魔人にされた俺、何もしてないのに魔法少女に殺されそうです。   作:夜虚

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二話目だよ〜


第二話 謎の少女×2

白夏side

気が付くと、何もない真っ黒な世界に一人孤独に立っていた。

 

 

辺りを見渡しても、ただただ、漆黒(しっこく)の闇が広がるのみ。

 

おぉーーーい!!!!!

 誰かいないのかーーー!!!!

 

 

叫んでも自分の声が響くだけで何も変化はない。

 

 

「どーゆーことだ?俺は確かベッドに倒れ込んで寝たはず………。」

 

 

記憶を遡ってみるも、明らかに此処は自分の部屋では無い。

 

 

「まさか…………能力の暴走?嘘だろオイ。」

 

 

しかし、暴走してもおかしくはないのが笑えない所である。

手に入れてすぐの力を使いこなせるのは一部を除いてほぼ皆無。

おまけに転移とか、高度な空間能力を扱えるほうが(まれ)である。

 

 

「安心して♪君の能力が暴走したんじゃなくて私が招待(しょうたい)しただけだから。」

 

誰だ!!!

 

突如(とつじょ)背後(はいご)から少女の声が聞こえ、振り向くが誰もいない。

が、代わりとでも言うように先程まで何も無かったはずの空間に真っ白な(くさり)雁字搦(がんじがら)めに封じられた高さ5メートル程の(とびら)鎮座(ちんざ)していた。

 

「扉……?」

 

 

「正解!」

 

 

 

扉の向こう側から少女の声が聞こえる。

さっきの声はこの中にいる少女?の物のようだ。

 

 

「アンタ、何者だ?」

 

 

扉の向こう側にいるであろう少女に問いかける。

 

 

「ん〜、今はまだ話せないかな?君にはまだまだ足りない。少なくとも、小学校の時ぐらいじゃないと。あの他人が理解できなくて、人の感情に無頓着(むとんちゃく)、常識を知らず、己の心の(おもむ)くままに行動してたあの頃みたいに。」

 

「なんでテメェがソレを知ってやがる!?!?」

 

 

少なくとも、あの事件のせいで知っている人物は居るはずのない自身の事を話され、声を荒らげてしまう。

 

 

「ん〜、私については話せないけど、今いる場所については話せるかな?此処(ここ)は君の深層意識(しんそういしき)の更に奥、集合的無意識(しゅうごうてきむいしき)との境目(さかいめ)だよ。もっとわかりやすく言うなら、君と他人を定義づける境界線のすぐそば。この扉がその境界線だよ。」

 

 

「ますますわけ分からねぇぞオイ。」

 

 

いきなりこんな話をされて理解できる奴は厨二病か(もと)より頭のオカシイ人物だけだろう。

 

 

「今は分からなくてもいいよ。どうせそのうち何度も此処に来ることになるだろうし、最後にはこの扉を開いてもらうことになるだろうから。」

 

「そこらへんは取り敢えず今は置いとくわ。で?俺に何のようだよ?招待したって事は俺になんかの用事があるんだろ?」

 

 

よくわからない話は置いといて本題に入ろうと促す。

 

 

「ん〜っとね、君、人間辞めて異能を手に入れたでしょ?」

 

「おう。」

 

「それについての簡単な説明。」

 

 

青年の誘導に対しまた少女はサラッとあり得ないことを言う。

 

 

「なんでテメェが俺のつい昨日手にした力について知ってんだよ?」

 

「だって此処は一応君の精神世界だよ?記憶ぐらいいくらでも見れるさ♪それに、その力は()()()()()。君、素質(そしつ)はあるみたいだからね。ソレが例の女のせいでほんの少し花開いたんだよ♪」

 

 

「素質とか、花開くとかどういうことだよ?」

 

「それじゃ能力について話すけど、この力はとても万能でね、出来ないことはまずないよ。」

 

 

少女はなにやら意味深な事を話すが青年の質問は無視し、取り合おうとしない。

 

 

「あー、無視ですかそーですか。」

 

 

青年も取り合う気がない事を悟ったか脱力し、項垂れる。

 

「ただね、ちゃんと制御出来ない内は勝手に動き出すから気を付けてね。強烈(きょうれつ)な欲望を感知すると勝手に発動するから♪」

 

 

「ん?ということは、だ。まさかとは思うが、魔物?とかが近くに出たら勝手に女になるのか?」

 

 

 

項垂れつつも話はちゃんと聞いていたようで、なにやら不穏な言葉に質問を返す。

 

 

Exactly(そのとおり)♪」

 

クソがぁっ!

 

 

そして嫌な予感が的中した挙げ句、楽しげに返された青年は恨み言を吐きながら思いっきり地面を殴る。

 

 

「まぁ、でも安心しなよ。死ぬ気で気張(きば)れば数分は男のままだし、変身した魔法少女が傍にいても女のままだから。」

 

「………その言葉を(すく)いとか(なぐさ)めと受け取る奴は相当頭がお花畑(パッパラパー)か日頃相当苦労してる奴だけだぞ………。」

 

 

相変わらず楽しげな少女に軽くハイライトが家出してそうな声で青年は返す。

 

 

「ま!魔物とか魔法少女に出くわしたら女になるって言うのと、君の力はイメージの具現化って事を覚えとけば良いよ。そろそろ時間だから、それじゃバイバ〜イ。」

 

「はぁ!?ちょっ、俺の力が想像とか一言も聞いt」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

聞いてねーぞオイっ!!!!!

 

 

ガバっと跳ね起きる。どうやら自分の部屋のようだ。

どうやらよくわからんあの空間から追い出されたらしい。

 

 

「……クソっ。最後の最後に肝心(かんじん)な話一言だけしやがって。」

 

ピピピピ ピピピピ ピピピピ ピピピピ

 

 

またもや恨み言を(こぼ)していると充電器に繋がれたスマホのアラームが鳴っている。スマホに表示される時間を見るとどうやら今は午前8時のようだ。

 

 

「………止めるか。」

 

 

アラームを止めようとスマホに手を伸ばす。

が、違和感を覚え体が止まる。

 

 

(ちょっと待て。俺はいつこのアラームを設定した?土日のアラーム設定は無しのはずだぞ。今日は何も用事はないはずだし。)

 

 

鳴り続けるアラームを止め、充電機からスマホを外し、画面を見ようとする。

 

 

?「くぁ……。ふぁあ、よく寝ました。やっぱり偶には寝て暇潰しもいいですね。」

 

 

突如、スマホから知らない少女の声が聞こえ、反射でスマホを投げそうになるも慌てて踏みとどまる。

 

 

?「あ!もう起きてますね。」

 

スマホの画面には何時も使っている背景とアプリ郡の前に画面の中央で黒髪ポニテ、ダボダボの赤ジャージに黒のスカートと黒タイツを着た少女がニコニコと笑顔を浮かべてこちらを見ていた。

 

 

?「始めまして!私はサイカといいます!まぁ、わかりやすく言うなら電脳世界の住民です。以後お見知り置きを!」

 

「…………寝るか。」

 

うん。寝よう。(イットイズ)そうしよう。

俺は疲れてるんだ。そうに違いない。(GENZITUTOUHI)

スマホを充電機に繋ぎ直し、再び布団にダイブし、眠りにつこうとする。

 

決して、

 

「あっ!ちょっと!現実逃避(げんじつとうひ)しないでください!」

 

とか、

 

「貴方の為にもなるんですよ!話に応じようとしてくれてもいいじゃないですか!」

 

とか、

 

「そこまで無視するなら切り札を切ります!貴方が魔人だっていうの知ってるんですよ!」

 

聞こえn……今何つった?

 

 

「オイ待て今何て言ったよ?」

 

聞き逃がせん言葉が聞こえた気がするんだが。

青年は布団から起きて改めて画面の中の少女を見る。

 

「貴女が魔人だと言うのは知ってるんですよ!」

( ・`ω・´)ドヤァ*1

 

 

画面の中央で少女がドヤ顔しながら貧相な胸を張っている。

すごく殴りたくなる笑顔だ。

 

 

「ドヤ顔すんなクソウゼェ。で?何で俺が魔人だって言い切れるんだよ?」

 

 

少なくとも帰ってきてからは誰にも見られてねーはずだぞ。

昨日の路地裏に監視カメラがありましたとかいうオチじゃなければ。

 

 

「簡単に言うとカメラに思いっきり映ってるからですね!路地裏で青いの(グレイシャ)黄色いの(シャイン)に追われてるのがバッチリ残ってるんですよ。」

 

 

予想的中!嬉しくなぇな!なんで路地裏に監視カメラなんざあるんだよ。

 

 

「んなわけあるかよ。第一追われてたとしてなんで無事に逃げられてるんだよ。」

「いやぁ、最後の最後にワープで逃げられまして。あそこまで綺麗に逃げ切られたのは始めてです。」

 

 

そこまで映ってんのかよ。どーなってんだあの路地裏。

 

 

「尚更なんで俺に辿り着くんだよ?」

「最後に貴女が言い残したでしょ。『四季 黒冬という奴に「面白いことになった」と伝えてくれ。』と。彼女の関係者にあんな女性はいませんし、そこまで交友関係もありません。あるとしたら家族か、学校の級友ぐらいです。しかし、面白いですよね。まさか性転換しても声紋(せいもん)が全く一緒(いっしょ)だなんて。貴方本当に男ですか?」

 

 

な~んで性転換しても声変わってないのよ。

せめて声も変えてよ。アイツと話したら瞬でバレる。

 

 

「何を言ってるのかさっぱりだな、本当に。事実俺は男だし、性転換なんざしとことねーよ。」

 

 

ここは(しら)を切るしかない。

というかそれ以外にどーしよーもねぇ。

 

 

「ムゥー強情(ごうじょう)ですね。仕方ありません。切り札を切りましょう。

 黒冬(こふゆ)さん、『センス』の一員ですよ。しかもランキングNo.4。」

「なっ………!!!」

 

 

オイオイウソだろアイツがセンス?冗談は辞めてくれよ。

 

 

「アッハ♪面白い位に顔が青くなりましたね?どーしたんです?そんなに心配なんですか?」

ああ、そりゃ心配に決まってるだろう。俺の妹なんだし。」

((((((;・∀・))))))ブブブブブブ*2

 

 

心配?イランイラン。

アイツが失敗する所とか見たことねーし、想像もつかねーよ。

アイツは俗に言う天才だ。しかも努力型の。

 

 

「目に見えて面白いぐらいに震えてますよ貴方。」

「アッハッハ………ンなわけあるか。」

((((((;・∀・))))))ブブブブブブ*3

 

 

アイツが敵に回ってる?悪夢かなんかか?いや悪夢だ。(反語)

俺がアイツに勝てたことなんざ一度もねーんだぞ。

 

 

「…………じゃ、トドメにコレをみてください。」

 

 

画面に監視カメラと思わしき画角で、あの女に胸を貫かれて女に変わる俺の動画が流された。

 

 

……詰んだな。諦めよう。

 

 

スゥ…………お前の要求は何だ?」

「貴方のサポートをさせてください。」

「………ハァ?なんで。」

 

 

思いがけない言葉に面食らう。

 

 

脅迫(きょうはく)してきたかと思えば俺に協力?どういうつもりだコイツ。

 

 

「なんででも、です。こんな面白い事、傍で見ないわけにはいかないでしょ。」

「………お前、快楽主義者(かいらくしゅぎしゃ)か。」

 

 

………どうしてかな。一人の友人の顔がありありと浮かぶのは。

 

 

「モッチロン!ツマラナイルール()に縛られてないのに楽しく生きない道理(どうり)はないでしょう?」

「周りへの迷惑(めいわく)とか考えねーの?」

「一部除いてかからないので無問題(モーマンタイ)ですね。」

 

 

なんで無駄に発音いいんだコイツ。………電脳世界の住民だからか(脳死)

 

 

「その一部を気にしろよ!………ハァ。んで?アンタは俺の何をサポートしてくれるんだよ?」

「んー、出てきた魔物のタイプ解析(かいせき)とか、対処方法(たいしょほうほう)とか、センスの情報ですかね。」

「マジでアンタは何者なんだ………?」

 

 

マジで何者だコイツ……?

なんで魔物の解析ができたり、センスの情報を持ってんだ?

 

 

「私は私。『サイカ』です。それ以外の何者でもないですよ。まぁ、色んな所に潜り込めるっていうだけです。」

 

 

駄目だなコリャ。話す気はないらしい。

 

 

「はァ…………。仕方ない。弱み握られてんだ。よろしく頼むなサイカさんよ。」

「よろしくお願いしますね!白夏(しなつ)さん!

 では早速(さっそく)名前決めましょうよ!」

「名前?なんの?」

「魔人として動く時のですよ。魔人は一人一人に呼び名がありますからね。大体は本人が名乗ったのを使ってます。なので決めましょう!それに本名で動いてたら身バレするでしょう?」

 

 

身バレは嫌だぞ俺は……。

 

 

「背に腹は変えられねぇな………。じゃあ何にすんだ?」

「そーですねー。ツシナはどーです?」

「………却下(きゃっか)。言いづらいし、アナグラムだとすぐバレるし、対馬(つしま)彷彿(ほうふつ)とさせるから。地名とダブるのなんか嫌じゃね?」

「確かに嫌ですねぇ。それじゃあ、コクナはどーです?」

 

 

黒は俺のじゃなくてアイツ(黒冬)の色だ。

女になったら結構色々と黒かったけど。

 

 

「却下。何となく気に入らん。」

「あーもー却下却下言うなら自分で考えてくださいよ!」

「んー、そーだな………。ビャクナはどーだ?」

 

白夏の読みを変えてみた。

うん、結構いい出来じゃね?

 

(びゃく)()………ブフッ……良い名じゃないですか………名は体を表すといいますし?」

「おい、なんで笑ってやがる。何か変な解釈(かいしゃく)しただろ。白夏を読み替えただけだぞ。」

「ふーん、そ~ですかそ~ですか。貴方がそう言うならそーなんでしょう」(ΦωΦ)フフフ…

 

コイツ絶対ェ何かを取り違えてやがる………。

 

 

「オイ!その顔辞めろや!物凄(ものすご)く嫌な感じがするんだよ!」

「まぁまぁ。あ!丁度いいことに近場に魔物が出ましたよ!倒しにいきましょう!」

 

 

絶対嫌だ!

 

 

「ハァ?嫌に決まって………クソがぁっ!」

 

どうやら当たり判定の範囲内らしい。

女になってやがる………。クソがぁっ!

 

「あらら、女になっちゃいましたね。ソレでは諦めて行きましょう!あ、その前に玄関前(げんかんまえ)に置いてる箱の中のものを身につけていってください。」

 

「なんで。」

 

「私にも観戦させろといってるんです。そうしないと戦闘中にサポートもできないでしょう?安心してください。中身はマイク&カメラ付チョーカーとイヤリング型高性能イヤホンしか入ってないので。」

 

「………仕方ねぇ。しっかりサポートしてくれよ?」

 

「お任せあれ!」

 

俺はいつの間にか玄関前に置いてあったダンボールからチョーカーとイヤホンを取りだして身につけた。見た目に違和感がないのが腹立たしい。

 

 

「どーです?違和感ないでしょう?」

「ああ、そーだな。見た目にも体にも違和感ねーよ。」

「接続も良好。では早速出陣です!」

「ハァ………面倒クセェー。」

 

 

取り敢えずはワープで向かうか。

なんか天に向かって立ち上る黒紫の光が見えるし。

昨日と同じイメージ………。自分を影で包む……自分を影で包む………。

ヨシッ、行けるっ!*4

*1
無い胸を誇らしげに張るサイカ

*2
バイブの如く震える白夏君

*3
バイブの如くh(ry

*4




夜虚「因みに
白...「太陽の色を全て反射した色」「はっきりしている」「まじりけがない」「けがれていない」
那...「美しい」「豊か」「ゆったりしている」
って感じだね!
そうそう、それと、良かったら感想をくれると嬉しいな。乞食?はてさてなんのことやら。まぁ、読者である君達の反応を見るのも楽しいんでね。次回もお楽しみに!」
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