝まで意気込んでいた轟焦凍、並びにゴジータ達は………。

 

「ヤッホー焦凍君! 久し振りだねー!」

 

「お久し振りですバーニンさん」

 

「君達も良く来てくれたね」

 

「歓迎するよ」

 

「ど、どうもありがとうございます!」

 

「───ッス」

 

 エンデヴァーが開設したヒーロー事務所へとやって来ていた。

 

日本を代表するトップヒーロー、その中でもNo.2として知られるエンデヴァーの事務所だけあって、その規模は大きく、また様々なサイドキックが在籍していた。

 

様々な個性、多様なヒーロー達の姿に緑谷は眼を輝かせている一方、爆豪と轟はやや不満気味だった。本来なら今頃必死にNo.1の背中を追っ掛けている最中だったのに、それを途中で中断され、手持ち無沙汰となったのだ。

 

謂わば不完全燃焼。悪態こそ吐かないものの、見るからに機嫌の悪そうな………特に爆豪に、我に返った緑谷は焦り始める。

 

「つーか、俺達何の用で呼ばれたンだよ」

 

「ちょ、かっちゃん流石に此処では喧嘩腰は止めて!!」

 

「るっせぇ、こちとらNo.1の背中を追っ掛けるので必死なんだよ。時間は幾らあっても惜しいんだ。無駄な時間は使いたくねぇ」

 

 No.2ヒーローの事務所に案内され、それでも崩さない爆豪。あまりにも尊大且つ無礼な態度の幼馴染みに緑谷は口から心臓が吐き出されかけたが、隣の轟も似たような事を言い出した。

 

「親父の………エンデヴァーの用件はゴジータにあるだろうが、それにしたって急過ぎるだろ。そもそも、用件ってのは一体なんなんです?」

 

言葉遣い自体は爆豪よりマシではあるが、表情が不機嫌さを全開にしている為に空気は更に重くなっていく。あまりにもあんまりな二人に緑谷は軽く胃の痛みを覚えたが、場の空気が払拭する様な笑い声により、粗な痛みは和らいでいく。

 

「アッハハハハ! 流石はNo.1ヒーローの秘蔵っ子だ。向上心の塊、私達も見習いたいモンだよ」

 

「あぁ?」

 

「バーニンさん」

 

 翠色に揺れる炎のような髪を靡かせながら三人に近付くのは、エンデヴァー事務所に於けるサイドキックの一人、バーニン。そのヒーロー名通り、火の個性を扱う彼女は感心感心と爆豪達を見やる。

 

「いやーごめんね。なんかエンデヴァーがゴジータに【だけ】どうしても外せない用があるらしくてさ、アタシ等も詳しく聞いてないんだよ。時間を貰っておいて悪いけど、ここはグッと堪えてくれないかな?」

 

 お詫びにお茶菓子位なら出すよ! そういってあからさまにご機嫌取りをしてくる先輩ヒーローに何も言えなくなった爆豪は、鼻を鳴らしてソファーに座る。

 

 そんな幼馴染みの態度に苦笑いしつつも、緑谷は轟と共にエンデヴァーのデスクへ通じる扉を見る。

 

ゴジータへの外せない用件、余程重要な案件なのだろうか? 胸中に湧き出る漠然とした不安を抱えながら、緑谷はその扉から視線を外せなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、貴様と冬美はどういう関係なのだ?」

 

「サラッと何を宣ってやがるファイヤー親父」

 

 エンデヴァーの部屋、二人だけの空間となった場所に最初に口火を切ったのはNo.2の方だった。

 

 その眼をギラリと光らせ、睨み付けてきながら追及してくるNo.2にゴジータは心底呆れた様子で返した。

 

「惚けるな、貴様と冬美に何らかの関わりがあることは以前のやり取りで把握している。さぁ吐け、いつ娘と知り合った! 何処で! 何のために! 何故冬美に近付いた!?」

 

「顔を近付けんな暑苦しい!! なんだアンタ、いつからそんな親バカにシフトチェンジしやがった!?」

 

「娘が悪い虫にすり寄られて、黙っている父親はいない!!」

 

「マジでブチのめすぞテメェ!?」

 

 一方的に呼びつけておきながら悪い虫呼ばわりに、流石のゴジータも激昂した。一般的な父親としてなら正しい反応かも知れないが、相手は色々と後ろ暗い要素のある轟家の大黒柱。

 

 ゴジータの脳裏に体育祭で聞いた焦凍の言葉が思い浮かぶ。オールマイトというヒーローを超える為、個性婚という手段を取ったエンデヴァー、自らの子供をオールマイトを超えさせる為だけに産ませたと語る焦凍の言葉は今思い出しても中々に衝撃的な台詞だった。

 

そんな後ろ暗い要素満載なファイヤー親父が、自分の子供達の為に憤慨している。新たに見せ付けられるエンデヴァーの一面に若干の戸惑いを覚えつつも、ゴジータは改めて要件を問い詰めた。

 

「───で? マジで一体何の用なんだ? 生憎と此方は忙しい身なんでね、なるべく早く面倒ごとは片付けたい」

 

「……………」

 

 いい加減に話を進めろ。そう目で語るゴジータにエンデヴァーも言いたいことを呑み込み、自身のデスクへ向かう。漸く話が進められると溜め息を溢すゴジータに、一冊の本が投げ渡された。

 

「なんだこれ? ………異能解放? 矢鱈と付箋が貼られているみたいだが………これは?」

 

「先日、ホークスから送られてきた調査報告書。その結果だ」

 

「ホークスが?」

 

 本の中を見てみると、其処には個性という異能に目覚めた人類に対する思想本。所々過激な要素が盛り込まれ、啓発本というより洗脳に近い宗教本に思えた。

 

如何にもな本の内容に見ただけで辟易となる思いだが、エンデヴァーの言葉によると重要なのは其処ではないらしい。

 

 ホークス曰く、付箋を貼られた所が要点を纏めた所らしい。言われるがままに付箋の貼られたところを読むと、事前に書き込まれた内容に違和感を覚え、次に其処に隠された意図にゴジータは目を見開いた。

 

「おい、これって………」

 

「異能解放戦線、或いは超常解放戦線。そこに記されているのはホークスが死に物狂いで調べあげた………ヴィランどもによる総攻撃の決行日とその詳細だ」

 

 異能解放、超常解放、逃げ延びて未だ行方が掴めない敵連合、裏社会で密かに開発されている違法サポートアイテム、開発された自身の血から造り出された劇物、そして………A.F.O。

 

全てが繋がっていくような感覚、そしてその直感は決して間違いではない。幾つも繋がっていく欠片に戸惑っていると………ふと、ゴジータの懐から着信音が鳴る。

 

 エンデヴァーに一瞥すると向こうもヒーローとしての直感が働いたのか、出てみろと促してくる。音声をスピーカーに切り替え電話に出ると、相手は職場体験の際に知り合い、連絡先を交換したグラントリノだった。

 

『ゴジータ、良かった。出てくれたか』

 

「グラントリノのじっちゃんか、どうした? アンタが掛けてくるなんて珍しい」

 

『あぁ、実は少し此方で敵連合に関する進展があってな。折り入ってお前さんに協力して欲しい事がある』

 

「協力?」

 

『あぁ、敵連合の幹部の一人、黒霧を捕まえた。序でに奴の正体もな』

 

 状況が加速的に進んでいく。二転三転していく状況にゴジータは予感を覚える。

 

即ち、ヒーロー対ヴィランの全面戦争。超常黎明期から続く負の遺産の発露、その瞬間がもうすぐ迫ってきているのだと。

 

ゴジータもエンデヴァーも、犇々とそれを感じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふふ、いいぞ、良いぞ! やはりワシの見立ては間違いではなかった!!」

 

「マキア! そして死柄木弔! お前達なら、お前達であるならば、きっと耐えられる!! 新たな生命体として、この星に君臨出来る!!」

 

「そうなれば、全てがお前達の思うがままよ!!」

 

 薄暗い闇の中で、賢しき悪意は嗤う。眼前に広がる血の海に、その中で悶え苦しむ二体の怪物。

 

彼等こそがA.F.Oが願ったもの。彼等こそが、自分達が思い描く最高傑作。

 

【最強】

 

彼等が一度目覚めれば、それだけで現在の社会は崩壊する。その事を想像するだけで絶頂する悪意は、今日もおぞましき笑みを浮かべながら作業を続ける。

 

 日常の崩壊、ヒーロー社会の崩壊まで後僅か。その日が来ることを夢見ながら、二体の怪物は悶え、苦しみ、そして………嗤い続けた。

 

 

 

 

 

 

 





小さい頃、テレビに移る超サイヤ人を見て、自分はドラゴンボールにハマりました。
かめはめ波という必殺技、元気玉という皆の力を合わせた奥義。
その悉くが自分の心を掴んで今も離しません。

あの伝説を作り上げた偉大なる漫画家はもういない。けれど、あの日あの時感じた感動とワクワクを自分は一生忘れません。

ありがとう鳥山明先生、あなたがNo.1だ。
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