評価にも点数をつけてくださった方もありがとうございます!!
これからももっと頑張るのでよろしくお願いいたします!!
後自分承認欲求オバケなので感想はずっと待ってます!!よろしくお願いします!!
冷たいフローリングの上で横になっているままで露が目覚めた…それと同時にこれは夢だと理解する
昔からこの夢を何度も見ているのだから分かる
視界に映る部屋は物と写真があちこちに散らばっている部屋
そしてその部屋の中心にある机に座り、楽しげに話す女性がいる
しかし、その女性の向かい側には誰もいない、机の上にはすっかり冷めた料理が並べられていた
そして、女性がこちらを向いて言い放った
『あなたじゃない』
それと同時に視界が暗転し、身体は暗闇の中を落ちていく
…
「ッ!!…痛ッ…」
そんな夢見の悪い夢から今度こそ本当に目覚めると同時に痛みに顔をしかめ、右肩を抑える
「…そうか、雨」
窓の向こうから見える天気は大雨、雨の日はこうして古傷が痛む
それに加えて先ほどの夢、気が落ちるのも無理はない
「あれは一体…あ、時間が」
古傷が痛もうが、気分が落ちようが起きなくてはならないし、学校には行かなくてはならない
今日の気分的にズボン型の制服に着替え、左手に鞄を持ち、右手に傘を指し、気分と共に落ち込む姿勢で向かうは学校…その途中
「露!」
「桐間さん」
水溜まりを避けながらシャロがやって来た
「どうしたんですか」
「別になんでもないわよ…はい」スッ
「?」
なんでもないと言いながら傘の持ってない方の手を差し出すシャロ、当然なんのことか分からないので
「足りないかもしれませんが」チャリン♪
「なんでお金よ!?」パシンッ!
とりあえずポケットの中にあった小銭を渡したが違うようだ
「いや、募金でもしてるのかと」
「なんの募金よ!?」
「恵まれない桐間さんへの」
「アンタに言われたくなーい!」
…で
「なんの手なんですかそれは」
「傘か荷物貸しなさいよ…腕痛むんでしょ?」
「!よく分かりましたね」
「分かるわよ…何年の付き合いと思ってるの?」
「…そうですね」
そんな会話をする二人の脳裏に…ある日の記憶が甦る
あれは昔のこと
いつも通りあんこを探している時、突然降ってきた雨から逃れるために近くの公園の遊具で雨宿りしている時のことだった
「どうしよう…このままじゃお家に帰れない」
雷まで落ちそうな天気を見て不安なシャロ
千夜とは途中ではぐれてしまったのでそちらのことも心配だ
「千夜も大丈夫かな?ねぇ露…露?」
ここまで手を引いてくれた露に話かけるが返事がない、振り返り露の方を見ると
「ッ!…痛い…」
腕を抑えて痛みを必死に堪える露がいた
「露っ!!どうしたの!?痛いの!?」
「だい、丈夫、いつも、だから」
「い、いつも?こんなに痛そうなのに?」
額に汗が浮かべ、息も荒くなっていく姿に瞳に涙が浮かび始める
だって、大切でいつも助けてくれる友達がこんなに苦しんでるのになにもできないことが、辛かった
だからこそ
「露…ッ!!」ダッ!!
「!?シャロ!?」
シャロが遊具から飛び出す
露は慌てて雨宿りしていた遊具の少し前で雨に打たれながらそのシャロを止めたが、それでも走ろうとするのを必死で止める
「どこ、いくの!?」
「おばあちゃん呼んでくるの!それか私のママ!」
「でも、雨」
「でもだって、このままじゃ!露が…露がぁぁ!!!」
そのままついに泣き出したシャロ、それに対して露は腕は痛いわ雨に濡れるはそれでも慰めなくてはならないと四苦八苦
結局千夜のお父さんが迎えに来てくれて、シャロと露は揃って風邪をひく羽目になった
…そんな記憶と共に、もう一度シャロと向き合う
「もう昔ほど痛いわけじゃないですよ」
確かに痛むのは痛むが、昔ほどではない
ありがたい申し出を断ろうとしたが
「それでも、よ」
露の手から傘を取り、代わりに差す
「それこそ昔からやってることじゃない」
そう、あの日から雨の日はこうしてシャロが世話を焼いてくれるようになった
ある時はカイロを持ってきてくれたり、痛み止めをくれたり、痛む腕を抱き締めてくれたり…本当に昔から変わらない
こうなったら梃子でも動かない!と、言わんばかりのシャロを見て思わず顔を伏せ、ため息が溢れた…が
「…」ニッ
ため息を溢れて後の頬には笑みが浮かんでいた
「なら、ありがたくお願いしま…」
ガサッ、姿勢を正してお礼を言おうとした言葉を遮った音は露の頭から聞こえた
シャロ→身長151センチ「…」
露→身長170センチ「…」
※身長差から露が背筋を伸ばしたことで傘に頭を突っ込んだ
「…傘持つので鞄お願いしても」
「そのほうがいいわね…」
なんとも微妙な空気となってしまったが幼馴染み二人、仲良く登校することにした
…が、そんな二人の姿を見たお嬢様学校の皆は新たにシャロと露の関係について色めき立つのであった
…
帰りも送るから!とシャロは言ってくれていたが今日シャロは千夜とラビットハウスに向かうと聞いていたので断り、それでも来そうだったので強行手段として全力ダッシュで帰った
リゼは今日バイトなので屋敷にはいないが、それでも今日は依頼が入っていないのでメイド服に変身し、掃除をしていたのだが
「はい回収~」
「狩手さん!?」
本棚の埃を落としていたら、はたきをユラに盗られた
「リゼのお父さんから伝言、今日は休めって~」
「皆さん心配しすぎですよ」
この屋敷の皆は露のことを知っているので皆心配しているのだ
「来た時から右腕かばって動いてるんだからバレバレなんだよね~」
「!、私もまだまだですね」
「そういうこと、それでも働きたいなら依頼してもいい?」
「依頼ですか?」
「そ、友人としてお願いしたいところだけど流石にこの件に関しては正式に依頼しないとね」
「狩手さんがそこまで言うとは…依頼内容は?」
「それは…」
…
ザーザーと雨が降りしきる中
「…」ザッザッザッ
傘をさして露は歩く、向かう先はラビットハウス
ユラからの依頼は『リゼを迎えに行ってほしい』
『まぁリゼも傘は持ってるけどこの大雨だからそれだけじゃ不安だし、一応仕えてる立場の人間を迎えに行くわけだから友人の頼みごとじゃなダメでしょ~』
報酬は後で聞くから考えながら帰ってきて、と言われて傘と共に屋敷から追い出されたのだ
「(まぁ依頼として筋は通ってるし、この大雨の中で一人で帰らせるのも不安ですしね)」
慣れた道を進むと見えてきた見慣れたお店についた
いつものように店内のドアを開けて入店、そこにはいつものチノ達ではなく
「やぁいらっしゃい、露君」
「お久し振りですタカヒロさん」
チノの父、タカヒロが露を出迎えてくれた
傍らにはティッピーもいる
「バータイムに来るのも久しぶりです」
そのままカウンター席に座る。お客も今は少ないのだから少し位話してもいいだろう
ラビットハウスは昼は喫茶店だが、夜はバーに変わり、当然提供するのはコーヒーからお酒に変わるのだが露は以前ここに訪れていた
「そうだね、君がまだまだ小さい頃はよく晩御飯を食べにアイツと来ていた」
「…はい」
タカヒロの言うアイツ…父に連れられて露はこのバータイムのラビットハウスには訪れていた
「アイツから連絡は?」
「なにもありません」
「…そうか」
この口ぶりから分かるようにタカヒロと露の父は昔馴染みらしい
昔気になったので聞いてみたが「色々とあってね」とはぐらかされてしまったのでそれ以来聞いていない
「君があの屋敷の世話になってだいぶ経つ…どっちが君を引き取るかどうかでケンカになったがね」
「ははは…ありがとうございます」
タカヒロと露の主人でもあるリゼの父も昔の親友で、露の父も当然親友だ
朧気に覚えている父が二人と話している時はいつも楽しそうだったと記憶している
「それで今日はどうしたんだい?注文があるなら聞くが?」
「じゃあギムレットを」
「こらこら未成年だろう」
「後少しで飲めますし、それに前から探偵の仕事で飲ん「今のは聞かなかったことにしておこう」あっ、どうも」
「それで?本当の用事は?」
「お嬢様いますか?」
「あぁ、今はチノの部屋にいるよ。いくかい?」
「はい、迎えに来たので」
スタッ、席を立ってラビットハウスの住居スペースに進む
その露の背中を見て…
「少し見ない間に随分と似てきたと思わないか?なぁ親父」
コップを拭きながら語りかけるタカヒロ、その声に答える人はいないはずなのだが…
「全くじゃ、後を追ってるようじゃの」
いつかのダンディな声が答えた
「止める気はないんだろう」
「お前もな」
「止まらないだろうしな」
「分かっておるじゃないか」
アイツそっくりのあの子が俺達の制止を聞くわけがないんだよなぁ、珍しく酔ったリゼの父がこの店で愚痴ったこと
その時はからかい半分に答えていたが、こうして見ると間違いない
父に憧れて探偵となった露はいつか…
「…野暮な話はやめるか」
「じゃの、なるようになれじゃ」
結局のところ見守るしかないのだと、大人達は切り替えるのだった
…一方その頃露は
「あらお嬢様童心に帰られ過ぎでは?」
訪れたチノの部屋、そこにらチノとココアと件のリゼがいたわけなのだが…
「んなっ!?こ、これはジャンケンで負けただけだ!?」
なぜかチノの中学の制服に身を包んでいた
「いやでもあちこちパッツパ「それ以上言うなぁ!?」おっと」
余計な一言を言おうとした露に怒りのCQCを仕掛けたリゼを軽く回避して
「え?今日はお泊まりなんですか?」
「あぁ、さっきウチに連絡した時にユラからお前のことは聞いてたよ」
今日はこの大雨でラビットハウスの三人+遊びに来ていて今は風呂に入っている千夜とシャロでお泊まりとなったそうだ
「そうですか、それじゃあ私帰ります」
「えぇ!?露ちゃん!?」
「この大雨ですよ!?」
立ち上がって回れ右、ドアに向かって歩くところをココアとチノに止められる
「露ちゃんも泊まっていきなよ!」
「着替えもお貸し…できませんが父のならありますよ!」
当然露のことも誘ってくれる二人だが…
「もう知ってるでしょうが狩手さんにこのことを報告しなければ行けないので」
「そっか、お仕事だもんね」
「なら仕方ありませんが次は是非」
そう言って断る
露の仕事への頑固さを知っているのでこれほどれだけ誘っても乗ってこないと理解して諦めた
「それに皆さんのお邪魔はできませんよ。ではそういうことで」
そう言ってから今度こそ帰ろうと振り返った、その時
パシッ
「!、お嬢様?どうかなさいましたか?」
リゼがその手を掴んだ
「邪魔じゃないからな」
「え?」
「私たちはお前がいたって邪魔じゃない。むしろお前がいないと落ち着かないくらいなんだからな」
「!」
「この間は相変わらず何て言ったけどこれからはお前がそう言う度に私は邪魔じゃないって言い続けてやる。
今日は見逃すけど今度からはこういかないからな!」
パッと手が離された
「それじゃおやすみ」
「おやすみー!」
「おやすみなさい」
「…はい、おやすみなさい」
そうして傘をさしてもう一度すっかり暗くなった街を進む
露が去った後のチノの部屋では、
「リゼさんがあんなこと言うなんて意外です」
「そうか?…いや、そうかもな」
リゼはココアに視線を移す
「?私がどうかしたの?」
「千夜にシャロにユラ…それからなによりココア…ライバルが増えて私もウカウカしてられないってとこだよ。最近出し抜かれることも多いし」
「えぇ!?私!?」
「そうですね…私も頑張ります!!」
「そうだな、互いに頑張ろう!」
「チノちゃんまで!?っていうかライバルってなんの!?」
結託する二人に困惑するココア、リゼはそんなココアを見て
「(露の傍は心地がいいこと、それがココアにも分かる日が来るよ…けど)その時は負けないからな」
「宣戦布告された!?ますます何!?」
そう思ったけど、きっと言ったらココアは強敵になるから言わない
…
結局その後屋敷に戻り、ユラに今回のことを伝え依頼は無効となり、その日はユラの作ったご飯を食べて事務所に帰った。
それから数日して皆…露を除いたメンバーが温泉プールに行くこととなったらしくリゼが屋敷を留守にしていたある日のこと
「リゼは後輩連れてプールいったらしいけど露は行かないの?」
スッ、パサッ…ユラが露の手からトランプを抜き、数字の揃ったカードを捨てる
「それ分かってて聞いてるんですよね」
スッ、パサッ、今度は露がカードを抜き、捨てる
屋敷の仕事があらかた終わったので暇潰しに二人でババ抜きをしているのだ
もちろん二人なのですぐにカードが揃い、どんどん捨てていく
「だとしたら少々性格が悪いかと」
「別に~ただ気にしてるんだなと思っただけ」
続いてユラがカードを抜く…前に露の右肩を指差す
「見て気持ちのいいものじゃないでしょう」
ズイッ、早く引けと手札を前に出す
「それならそれで水着あるんだからそれ着ればいいのに」
「それでも、ですよ」
「なんか棘のある言い方、最近誰かに言われたの?」
「幼馴染みに少々」
「ふーん、噂のもう一組の幼馴染みね。この浮気者」
互いのカードはもう残り少なく、露の手札は2枚、ユラが3枚
スッ、パサッ、その露の手札からユラがカードを抜き…手札を捨てる
露、残り1枚、ユラ残り2枚
「誰が浮気者ですか」
この時点でジョーカーをユラが持っているのは確定なので慎重に選ぶ
「…私はリゼもだけど露のことも独り占めしたいと思ってるから」
ピタッ、カードを選んでいた露の手が止まる
「きっとみーんな思ってるよ。露ともっと一緒にいたいって…露がそれに気づいてないわけないよね」
「…なんでそんなに」
「それは露にたくさんもらってるからじゃないかな。少なくとも私とリゼはね」
出会った頃は自分の主人の知り合いの子だった…けどそんな子が自分が護衛として仕えていたリゼと自分を繋いでくれて、親同士の立場なんて忘れさせて自分達を幼馴染みにしてくれた
今でこそ照れもあってそのことを隠すかのように茶化してしまうけど…そのことにすごく感謝している
そしてここに住み始めて傷ついて弱っていたあの頃を知っているからいつだって心配してしまう…いなくなったあの時のことを思い出すから
中学の頃に露が自分と同じリゼに仕えるメイドとなった時はお揃いのようで嬉しかった、それは他の人にはないユラだけの特権だった
なのに高校に上がると屋敷を出て探偵になった。ここに帰ってくる時間は減ったし、時折露は弱るし…正直気が気じゃない
だけど、今も昔も自分が困ったら、頼ったら、絶対に力になってくれるそんな露のことが大好きだから
「そんなの独り占めしたいなと、思っちゃうのは無理なくない?」
おやつのように仲良くわけあうことはできないから、手に入れようと画策する
けどそのことで傷つけ合うのはほかでもない露が嫌がるから絶対にしないし、したくない
だから時折周りを出し抜いて少しだけ独り占めする
「けど最近はそんなの気にせずガンガン行く子が来たみたいだからね。私もリゼも焦って「私が」ん?」
ユラの言葉を遮るように閉じていた口を開く
「私がお嬢様や狩手さんになにかしたとしたら…だとしたらそれは探偵としてです」
スッ、止めた手を動かしてカード抜く
それはハートのA、手札のダイアのAと合わせて捨てる
「だからそのことに見返りなんていりません。報酬としてなにか一品ご馳走してくれるだけで十分です。ただ友人からの頼みとなれば多少のことなら無償で助ける…それだけのことですよ」
まだジョーカーを持ったままのユラを真っ直ぐに見つめて答える
「だから、独り占めとかやめてください。私はこの街の皆の探偵なんです」
露は縛られたくない、この街で生きる人全てのために…そんな父を見て育ったからそんな風に生きたいのだ
「私たちは露と仲良くしたいだけなのに、ひどいなぁ」
「なんとでもどうぞ、私がどれだけ探偵の仕事に執着してるかは知ってるでしょう?」
「まぁね、ただ…」
ユラは手元のカードを裏返し、口許に当てた
「私は露にならお腹の底まで見せてもいいって思ってるってことは…覚えおいてほしいな」
いつかのように恥ずかしがることなく本心を告げた
そこに描かれているジョーカーが怪しくこちらを見てほくそ笑んでいるように見えた
「さて、そろそろリゼが帰ってくるし夕飯の仕上げしないとね…トランプの片付けよろしく~」
「なっ…狩手さん!?」
「そろそろその名字呼びやめなよ。それここに仕えてから始めたけど違和感あるから」
「今そんな話は「これからはユラって呼ばないと返事しないから」えっ」
「頑固なのは仕事だけにしてね。それじゃ」
「あっ狩手さんっ!」
それから何度か名前を呼んだが本当に一度も振り返らずに歩いていった
仕方なくトランプを片付けている最中ずっと露の心にはなにか靄がかかっていたことは言うまでもない
今回の報告書!
リゼ「やはりというかお前今回結構本性出してきたな」
ユラ「リゼに言われたくないかも、それにあの金髪の子も結構攻めてるね」
リゼ「シャロの場合は昔のこともあったかららしいけどな、それに千夜は店主さんと手を組んで甘兎庵に引き込もうとしてるしチノは自覚はないけど露を姉みたいに甘えてるしココアとはなにか不思議な縁があるっぽいし…」
ユラ「ライバル多…これは激戦の予感するねぇ」
リゼ「負けないぞ」
ユラ「私だって」
待ってて次回!!