木組みの街の探偵さん   作:アユムーン

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某仮面ライダーアニメの影響を受けまして・・・とはいってもやることはわちゃわちゃどたばたな物語!・・・の予定です!

どうかご一読ください


依頼その1、道案内→オリジナルブレンド

朝日と共にたくさんの喫茶店から仕込みのコーヒー、お茶、紅茶などの匂いが立ち上るこの『木組みの街』

 

まだどこのお店も開いていない道を黒のハットを目深に被った人物が歩く

 

「~♪今日もこの町はいいね。なにかが始まりそうな気がするよ」

 

まだ大人とはいえない年頃のその人物は道を進み、一軒の事務所の前にたどり着き、中へ入る

 

「朝の見回り終わりっ!・・・っとと、忘れてた」

 

その前に一度ドアの前に戻り、ドアにかけてある看板を裏返した

 

「よしっ!さて今日はどんな依頼が来るかな?」

 

ワクワクしながら再びその少年か少女は事務所の中へ、先ほど裏返された看板に書かれたその事務所の名は『木組みの街探偵事務所』

 

今日も営業開始です

 

・・・

 

春真っ只中の季節、風に乗って桜が舞います

 

「えーと今日の依頼はこれでおしまいだね・・・皆ありがとう!」

 

黒のハットを被り、カジュアルなスーツに身を包んだ冒頭で話した人物が依頼を手伝ってくれた野良兎達にお礼を言う

 

今日の依頼は行きつけの和風喫茶の看板兎の捜索で、先ほどその兎を無事に見つけて送り届けて報酬をいただいたところなのだ

 

「やっぱりこの街のことを知るなら兎に聞くのが一番だね・・・ん?」

 

そうして自分も事務所に戻ろうと視線を上げるとなにやら道に迷っているような女の子を発見

 

「この街で困ってる人は見過ごせないね。すみません!そこの貴女!」

 

早速その女の子に声をかけた

 

「?、私かな?」

 

「そうそうそこの貴女!もしかして道に迷ってますか?それからもしかしてこれからこの街に下宿される方ですか?」

 

「!、すごい!なんで分かったの!?」

 

どうやら予想通りだったようで花の髪飾りを着けた髪を揺らしながらその女の子は驚く、それに対して

 

「ふふん、なんてったって『探偵』ですから」

 

と、どや顔で答えたのだった

 

・・・で、

 

「お名前は保登心愛さん、今年からこの街に下宿して高校に通う予定なんですね」

 

「うん、けど道に迷っちゃったみたいで」

 

近くのベンチに座り、どこからか取り出した手帳に情報を書いていく

 

探偵が知り合ったこの少女の名前は保登心愛(ほとここあ)、今年からこの街に住む予定であるが、その下宿先を探す途中で道に迷ったらしい

 

「そういうことならご安心を!この街で私が知らない所はありませんので」

 

「!もしかして案内してくれるの!」

 

「もちろん!そのご依頼お受けします」

 

「ありがとう!えーと、探偵さん?」

 

「おっと、申し遅れました私は義良露(ぎよくあらわ)、露とでもお呼びください。こちら名刺になります」

 

そうして差し出した名刺には『木組みの街探偵事務所、探偵 義良露』と書かれていた

 

「うん!私はココアでいいよ!えっと・・・露君?露ちゃん?」

 

恐らく年代は近いと踏んだココアが親しみを込めて名前を呼ぼうとして呼び方に少し悩む

 

「ふふっ、好きな方でいいですよ。それじゃあいきましょうか!」

 

それに微笑みで返してココアの前を歩く、目的地は行きつけのコーヒーの美味しい喫茶店だ

 

・・・

 

「はい、到着ですよ」

 

「ありがとう!・・・えっと、喫茶店ラビットハウス?」

 

ココアを引き連れてたどり着いた喫茶店、ラビットハウス

 

「露ちゃん、私香風さんって人のお家に行きたいの」

 

「いいからいいから♪中に入りましょ?」

 

そう言ってココアの背を押してお店に進む

 

「(ん~どうしよう?露ちゃん悪い子じゃないと思うけどでもラビットハウスかぁ~きっとウサギがいっぱいいるお店だよね!!)」

 

注意!普通ならここで来店を拒否、逃げるか通報するかが正しいです!!・・・オホン、気を取り直して

 

少しだけ露のことを疑ったが、それ以上に目前に迫るお店への楽しみが勝ったココアはドアを潜って来店、後を追うように露も店内へ

 

カランカラン♪ドアのベルが気持ち良く鳴り「いらっしゃいませ」・・・また別の少女の声が響いた

 

水色のロングヘアーのなにやら白い毛玉を乗せた露やココアよりもいくつか年下の少女、制服を着ていることからこの喫茶店の店員なのだろう

 

「こんにちは香風さん♪」

「!、露さん、お久しぶりです」

 

親しげに話す二人、既知の関係のようだ

 

「あれ?二人はお知り合い?」

 

「何度か依頼を受けた仲です。香風さん、この方は保登心愛さん、私の依頼人です」

 

「そうでしたか、ということは今日は依頼料をとるためにこの店に?」

 

「依頼料!?」

 

初耳な言葉に驚くココアだったが・・・

 

「それもありますけど、依頼のためですよ。さて保登さん、先ほどから私は彼女のことをなんと呼んでいるでしょうか?」

 

「へ?あの子のこと?えっと香風さん・・・ってえぇ!?」

 

「(なんだこの客)露さん、そろそろ事情を」

 

「ごめんなさい、とりあえず席についてから話しましょうか」

 

案内された席に座る

 

「さて、保登さんの依頼である『下宿先の香風さんの家に案内してほしいという』という依頼はその香風さんのご実家でもあるここ『喫茶店ラビットハウス』に案内させていただいたということで解決ということでよろしいでしょうか?」

 

「うん!ありがとう!!」

 

「それではこちらにサインを」

 

手帳の空いた部分にココアのサインを求める露

 

「ここだね・・・はい!」

 

「はい、では早速報酬の方になります」

 

「!、そうだ!私そんなにお金もってない・・・」

 

「そこはご安心を!香風さ~ん」

 

露の声に対してすぐにカップを持った先ほどの店員がやってきて

 

「はい、もうできています。いつもの、どうぞ」

 

「流石♪」

 

置かれたカップには湯気の立つあの飲み物

 

「コーヒー?」

 

「はい、私ここのオリジナルが好きなんです」

 

そう言って一度香ってから早速一口飲む

 

「うん、美味しい」

 

「ありがとうございます。これが依頼料なんですよ」

 

「え?」

 

「露さんへの依頼料は行きつけのお店の飲み物を一杯、もしくは食べ物を一品をご馳走することなんですよ」

 

「そうなんだ!良心的~♪」

 

「とはいっても今回は正式な依頼ではないのでお代はいいですよ。ただ今度からはいただきますね?」

 

「うん!それにしてもここってラビットハウスだよね?」

 

「?そうですが・・・」

 

そうしてキョロキョロの店内を見回したココアが一言

 

「ウサギがいない!」

 

「(本当になんだこの客)」

 

「ふふふっ、実はそこにいますよ」

 

「え?」

 

「ほら、香風さんの頭の上」

 

露が指差す先は店員の頭の上、白い毛玉がいる

 

「このもじゃもじゃ?」

 

「これはティッピーです。一応うさぎです。それでご注文は?「じゃあそのうさぎさん」非売品です」

 

そうして目の前で広げられる店員・・・香風智乃(かふうちの)とココアの漫才のようなやりとり

 

それを微笑ましく見守っていると・・・のしっ

 

「!、ティッピーさん」

 

膝に重みを感じたので見てみるとティッピーが乗っかっていた

 

「ワシの気配に気づけんとは、まだまだのようじゃの」

 

「あはは、そうですね」

 

どこからか響くおじいさんのような声に答えながら帽子を取ってティッピーに被せる

 

「まだ『アイツ』のことを追っかけておるのか?」

 

『アイツ』、それは露にとって大切な人

人生の道標となってくれた・・・今はいないあの人

 

「いえ、追いかけるのはやめました」

 

子どもだった頃はいなくなったその人を探して街中を探し回った、それだけどうしても会いたかった

 

それでも見つからなかった

 

「・・・諦めたのか?」

 

「いえ、ただいつか帰ってくるかもしれない場所を守りたいなって思ってます」

 

まだ子どもの自分では辿り着けないと悟り、せめて残してくれたあの事務所を守りたいと思った

 

それが今露が探偵を続ける理由

 

「それで今に至るか・・・そっくりじゃの」

 

「えっ?」

 

「あの娘に勘づかれる前に帰れ、またの」

 

その声が聞こえるや否や膝の上に乗っていたティッピーがぴょんと降り、その拍子に帽子が地面に落ちた

 

「・・・」

 

少し毛のついた帽子を手で軽く払ってから被り直した

 

お金を机の上に置いて、ティッピーを捕まえてモフモフしているココア・・・を眺めているチノに声をかける

 

「香風さん、お代はここに置いておきますね」

 

「あ、もう帰られるんですか?」

 

「はい、もしかしたら依頼が来てるかもなので」

 

「そうですか・・・あの」

 

「はい?」

 

「その・・・っと、いえ!あの・・・また来てください」

 

「!」

 

探偵は僅かな行動、表情、そして言葉を聞き漏らさない

 

口下手で恥ずかしがりやなチノが溢した『もっと』という言葉を拾い上げた

 

「はい、また依頼があれば」

 

その誤魔化されてチノのお願いに少し微笑み・・・店内を後にした

 

露が去った後のラビットハウスでは、

 

「あれ!?露ちゃんは!?」

 

ティッピーをモフモフしていたため露が帰ったことに気づかなかったココアがようやく気づいた

 

「もう帰られましたよ・・・あれ?」

 

そんなココアに早速ため息をつきながら置かれたお金を数える

 

「(お金が多い、もしかしてココアさんの分まで?)」

 

「ん?どうしたのチノちゃん?」

 

「いえ、なんでもありません。それよりココアさん」

 

黙ってやったことをわざわざ言及することではないだろうと、チノはお金をレジスターに入れておいた

 

「なぁに?」

 

「早速働いてください」

 

「いきなりだね!?ってそうだ働く前に一ついいかな?」

 

「?なんですか?」

 

「露ちゃんって男の子?女の子?」

 

「・・・私もそれなりに長い付き合いなのですが未だに分かっていません」

 

「えぇ!?」

 

そんなココアの叫びを背に露は帰路を進む・・・これからあのお店は賑やかになりそうだなと感じながら、ボソリと一人言を溢した

 

「早く、帰ってこないかな・・・お父さん」

 

帰ってこないあの人の名を溢した

 

しかし寂しげなその一言を拾う者は誰もいなかった




今回の報告書!

ココア「露ちゃん、道案内してくれてありがとう!」

露「いえいえ!今回は短めでしたがこれからバンバン依頼をこなしていきますよ!」

ココア「それでなんだけど露ちゃんって男の子?女の「それではまた次回!」あ!逃げた!!」
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