神官長と連合軍兵士を救うため、帝国の塵共を蹴散らして進め!
七支刀は、帝国兵が相手でも殺すことに抵抗を感じていた。世界中の人々を幸せに暮らせる平和な世界を目指すからこそ、帝国の人間も救える限りは救いたいのだ。
しかし、帝国兵は容赦なく侵略する。エルフの里にいた時も非戦闘員でさえ襲われているのを目撃していて、しかも封印解くという危険な目的を持っているのなら止めるしかない。
それでも殺したくない気持ちはあるのだが、"明確な目標もなく、ただ世界平和を願っている"だけでは誰も救えない、自分は戦う為の剣を持っているのだから戦うしかないのだ。
空からはレッドドラゴンとギャラルが降りてくる気配はない。捕虜収容所らしき場所を見つけたが、余りにも帝国兵が多い。一人で突撃するべきか悩むが、何処かへと連れて行かれたエルフ達のことを考え進むことにした。考えているだけ、救える人が減るのだ。
神器七支刀の力を解放し、巨大化した七支刀を持ち捕虜収容所へ走り出す。空を警戒しこちらを見ていない者は多かったものの、無警戒ということはなかった。
視界が悪く、正確に帝国兵の数や編成を特定できない。しかし帝国兵は神器七支刀が目立つお陰で位置を把握している。剣と盾を持った軽装兵が次々と接近してくるが、キル姫特有の腕力と巨大な質量を持つ神器七支刀の薙ぎ払いを防ぎ切れず、次々と倒されていく。
視界が悪い戦場だからか、弓兵は余り居ない。こちらに攻撃を仕掛けてこないのなら見逃してもよいのだが、救出するのに邪魔になるだろう。
……そうでなくとも、あのカイムは間違いなく皆殺しにする。自分が殺すか、カイムが殺すかの違いしかない。
七支刀は残った弓兵を、せめて楽に死なせるために探しに向かう。
捕虜収容所の看守、重装の兵士が3人が騒ぎに気が付き飛び出してくる。死体、死体、死体。連合軍の襲撃により全滅させられたのだろうかと考え周囲を見渡すと、何かが見える。
月光に照らされた、巨大な剣が見える。七支刀の独特なシルエットもあり、そちらに敵がいるのだろうと走り出す。
看守達は、七支刀に釘付けになった直後にギャラルが捕虜収容所に侵入したことには気がつけなかったが。
七支刀に迂闊にも接近した看守達は、突如足が鈍くなる。砂に足を取られたのとは違う、それが罠だと理解したときにはもう遅かった。
「今です、カイム様!」
七支刀が唱えた呪術により、まともに動きの取れなくなった看守達は神器七支刀を持つカイムの姿を見る。
カイムはキラーズに適合する力はないが、ただ純粋に高い質量を持つそれを軽く振り、看守達の首を吹き飛ばした。
明らかに死んだであろうそれらに近づくと、神器七支刀を放り投げ、愛用の"カイムの剣"で串刺しにしていく。その時のカイムの表情は、快楽に染まっていた。