新学期が始まり学校があるせいで最近は依頼を受けにくくなり(まだ高校生のため深夜の活動ができないため)、依頼自体も皆忙しいのか最近はなかった
したがってメイドの仕事が少し増えたそんなある日の事務所でのこと
「今日も依頼ないな~」
事務所のポストにも、探偵用の携帯にも依頼はなくとりあえず事務所で待機することに
「これは今日もお嬢様のところかな」
とはいえ行くまでにはまだまだ時間があるのでソファに腰を下ろし、報告書を打っていく
「保登さんの案内、メイド代行、それから・・・」
カタカタカタ・・・とパソコンに文字を打っていく
このパソコンは自分の目標である父が使っていたものだ
「この間修理に出してよかったな、サクサク動くし」
そもそもこの事務所自体、元々は父が使っていたものだ、それを今は露が引き継ぐ形で使っている
「・・・」
少し手が止まる、最近依頼がなくここに一人でいるとどうしても父のことを思い出してしまう
ふぅ、と目頭を押さえて少し強めに瞳を閉じる
そうして瞳を閉るとさらに思い出すのは父との思い出
探偵としてこの街の平和を守っていた父、自分は助手なんだ!と言ってついていけるような依頼には着いていった
どうしてもダメだった時には昔馴染みであるというリゼの父の元に預けられていた
街の皆の為に働くそんな父が誇りだった
そうしていつだったか・・・『留守番を頼むぞ小さな助手』と言って優しい手で頭を撫でて事務所を出ていった父は帰ってこなかった
何日も帰ってこなくて、泣いて眠って、起きて泣いて泣いて泣いて・・・疲れきった頃、リゼの父が来てくれた
それから高校に入るまで屋敷で面倒をみてもらい、入学と共にここに帰ってきて、探偵になった
自分はまだ一人前じゃないのでちゃんとした報酬はもらえないから飲み物と食べ物をもらうという形で探偵を続けていた
リゼのお家にはこの事務所の維持等で恩があるので労働と共に仕え続け、そしてそれを続けてきた
子どもの遊びだと馬鹿にされても、やめなかった
いつかひょっこり、父が帰ってきても大丈夫なようにこの場所を守るために・・・「わ君・・・露君!!」
ッ!
「!?お父さん!!」
突然かけられた声に驚き、目を覚ました
「?、お父さん?、お父さんの夢でも見てたの?」
いつの間にか眠っていたようで、机の上のパソコンには書きかけの報告書が写っていた
「?、お父さん?、お父さんの夢でも見てたの?」
「あ、え?・・・宇治松さん?」
「えぇ、宇治松さんちの千夜よ」
そして露に声をかけたのはこの探偵事務所の常連である
「勝手に入らないでっていつも「今日はちゃんとチャイム鳴らしたわ」!」
「なのに出てこないから心配で・・・」
「あー・・・ごめんなさい」
「いいのよ、それより差し入れ持ってきたの。お茶にしない?」
そういう千夜の手には実家の喫茶店で作った栗羊羹がある
「!はい、是非」
・・・
千夜との付き合いは昔からの付き合いだ
父を探していた途中であんこを探していた千夜と出会い一緒にあんこを探したのがきっかけ
それ以来あんこの捜索の依頼やこうして差し入れを持ってきてくれている露にとってユラとは違った形の大切な友人だ
後もう一人昔馴染みがいるのだが…それはまた別のお話で
・・・
羊羮なら緑茶だろうと、千夜に以前貰った茶葉でお茶を淹れる
「どうぞ」
「どうも・・・うん、美味しいわ」
「さっきはごめんなさい、ちょっとその、夢見が悪くて」
「見れば分かるわ・・・お父さんの夢?」
「はい、お恥ずかしながら」
「そう・・・相変わらず連絡もなにもないの?」
「はい、いったいどこにいるのやらで・・・」
「そう・・・早くなにか分かるといいわね」
「ありがとうございます」
「あっ、そうだ依頼があるんだけど今いけるかしら?」
「そうでしたか、暇だったので大丈夫です!またあんこの捜索ですか?」
以前依頼された和風喫茶の看板兎ことあんこの捜索の依頼はこの千夜からだった
このあんこの捜索の依頼は昔から何度も受けているのでまたそれかと思ったのだが
「今回は違うの」
「そうなんですか、ならどんなご依頼ですか?」
「あのね・・・」
・・・そうして数日後、ラビットハウスにて
「というわけで、私と同じクラスの千夜ちゃんだよ」
「今日はよろしくね。でこちらが今回のパン作りのお手伝いを依頼した探偵の露君よ」
「どうも露君です」
「「露/さん!?」」
実は千夜と同じクラスだったココアが千夜を紹介し、千夜が露を紹介したところで紹介されたリゼとチノが驚く
「さて!それでは今回の宇治松千夜さんからのご依頼『パン作りのお手伝いをしてほしい』を始めさせていただきますね!」
露の口から語られた今回の千夜からの依頼、ココアの提案でラビットハウスの新メニュー作りでパン作りを行うこととなった、そしてそれに誘われた千夜だったが本人に体力の自信がないので助けて欲しい・・・という依頼
「なるほどそういうことか・・・露この展開いつから予想していた」
「宇治松さんからパン作りの話を聞いて・・・いえ、それより前に保登さんのご実家がベーカリーだと知った時くらいからでしょうか?」
「!?いつ知ったの!?」
「この間です」
「どうやって!?」
「企業秘密です」
「探偵みたい!!」
「探偵ですから!」
「ほら、そこ早く始めるぞー」
早速調理場へ移動、各々エプロンを着て準備万端・・・かと思いきや
「あれ?露ちゃんは着ないの?」
「今回私は宇治松さんのサポートなので、作業で危なそうなところがあれば手伝いますね」
いつも通りのカジュアルスーツで調理場の隅に立つ
「材料はあるから露ちゃんもやろうよ~」
「いえ、お仕事なので」
「露君も参加してって依頼にすればよかったかしら・・・」
「変なところで頑固だもんな」
昔からの知り合いである千夜とリゼは露がこうなると梃子でも動かないな・・・と思っていると
「あの、露さん・・・」
「香風さん?」
チノがおずおずと露に近づいた
「一緒にパン作り・・・してくれませんか?」ウルウル
「う゛ぐっ・・・」ズキィッ
「おぉ!チノちゃんの涙目おねだりが露ちゃんに突き刺さってる!」
「珍しい・・・」
「あいつが感情を乱す相手なんてユラ以外で始めてだ・・・」
「露さんとパン作りしたいです・・・」ウルウル
「ついこの間まで甘えるの苦手でしたよね・・・はぁ、これは保登さんの影響ですかね」
「いい影響だよね!」
「良くも悪くもな」
リゼの冷静なツッコミはさておき
「それで?露君どうするの?」
「そ、それは…」
「露さん…」ウルウル
「露ちゃん…」ウルウル
「う゛っ・・・はぁ…分かりました。少しだけなら」
「!エプロン持ってきます!!」
「ほらほら!帽子と上着はあっちに置いてこっちで手を洗うよー!」
一瞬で笑顔になって露の分のエプロンを取りに行くチノと露を引っ張り案内するココア
「あいつ年下に弱いのか」
「意外な弱点ね」
一部始終を見ていたリゼと千夜、二人は露の昔からの知り合いだが初対面だ
だからこそリゼは気になることを聞いた
「なぁ宇治松さんは「千夜でいいわよ」ありがと、千夜は露といつから知り合いなんだ?」
「んー…かれこれ小学生くらいの頃からの付き合いかしら」
「そっか、私と大体同じくらいなんだな。ならあいつの家のことは?」
「…ある程度は知ってるわ」
「!、ってことは今回の依頼も?」
「えぇ、最近お仕事がなかったみたいだったから」
「ありがとな、ウチに来てる時に黙って食えばいいのに」
「ってことは露君が昔から仕事してるって言ってた場所ってリゼちゃんのところなのね」
「あぁ、ウチでメイドをな」
「そのせいで露君はウチの従業員にはなってくれないのね…」
「あ、なんかごめん…」
「ううん、むしろリゼちゃんのお家が露君のことをずっと支えててくれてたのね。ありがとう」
「気にしないでくれ。それに雇ってるのは親父なんだし、私も家以外で露のこと気にかけてくれてるところがあって安心したよ」
「私もおばあちゃんがあの探偵に差し入れてやんな!って言ってくれるからできてるだけだから…だからリゼちゃん今日の報酬は…」
「分かってる、私からも渡す」
「ありがとう!」
などと二人が話していると、準備ができたのかエプロンを着て三角巾も着けた露がやってきた
「お待たせしました。早速始めましょうか!」
…
今日は新メニューの開発ということもあり、それぞれパンにいれたい食材を持ってきた
「あっ、ごめんなさい。私今なにも持ってないです」
「気にしないで!私が持ってきたの分けてあげる!」ココア→E焼きうどん
「家の冷蔵庫の食材でよければ」
チノ→Eいくら、鮭、納豆、ごま昆布
「食べる方のあんこもあるわよ~」
千夜→E自家製あずき…後梅と海苔
「…」
三人の持ってきたものを見てろくな食材がねぇ…と内心毒づいていたところに
「今日ってパン作りだよな?」
リゼ→Eジャム一式
「流石お嬢様!!けどそれ結構高いやつですからね!?一般家庭ではあんまないやつですからね!?」
「うぉ!?そ、そうだったのか?」
救世主リゼに歓喜する露だった
そんなこんなで皆で生地をコネコネ、これがそれなりに体力を使う作業なので
「ほら、宇治松さん一旦変わりますよ」
「い、いいわ!まだ、まだ、大丈、夫!!」
「いや息絶え絶えにそれ言われても…」
「まぁまぁ、健気ってやつだよ」
「んーけどこれじゃあ依頼の意味が…そうだ!」
なにを閃いたのか頑張って生地を捏ねる千夜の背後に回り肩に手を置く
「露さん?一体なにを?」
「これをこうします」
グッ、グッと千夜の肩を揉んでいく
「あ、気持ちいいわ」
「露のマッサージ効くもんな」
「なるほど、千夜ちゃんのダメージを即座に回復していく作戦だね!」
「作戦なんですかそれ?」
「チノも受けてみれば分かるさ」
この後ココアとチノもほぐした
「千夜の肩を捏ねるのはいいけどお前のはできたのか?」
「はい、できましたよ。そこにあります」
指差すトレーの先には…三角形にされた生地に海苔が巻かれたものが置いてあった
「これは…なんだ?」
「おにぎりです。最近お米食べてなくて」
「いや、それなら米食えよ…」
「中身は鮭です」
「!、私の食材を使ってくれたんですか!」
「チノちゃん良かったね!!」
「いやそこじゃないだろ!?」
何だかんだで出来上がった生地達をオーブンにIN、焼き上がりを待つ間に…
「はい!千夜ちゃんと露ちゃんにおもてなしのラテアートだよ!!」
かわいいうさぎがイラストされたラテアートを二人に振る舞うココア
「まあすてき!」
「今日のは会心の出来なんだ」
「味わっていただくわ「美味しかったです」あら早い」
「傑作が一瞬で!!?」
ラテアートを五秒ほど見つめてから一気に飲んだ
「コーヒー飲むの久し振りで、美味しかったです」
「なんで久し振りなの?露ちゃんコーヒー好きだよね?」
「それはしばらく依頼がなかったからですね」
「「?」」
「「「あっ」」」
首をかしげるココアとチノを他所にリゼと千夜の声が重なる
「?依頼がないとコーヒー飲めないの?」
「まぁそうなりますね」
「そういえばウチのブレンドが好きとおっしゃってくれてるのにあまり来てくれないのはなんでなんですか?」
「報酬を気分で決めてるのと最近は依頼がないからですね」
「露ちゃんコーヒー好きだよね?なんで依頼がないと飲めないの?」
「お金がないからですよ」
「?リゼさんのお家で働いているのでは?」
「働くというより私はあのお屋敷に仕えているので、生活に必要なお金以外はいただいてません」
「つまり貧乏ってこと?」
「まぁそうなりますね」
割りと失礼なことをバッサリ聞くココアとざっくり答える露
一同「…」
奇妙な沈黙が一同を包んだところで『チーン!』オーブンが焼き上がりを告げた
「あっ、焼き上がった!!早速食べよー!!」
「いい匂い、おにぎりパンはどうでしょうか?」
それを聞いて即座に切り替えてパンの方に向き直ったココアと露
「いやいやいや!!?待て待て!?」
「「?」」ハテ?
「二人して首かしげるな!?割りと重めの話してただろ!?」
同じリアクションをとる二人に怒涛のツッコミをかけるリゼ
「別に私が貧乏なの真実ですし」
「露ちゃんが気にしてないならそれでいいんじゃないかな?」
「そんなことより焼きたてパンが気になりますし」
「そうそう!この魅力には何事も勝てないよ!!」
あっけらかんと答える二人、皿にパンを盛っていく
「え、えぇー…」
「これは1本獲られたわね~」
「ココアさんがすごいのか露さんがすごいのか…」
「ほら!はやく食べよー!!」
「飲み物なににします?」
出来立てが冷めてしまっては勿体ないので早速実食
「おにぎりパン割りといけますよ」
「そうなの?一口ちょうだい!!」
「はい」
大口開けたココアの口にパンを差し出す
「!、外はカリカリにしたんだね!」
「食感の違いがいいでしょう?」
「な、なんか二人すごい仲良くなってないか?」
「波長が合うのかしら?」
「ココアさんずるいです…露さん私のもどうぞ」
差し出されたチノのパンを一口
「ん、いくらパンですか…!、おにぎりパンと合わせたら」
「!海鮮親子丼の完成だね!」
「パンですけどね」
和気あいあいと話す二人に…
「むー!!」ビシッバシッ
「あいたっ、なんで叩くのチノちゃん!?」
「もう!ココアさんはもうっ!」
「?香風さんどうしたんでしょうか?」
「自分のパンが会話の出汁に使われたのが腹立ったんだろ」
「チノちゃんも露君のこと好きなのねー、露君こっちのはどう?」
「あむっ、やっぱり甘兎のあんこは美味しいですね」
「ふふっ?ウチに来ればいつでも食べられるわよ?」
「非常に魅力的ですが私は探偵なので」
「(梅干しパンのネタに走らず王道のあんぱん進めた辺り千夜も妬いてるなこれは…)」
「?お嬢様どうかしましたか?」
「あっ、いや…ジャムパンも食えよ」
「むぐっ、おいしい」
「そっか」
「「(リゼさん/ちゃん、貴女もね/です)」」
賑やかな試食会でしたがいくら美味しくても大量に作ったパンを食べきるのは難しかったため、それぞれで持ち帰ることとなりました
「それじゃあまたバイトでな」
「パン作りでお世話になったお礼に今度はウチの店に招待するわ」
「お土産たくさんありがとうございます」
「うん!またね!、ほらチノちゃん!」
「わ!分かってます!、露さんこれを」
「?、これは?」
おずおずとチノから手渡されたのは魔法瓶
「中身はコーヒーだよ!さっきチノちゃんが淹れたの!」
「流石に今日中に飲まないと美味しくはありませんが…味は保証します」
「ありがとうございます。あの、でもこういうのは」
身の上を話したがあれは施しが欲しくて言ったわけではないと告げようとしたが
「これからは露さんが毎回報酬でラビットハウスのコーヒーが飲みたいと思えるコーヒーを作ります。だから時々試飲をお願いします。これはその第一段です」
「そういうことなら…ありがとうございます」
露が受け取りやすいように、理由をくれたのだろう…その心遣いを断れなかった
「それから私からはティッピーパンおまけであげちゃう!コーヒーと食べてね!」
「!、いいんですか?」
「うん、これも会心の出来だよ!!…このパンは私のワガママに付き合ってくれてお礼とそれからもっと仲良くなりたいからプレゼント!!」
「!」
「今日で露ちゃんと皆が昔からの付き合いで、とっても仲良しって分かったよ。
けど私も負けない、皆に負けないくらいにこれから露ちゃんと仲良しになってみせるよ!!だから受け取ってくれるかな?」
「!…ありがとう、ございます」
「うん!」
そうしてココアとチノと別れて三人は帰路に着く
「よかったな、露」
「は、はい」
「ふふふ、珍しく顔真っ赤。普段は探偵はポーカーフェイスでないとって言ってるのに」
「い、今は見ないでください」
施しや同情ではなく、露を想って仲良くなりたいという想いからのプレゼント、それがとっても嬉しくて
「エヘヘ…」ニコニコ
思わず笑みが溢れた
「「…」」
それを見て先ほどまで茶化していたが、なんだか面白くなくなってきたリゼと千夜
あの二人に下心がないのは分かってるし、そうしたくなった理由だってよく分かる…だけどなまじ付き合いが長いせいで自分たちはそれをしても最近は受け取ってくれなくなってきているのだ
私たちだってそう思ってるのに…私たちだってそのくらいいくらでもやってあげるのに!
「そうだ、エリアくん報酬の話なんだけど」
「今回は試食のパンでいいですよ。美味しかったですし」
「そんなのダメ!私の持ち帰るパンあげる…ってもうたくさん持ってるのね。!、それなら今日は家に泊まって?晩御飯ご馳走するから!」
先手をとる千夜!
「おおっと!?残念ながら今日は家に泊まり込みの予定だ!!ウチでユラのご飯を食べるんだ!」
負けじと雇い主という特権を使うリゼ!
「?どうしたんですか?二人とも?別にご飯なんていいですよ?」
「「…」」ジトッ
「?お二人とも?」
ジト目の二人に若干引きながら後退り
「露、最近…違う、何日食ってない?」
「!」ギクッ
「最近お仕事ないのは聞いてたけど、少し痩せたわよね」
「…」フイッ
二人の視線に耐えきれず視線をそらす
「お前のことだから無駄遣いはしてないと思うけど何かあったのか?」
「…パソコンが、壊れまして」
「修理に出したの?」
「…はい」
「結構かかったと?」
「…はい」
「それでしばらく依頼がなく?」
「食費削ったのね?」
「…はい、その通りです」
全く打ち合わせはしてないのに、示し合わせたように二人で露を責める…それは本来探偵の仕事だというのに
ここで露の収入について説明すると、まず探偵の仕事は現物支給なので収入はない…が露にとっては食い繋ぐためには必要なこと
リゼのお家にはあくまでも仕えている関係上収入はほとんどなく、一月なんとか生活できるレベルの給金しかもらっていない(本人曰く事務所の維持費出してもらってるだけありがたいのにこれ以上は…とのこと)
しかしこれらはあくまでも露の希望に基づいたものであり、後継人でもあるリゼの父からは生活が厳しくなったら正直に話すことを前提条件に通してもらっている…というわけで
「「はぁ…」」
「ふ、二人してため息つかなくても…」
「ため息もつきたくなる」
「これで怒るの何度目かしら?」
その通り、この件はリゼにも千夜にも何度か怒られていることなのだ
「で、でも「でももなにもないだろ」っ!」
「親父に伝えるからな」
「お婆ちゃんに伝えておくわね」
それはどうしても勘弁してほしいこと
「ま、待っ「「嫌なら今日は
二人の剣幕に従うしかない露
「はぁ…もう本気で家にこいよ」
「はぁ…うちの子になればいいのに」
おんなじことを呟くリゼと千夜…その頃のラビットハウスでも
「決めた!露ちゃんも私の妹にしてみせるよ!」
「そうしたら露さんは長男?長女?どちらでしょうか?」
おんなじようなことを話し合っていた
今回の報告書!
ココア「リゼちゃんと千夜ちゃんは昔からの露ちゃんと仲良しなんだね」
リゼ「そうだなチノはどうなんだっけ?」
チノ「おじいちゃんが亡くなる二年前からなので三年ほどでしょうか?」
千夜「(実はまだ一人いるんだけど…黙ってましょう)」
ココア「けどパン作りの時が二人は初対面だったんだよね?露ちゃんから紹介とかされなかったの?」
リゼ「和風喫茶店のお得意様ができたとは聞いてたけど千夜は?」
千夜「キュート&ナイスバディのお嬢様のメイドしてると聞いてたわ」
リゼ「!、あいつはぁ!!」