ドラッグオンドラグーン 終焉の角笛   作:Ruve

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宮殿への道は開かれた。

宮殿付近に帝国軍が集結している。
中立地帯を侵すものどもを斬り刻め!


第7節 隠された計画

 宮殿がある森の奥へ向かう為の道、レッドドラゴンからカイムと七支刀は飛び降りる。

 

「ここからはわたくしも戦います。一緒に……」

 

 七支刀の言葉を無視し、カイムは眼前に迫る敵兵の元へと走り出す。慌てて七支刀も追うように走り出した。

 剣を持った軽装の兵士は、ドラゴンを迎え撃つ為に大量に配置された弓兵を守るように展開し、カイムと七支刀を待つ。

 道は余り広くないため、大量の矢を躱しきることが出来ないと判断したため、カイム達が降りて直接排除することにしたのだ。

 剣を構えているだけで、接近はしてこない。突撃すれば各個撃破されると理解しているのか、陣形を組んだままだ。それを確認したカイムは剣戟をする距離に飛び込む前に、大量の炎を左手から発射する。

 

「カイム様は魔法も使えるのですね」

「契約者であるからな。我の炎を分け与えたようなモノだ」

 

 炎は兵士達を追い、触れると同時に焼き尽くす。剣を抜き全力で走ってくれば剣で戦うのだろうと思っていた兵士達は避けることも出来ず次々と死体へと変わる。

 守りがいなくなった弓兵は、ドラゴンを警戒するために何人かはそのまま狙い続け、それ以外はカイムへとボウガンを向ける。

 七支刀が背後から飛び出し、神器七支刀の力を一部解放する。七支刀の背丈より大きくなった七支刀を勢いよく降る。刃が直接触れることはなかったが、生み出された風のエネルギーが矢を落とす。

 その瞬間を見極めたカイムは弓兵達の懐に潜り込み一突きで一人殺し、それを盾にして残りの弓兵を次々と殺し続ける。

 弓兵を排除したカイムは改めて、レッドドラゴンに飛び乗る。

 更に前方に進むと、また剣を持った兵士の部隊。

 

「投石機が見えるな。何を狙っている?」

 

 兵士達の奥に、巨大な投石機とそれを運用する部隊が見える。

 しかし、まずは目の前の部隊だ。赤い鎧を来た兵の混ざった部隊だが、幸いこちらを狙う手段はないようで、少し遅れてきた七支刀を狙おうとする。

 レッドドラゴンは大魔法を発動し、一掃しようとする。炎を撒き散らしながら、空からも火の玉が大量に降り注ぐ。ドラゴンの炎は容赦なく部隊を崩壊させる……筈だった。

 赤い鎧を来た兵士達だけは、ドラゴンの大魔法をしのぎ切ったのだ。

 

「あの鎧、対魔術用に強化されているな」

 

 鎧のお陰で攻撃に耐えきった部隊だが、炎によって視界が塞がれるのはどうしよもなかった。

 視界が開いた瞬間に映ったのは、神器七支刀を振りかぶろうとする七支刀の姿。赤い鎧の兵は、まとめて両断された。

 

 投石機部隊を壊滅させるために進もうとするカイム達の耳に、角笛の音が聞こえる。

 直後、レッドドラゴンの隣を巨大なエネルギー弾が通り過ぎ、投石機に直撃。それはとてつもない威力の爆風を生み出し、投石機の周りにいた部隊ごと消滅させた。

 

「今の音色、ギャラルホルンか」

 

 攻撃を届かせるだけの距離まで来ていたギャラルを、カイム達は待った。

 余り時間はかかることもなく、ギャラルが到達する。

 

「先程の技は凄かったです!ギャラルホルン様」

「ええ、これがギャラルホルンの力よ。にひひ」

 

 褒められたギャラルは、子供のような無邪気な顔で素直に笑う。しかしすぐに切り替える。

 改めて宮殿へ向かうカイム達。しかし、進めど進めど帝国兵は現れる。赤い鎧の兵をカイムが切り刻み、弓兵はギャラルが同じく遠距離から魔弾で、七支刀は二人のサポートしつつ、厄介な敵がいなくなればレッドドラゴンの炎により蹴散らす。高い連携により次々と屠っていく。

 そして、"天使の教会"の宮殿がついに姿を見せた。

 

「……この廃墟が”宮殿”だとすれば、奴らは何をもってして

”帝国”と呼ぶつもりだ?」

 

 その宮殿を見たレッドドラゴンは呟く。宮殿と言うには余りにもボロボロになったソレの周りに、ここまでの道で一番の数の帝国兵が集まっていた。

 

「これが”宮殿”なら、あばら屋は”城”と呼べるな」

 

 レッドドラゴンの皮肉を合図にするように、双方動き出した。宮殿の立つ空間の外周を囲むように並んだ弓兵が、レッドドラゴンやカイム達を迎撃するように次々と矢を放つ。

 近接武器を持たず、魔法をメインとした戦い方のギャラルを倒すために赤い鎧の兵士がそちらへ向かい走り出し、七支刀は護衛の為にギャラルの側に立つ。七支刀が赤い鎧の兵と戦っている間に、魔力弾で弓兵へと反撃を仕掛ける。

 剣戟と魔法を使い分けられるカイムは、遊撃に走る。ギャラルだけで倒しきれていない弓兵の元へ走り出し、ついでで道中にいる兵士も次々と斬り捨てていく。

 

「コノ場所ニ入ルモノは全テ死ネ!死ぬがヨイ!」

「奴らに恐怖の感情はないのか?」

 

 どれだけ目の前で斬り捨てられ、焼かれ、吹き飛ばされようとも、威勢よく向かってくる帝国兵を見てレッドドラゴンは呟く。

 カイムとギャラルによって弓兵は全滅し、七支刀によって赤い鎧の兵士も迎撃される。それを確認したカイムはレッドドラゴンに飛び乗る。

 残りの敵を焼き尽くす為に大魔法を発動させる。宮殿には直撃しないように火の玉を次々と落としていく。避けるすべも逃げ場もない帝国兵達は火の海に飲み込まれていく。

 全滅したかに思われた帝国兵だったが、宮殿の前に新たな帝国兵が出現した。

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