木組みの街の探偵さん   作:アユムーン

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メイド業 お嬢様の送迎→晩御飯用意

露が解決できなかったチノからの依頼をココアに託してからしばらく経ちました

 

もちろんその間に色々と依頼(失せ物探しやペット探しなど)がありました。

 

リゼ達も色々あったそうですが…それは割愛

 

「お待たせしましたお嬢様」

 

そして今日は執事の服でリゼの元に夕食の配膳を行う

 

ユラ特製の晩御飯はとても美味しそう…だが

 

「あ、ありがとう」

 

それを今から食べるリゼはどこか浮かない顔

 

「?どこか具合でも悪いのですか?」

 

「い、いや!?なんでもないぞ!?いただきます」

 

露に心配され、誤魔化すように慌てて食べ出したが…

 

「…」ジーッ

 

「な、なんだよ」

 

「いつもより食べるの遅いなと思いまして」

 

「うっ、じ、実はダイエット中「ウエスト変わってないのになんのご冗談ですか?」なんで分かるんだよ!?」

 

「探偵だからですよ…それよりお嬢様」

 

探偵であっても分かるわけがないということはさておき、今だけは主従関係を少しだけ捨てて手を後ろに組み、視線はギロリとリゼを睨む

 

「正直に仰ってください」

 

「うっ…か、仮にも仕えている相手にお前「私を雇っているのはあくまでもご主人様なので」うぐっ」

 

「無駄口叩くのはやめて早く答えてください…質問は既に拷問に変わっていますよ」

 

「ご、拷問!?なにするつも「ここで私のでばーん♪」ユラ!?いつの間に!?」ガシッ

 

リゼの背後にいつの間にか現れたユラがリゼを羽交い締めする

 

「追加の料理持ってきたら露が後ろ手でハンドサイン送ってたから~♪」

 

手を後ろ組んだのは、背後にいるユラの存在に向かってリゼにバレないようにサインを送るためだった

 

「ハンドサイン!?お前らいつの間にそんなものを!?」

 

「私と狩「露?」…ユラさんのハンドサインです…最近暇潰しに考えまして」

 

「即興だというのに見事な連携だっ!それでもはーなーせー!!!」ジタバタ

 

「おっとっとっ5分…3分ともたないから早めにお願い」

 

リゼの必死の抵抗になんとか耐えるユラ

 

「はい、準備完了」ガシッ

「んが!?」

 

どこからか取り出したビニール手袋を装着し、その手でリゼの頬を抑え、親指を口内に入れる

 

しっかり抑えられていて尚且つ指を入れられているため閉じることもできない

 

そしてそのままリゼの口内をジッと見る露

 

「あっ、あぅ…」カァァ

「うわっ、これなんてプレイ?」

 

羞恥によりどんどん赤面していくリゼに目もくれず露はなにかを探し…遂に

 

「あった、右上七番」

「!?」

「おっけ、予約とるね」バッ

 

その言葉と共にユラは拘束を解除し、スマホを取り出す

 

「お前ら何を「何時にする?」おい!」

「なるべく早い方がいいので明日のバイト後に」

「了解、迎えはどうする?」

「私が行きます。幸い依頼もありませんので」

「もしも入った時は私が行くね」

「よろしくお願いします」

 

淡々と交わされる二人の会話…それを聞いたリゼは今度を顔を青ざめる

 

「待て、予約ってまさか…」

 

「決まっているでしょう」

「決まってるよね」

 

しかしそんなリゼに容赦なく二人は宣告した

 

「「歯医者さん」」

「くっ!!」

「「虫歯」」

「ぐっ!!」

 

容赦ない口撃に口元を抑えて苦しむリゼ

 

そう、先ほど露が探していたのはリゼの虫歯になってしまった歯である

 

症状的に最近できた様子だが…

 

「どうせ歯医者さん怖いからすぐにいかなかったんだろうね」

「そうですね、全くもう高校生だというのに…」

「うぅ…そんなに言わなくても…」

 

リゼは歯医者さんが苦手なようだが…それでも二人は口撃の口を緩めない

 

「巨乳」

「ツンデレ」

「ミリタリー好き」

「実は可愛い物好き」

 

「ぐはぁっ!?…ってもう関係ない!?」

 

そうして容赦ない連続口撃与えてから…

 

「冗談はこのくらいにして、明日お迎えに行きますので…お覚悟を」ゴォォ

 

「ひぃぃ!!」ガタブル

 

「こうなった露はマジだね~」

 

逃げないように軽く脅しをかけておき…で翌日、ラビットハウス

 

「お嬢様~、少し早いですがお迎えに上がりましたよ」

 

昨日と変わらず執事の服装で来店した露だったが…

 

「あっ露ちゃん!いつものスーツとメイド服も似合ってるけど今日の格好も素敵だね!!それから聞いて!!2人が無理してるの!!」

 

ココアがリゼとチノに向かってなにやら説教していたようだったが、来店した露に向かってマシンガントークを放つ

 

「こんにちは保登さん、お褒めに預かりどうもあの服は全部気に入ってるものなので嬉しいです。それからお嬢様の無理は自業自得なのですが香風さんはなにかあったんですか?」

 

そのマシンガントークに一切怯むことなく答えた

 

「すごいです露さん」

 

「まぁ職業柄話を聞くことは多いので…それで?なにかあったんですか?」

 

「あのね!チノちゃんもリゼちゃんもお腹鳴らしながら虫歯の我慢とダイエットしてるんだよ!」

 

「へぇ…」ジトッ

「うっ」

 

「露ちゃんからも言ってあげて!リゼちゃんは痩せてるしチノちゃんは早く歯医者さんに行きなさいって!」

 

どうやらココアは勘違いしているようで、露はそれを一瞬で理解した

 

「なるほど、そういうことでしたか「リゼ先輩!」桐間さん」

 

勘違いを解こうと口を開いた露を遮って店にやってきたのはシャロ

 

どうやらリゼに手作りの低カロリーお菓子を持ってきたようだが…?

 

「保登さん、桐間さんになにか言いました?」

 

「うん。最近チノちゃんとリゼちゃんの様子がおかしいって相談して、そしたらチノちゃんが虫歯なんじゃないかって」

 

なにがきっかけかは分からないがチノとリゼの様子の変化に気づいたココアがシャロに相談して、チノ=虫歯ということに行き着いたようだ

 

「…ってことは宇治松さんにも?」

 

そうすると当然ココアと仲良しの千夜も浮かんできたので聞いてみる

 

「うん、もしかしたらリゼちゃんがダイエットしてるんじゃないかって」

 

「なるほどなるほど…はぁ…」

 

その相談の結果リゼ=ダイエットに行き着いたのだ

 

ため息を一つこぼしそして目の前で繰り広げられる

 

「貧乳ぽっちゃりは去りますー!」「なんだそれ!?」「待ってくださいシャロさんは太ってないです!!」…というてんやわんやなやり取りを見て

 

「ウチの幼馴染みがごめんなさい」

「なんで露ちゃんが謝るの!?」

 

とりあえずココアに謝ったのだった

 

 

騒ぐ一同をなんとか治め、全員座らせて露が説明する

 

「まず保登さん、貴女は昨日香風さんとお嬢様がパンの試食を行ってくれないことに違和感を覚え、宇治松さんと桐間さんに相談してそれぞれ虫歯とダイエットに悩んでいると判断したんですね?」

 

「うん!だから色々したんだけど…」

 

「その心は間違っていませんよ。続いて桐間さん、保登さんからの相談を受けてお嬢様の身を案じてお菓子を持ってきたと?」

 

「えぇ、先輩に無理してほしくなくて…」

 

「お嬢様に優しい心遣いをありがとうございます」

 

情報をまとめ、事実確認を行っていく姿を見て…

 

「露さん探偵みたいです」コソコソ

「いや、アイツ一応探偵だからな」コソコソ

 

コソコソ話をする2人

 

「保登さんと桐間さんの証言と私の情報を合わせて考えるに保登さんの考えは半分合ってますね」

 

「ほんとに!?」

 

「えぇ、ただお悩みは反対…違いますか?」

 

「っ…その通り、です…」

「そりゃあ隠せないよな」

 

「ちゃんと自分達のお口で言ってください?お二人に振り回された保登さん、桐間さん、私の前でさぁどうぞ?」ゴゴゴ

 

「私がダイエットしていました…」

「私は虫歯になりました…」

 

正直に話したダイエットをしていたチノと虫歯になってしまったリゼ

 

「えぇ!?逆だったの!?」

「そういうことだったのね」

 

その真実に驚くココアとシャロ

 

「お嬢様に関しては私も昨日気づいたばかりですが…香風さんがなぜダイエットを?」

 

ついこの間きちんと栄養をとると話ばかりだというのに…

 

「ごめんなさい…でもココアさんが私のことをふわふわふかふかだと…」

 

「ふわふわふかふか?」

 

「それココアがチノにハグする時によく言ってることだな」

 

「なるほど、それで自分が太ったと?」

 

「はい…」

 

「あれはそういう意味じゃ…!私のせいだぁー!!」

 

自分がチノの悩みの発端だと気付き悶絶するココアを余所に露は…

 

「…ふむ」

 

「?露さ「よっと」!!?」ヒョイッ

 

チノの前に進み、そのまま抱き上げる(お姫様抱っこで)

 

「あ、露さん!?」

 

「ほら、香風さんはこんなに軽いですよ」

 

チノを抱き上げたまま、くるりと一回転

 

「子ども扱いはやめてくださいっ」

 

「子ども扱いではなく女の子扱いですよ。そして女の子だからこそそんなこと言われたら気にしますよね。けど無理なダイエットで香風さんが倒れたりしたら悲しいです」

 

「露さん…」ドキドキ

 

見た目は完全に少女漫画のソレ、更に今までにないほどの露からのスキンシップ&甘い言葉にチノの胸が高鳴る

 

「今はとにかく栄養を沢山蓄える時期です。大丈夫、絶対に素敵な女性になれますよ。」

 

「なんでそんなこと分かるんですか?」

 

「だって…」

 

スッとチノの耳元に顔を近づけて囁く

 

「今ですら香風さんは可愛いですから…ね?」

 

「!!!」ズキューンッ!!

 

その言葉でチノは完全に射貫かれたようで、顔を真っ赤にしながら口許を抑える

 

「だからもうダイエットはしない、もしもするなら是非ウチに依頼する…約束してくれますね?」

 

「は、はい」

 

しれっと探偵業を宣伝しつつ、チノを下ろす

 

「はぅぅ…」フラフラァ

「チノちゃーん!?」

 

そのまま倒れてしまいそうになったチノをココアが支えたのを確認してからリゼに視線を移す

 

「さて、それじゃあお嬢様行きますか」

 

「お前そういうとこあるよな…」

 

「話そらさない、ほら早く着替えてきてください」

 

「分かったよ…行ってくる」

 

更衣室に向かったリゼを見送るとシャロがため息をつく

 

「はぁ…大騒ぎしたけど蓋を開けてみればこういうことだったのね」

 

「そういうことになりますね。お疲れ様です」

 

「でも今回は私の一言もきっかけの一つになったみたいだし、少し反省だわ」

 

「別に反省しなくても…あ、そうだこれから桐間さんも歯医者さんいきます?」

 

「?なんで私も?」

 

「後輩がいた方がお嬢様は逃げないと思うので」

 

「どういう理屈よ…そういえば今さらだけど露は本当にリゼ先輩のメイドなのよね」

 

この前に千夜から聞いたそうです

 

「兼執事でございますが」

 

「ぐっ、羨ましい…」

 

「?なんでですか?」

 

「シャロちゃんは前にリゼちゃんに危ないところを助けてもらったんだって」

 

ココアの説明で大体理解した

 

「もしかしてうさぎですか?」

 

「えぇ、あの時のリゼしぇんぱいは…本当に…えへへ…」

 

「ふーん…ならウチに就職します?」

 

「え?えぇ!?」

 

「ウチなら三食おやつつきですよ~」

 

「そ、それはつまりリゼ先輩とずっと一緒!?」

 

「ほぼほぼそうですね~」

 

「ぜ、是非…って違う!そんなの幸せすぎて耐えられない!!」

 

「そうですか」

 

「幸せも過剰にとっちゃいけないんだね~…あ、そうだ」

 

ちょっと待っててとココアも一度裏に引っ込み、なにかを持ってすぐに戻ってきた

 

「これこの間撮ったんだ。家に手紙と一緒に送ろうと思って」

 

それは写真で、そこに映っているのはラビットハウスの面々だけでなく甘兎庵やラパンでの皆の姿だった

 

「今度露ちゃんの写真も撮らせてね!」

 

「構いませんよ。それにしてもいい写真ばっかり…ん?」

 

そのうちの一枚を見て手が止まる

 

「?どうかしたの?」

 

「この写真は?」

 

「それは笑顔のチノちゃんの写真だよ!」

 

その写真には明らかに笑顔ではなく嘲笑の笑みを浮かべたチノだったが…これ見て露は確信する

 

「保登さん」

 

「なぁに?」

 

「貴女をお姉ちゃんって呼ぶ日はそんなに遠くないのかもしれませんね」

 

「え?」

 

「この調子でよろしくお願いします」

 

「ちょっと待って!この写真がチノちゃんの依頼と関わってるの!?」

 

「それは「おまたせー」さていきましょう」

 

リゼが戻ってきたので会話を切ってそのまま店を出ていく

 

「お、おい!先にいくなよ!」

「あっ先輩!待ってください!!」

 

それを追いかけるリゼとシャロと

 

「待ってよ露ちゃーん!」

「はぅぅ…」フラフラ

 

取り残されるココアとチノだった

 

…そうしてやってきた歯医者

 

リゼか治療中につき、受付で待つ二人

 

「そういえば露が虫歯になったとかって話はあんまり聞かないわね」

 

「んー、記憶の限りではないですね」

 

「でもまぁなりにくい体質ってのもあるみたいだからそうなのかもね」

 

毎日歯を磨いていても虫歯になったり、逆に疎かなのに虫歯にならなかったりと個人差がある…が

 

「あー、けど奥歯は差し歯ですよ。昔治療したみたいで」

 

「?そうなの?」

 

「はい、見ます?」

 

「いや見ないけど…なにかあったの?」

 

「ん?んー…あれ?なんでしたっけ?」

 

「覚えてないの?」

 

「んー…はい、あれ?そもそも何時そんな怪我したっけ?」

 

「覚えてないくらい昔ってことね」

 

「そういうことなんでしょうか?…でも、うーん…」

 

思い出せないことにモヤモヤしていると…

 

「た、ただいま」ゲッソリ

 

「おかえりなさいです先輩!」

「おかえりなさいませお嬢様」

 

「こ、これで終わりで大丈夫だそうだ…私はやりきった…ぞ…」

 

「はいはい、今日はユラさんはお休みですから明日にでもごちそうにしましょうね」

 

「それなら今日はお前のご飯が食べたい」

 

「!、ユラさんの方が美味しいでしょうに」

 

「たまにはいいだろ。今日私頑張ったんだし」

 

「…はぁ、帰り買い物付き合ってくださいね」

 

「あぁ!荷物持ちは任せろ!」

 

「あ、そうだ。桐間さんも来ます?」

 

「いいの!?」

 

「手伝ってくれると助かります」

 

「へぇシャロの手料理か、楽しみだな」

 

「はい!喜んで!!」

 

「それじゃあ帰りましょうか」

 

そうして三人は仲良くスーパーへと向かうのだった

 




今回の報告書!

ユラ「ふーん、私がお休みの日に限ってそんな楽しいことをしてたんだ」

露「お休みなんだから仕方ないじゃないですか。それにユラさんに悪いと思ってこうしておやつ用意してますし」

ユラ「おやつっていってもホットケーキじゃない」

露「嫌いですか?」

ユラ「混ぜて焼くだけじゃ「へぇーならこのハチミツはいりませんね?」!」→お屋敷にあった高そうなハチミツ

露「チョコソースにホイップクリーム、それに美味しい紅茶も用意したんですけどいりませんか?」

ユラ「うわぁ、カロリーエッグ」カタカタ

露「たまにはいいでしょう。今日はお嬢様もいませんし…昔みたいで」

ユラ「!、なつかしいね」

露「でしょう?」

この後めちゃくちゃホットケーキ焼いた
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