魔人にされた俺、何もしてないのに魔法少女に殺されそうです。 作:夜虚
「ほう、中々強い
女はそう言うと、俺の胸に突き刺していた腕を引き抜き、満足そうに影に包まれて消えた。
残されたのは訳も分からず立ち尽くす俺一人だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
どうしてこうなったのかを振り返りたい。
まず、俺の名前は
一般通過男子高校生兼引きこもりだ。多少事情付きのな。
ちなみにこんな名前だが男だぞ。
今日も学校が終わり、いつも通り歩いて家に帰っていた筈だ。
けれど、気が付くと知らない路地裏にいて、目の前に真っ黒なローブを被った女が居たんだ。
ナニがとは言わないがデカかったから人目で女だとわかった。
そんで、いきなり胸を貫かれて、さっきのくだりに至る。
……うん、わけわかんねぇな。
何故か制服は破れてないし、痛みも傷も全くない。
ホント、何だったんだ?
「見つけた!覚悟しろ魔人!」
「はっ?」
はぁ!?
え〜、今俺の身に起きた事を説明しよう。
まず、一つ目。
いきなり毎週日曜朝にある女児向けアニメみたいな格好をした黄色い少女が黄色の苦無を投げてきた。
俺は音ゲーで鍛えた動体視力とチマチマ続けていた筋トレによる筋肉があるから余裕で避けれた。
二つ目、『俺』、『女』になってる。
あっれれ〜?おっかしぃ〜ぞ〜?
(
数秒前までちゃんと付いてたし、胸も無かったんだけどな〜?
何気にデカいから動きづらいし。
三つ目、服装が学校の制服から、黒のドレスになってる。
二つ目のインパクトが強すぎて
「くっ、避けられるか!ならばコレだっ!」
さっきの女がまた同じ苦無を投げてきた。
と思ったら途中でボフンと音と煙を発して見えなくなったと思ったら今度は分裂しやがった。
なんとか避けれたものの、数本掠ってしまい、ドレスは所々切れるし、頬にも一本の赤い筋が出来た。普通に痛ぇ。
けれど、明らかに人間辞めてる速度で塞がった。
なんか、こう、効果音付くならスゥって付きそうな感じで。
ドレスもなんかシュルシュル音をたてながら自動で修復されてるし。
ドレスは派手だか、存外動きやすい。
それに傷も勝手に治るときた。
オマケに此処は路地裏。
入り組んでるし、日光の心配はない。
よし、コレなら逃げ切れるかも。
「手伝いに来たわよシャイン!」
あ、青いのが増えた。
ヤッベ、さっきの一人だし発言フラグだったわ。
よし、これ以上増える前に逃げよう!
思い立ったが吉日ならぬ、思い立ったが吉時だ!
ダッ!
俺は二人に背を向け、路地裏を全力で駆けた。
「あっ!待ちなさい!追うわよ!グレイシャ!」
「勿論!私は上から追うわ!」
「オーケー!」
おいおい、マジか上からもかよ。
……取り敢えず頑張って逃げるしかねぇか。
なんでか知らんが消えてない、ヘッドホン型音楽プレイヤーでなんか曲かけよ。
そうでもしねぇと涙が零れそうだ。
〜♪
聞き慣れた音楽が聞こえだす。
ああ、いくらか気分が楽だ。
神様、どうか俺を無事に家に帰らせてください。
〜魔人&魔法少女ズ鬼ごっこ中〜
「待ちなさい!」
「待てと言われて待つ馬鹿はいない!殺されそうなら尚更な!」
くそう、道を選び間違えた。なんで、この道路地裏なのに直線一本道なんだよ。
その癖出口は見えねぇしよぅ。
「アイスショット!」
上から追っていた青いのがなんか撃ったと思ったら逃げてる先の道に着弾し、デカい氷の塊で道を塞がれた。
「ちぃっ!」
慌てて、足を止める。
畜生、追い詰められた。
「追い詰めたわよ!大人しくお縄に付きなさい!」
「シャイン?死んでもらうのだから『お縄につく』はちょっとおかしいんじゃない?」
「どっちでもいいじゃない。結果は変わらないんだし。」
「それもそうね。」
コイツラ俺を放って話してやがる。
ダメ元で会話出来るか試すか。
その間に突破口を探そう。
「おい!何でお前らは俺を殺そうとするんだ!それに、魔人って何のことだよ!?」
「貴女が魔人だからだよ。」
良かった応じてくれた。さて、今の内に逃げる手段を考えねば。
推理ゲーで鍛えた頭で突破口を探さねば。
「魔人っていうのはね、わかりやすく言うなら欲望の塊。」
「魔獣に比べて力が強いし、
「それに固有能力を持つのが多いからね!君は自覚してないみたいだから自覚される前にさっさと死んで貰うよ!」
あー、追い掛けてきた上に攻撃してくるしやっぱ殺しに来ますよねー(泣)
事情を話せばわかってくれるか?
「待て待て待て!俺はいきなりローブを来た女に物理的に胸を射抜かれた挙げ句、訳も分からず厨二病みたいな常識知らずな奴らに殺されそうになってんだぞ!?簡単に『ハイそうですか』って死ねるか!それにコッチにだって家族はいるんだぞ!こんな死に様はあんまりだ!」
なんか能力とか言ってたな。俺にもありそうな口ぶりだし、いけるか?
「知らないの?魔獣化ならまだ人間に戻れるけど、魔人化したらもう人間には戻れない。だからなってしまった人間は私達『センス』が始末する。法律でも定められたし、テレビとかインターネットとかでも報道された筈よ?厨二病とは聞き捨てならないわね。」
「嘘だろっ!?」
マジで!?始めて聞いたそんなの。
………最近全くテレビ見てねぇしアイツラとしか話さねぇからなぁ………。
これぞ引きこもり故の弊害。偶にはTV見たり外出ねぇとなぁ......数少ない外出で俺こんな目にあってんじゃん!
「本当だよ?この場で常識を知らないのは貴女の方。」
「マジかぁ……俺結構常識人だったつもりなんだけどなぁ。」
うわぁ、地味に突き刺さる言葉だ。
俺に常識が無いとか久しぶりに言われたなぁ。
まぁ、それは今は良いや。時間は稼げたし、能力の方もなんとかなりそうだ。
「遺言はそれでいいの?流石に遺族に遺言くらいは伝えてあげるわよ。」
「それぐらいはしてあげないと不憫だからねぇ。」
ハハハ、ありがてぇ━━━━(゚∀゚)
コイツラ知らねぇんだな。特S級敗北フラグというものを。
討伐直前の余裕見せは絶対にしちゃぁいけないんだよ。
必ず逃げられるか反撃くらうのがオチだからなっ!
取り敢えず妹に伝えるように頼もう。アイツは色々怖いが頼りになるからな。
「それじゃあ、
「私?」
「そう、そっち。ありがとうね。君のお陰で生き残ることが出来そうだよ。」
俺はそう言うとすぐさま自分の影を操り、自分自身を呑み込ませ、その場から脱出した。
「「あっ!」」
その場には呆然とする二人の少女が残された。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
白夏自宅にて
「ふぅ〜〜〜〜。何とか逃げ切れて良かった〜〜。」
俺は震えに震える声でそう言い、部屋にあるフッカフカのベッドへ倒れ込む。
「男にも戻れたし、制服も戻ったしで、上手くいって良かったぁ〜〜〜。」
何故、俺が影に潜る事を思いついたのか。
最初に出会ったローブの女が影に包まれて消えたからである。
どう考えても俺が魔人?とやらになったのはあの女が原因だろうし、元がアイツなら似たようなことが出来ても良いと思うの。
それに魔獣とかいうのよりはランクが高い感じだしそれなら能力も贅沢であって然るべきでしょ。
しかし、本当に男に戻れて良かったわ。
女として生活するにしたってあのドレスは無いし、今は夏。
色素欠乏症、分かりやすく言うならアルビノの俺は日光に弱いから、長袖の服やフード付きの服は大量にあるが、ブラとかの女性専用下着は持っている筈がないし、多分、あの胸の大きさでは、無理がある。EとかFはあったんじゃね?詳しい所は知らんからなんとも言えんけど。取り敢えずデカかったのは確かだ。.......なんで俺は自分の胸(女体化時)について熱弁しとるんだ.......。
………今日は色々あり過ぎて疲れた。
風呂も入ってなけりゃ、飯も食ってねぇけど、今日はもう寝よう。明日土曜で休みだし。
風呂抜き飯抜きでも明日入れば大丈夫だろ。
寝る前にスマホを充電機に繋げ、俺はベッドにダイブしたその姿勢のまま、深い眠りについた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
先程の路地裏にて
「ああもうっ!逃げられたっ!」
残された二人の内、黄色いのと言われていた少女、シャインが地団駄を踏んで悔しがっていた。
「やられたわねぇ。というかシャイン!敵に情報を簡単に与えちゃ駄目じゃない!」
直ぐ側にいた青い方と言われていた少女、グレイシャがシャインに注意する。
「ほんっとにゴメン!」
シャインは手を顔の前で合わせ頭を下げる。
「でもまさかアレだけで能力を扱える様になるとは思わないじゃない?」
シャインは苦笑いし、頬を掻きながらグレイシャに話す。
「それはそうだけどね。今日は偶々ノア*1の反応があったから来たけど、逃げられたんじゃねぇ。それにあの魔人妙だったわよね?」
「あ、やっぱり?」
「ということは貴女も?」
「うん。なんか口調が男ぽかったし、何より欲が分からなかった。」
通常、魔獣は元となった人間の最も強い欲に従って行動する事が多いので、どんな欲が元になっているかは分かりやすいのである。
魔人も魔獣と同じく、元となった人間の最も強い欲望に従って行動するが、魔獣と違い、頭があるので、多少理性的な行動を取れるのである。
しかし、やっぱり欲に従って行動するので、大体が言動の端々に
「そうなのよねぇ。私達が此処で考えてもせんのないことだし、週末にある集会で話しましょ。」
「そうだね。あ、でも、怒られるのは嫌だなぁ。今回逃してしまったのは結構怒られるよねぇ?」
グレイシャは組んでいた腕を解き、シャインは頭を抱えて呻く。
「そうね。でもそこは諦めるしかないわ。やらかしたことはどうしょうもないし。それより、気になるのがアイツの発言よ。」
「気になることあったっけ?」
キョトン顔をグレイシャへ向ける。
「ええ。伝言相手の四季黒冬って確かランク四位の『黒雪』の本名だったはずよ。」
「………そうだっけ?」
「『センス』の内々で、二十位辺りまでは本名を公開してるじゃないの………」
「アハハ忘れてた!」
シャインは持ち前の能天気さで返し、グレイシャはそれに呆れている。
「全くもぅ………。それで、その人相手に『面白いことになった』なんて変じゃない?」
「まさか身内とか?」
「さあね。そこまではわからないわ。でも、少なくとも面識はあるんでしょうね。」
「その辺りも込みで報告しよっか。ただ、なぁんか嫌な予感するんだよねぇ〜。」
「ちょっと貴女が不吉な事を言うのは辞めてよ。貴方の勘は外れた試しが無いんだから。」
「実家が神社だからね!巫女さんだから勘は優れてるんだよ!」
「そうだとしても当たりすぎでしょうに。それにアンタの格好どう見ても忍者じゃない?」
ここで改めて二人の格好を説明しよう。
黄色い方ことシャインは忍び服をベースに所々ヒラヒラしたレースや装飾を増やした物。巫女服とか神社関連で無い事だけは明らかである。わかりやすいイメージを言うなら艦○れの川内型一番艦改二を黄色ベースにした感じである。
青い方ことグレイシャは動きやすさを重視した青と水色のドレス、というのが最適であろう。こちらのわかりやすいイメージを上げるならスマ○ルプリキ○アの青の娘だ。
「当たりすぎなのは私もそう思うし、この格好は放っといてよぅ。私自身巫女っぽくならなかったのに驚いているんだからぁ。」
「それはごめんなさいね。あ、どうやら近くで魔獣が発生したみたいよ。」
二人は誰かから念話か通信かをされたのか耳元に手を当て、数度頷くとシャインに伝えた。
「ちょうど私達が一番近いし、二箇所に出たみたいだから二手に分かれよっか。」
「そうね。じゃあ、今日はコレでお別れね。」
「そうだね。また明日!」
「また明日!」
二人はそこで会話を打ち切ると互いに別々の方向へと向かって行った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
とある電脳世界の片隅にて
「おやおやぁ?面白そうな事になってる方がいらっしゃいますねぇ。ちょっと見てみますか。」
そこは電子のみで構成された電脳世界。
所謂インターネットと呼ばれる場所である。
そこに唯一存在する彼女は何やら監視カメラから面白いものでも見つけたのか手元に浮かんだ画面をニヤニヤ見つめていた。
「う〜ん、この映像が見つかると面倒ですねぇ。消しますか。」
少女は電子世界の中空に『
すると、映像は
ディルディルディルディルディルディルディルディル
ど嫌な音を立てながら回転し、消えた。
「よし、消去完了。はたさて、彼は一体何処の誰でしょうか?フムフム、
四季白夏、17歳。
妹が三人おり……
へぇ!コレはコレは。中々愉快な事になってるようで。まさか、自分以外全員とは。ん………コレは…………成程。あの事件の生き残りですか。コレは良い暇潰しになりそうですね。今回は彼の所にお邪魔しますか。むぅ、どうやらちょっと前に寝てしまったようですね。仕方無い。起きるまで、ゲームでもしながら時間を潰しましょう。」
夜虚「プリキュア的時空でのお話さ♪所で天夜君。」
天夜「なんです?」
夜虚「話すネタ無いね。」
天夜「あんまりだっ!……無いなら無いでせんかったらえんとちゃいます?」
夜虚「そうだね。なんか話すネタ思いついた時に話そうか。」
天夜「ネタが全く出てこない未来が見えるよ……。」
夜虚「そうそう、後書きではこんなノリで行くから読者の皆も宜しくね。嫌な人はブラウザバック推奨定期。」
天夜「そいでは、『魔人にされた俺、何もしてないのに魔法少女に殺されそうです。』を」
夜虚「よろしくお願いします!」